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2006年02月14日

ミーニングフルな映画

いやほんとに、字幕のついてない映画を見て一所懸命に感想もどきを書いたりするってのは、傍目には滑稽極まりないものなんだと思う。馬鹿みたいだからいい加減止めようとは思うのだが、先日予告してしまったのでこれだけは記録しておこう。Padam Onnu : Oru Vilapam [Lesson One : A Wail] (Malayalam - 2003) Dir. TV Chandran。 いつものようにVCDしかないのだけれど、どん詰まりの最後のシーンまで説明してくれる詳細なレビューが見つかったので、わりと条件は良かったかも。

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マラバールのムスリム社会で現在も頻繁に行われている幼女婚の問題に真正面から取り組んだ社会派映画(ムスリム保守派からの抗議も受けた)。傑作とは言えないにせよ、見る価値のある良作。これに比べればプリヤンの Kilichundan Mambazham (Malayalam - 2003) が、いかにも絵空事でお気楽な観光映画かということがわかる。しかし、この手の映画で困るのは、真摯なメッセージが先に立って、トリビアルな部分での突っ込みを許さない雰囲気が醸成されかねないところだ。さらに言ってしまえば、アートフィルム好きがよく用いる「ミーニングフル」という形容詞は、ひどく表層的なものに終わる危うさを孕んではいないだろうか。こういったミーニングフルな作品のメッセージは、多くの場合、結局制作者が意図したミーニングを超えることがないからだ(それに対してズルムケ娯楽映画には制作者の意図をはるかに超えた部分でもとんでもない深淵が顔を覗かせることがあるから好きだ)。

トリビアルな突っ込み&気がついた点
■国家映画賞を受賞したミーラ・ジャスミンが演じるヒロインは14歳。うぬぬ、確かにミーラちゃんはベビーフェイスではあるけれど、やっぱちょっと無理がないか? 本来のメッセージは、思春期に入ったばかりの少女を勉学から引き離して父親ほどの歳の男の第2・第3夫人にしてしまう慣行への糾弾なのだが、見てる内にこんなに熟れ熟れ食べ頃の女の子にまともな性教育を施さないのはどうかしてるわい、と見当違いの義憤にかられてしまったりするのである。
■本作と Kilichundan Mambazham、全く性格の異なる両作で唯一共通するシーン。
しかもシチュエーションまで同じ。夫と同衾することを拒み続け、気の触れたような行いを繰り返す新妻にお祓いを受けさせている。もっとも KM の方ではヒンドゥー、PO:OV ではムスリムの祈祷師ではあるが。
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本作の主演女優はクリスチャン、監督はヒンドゥー、しかしプロデューサー兼ストーリーライターはムスリム。この辺り、本作がコミュナルな緊張を誘発しないために図られた絶妙なバランスなのかもしれない。プロデューサー Aryadan Shaukath はケララ会議派の重鎮の息子、ミーラちゃんとの間でしょうもないゴシップを書き立てられたりもしたらしいが、そして「国際的な名声のために自らのコミュニティを批判して晒しものにするのか」などという非難を浴びたりもしたが、元気にマーピラ社会問題映画に取り組み続けているようだ。次に公開されたのは Daivanamathil (Malayalam - 2005) Dir. Jayaraj。これも機会があれば見てみたいもんです。

投稿者 Periplo : 01:48 : カテゴリー バブルねたkerala

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