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2009年03月31日

ディスク情報0903

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積み残しはいっぱいあるものの、やれるとこから潰していこう。

Innathe Chintha Vishayam [Innathe Chinthavishayam] (Malayalam - 2008) Dir. Sathyan Antikkad
Cast : Mohanlal, Meera Jasmine, Sukanya, Mohini, Muthumani, Mukesh, Vijayaraghavan, Asokan, Innocent, Mamukoya, Baby Nivedhitha, Guruvayoor Sivaji, Siddique, Babu Namboothiri , Anoop Chandran

Mizhikal Sakshi (Malayalam - 2008) Dir. Ashok R Nath
Cast : Sukumari, Jagathy Sreekumar, Manoj K Jayan, Nedumudi Venu, Saikumar, Kochupreman, Vineeth, Mohanlal

後者は未入手。スクマリが主役の社会派映画、ラルさんはスクマリさんの息子役でちょこっと出てくるらしい。いうなれば客寄せパンダだわな。志の高い地味映画を商業上映に漕ぎ着けさせ、さらにはDVDにまでしてしまう、客寄せパンダは大スターの証。

Sukanya01.jpg前者は観賞済み。はあ~、また困った映画だわ。色々な行き違いから別居状態になってしまった3組の夫婦を、ラルさんがキューピット役になって再び結びつける、というやつなんだけどさ。いまどきTVソープでもやらないだろ、ってくらいの凡庸極まりないストーリー運び。田舎の人情噺の巨匠サティヤン・アンティッカードはもう駄目になってしまったのか。

まあ、しいて良かったことをあげるならば、昔プリヤンの Chandralekha (Malayalam - 1997) Dir. Priyadarshan で大人しいセカンドヒロインをやっていたスガニャーさん(左写真)が、「大成」してたってことかな。あえて本作でのイメージは掲載しないでおこう。いんや、是非ホラー映画に出て欲しい。

それからミーラちゃん(明らかに客寄せパンダ)とラルさんがいちゃいちゃ踊る屋外シーンなどのロケ地が、このレビューによればタミルナードゥ州テーニ郡のカンバン溪谷だって話だ。なかなかに緑の濃い景観でよろしかったどす。

投稿者 Periplo : 00:35 : カテゴリー Mohanlal Discography
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2009年03月26日

名前も確定

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先日のシンドゥちゃんショックからまだ醒めやらず。しかしまたしてもシンドゥちゃんの出演作を確認してしまった。

Ore Kadal [The Sea Within] (Malayalam - 2007) Dir. Shyamaprasad
Cast : Mammootty, Meera Jasmine, Narain, Ramya Krishnan, Niyas, Sindhu, Jain Pallathittu, Reshmi

これ、一年近く前に観てたんだよね(汗)。上にリンクしたオフィシャルサイトにも、その他のネット上レビューにも一切シンドゥちゃんの名前は見えないけど、本作エンディングロールにハッキリと Supporting Players として Sindhu の名前。

シンドゥちゃんの役柄は、ヒロインであるミーラ・ジャスミンの家の隣に住む妊娠中の婦人。家計が苦しくて度々ミーラちゃんのとこに塩だの砂糖だのを無心に来る、というキャラ。

こないだの Rock ‘n’ Roll とは違ってセリフも豊富、全部で5分はある! なのになんですぐに気づかなかったかというと、あまりといえばあんまりな薄化粧のせい。

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もうあの田舎娘のシンドゥちゃんは帰ってこないのか(泣)。ともかくも、Mazha のシンドゥちゃんはマラヤーラムで細々と活動を続けていて、芸名は一語名前の Sindhu だということが確定。フィルモグラフィーは、1.Mazha (Malayalam- 2000) Lenin Rajendran 2.Swayamvarapanthal (Malayalam - 2000) Dir. Harikumar 3.Rock ‘n’ Roll (Malayalam - 2007) Dir. Ranjith 4.Ore Kadal (Malayalam - 2007) Dir. Shyamaprasad の4本のみ。2000年と2007年のものしか見つかっていない。この間の6年間に何があったのか。ストーカー街道まっしぐらの予感じゃ。

投稿者 Periplo : 03:02 : カテゴリー バブルねたkerala
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2009年03月21日

選り好みはいけません

しばらく前にDVD発売の告知だけはしてあった Rock ‘n’ Roll (Malayalam - 2007) Dir. Ranjith をやっと検品。

Rock ‘n’ Roll [Rock n’ Roll] (Malayalam - 2007) Dir. Ranjith
Cast:Mohanlal, Lakshmi Lai, Shweta Menon, Siddique, Rahman, Mukesh, Lal, Harishree Ashokan, Rohini, Sindhu, Jagadeesh, Augustine, Lal Jose, Anoop Menon, Jagathi Sreekumar, Sooraj Venjaramoodu, Manoj K Jayan

うーん、困った映画だ。ストーリーはないに等しい薄々。マ映画音楽録音のために久々にチェンナイにやって来た、遊び人でカリスマ・ドラマーのラルさんが、そこで出会った新進女性歌手にベタ惚れしてあれやこれやの珍騒動を巻き起こす、というもの。

タイトルに騙されるが、作中でやってるのはロックじゃない、演歌だ。椰子國ではこれもロックとみなされてるのか。しかし演歌と心得た上でも、まともな社会人やってる日本人の何人がこのソングシーンを最後まで見通すことができるか。

唯一ロックしてたのは健気なシュウェちゃんだけかも。ごっつい肩を惜しげもなく晒したダンスマスター役。ただしバックダンサーの方が明らかに上手い。

rocknshweta01.jpgrocknshweta02.jpg

だけどシュウェちゃん、必ずしもヒロインでないとはいえ、最近やたらとラルさん映画で見かけるな。もしかして密かにラルさんのお気に入りなんだろか。

ヒロインのラクシュミー・ラーイちゃんは長身ですーっとした顔の現代っ子だと思ってたけど、腰がどーんと横に張り出して古典的な印度美人の体型だってことがわかった。なかなかよろしいではないか。

ラルさんに関しちゃどう言っていいもんか。ともかく音楽家役の中でもドラマーってのは(ピアニストなんかと比べて)吹き替えがしにくいジャンルだと思うのだが、やっぱいっちゃん格好ええパートだからラルさんにやらせなきゃ収まんなかったのかねえ。ドラムを叩いてるのに全然力が入っていない感じがしていただけない。2000年を過ぎた頃から横方向への大型化が一段と進んだなという印象を持っていたのだが、ここに来て固太りというか、巌のような巨体になってもう元には戻れないって感じが強まった。なんだか普通にしててもちょっと苦しそうに見えてしまうのだが。加齢以上に体型がかなり役の幅を狭めてしまうのではないかな。

それからThirakkatha (Malayalam - 2008) Dir. Ranjith で若い頃のラルさんそっくりのメイク&髪型で登場してきて度肝を抜いた(しかし流通しているレビューでそう言及しているものにはお目にかかったことが無い、何かタブーがあるのか?)アヌープ・メーノーンがここではラルさんとツーショットしてる!!!

rocknbros01.jpg

さすがにこうやって並ぶと、同じ顔ではない。でも従兄弟ぐらいには見える。

なんだか顔と体型の話ばっかだな。しかし本作のインパクトはそんなところにあるのではない。な、な、なんと!!!

あのシンドゥちゃんが出演してんだよ。

rocknsindhu01.jpgrocknsindhu02.jpg
rocknsindhu03.jpgrocknsindhu04.jpg

相変わらず撫肩のスレンダー体型、だけど今回はシッディク(左上写真)のヨメという役柄だからか、熟女風の若干濃い目のメイク。残念ながら台詞は数行のみ(あなた、ご飯よetc.)。画面に映ってる時間も全編で5分あるかないかというくらい。それと、本作にはオープニングにもエンディングにも出演者の名前の表示がないから、結局シンドゥちゃんというのも仮称に過ぎないのだが。

ともかく、2007年になってもマラヤーラムのシンドゥちゃんはマラヤーラムで細々と活動しているということがわかった。これは大収穫、やっぱ選り好みしないで何でも見てるとイイことあるね。

にしても…。

べらぼうめ、どうしてこの子とシンドゥ・トラーニとを混同したりなんぞしたのか。

投稿者 Periplo : 03:16 : カテゴリー Mohanlal Discography
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2009年03月20日

資料系アップデート0903

tamilcinema.jpg久しぶりに書籍情報。

Tamil Cinema: The Cultural Politics of India's Other Film Industry
著者:Selvaraj Velayutham
版元:Routledge
内容見本はこちら

これまでのところ、インド映画に関する学術研究は専らボリウッドを対象としてきた。南インドに本拠地を置くタミル映画が、年間の製作本数においてはボリウッドを凌駕しているという事実がありながらである。(巻頭緒言より)

アカデミズムの世界においても見られるボリウッド偏重は、単なる怠慢に起因するものなのか、それとも作品の質に対する学者達の評価を反映したものなのか。

ともかく、こういう本が出てくるようになったことは、やはり外人にはありがたい。もう一歩踏み込んで、時に「年間の製作本数においてはコリウッドを凌駕」することもあるテルグ映画界、「リメイクのネタもと提供においてはインドでもトップランク」と思われるマラヤーラム映画界についても研究がすすんで欲しい。

学術研究が全てじゃない、ってのはもちろんあるんだけどね。

まだ全編をチェックしたわけじゃないけど、本書に所収の Imaginary Geographies: The Makings of ‘South’ in Contemporary Tamil Cinema (Rajan Krishnan) ってのが面白いですね。

投稿者 Periplo : 01:05 : カテゴリー バブルねたtamil
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2009年03月15日

かなりワロタ

ラルさんまでブログを始めていた!

lalettansblog.JPG

先日紹介したオフィシャルサイト上にて。

なお、このブログは同サイトに会員登録(無料)しなければ閲覧することができない。

なににワロタかって?それは見てのお楽しみ。

traveblogue.JPGなお、同サイトからのリンクで、ケララの大手日刊紙 Mathrubhumi サイト中にある traveblogue なるコーナーにラルさんが寄稿したヴァーラーナシー紀行があり。これは単発のものなのか、それともシリーズ化するものなのか。続いてくれるならロケ地マニア的には美味しいものがあるのだが。

投稿者 Periplo : 00:30 : カテゴリー バブルねたkerala
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2009年03月13日

まだひと花咲かせるぜ!

などと中年親爺の集団が息巻く映画なのかどうなのか。

inHariharNagar1.jpginHariharNagar2.jpg

In Harihar Nagar (Malayalam - 1990) Dir. Siddique-Lal の続編 To Harihar Nagar (Malayalam - 2009) Dir. Lal がほぼ完成したという Sify 記事。18年ぶりの続編、主要4キャラを前作からそのまま引き継いで同じ俳優にキャスティングというのも凄いね。紅一点ヒロインだけがラクシュミー・ラーイちゃんに差し替えられてるとのこと。

In Harihar Nagar のヒロインはギータ・ヴィジャヤン(この記事によればレーヴァティのイトコだという!)だったけど、ちょっとだけ出てくるタミレカのコスプレにも唸ったもんだった。

パート1はプリヤンによって Dhol (Hindi - 2007) としてリメイクされた。これから公開のパート2がプリヤン先生のリメイク食指をそそるものになるのかどうか、その辺も見所だすね。

とほほ系ギャラリーもあり。

投稿者 Periplo : 05:29 : カテゴリー プリヤンremake
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2009年03月08日

注目の上質脚本映画

thamburati.jpg

タミル映画界での騒動にやはり関係があるのかどうか、ナヤン女王様が久々にマ映画に出演。ディリープ主演の Bodyguard (Malayalam - 2009) Dir. Siddique のヒロインとして。Raappakal (Malayalam - 2005) Dir. Kamal 以来ってことになるのかな。あ、こないだの Twenty:20 (Malayalam - 2008) Dir. Joshiy は数に入れてないよ、あれはボランティア活動だから。しかし極貧で知られるマ映画界、ギャラの一桁欠けは避けられなかったのじゃないか。

ともかく、今回の都落ち、じゃなかった御降臨の理由は、こちらのゴシップ記事によれば「脚本が素晴らしいから」だそうだ。良質な脚本の不足が嘆かれるマ映画界に新風を吹き込むことになるのか、Bodyguard 公開は6月初旬の予定。

投稿者 Periplo : 13:35 : カテゴリー バブルねたsouth
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2009年03月06日

注目の社会改革映画

Twenty:20 (Malayalam - 2008) Dir. Joshiy からさほどの間もおかず、再び二大巨頭MoMaの夢の共演、となるのかな。

Yugapurushan.jpg

随分前から噂話は流れていたんだけど、いつものガセかと思って水面下でヲチしていた企画、Yugapurushan (Malayalam) Dir. R Sukumaranが1月末にクランクインしたようだ。

過去においてケララの代表的な不可触カーストのひとつだったティッヤ・コミュニティーから出て、カースト差別廃絶の社会改革運動を起こしたシュリー・ナーラーヤナ・グルの伝記映画らしい。

キャスティングが凄いんだよ。

Mammootty is doing a cameo as K.C Kuttan, a friend of Narayana Guru, while Mohanlal is doing the role of Swami Vivekananda. Some of the other important characters like Gandhiji, Ravindranath Tagore, Ayyankali, Kumaranasan, E.V Ramasamy Naicker and other famous historical personalities will be played by Tamil actor Sathyaraj, Kalabhavan Mani, Jagathy Sreekumar, Siddique, Sai Kumar, Babu Antony, Saiju Kurup, K.P.A.C Lalitha, Sukumari and others.(1月29日の KeralaOnline 記事より)

主役のグルを演じるのは、タミル映画界からThalaivasal Vijay。女性のトップはナヴィヤ・ナーイル。

現在公開されているギャラリーで姿が見えるのはマンムーティだけ。さてホントにラルさんはヴィヴェーカーナンダ役で登場してくるのかね。これからもヲチ。

投稿者 Periplo : 23:58 : カテゴリー バブルねたkerala
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2009年03月05日

私はなぜサウスの映画を見つづけるか2

SasirekaParinayam5.jpg画像は再び Sasirekha Parinayam (Telugu - 2009) Dir. Krishna Vamsi より。ラブコメとして、またロードムービーとして、近年まれに見る快作だと思うよ、これは。

印度映画とその他の映画とのパラダイムのズレは、映画ジャンルの王といってもいいだろう恋愛ものでもくっきりとわかる。

印度映画にももちろん恋愛の要素はよく登場する。しかし一方で純粋なロマンスもの、つまりハリウッドなどではプログラムピクチャーとして量産され続けてきた「恋の鞘当て」的なストーリーラインはそれほど多くない。恋愛はとてもしばしば登場するが、恋愛至上主義ではないのだ。

そこには必ず家族というものが、時には地域共同体までもが入ってくる。恋愛は結婚に結びつき()、結婚は家族に結びつく。結婚はすなわち家族という共同体を経営していく中での一事業なのだ。事業であるからにはパートナーの選定にあたっても多角的な観点から検査し、経営メンバーの承認を得た上で決定されなければならない。当事者個人の感情も考慮には入れられるが、それが決定的要因になるとは限らない。

そうは言っても、印度人にとっても、恋愛が理性でコントロールしにくい原初の感情であることには変わりないから、結局ロマンスもの映画の大勢は自由恋愛と周囲の思惑との対立という黄金パターンになるんだな。家族の存在を無視した至上の恋の成就なんてストーリーは、絶無ではないのかもしれないけど凄く少ないはずだ。大恋愛の末の駆け落ちカップルもいないこたないけど、大抵最後に罰を受けるか、色々あって家族に許されて受け入れられるかするんだ。

だから、印度映画の突飛さとしてときどき引き合いに出される、初対面でいきなりの「結婚してください」発言(だけど近年のものではさすがに少なくなってるかな)も、必ずしも脚本の手抜きという訳ではないのだと思う。都市化したアッパーミドルやNRIという限られた階層の間、あるいは大学のキャンパス内という特殊な空間内を除けば、未婚男女が公衆の面前でじゃれあったりすることは論外なのだ。それは女性とその家族にとって名誉の失墜を意味する。つまり I love you と言って交際を求める代わりに直ちに結婚を申し込むのは、一目惚れした相手の名誉を重んじる、誠実さを打ち出した言動なのだ、それが上手くいくかどうかは別として。

それと、一目惚れというのもインド的パターンだな。出会いのニュートラルな状態から色々あってお互いを意識し合い、ついには相思相愛になる(あるいは恋に破れる)というのを全編かけてゆっくりと語っていく映画は少ない。一気に相思相愛になってから、家族の反対をはじめとした各種の障害を乗り越えるという展開がやはり王道か。もしかしたら「一目惚れ」(ただし見合いの席限定)というのは印度人にとって理想の恋愛パターンなんじゃないか。あるいは恋愛結婚率の低い印度人にとって、ゆっくり恋愛感情が芽生えていくという展開にあまりリアリティが感じられないのか。

まあ、こんな背景が少しずつ会得されてくると、チープに見えるストーリーもただの荒唐無稽と一括りにするわけにもいかなくなる。「ここは笑うとこ」なのか、そうでないのかは本当に微妙。作品全体の評価もそう。2006-7年のカンナダ界ぶっちぎり大ヒットMungaru Male (Kannada - 2006) Dir. Yogaraj Bhat はアッパーミドルの男女が、恋仲になりながらも、紆余曲折の末家族の意思を尊重して別れるという、こうして書いてみると馬鹿馬鹿しいくらいに捻りのない話だった。しかしこの映画を高く評価する現地観客の証言に以下のようなものがあるのだ。

「この映画のように、子供が両親の決めた通りのことをするのを見ると、気持ちよくなる」(川縁さんによる同作レビューより)

気持ちよくなる、んですかい。こんな貴重な証言を引き出してくれた川縁長治先生に感謝。

決して相手の価値観に同化はしないが(だって無理だもん)、学習の果てに背景に横たわるものを少しずつ理解してはいちいち仰け反る、これもサウスのひとつの醍醐味とはいえないだろうか。

 一方で現実の印度世界での男女交際についてこんなレポートもある。

 恋愛結婚の文化がまったくない国に育てば、「恋愛=結婚」のリアリズムが欠如しているのがとうぜんだろう。
 恋愛結婚の文化から見れば、「見合い」や「宛てがい」で結婚することは信じがたい。だが、宛てがい婚文化に育った者のから見れば、恋愛は結婚に直結しない。
 そもそも彼らの文化圏では、恋愛は火遊び(ルビ:アバンチュール)であり、社会的浮気にすぎないのだ。浮気がばれたって、金を払って解決することはあっても責任をとって結婚することはあり得ない。もし恋愛が結婚に結びつくということになるのなら、いまつき合っている相手は願い下げだと彼らは言いだすだろう。 (『インド 旅の雑学ノート 驚愕編』 山田和著、ダイヤモンド社、1998年、P.229-230より)

 現在のインドには、日本のように、つき合っていて妊娠したら結婚するという図式がない。
 結婚は結婚。恋愛は恋愛。セックスはセックス。妊娠すれば堕胎し、生まれてしまえば捨てる。恋愛はあくまで「映画ごっこ」の域を出ないのだ。それが男の論理であるだけでなく女の論理でもあり、社会の論理でもあるところが日本とまったくちがっている。
 マザー・テレサの孤児施設「シシュ・バヴァン(子供の家)」に引き取られる赤ん坊たちの多くが、貧困層の子供ではなく、実は裕福な階層の子女たちの間に生まれた「ごっこ」の結果の子どもたちであることからも、そのことは察せられるだろう。(同上、P.231-232より)

もしこれが本当なのなら、印度娯楽映画というのは夢の世界への逃避であると同時に、建前を形にしてあるべきモラルを確認するという意味合いも色濃く持っていることになるのだな。

【オマケ】男女関係に関してもうひとつ。婚姻関係にない男女が二人きりでホテルの部屋にいる、印度ではこれだけで売春・買春容疑でしょっ引かれても文句が言えない暗黙のルールがあるという。これが分かってはじめて腑に落ちるシーンがある映画はいくつか挙げられる。

投稿者 Periplo : 05:19 : カテゴリー バブルねたsouth
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2009年03月02日

私はなぜサウスの映画を見つづけるか

私はなぜアジアの映画を見つづけるか』(佐藤忠男著、平凡社、2009)なんて本を手に取ったわけよ。インド映画の部分を拾い読みしてクラクラ。立ち読みだから引用はしないけどさ。国際映画祭の招待状が貰える人物がすなわちオピニオン・リーダーになる時代は終わった、と思ったわ。一言でいうと、「国境や言語、文化、体制の違いを超えて人間が共感できるもの」だけを評価するする姿勢に貫かれてるんだな。だから枝葉末節の個別的な事実関係に関しては記述がえらく杜撰だったりする。

それじゃつまんないじゃん。

まあ、無理もない部分もあるのだが。

ラクガキ いっぷく』(中野翠著、毎日新聞社、2009年)、こちらは買って読んだ。この著者のいつものシリーズ、ハリウッドと欧州映画を中心とした(若干の東アジアものもあり)映画レビューを多数収録。コンテンツに文句があるわけじゃないから引用はしないけどさ。ともかく、異国の人が作った映画をガイジンである自分が見ることの意味、そういうの対して清々しいほど無頓着でいられることにやっぱり眩暈。感性における「彼我の一体」への無条件の信頼には驚くほかない。これは団塊世代の特性なのか。それとも日本の平均的映画好きというのはこんなものなのか。

インド映画を映画一般の中のひとつのジャンルとしてとらえるか、隣接してはいるが別種の芸能として捉えるか、これはイ娯楽映画に接し始めた時から付き纏って離れない設問。

前者の立場をとれば、「スラムの負け犬→百万長者」のオスカー制覇で大喜びしたり大憤激したりすることになるのかね。後者の立場をとれば、よりディープな世界にダイブできるけど、一方で「インド映画かくあるべし」というのに凝り固まって新しい潮流を全く認められなくなる危険もあるわな。

まあ、そういう大問題に結論を出すのを先延ばしにしたいから、物好きガイジンの暇潰し(=検索)に走ったりしてしまうんだけんど。何なんだかよく分からないことを調べてるプロセスが快感の連鎖というのは確かにある。作品の本質的なところからは外れてるけど。

それにしたって、「インドの人たちの悲惨な現実を学ぶために映画で勉強します」なんていうトンチキよりはずっとマシだと思う。もちろん結果的に色々学んじゃうことはあるけどね。それが目的であるか結果であるかは大きな違いだと思う。

一方で、やり切れない日常のルサンチマンを晴らすために「珍獣を大権現に祀り上げて神輿で引き回して大騒ぎする」だけっていう享受の仕方もどうかと思う。これも結局、今の立ち位置から一歩も動かずに自分に都合のいいものだけを見る、というアプローチの1変種でしかないんじゃないか。まあもちろん、浜の真砂のごとき作品群の中には「莫迦映画」として笑いものにするしか対処の仕様がないものが結構混ざってたりするから、全否定はしないが。

まとまりはつかないが(最初からつけるつもりもない)、表題の設問への今日のところの解答は、「彼我のあまりの価値観の違いに直面して悶絶するのが気持ちいいんじゃ、かわゆい女の子ちゃんに萌えまくれて寿命が延びる気がするんじゃ」にしておこう。

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Sasirekha Parinayam (Telugu - 2009) Dir. Krishna Vamsi より。ディスクに字幕はついてなかったけど(泣)、ゲンちゃんのファッションショーはエかった。

投稿者 Periplo : 01:31 : カテゴリー バブルねたsouth
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