« 2009年07月 | メイン | 2009年09月 »

2009年08月28日

エアギターもってこう

Yamahanagari.jpg

ここんとこ二週間近く更新を怠っておりましたが、この先も二週間ほど更新を怠るつもりだす。ネタはぎっしぎしにあるんだけどね、しばらく熟成さしときます。

投稿者 Periplo : 05:44 : カテゴリー miscellaneous
| コメント (0)

2009年08月16日

セット販売の必要性

いや、まさしくこれはバンガロールの街外れの羅生門。

cvMission90days.jpgcvCyanide.jpg


先日ちょいと予告めいたことを書いたのもあって、割と軽い気持ちでメイジャー・ラヴィ監督の長編劇映画第2作目、Mission 90 Days (Malayalam - 2007) を観たら、もう止まんなくなっちゃって、前年に公開された Cyanide (Kannada - 2006) Dir. A M R Ramesh まで一気見することになってしまった。

どちらも、ラジブ・ガンジーの暗殺に加わったLTTEのメンバーとそれを追う捜査班を扱っている。

1991年5月21日、マドラス近郊のシュリペルンブドゥールで、国民会議派総裁にして前首相のラジブ・ガンジーが遊説中に爆殺された。花輪を捧げる風を装って近づいた少女の自爆攻撃によるもの。元首相、自爆犯を含む17名以上が死亡した。犠牲者の一人である地元カメラマン・ハリ氏のカメラは無傷で見つかり、暗殺直前の会場の様子が写った貴重な証拠写真10枚が残された。捜査当局はそれらの残存物から、犯行はLTTEによるものと断定し、自爆した少女タヌを支援した他のメンバーの追跡を始める。地元警察、中央情報部(CBI)に加えて、軍のコマンドー隊員からなるSIT(特別調査チーム)が投入された。ほどなくして暗殺実行部隊のメンバー、ムルガンとナーリニの夫婦がタミルナードゥ州内で逮捕される。彼らの自白などによって、指揮官であるシヴァラーサン、隊員のスバ、スレーシュといった面々のプロフィールが浮かび上がる。

捜査が進む中で、シヴァラーサンらがバンガロール郊外のコンナクンデ地区の一軒家に潜伏していることが分かる。この家は地元市民のランガナータンの名前で借りられたものだった。ここから一味の逮捕に向けた周到な作戦が練られる。これは単なる立てこもり事件ではなく、容疑者を生きたまま捕捉することが焦点となるデリケートで困難なものだ。LTTEメンバーは、自決のための青酸カリ入りカプセルをペンダントにして常に身に着けていることで知られる。捕われて拷問されるよりも、死を選ぶように教育されているのだ。

SITは即座に突入の態勢に入ったが、指揮系統の上部からの作戦開始命令はなぜか遅れ、ゴーサインが出たのは情報がもたらされてコマンドー部隊が配置に着いてから実に36時間後のことだった。突入した彼らが目にしたものは、周囲の異変を察知して服毒自死した十数人のLTTEの遺骸だった。

というのが、おおむね現地の観客の間で共有されている歴史的な事実のようだ。シヴァラーサン、スバ、ナーリニという名前はいずれも平凡なものだが、この組み合わせで出てくればたちどころに1991年の記憶が蘇る、という類のものらしい。

上記2作はこの衝撃的な事件を描いたもの。Mission 90 Days はSITコマンドーの立場から、Cyanide はシヴァラーサン、スバと彼らに隠れ家を提供することになったランガナータンの立場から。前者はマンムーティが主演、そのことから推察できるように派手なアクションとコメディ、センチメンタルなソングシーンが全部入ったフル娯楽仕様。後者は対照的に、ソングシーン無しの1時間39分、役者も割と地味目なセミドキュメンタリー。前者は興業的にイマイチで、批評家の意見も分かれた。後者は概ね好評をもって迎え入れられ(Kuppi のタイトルでタミル語吹き替え版も公開)、そこそこのロングランもして、新感覚の上質映画という区分に納まったようだ。

それなら、2作を比較した結果が後者の圧勝かというと、そうでもないのが面白いとこなんだな。

Mission 90 Days が凄い傑作ではないのはわかる。なんといってもこれは失敗に終わった作戦の物語、マンムーティのヒロイズムを求めて劇場に足を運んだ観客は失望しただろう。それから枝葉の部分がまとまりきれておらず、主筋の足を引っ張っているのもマイナス。メイジャー・ラヴィという監督は、軍事作戦を迫真的に再現するのはもちろん得意だが、兵士のプライベートな感傷を描写するのがはっきり言って下手だ。緊迫したシーンの連続のなかでホッとする瞬間としての家族生活の部分が上手く機能していないと感じた。それからラジブ・ガンジーのスリランカ紛争介入政策を擁護する長々とした演説も余分だったね。それでも Mission 90 Days を推したいのは、やっぱりラスト30分の手に汗握る進行と、作戦の失敗を察知した瞬間のマンムーティの演技が捨てがたいと思えるから。同じ部分が Cyanide ではまるで呑気なピクニックのように描かれる。それから、Cyanide で捜査の主体として前面に出てきているバンガロール市警察( This also highlights about the braveness, planning and investigation capabilities of City Police force. などという説明がオフィシャルサイト上にある)が、Mission 90 Days では完全な道化として描かれているのには唖然とする。つい昨日の歴史が、立場の違いでここまで異なったものとして再現されるとは。

そうなんだ、Mission 90 Days のラヴィ監督はこの突入作戦の一員でもあったのだ。

"I, Captain Ravi (he was a captain then) was the first to break into the house where Sivarasan was hiding in. Now, so many people are making films on that, but one day, I will make a film on that operation and there will not be any lie in it; only the facts. It will be what I went through, and how bureaucratic hassles spoiled the entire operation. There are so many things I want to tell everyone." (Rediff 記事 A Major's Mission より)

一方で、Cyanide のラメーシュ監督は、脅迫されてシヴァラーサン一味に隠れ家を提供することになってしまったランガナータン夫妻の友人だった。

For Ramesh, the national tragedy turned out to be more disturbing and personal with the arrest of Ranganathan and Mridula, who were his friends for decades.(The Hindu 記事 The detoxifying effect より)

各々が明確に主張したいものをもって、それをダイレクトに反映させた作品を送り出し、世間一般を説得にかかる、世界のどこにでもある現象ではあるけれど、とりわけインドではそれが激烈なものと感じられる。まさに印度版羅生門とでも言うべきこの2作、併せての鑑賞がお勧め。

一方タミル映画界では、暗殺事件からほどなくして同じテーマを扱った Kutrapatrikai (Tamil - 2006) Dir. R K Selvamani という作品が制作されたが検閲を通過することができず、実に15年後の2007年にやっと劇場公開に至ったという(The Hindu 記事参照)。こちらは現状ではディスク入手不可。機会が訪れたら是非見てみたいもんです。

投稿者 Periplo : 20:07 : カテゴリー バブルねたsouth
| コメント (0)

2009年08月09日

そうだ奥付見りゃあいいんじゃん

2020censor.jpg

だれも気にしちゃいないだろうが、Twenty:20 (Malayalam - 2008) Dir. Joshiy のランタイム問題。ウィキペディアでは3時間15分とあるが、DVDで再生したところ2時間45分程度しかなかったという件だ。本作に限らず、印映がメディア化(特にVCD)される場合、容量の問題でオリジナルにカットが加えられている可能性は常に頭に入れておかなければならない。在日日本人として印映を追いかける以上致し方ないとはいえ、やっぱりオリジナルから30分もカットされたものしか見られないというのは癪に障るんだもんね。

ところが、失われた30分はどんなコンテンツだったのかと悶々としている中で、こんな記事も見つけてしまったのだ。

The movie was censored yesterday with a clean U certificate. With a length of around 2hours and fifty minutes, the movie carries good preview reports. (IndiaGlitz 2008年11月4日記事 'Twenty : 20' gets ready for the finale より)

もちろん、印度の芸能記事を丸呑みして信じるほどのお人好しゃないが、センサー認証通過という部分ではっとした。そうだ冒頭のセンサー通過証明書を見りゃあフィルムの長さが分かるじゃん。

で、見たところ、くっきりはっきり4715メートルと読み取れた。このフィルム長を映写時間に換算するのが厄介で、ネットの上で明快な計算式を見つけるのは難しいのだが、幅としては1分あたり27mから29.2mというところらしい。それで計算すると、4715メートルはどう頑張っても3時間を越えないんだな。本日時点での結論は、DVD版は現地の劇場での上映版とさほど変わらない、というところ。

そもそも3時間15分という数字はどこから出てきたのか、絶好調撮影中の謳い文句だったのかな。まあ、第一次編集終了の時点ではこのくらいの長さがあったことは充分に想像できる。その失われた30分には何が写っていたのか、そして鋏でジョキジョキしたのは監督のジョシーだったのかプロデューサーのディリープだったのか、どんな人間ドラマが展開していたのか、やはり興味は尽きないのであった。

尺換算に関してお世話になったのは、こちらの掲示板の情報(コメント50-65)。日本人女性の●●オツが見えるか見えないかで、かくも真摯な実証的研究。頭が下がりますわい。

投稿者 Periplo : 05:46 : カテゴリー バブルねたkerala
| コメント (0)

2009年08月07日

Rest in Peace : Murali

ripMurali.jpg

こう訃報ばかり続くとさすがに垂れ込めてくるものがあるが、掲載しない訳にもいかない。

Popular Malayalam actor Murali passes away

Thiruvanathapuram, Aug 6 (PTI) Versatile Malayalam actor Murali died at a hospital here this evening, family sources said.

55-year-old Murali, an acute diabetic, was hospitalised in a serious condition this evening. He is survived by his wife and daughter.

Murali had won the national award for best actor in 2002 for the film "Neythukaran".

He was also the chairman of the Kerala Sangeeth Natak Academy.(8月6日付 PressTrust 記事の全文)

画像は昨年公開の Swarnam (Malayalam - 2008) Dir. Venugopan から。

当サイト上での過去記事はこちら

それにしても、ケララ現代史のコミュニストの巨人・EMSナンブーディリパッドをこの人が演じたという Neythukaran (Malayalam - 2002) Dir. Priyanandanan はホントに見てみたい一本なのだけれどねえ。

投稿者 Periplo : 02:35 : カテゴリー brown dwarf galaxy
| コメント (1)