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2006年03月23日

マ映画残酷物語

皆が大好きなツインタワーのお話。IMDb の調べではラジニカーントとカマルハーサンの共演作は15本。そしてそのほとんどが1970年代のもの。それに対してマンムーティとモーハンラールの共演作は53本。もちろん片方がゲスト出演のチョイ役というものが多いのだろうが尋常じゃない数だ。こちらはそのうちの実に50本が1980年代のもの。

残りは
1.No: 20 Madras Mail (Malayalam - 1990) Dir. Joshi
2.Harikrishnans (Malayalam - 1998) Dir. Fazil
3.Narashimham (Malayalam - 2000) Dir. Shaji Kailas
の3本。

今回とりあげるのは1998年の Harikrishnans。実質的に90年代唯一の共演作と言っていいかも。そして(裏は取れていないが)おそらく唯一と思われる、両巨頭が対等な位置づけで共演した(*1)希有な一本。こんな芸当できるのはやっぱり‘唯一のスター監督’といわれるファーシル(*2) しかいない。 ともかく、台詞の長さから、悪役をボカスカやる回数、とっかえひっかえする特攻服の配色までキッチリ均等配分した左右対称映画(*3) 。タイムキーパーや編集といった裏方さん達はさぞや神経をすり減らしただろうね。そうはいってもオーナム公開のファミリー客向けだからどこまでも平行線の並行映画じゃ困る。仕方がないからラストでヒロインにガラガラポンの籤引きをさせて、両巨頭がそれぞれ大当たりを引き当てる2バージョンを作ってバラまいた(*4)ということで随分話題になった(御両人とも外れでポケットティッシュもらって引き下がるバージョンがさらにあるというも)。

そんなんだから、もとより芸術的なタッチだの統一感のあるドラマトゥルギーだのを期待する方が無い物ねだりってもんだ。祝祭感と遊びゴゴロに溢れて徹底徹尾クダらないお巫山戯でしかもツインタワー、この贅沢をこそ味わうべきなんだ。若干薹がたってるとはいえボリウッドから綺麗どころも連れて来たし。だもんで、初心者の人には全くお勧めできない代物だけれど、密かにお気に入りだったのだ。

*1)ほぼ同時期にキャリアをスタートしたにもかかわらず、スターダムに登るのはマンムーティの方が若干早かったようだ。そのため80年代前半の共演作ではモーハンラールが悪役で登場するものも珍しくない。そして80年代後半に入ってからも、どうもラルさんは分の悪い役をやらされているきらいがあるのだ(もちろん全作を確認した訳ではないが)。この時代のツインタワーはIVシャシ+シーマ夫妻とともに Casino という制作プロダクションの共同経営者であったのだが、同社が空中分解してしまった原因もこのへんにあるのかもしれない(表向きは各メンバーの多忙が理由)、単なる憶測だけどね。
*2) Says Joshiy, director, "Fazil is the only star among us. Even if he does not make a movie for five years, he is still a star director. (The Hindu 記事 His experiments with cinema より) なお、この記事中には監督デビュー前のファーシルがセミプロ物真似芸人だったという衝撃の告白がある。
*3) クレジット序列の問題をどう解決したか。
for PRANAVAMS INTERNATIONAL / MOHANLAL Presents / MAMMOOTTY in / FAZIL's / HARIKRISHNANS と切り抜けた。PRANAVAMS はモーハンラール自前の制作プロダクション、本作のプロデューサーは妻のスチトラとなっている。またモーハンラールはこの映画の収益から、カンヌ行き芸術映画 Vaanaprastham (Malayalam - 1999) Dir. Shaji N Karun の資金を捻出したというもある。
*4)ファーシルの客を嘗めきったマーケティングとして語られることが多いが、モーハンラールもまたこの複数バージョンのプリント流通にプロデューサーとして関与していたとことを窺わせる記事もある。

この作品、購買層が通常の2倍は想定できるにもかかわらず、これまでは SURYA の字幕無しDVDしか存在してなかった。最近になって Saina から英語字幕付きバージョンが出ていることを知る。

cvHariSurya.jpgcvHariSaina.jpg
左が SURYA 版、右が Saina 版。

一般論としては Saina はマ映画ディスク業界中では一番クオリティの高い商品を世に送り出している(まあ、えらく低レベルの争いではあるが)。莫迦映画とはいえ、ストーリーの細かい部分を知りたくて堪らなかったのだ。色々問題があるけど唯一これを扱ってそうな通販会社にサイナ版限定と念を押して注文。程なく届いた品物はこちらの指定通りでカバーにもEnglish Subtitles と大書されている。これで第一関門はクリア。しかしまだ油断はできない。英語字幕付きと明記された Saina 版カバーのなかに字幕無し SURYA 版ディスクが入っていたという信じられない事例が過去にあったから。一体どういう流通過程を経るとそういうことが起きるのか?

discHariSurya.jpgdiscHariSaina.jpg
左が SURYA 版のいかにもヤル気がなさそーなディスク、右が Saina 版。ちゃんと右の柄付きディスクが入っていて一安心。ワクワクして再生機に放り込んで待つことしばし。えっ…?黄金のディスクが木っ端微塵になる不吉なロゴが現れて…(←分かる人には分かる)。データ内容は SURYA の旧版ですた。_| ̄|○

もう、ぎゃふん、としか言いようがない。それにしても、あたしゃスーリヤとジョーティカの関係なんてどーでもいいと思ってるけど、切に知りたい、スーリヤ君とサイナちゃんの関係を!!!

こんな癒され画像を見て気を鎮めようともしたのだが。

追記:両巨頭初共演作は Oothikachiya Ponnu (Malayalam - 1981) Dir. PK Jopseph(ネット上の証言)。恐ろしいことにこのディスクは入手可能。そのうち見よう。

投稿者 Periplo : 09:00 : カテゴリー バブルねたkerala

コメント

Fazil, had been well known for his vibrant acting abilities that he exhibited while demonstrating the scenes for the actors in his films. Earlier an intercollegiate star and mimicry performer, he has also played a role in his super hit Nokketha Doorathu Kannum Nattu.

Fazil was supposed to act in Hari Krishnan's but later the role was played by Rajeev Menon.
http://movies.indiainfo.com/southern-spice/malayalam/pk-210306.html

投稿者 Periplo : 2006年04月01日 02:54

不思議なイメージを見つけてしまった。なんなんじゃこりゃ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Harikrishnans

投稿者 Periplo [TypeKey Profile Page] : 2008年10月13日 05:21

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