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2009年12月31日

総括?

三日前の出来事も覚えてない、三日先の予定も見えてない、そんな中で行く年を振り返ったり、来る年を見通したりするよな区切りめいたことをする気にはどうにもなれまへん。

なので惰性でいつものお決まりを。

本年もっとも印象的だったイメージはミーナーちゃんの結婚披露宴

meenawedding.JPG

…に現れた熟年夫婦のものですた。

最後にささやかながらお歳暮を。皆様よいお年をお迎え下さい。

投稿者 Periplo : 19:32 : カテゴリー miscellaneous
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2009年12月30日

Rest in Peace : Vishnuvardhan

Gandhanagudi.jpg
在りし日のラージクマール博士(左)と若き日のヴィシュヌヴァルダン博士(右)。Gandhada Gudi [Temple of Sandalwood] (Kannada - 1973) Dir. Vijay の1シーン。二人の唯一の共演作。

カンナダ映画界のスタイリッシュ・スター、ドクター・ヴィシュヌヴァルダン急逝の報、享年59歳。カルナータカ州首相および夫人のバーラティ女史はファンに平静を保つよう呼びかけている。

ヴィシュヌ翁の冠には、「スタイリッシュ・スター」の他にもうひとつ、「不死鳥」というのもあった。それは上にイメージを掲げた Gandhada Gudi の撮影中に、誤ってラージクマールに向けて実弾を発射するという事故を起こし、蟄居を余儀なくされた期間を経て再びスターダムに返り咲いたという経歴から。しかしこの事件を巡る関係者の証言には曖昧な部分も残っている()。真相は結局ヴィシュヌ翁と共に葬られることになるのか。

なお、気になる未公開近作については以下のように報じられている。

Two of his films Aaptha Rakshaka -- his 200th film -- and Aaptha Mithra were to be released shortly.(rediff 記事 Kannada superstar Vishnuvardhan passes away より)

合掌。

投稿者 Periplo : 15:40 : カテゴリー バブルねたkannada
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トリヴィア Arundhati (2)

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Arundhati (Telugu - 2009) Dir. Kodi Ramakrishna の悪役ソーヌ・スード(左)と、お約束、ヴェーヌ・マーダヴによるパロディ(右)、Drona (Telugu - 2009) Dir. J Karun Kumar の一シーン。それにしても前者の封切りが2009年1月16日、後者が2月20日、恐るべき早業で追加撮影されたものなのかな、お笑いのほうは。

テルグの常連悪役の一人であるソーヌ・スードだが、ウィキペディアのバイオグラフィーを見るとデビューはタミル映画だったみたいだ。単なる悪役を超えた本作でのアゴーリー役で2008年度猛牛賞を獲得(2009年公開映画だが、センサー通過は2008年だったものと思われる)。

この受賞に文句をつけるつもりは全くないが、陰の立役者もいた。ずーっと前のポストで紹介した、神業吹き替え声優、ラヴィシャンカルさんだ。まあ、彼自身も本作でのソーヌ・スードの声の吹き替えによって最優秀ダビング賞を受賞してるのだが。

ここにきてやっと顔写真とフルネームがわかったPラヴィシャンカル、idlebrain による2009年1月12日のインタビュー、これ面白すぎ。

アーンドラ生まれのテルグ人、南印4言語を自由に操り、22年に及ぶキャリアの中で吹き替えを担当した作品は2600本て、ホントかいな!

なんでも、吹き替え声優を父にもちながらも自身は俳優を目指し、シュリーカーント、ラヴィ・テージャ、シュリーハリなどと同期でデビューしたのだという。何本かの出演作を経ても芽が出ず、吹き替えに転向して大成功。特に悪役の声を担当することが多いようだ。そのかたわら監督業にも手を染めており、初めてメガホンをとった Durgi (Kannada - 2004) はそれなりの成功をおさめた模様。その証拠にこの作品は Narashimhudu (Telugu - 2005) Dir. B Gopal として大規模バジェットでリメイクされている。またダイアローグ・ライターとしても多くの仕事をこなし、タミル・テルグ合わせて200本を超えるという。

吹き替え声優としての仕事に話を戻すと、前に紹介した China Gate での4キャラ同時吹き替えみたいなのは決して特別な事例ではないようで、Athadu (Telugu - 2005) Dir. Trivikram では、ソーヌ・スード、ラーフル・デーヴ、チャラン・ラージの3人の声を一人で担当したという。

若干「白髪三千丈」的な匂いがしないでもないけど、まあまあサウスには凄い異能の人がいるもんだねえ。

投稿者 Periplo : 04:23 : カテゴリー バブルねたtelugu
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2009年12月27日

トリヴィア Arundhati (1)

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本年前半のテルグ界きっての大ヒット作だったらしい Arundhati (Telugu - 2009) Dir. Kodi Ramakrishna。タミル語にも吹き替えられてそれなりにヒット。お約束のヒンディー・リメイクの話(ディーピカ・パドゥコーネ主演というが有力だったようだが)も出ていたがその後どうなったか。

それはともかく、この衝撃のオカルト・ホラー映画を皆で見ようという催しが1月10日に横浜であります。

「南インド映画を観よう、語ろう」
1月10日(日) 14:00スタート、Raya Sakuraya さんにて。
詳細はこちら

英語字幕での鑑賞。とはいえ、字幕が完璧に追い切れなくても(自慢じゃないがオイラはいつもそうだ)置いてかれることのないストーリー展開。豪雨のように血が降る熱血大出血映画だが、不思議な爽快感もあり、一滴でも血ぃみたら失神しちゃう、なんて人以外には奥様方・お嬢様方にもお勧めできます。

Arundhati2.jpgArundhati3.jpg

現地の奥様方・お嬢様方に大好評だったのはアヌシュカー・シェッティがまとう1920年代アーンドラの地方領主の宮廷をファンタジックに再現したファンッション。Deepa Chander さんによる衣装の数々は、アパレルメーカーをも刺激して、チェンナイのサリー店では「アルンダティ・サリー」なんていうラインナップも出たとか出ないとか。

これまではどっちかってーと布地を節約した衣装が多かったアヌシュカーだったが、本作でのゴージャス系ファッションとそれに負けない屹然とした女王様ぶりは特筆もの。

サリー大好き!な方々にもお勧めの一本であります。

投稿者 Periplo : 22:27 : カテゴリー バブルねたtelugu
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2009年12月23日

傍迷惑な奴ら(7)

ActorShankar.jpgDirectorShankar.jpg

また困った事態になってきた。写真右はいわずとしれた Sivaji The BossEndhiranシャンカル監督

以前のポストで紹介したマラヤーラム&タミル俳優シャンカル氏(上左)が本格的に監督デビューの報。80年代初頭に飛ぶ鳥を落とす勢いだった人気アイドル。その後凋落して映画界を去っていたが、数年前からカムバックするための試みを始めたようで、昨年は児童映画 Robo (Malayalam - 2008) Dir. R Prasanna Kumar に出演。そして今月初の監督作 Keralotsavam 2009 が公開になったらしい。

監督作にまつわるインタビューなどではシャンカル・パニッカルのフルネームで紹介されているものが多い。頼むから2語名前で通してくれ。それにしてもこの人、1960年生まれでラルさんと同い年なんだわな。もちろんラルさんも今では立派な親爺になったが、この人の顔の変わりかたには言葉に詰まるような凄惨さがある。

この監督作も、おおかたの予想を裏切らずこてんぱんにやられてるみたいだ(一例)。それにしても、映画界を一度去るにあたってだって、そりゃあ色々面白くないことがあっただろうし、カムバックにあたってだって相当気まずい思いがあったと想像されるが、それでもやっぱり再チャレンジせずにはいられない魔力というものがあるのだろうか。

正直なところ本作を先を争って見てみようという気にはまったくなれないのだが、封切時の記者会見か何かで語ったとおぼしきシャンカル氏の以下の発言が面白かった。

"May be if I had listened to the advice of those who told me then that a fan's association is a must, I would not have faded out as an actor," Shankar told reporters in Thiruvananthapuram.

(中略)

"Honestly, I never realised that a fan's association was a must then. When many said it is a must, I dissuaded them," Sankar added.
(Buzz18 記事 'Fan clubs a must for Malayalam films' より)

いやー、やっぱファンクラブ現象ってのからは目が離せない。できればインタビューしてみたいもんだわ、シャンカル監督@椰子國に。

投稿者 Periplo : 04:31 : カテゴリー バブルねたsouth
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2009年12月20日

ディスク情報0912-5

2HariharSet1.jpg2HariharSet2.jpgcvInHarihar.jpg

長らく忘れてたけど、いちおうこれプリヤン映画関連作と関連作の関連作になるんだわ。

【その1】
In Harihar Nagar (Malayalam - 1990) Dir. Siddique-Lal
Cast : Mukesh, Siddique, Jagadish, Asokan, Riza Bava, Geetha Vijayan, Kaviyoor Ponnamma, Philomina, Paravoor Bharathan, Suresh Gopi
 
90年代の伝説のマ映画コメディのひとつ。実際に見てみるとサスペンス・スリラーの面も持ち合わせているのだが。ただし、受けたのは例によって職にあぶれた若い衆の群れという設定なんだろね、同時代の他のコメディと同じく。

Dhol (Hindi - 2007) Dir. Priyadarshan としてリメイクされた。近年のプリヤン作品としては珍しく低予算で、また興収上も低調だったとされる。ウィキペディア情報によれば、MGR Nagaril (Tamil - 1991) Dir Ashraf というタミル語リメイクも存在するという。

オリジナル作品のキャスト中の悪役については以前に別の項でとりあげた。

作中で繰り返し叫ばれる Thomaskutty Vittoda ! (トーマスクッティ、逃げるんだあ!)というのが馬鹿受けして決め台詞となった。このフレーズにどのくらいのおかしみが含まれているのか、ガイジンには想像もできないが。

これまで本作はVCDしか入手できなかったが、Moser Baer からDVD(上右端のカバー)が発売されている(45ルピー)ことに気付き発注。しかしこれは字幕なしだった。

【その2】
2 Harihar Nagar (Malayalam - 2009) Dir. Lal
Cast : Mukesh, Siddique, Jagadish, Asokan, Laxmi Rai, Janardhanan, Vineeth, Pala Charlie, Kunchan, Subair, Rohini, Rekha, Geetha Vijayan, Kaviyoor Ponnamma

19年後の続編はツイン監督のうちのラールが指揮を執ることになった。現地では恐ろしいほどの期待が寄せられていたらしい。主要キャストのコメントはこちらの The Hindu 記事などで。

今年の4月頃に公開された本作はプレッシャーを跳ね返してヒットを記録し、決め球が不足していた今年前半のマ映画界を活気づかせたという。

実際に見てみると、延々と続く中年4人のお巫山戯の部分にはややイタいものを感じてしまったが、よく練れたサスペンスでした。オリジナルを見てなくても楽しめるが、見といたほうがより笑える。Ramji Rao Speaking (Malayalam - 1989) Dir. Siddique-Lal →Mannar Mathai Speaking (Malayalam - 1995) Dir. Mani C Kappan (こちら参照)でもそう思ったが、最初は単に人気のあるキャラを再利用してるだけに思えるのに、ストーリーが展開していくにしたがって続編の続編たるゆえんがはっきりと立ち現れて驚嘆させる、そういう作り。シッディク・ラール節は健在だった。

本作の大ヒットを受けて早くも第3弾続編の制作が発表されプージャも行われている。タイトルは In Ghost House Inn

本作DVDも Moser Baer から発売。通販サイトなどで売られているのは上左端のカバーのもの。単品販売(99ルピー)なのだが、最近のこの会社の変な戦略で頼みもしないのにオマケのDVDが1枚余計についてくる。筆者の手元に届いたのは 4 The People の字幕なし版だった、使えね~。一方で印度現地では In Harihar Nagar2 Harihar Nagar の2枚組みセットが同じ版元から発売されている(上写真中央、149ルピー)という話があったのでこないだチョイと買いに行ってきた。確かに2枚組み、そしてなんと、単品では字幕なしだった In Harihar Nagar にちゃんと字幕が付いてるではないか。まったくもう。そしてこの2枚組み中の In Harihar Nagar はオリジナルディスクはまともに稼動せず、吸出ししてデュープを作ってやっと鑑賞できたなどという有難くないオマケまで。この混沌とした状況、どーにかならんか。前にここでも怒っておいたが、次の機会にもまた糾弾してやるからな、待ってろ鼠熊。

投稿者 Periplo : 21:41 : カテゴリー バブルねたkerala
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2009年12月19日

収集癖5:婦警さん

RamanThediyaSeetai1.jpg

もちろん自分にとってのこのジャンルは、全てが Snehithiye... (Tamil - 2000) Dir. Priyadarshan でのタップー様&シュウェちゃんから始まったのだ。仮にこの先駄作しか作らなくなったとしても、プリヤン先生はこれだけで大恩人、お住まいになってらっしゃる西方浄土には足向けて寝られねえや。

Raman Thediya Seethai (Tamil - 2008) Dir. K P Jagannath をやっと鑑賞。

Cast : Cheran, Karthika, Vimala Raman, Ramya Nambeesan, Navya Nair, Gajala, Pasupathy, Nithin Satya, Manivannan, Karunas

■導入部の粗筋
結婚式招待カードの店を経営するヴェーヌゴーパール(Cheran)は、商売も繁盛し経済的に不自由のない生活を送っていたが、30代半ばを過ぎてもまだ独身だった。20年も前のある問題が、配偶者選びでの彼の立場を不利なものにしていたのだ。先方から断られるいっぽうの数知れぬお見合いの果てに、ついに自分の意志で結婚を承諾してくれた相手が現れ、安堵するヴェーヌゴーパール。しかし結婚式当日になって…。(粗筋終わり)

爆発的ヒットではなかったが、好意的なレビューに恵まれそこそこ売り上げがあったらしい佳品。バイオレンスが少なく、善意の美しさを効果的に組み込み、ファミリー向けのロマンス映画として申し分のない出来だと思う。いまさらこんなこと書くと「お前何年印度やってんじゃ」と馬鹿にされそうだが、作中でのアレンジド・マリッジという制度の磐石さには圧倒される。不毛なお見合いの連続にくじけそうになる主人公を励ます2人の人物はどちらも自由恋愛で相手を見つけてるというのにその部分はあまり目立たず、自由恋愛の果てに不幸になるカップルの顛末という別のエピソードだけが記憶に刷り込まれるような作りになっていて、唸る。あと、メインの舞台となっているタミル(というよりインド)最南端の都市・ナーガルコーイルの風景もよかったね。

キャストも素晴らしい。今回は監督はせず芝居だけ(なのかな?)のチェーランは、「下ネタ抜きのバギャラージ」としては余人では代えられないとこまで来てる。パスパティのやる「スティービー・ワンダー」はカッコいいのだが若干気恥ずかしかったかな。もの凄くもったいなく使われてた Big B (Malayalam - 2007) Dir. Amal Neerad でのカッコよさのほうを支持したいが。それから、個人的に「ザ・オートの運ちゃん@タミル」と決めてる(他州での選出はまた別の機会に発表したい)ニティン・サティヤがホントにオートの運ちゃんで出てきてくれてとても嬉しい。

まあ、それより何より豪華5大ヒロインですね。シドニー生まれのヴィマラー・ラーマントゥーットゥックディのカールティカ、ケララからやってきたナヴィヤ・ナーイル、同じくケララ出身のラミャー・ナンビーシャン、それからこの人は初めて見たが、経歴は割に長いガジャラ。いずれもセクシーさを抑え、お嫁さんにしたいタイプのお嬢さんとして申し分のない演技。でありながらそれぞれのキャラが立っていて、配役の適切さにも感嘆。

しかし本作を入手して鑑賞したのはもちろん、ただひとえにナヴィヤ・ナーイルさんのお廻り姿を拝みたかったから。ナヴィヤさんといやあ、カーヴィヤ・マーダヴァンさんが小休止してる現在のマ映画界では文句なしのトップヒロイン、演技力の高さも衆人の認めるところ。ただ、正直言うとちょっと苦手だったんだ、ねっとり熟した熱帯の果実みたいなたたずまいがね。この人がキリっと凛々しい婦警さんをやれるもんなのかという若干の不安。実際に見てみて、そんな不安は吹っ飛んだ。いや素晴らしいです、ブラボーです。ゲスト出演に近いような短い出番だったけど、お約束の警棒での殴打シーンもばっちり、カッコよすぎ。全ての婦警さんマニア必見の名作、これを観ずして婦警さんを語るなかれという出来。お勧めです、DVDは Moser Baer から。

しかし本作にはナヴィヤさんのカーキ姿以外にも衝撃のシーンがあったのだ(最近こればっかだな)。

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ナヴィヤさんの同僚の巡査さん、もっもっ萌え~~~~~。

ってーか、いいのかい、こんな子供にこんな格好させちまって!

ナヴィヤさんと一緒に要人警護にあたるジャヤシュリー…じゃなかったジャヤンティ巡査。俳優の名前は不明、そもそもアップで映るのが2秒くらいしかない、アップ以外を含めても5秒ないくらいだ。誰なんだよこの子、ジュニア・アーティスト組合に照会するべか?この萌えをどうしたらいいのだー。

ああそうだ、婦警さんに偏らないバランスの取れたレビューを読みたければ川っペリ先生んとこでも行ってくだせえ。

投稿者 Periplo : 22:42 : カテゴリー バブルねたtamil
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2009年12月15日

タメになる新聞記事

Thathwamasi.jpg
画像は只今絶好調撮影中、らしい Thathwamasi (Malayalam - 2009) Dir. Vipindas のもの。以下の本文とは無関係。

あまりにも面白すぎるThe Hindu の2008年9月13日記事 BHAKTA KUCHELA 1961 の前半を勝手訳。

これはPスブラマニアム監督の最初の大掛かりな神話映画だった。本作の成功によって彼はこのジャンルでさらに多くを制作することとなった。また、このジャンルで高名なタミルやテルグの俳優を起用してマラヤーラム神話映画を制作する、というやり方にプロデューサーたちが気付いたのも本作によってであった。

『帰依者クチェーラ (Bhakta Kuchela)』はマラヤーラムのプロデューサーとタミル・テルグ俳優達とのユニークなコラボレーションによって生まれた。中心的なキャラクターがテルグ俳優達によって演じられた本作は、1961年11月9日に封切られた。一方で、ウダヤ・スタジオもまたクチェーラを主役にした『クリシュナとクチェーラ (Krishna Kuchela)』を公開したが、こちらはマラヤーラム俳優を配したものだった。しかしクンチャーコーのプロデュースによる本作は興業的に大敗した。プレーム・ナシールのクリシュナ、TSムタイアーのクチェーラ、KPACスローチャナ演じるクチェーラの妻という布陣は観客の心を捉えることができなかった。

スブラマニヤムの作品には、クリシュナとクチェーラの友情物語という主筋の他に、バーガヴァタ・プラーナからの幾つかのプロットも盛り込まれていた。また劇中には、サンディパニ仙人の庵でクリシュナとクチェーラが仲良く学ぶというエピソードもあった。社会的地位、カースト、信条の違いが彼らの友情に影をさすことは全くなかった。庵を出てから二人の間の音信は途絶えてしまい、クリシュナはドワールカーの王になったが、クチェーラの方は食うや食わずで苦労を続けていた。妻のスシーラに求められ、クチェーラは旧友を訪ねることとなった。彼にとっては旧交を温める機会でもあったからだ。クチェーラはドワールカーで手厚いもてなしを受けたが、クリシュナに助けを乞うことは忘れてしまった。辞去するに当たってクリシュナが何一つ手土産を渡してくれなかったことに彼は驚く。しかしクチェーラが家に帰り着くと、そのあばら屋は魔法のように豪邸に変じていた。彼が口に出して乞うことをせずとも、クリシュナ神は一家に富の恩寵を与えたのである。

本作にはバーガヴァタ・プラーナには見当たらないシーンも幾つかある。たとえば、勉学を終えたクリシュナが仙人の庵を去る際に、悲しみに打ちひしがれたクチェーラが後を追い、山の頂きから転落し、クリシュナに助けられるという場面だ。ここでの挿入歌 ‘Karuna aarna deva Gopala...’ (A. P. Komala) もまた観客に愛された。

探求課題のひとつ(って大げさだな)であるマラヤーラムの神話映画に関する手がかりが見つかって大変嬉しい。

特に美味しかったのは、以下の3点。
1.ムスリムのプレーム・ナシールがクリシュナ神の役をやっていた、ってこと。さすがの印度映画でもミソロジカルだけはその宗教に属する俳優がやるもんだと思ってたが、甘かった。でもかなり珍しいんじゃないだろか、ムスリム俳優のヒンドゥー神様役。
2.最初期からミソロジカルが低調だったという(絶無だった訳ではないが)マラヤーラムでも、60年代に一時的な盛り上がりがあったということがわかった。監督のPスブラマニヤム(別の記事を見るとタミル人だったようにもとれる)のフィルモグラフィーをみる他にもミソロジカル作品が並んでいる。また大プロデューサーだったクンチャーコーもまたこの時代にはミソロジカルを手がけていたということが分かった。
3.昨年話題となったKatha Parayumbol (Malayalam - 2007) Dir. M Mohan → Kuselan (Tamil - 2008) /Kathanayakudu (Telugu - 2008) Dir. P Vasu → Billu (Hindi - 2009) Dir. Priyadarshan という一連のリメイクにはやはり連綿たる先行作品があったんだわな。クチェーラ(クシェーラとも)=スダマのタイトルを掲げた作品だけでもこんなに沢山。ともかくここに引用した文章を記者に書かせたというだけでも Kuselan には存在意義があったと思うよ。

ところで上の記事中で言及されている2本の作品のうち、テルグ・タミルの俳優を使った方の Bhakta Kuchela (Malayalam - 1961) Dir. P Subramaniam はDVD(カンナダ吹き替え版か?)になっているようなのだった。これもチェックせにゃあならん、ああ、大変だ。

投稿者 Periplo : 02:02 : カテゴリー バブルねたkerala
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2009年12月14日

ディスク情報0912-4

cvPassenger.jpgPassengerPoster.jpg

以前に予告的に紹介したポリティカル・スリラー、Passenger のディスクを入手・検品。

Passenger (Malayalam - 2009) Dir. Ranjith Shankar

Cast:Sreenivasan, Dileep, Mamta Mohandas, Nedumudi Venu, Jagathy Sreekumar, Madhu, Harisree Ashokan, T P Madhavan, Kochu Preman, Anoop Chandran, Laxmi Sharma, Valsara Menon, Sona Nair, Manikuttan, Guruvayoor Sivaji, Sreejith Ravi, Anand Sami

ディスク版元:Central

字幕:英語

DVDの障害:特になし

コーチンの製薬会社に務めるサティヤナーダン(Sreenivasan)は、50キロあまり北のホームタウン・ネッラーイ(ステーションコード:NYI)とエルナクラム・ジャンクション(同:ERS)の間を各駅停車の列車(パッセンジャー)で通勤している。朝は7時40分発の301SR グルヴァイユール・エルナクラム・パッセンジャー、帰路は18時発の650SR エルナクラム・ショラヌール・パッセンジャー、判で押したように決まりきった交通手段、座る席も同じなら、カードゲームで一時間半の道中の暇つぶしをする仲間も一緒、途中居眠りをする区間までもが決まっている。そんな平穏なサラリーマン生活を送っていた。

ホームタウンの寺の祭りに熱心な彼は、例大祭に参加するため有給休暇をとることにする。さすがにその前日は仕事の片づけで定刻には退社できず、20時15分発の最終306SR エルナクラム・グルヴァイユール・パッセンジャーに一人乗り込む。

残業疲れから舟を漕いでしまったサティヤナーダンが目覚めた時には列車は終点グルヴァイユールの手前に差し掛かっていた。終点到着は23時15分、そこからの折り返しの便はもうない。うろたえる彼に、ただ一人残っていた乗客の若い男(Dileep)が話しかける。短い会話の中で、その男がナンダン・メーノーンという名の弁護士で、また彼の妻が社会派TVジャーナリストのアヌラーダ(Mamta Mohandas)であることをサティヤナーダンは知る。

ホテルの部屋をシェアしてもよいというナンダンの申し出を断り、サティヤナーダンはコールタクシーで自宅にたどり着こうとする。ところが駅でタクシーを待つ彼の眼の前で、ナンダンが得体の知れない男達によって無理やりヴァンに押し込まれ、何処かに連れ去られてしまう。

程なくしてやってきたタクシーの運転手(Nedumudi Venu)にサティヤナーダンは行き先を告げる。自宅のある40キロ南のネッラーイではなく、100キロ南のエルナクラムへ。コーチンに再び戻り、ナンダンの妻アヌラーダに会い、警察からまともに相手にもされなかったこの事件を知らせ、彼を救うために策を練るのだ。

passengerMamta.jpg

以上が開始から20,30分くらいまでの粗筋。まあホント、よくできた脚本なんだわ。マ映画スリラーとしては珍しくないが、あっと驚くような逆転劇とかそういう仕掛けはない。喩えて言うならば、追っ手がじりじりと迫る中、鍵を手にした主人公が閉ざされたドアの一つ一つを根気強く試していく、というような正統的ストーリー展開。

でもって巨悪に立ち向かうファイターがごく平凡なリーマンと運ちゃんだってのが良い。それも素朴なイイ人じゃなくて、一言多いってタイプの喰えない親爺連中だ。人権派弁護士と社会派ジャーナリストのカップルは、もちろんその職業的な技能と倫理から腐敗と陰謀を察知して闘いをしかけるのだが、やや力みすぎて飛蛾撲火になってしまう。

エリートの彼らがむき出しの暴力に晒された時に、己の小さな世界で汲々としているはずの小市民が、ごく素直に「こんな無茶を見過ごしていいはずがない」と救護に立ち上がり、武器も持たずに走り回る、その転調の鮮やかさと説得力が本作の妙味なんだと思いますわ。ソングが一曲もないのにも納得。

鐵分はどうかというと、パッセンジャー・トレインはストーリーに本質的に絡んでくるものではなかったが、登場人物のキャラ説明と独特な雰囲気の醸成に大変上手く使われていたと思う。以前一度だけ乗ったときは信頼性の低いひでえ乗りもんだと思ったが、これを足にしている長距離通勤者がいるんだねえ、すげえや。それからグルヴァイユール駅のありがたい駅舎が拝めたのもよかったね。

なお、本作はサティヤラージ、ラミャー・ナンビーシャン主演でタミル・リメイクされることが既に決まっている。

投稿者 Periplo : 13:17 : カテゴリー バブルねたkerala
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2009年12月13日

ディスク情報0912-3

cvAppu.jpg未知の旧作 Appu を入手・鑑賞。この頃の作品となるとレビューもネット上ではほとんど見当たらない。監督のデニス・ジョゼフについても、2000年以降活動が低調、そして監督よりは脚本家としての作品が多いのだということ以外何も分からない。

Appu (Malayalam - 1990) Dir. Dennis Joseph

タイトルの意味:主人公の名前

Cast:Mohanlal, Sunitha, Murali, Captain Raju, Vijaya Raghavan, Nedumudi Venu, K R Vijaya, Lalu Alex, KPAC Lalitha, M G Soman, Alummoodan, Janardhanan, Kaimal Sainuddin, Balan K Nair, Jagannathan

ディスク版元:Moser Baer

字幕:英語

DVDの障害:特になし

孤児のアップクッタン(Mohanlal)は、親切な老婦人(K R Vijaya)に養われて成人し、今は村の刃物砥ぎの手伝いをしてつつましく暮らしている。近所に暮らすラーマンクッティ(Vijaya Raghavan)・サロージニ(Sunitha)の兄妹とは特に仲良しで、日々は彼らとの戯れのうちに過ぎていく。しかし老婦人の娘婿で警察官のゴーパン(Murali)だけはそんな彼を軽蔑し、ことあるごとに敵意を顕にするのだった。アップクッタンが念願のドゥバイ行きのビザを手にしたその日、彼は死体遺棄の現場を目撃してしまう。

前半の1時間以上を、呑気な村の日々是好日の描写だけに費やす。観てるこっちもとろ~んとして来て、温泉気分でああええ映画やなあなんて言ってると、インターミッション前後から突然スリラーに転じる。スリラー部分は地に足のついたリアルな展開。もうちょっと映画的に誇張して派手なアクションシーンでも入れたらいいのになどと要らぬ心配までしてしまうのだが、これが80-90年代のマ映画スリラーの作風なんだよね。超名作ではないがとても堅実に作られたこの時代のサンプルのような一本。

しかし、本作にはそれだけじゃ終わらないサプライズが仕組まれていた。

appu1.jpgappu2.jpg

ヒロインのスニータちゃん、萌え~。かあいい、そんで、踊りが上手い!

テルグ映画界のプレイバックシンガースニータとは別人。やっぱ情報がみつからん。IMDbでの登録は1990年から1996年までのものが中心。あとはギャラリーがあるだけ。

上のDB中の出演作リストで他にディスクになってるものはざっと見たとこ無いようだが、この萌えをどうしたらよいのか。今はどっかでイイ奥様やってんだろね、熟女好みとしてはカムバックも渇望するのだが。

投稿者 Periplo : 03:38 : カテゴリー Mohanlal Discography
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2009年12月12日

傍迷惑な奴ら(6)

さーてまた困ったことになった。

Photobucket

只今絶賛上映中の Neelathaamara [Neelathamara, Neela Thamara] (Malayalam - 2009) Dir. Lal Jose のヒロイン・アルチャナ。 隈取りメイクが素敵なデビュタント。以前に紹介したテルグの素敵なお姉さん、アルチャナ様とかぶってしまうではないか。ケララのアルチャナちゃんのフルネームは Archana Jose Kavi というらしい。多分素顔は都会的な現代っ子、こちらのインタビューによれば、本作撮影に際して生まれて初めて田舎風のハーフサリーを身に着けたという。そしてこの素朴な村娘のいでたちがまた椰子國若衆を疼かせてるらしいことはちょっと検索してみればすぐわかる。

neelathamaraArchana.jpg

それにしてもこの映画、今からちょうど30年前に公開された Neelathaamara (Malayalam - 1979) Dir. Yusuf Ali Kechery の同一言語圏リメイクということで、また監督ラール・ジョースと脚本家MTヴァースデーヴァン・ナーイルとの初顔合わせということでもかなり話題になっている。オリジナルの脚本もMTによるもの。同じ作家のストーリーをもう一度作り直すってのは相当な自信があってのことなんだろうね。

なお、本作には2008年の準ミス・ケララ、Kerala Cafe (Malayalam - 2009) 中のお化け話でも印象的な登場シーンのあったリマ・カッリンガルも脇役で出演しており、隈取フェチには見逃せないものとなっているのだった。

投稿者 Periplo : 02:02 : カテゴリー brown dwarf galaxy
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2009年12月11日

ディスク情報0912-2

cvPakalNakshatrangal.jpgPakalNakshatrangal.jpg

昨年公開作品 Pakal Nakshatrangal を検品。ジャケだけみて勝手にアクション映画と決め付けていたが、実はアートムービー。道理でディスクが入手しにくかった訳だわ。ラージーヴ・ナートという監督は初めて観たが、オフビート系ばかりを追求していて(したがって当然)寡作な人のようだ。

Pakal Nakshatrangal (Malayalam - 2008) Dir. Rajiv Nath

Alternative transliterations:Pakal Nakshathrangal, Pakalnakshatrangal

タイトルの意味:Stars of the Day Light

Cast:Mohanlal, Suresh Gopi, Anoop Menon, Laxmi Gopalaswami, Manianpillai Raju, Kalpana, Surabhi, Subair, Reena Basheer, K B Venu, Maya Vishwanth, Murugan, Nishant Sagar

ディスク版元:Moser Baer

字幕:英語

DVDの障害:特になし

若手作家のアーディ(Anoop Menon)は、映画監督だった亡父シッダールタン(Mohanlal)が暮らしていたダフォルディスと呼ばれる洋館が取り壊されることを知り、訪れる。奔放で刹那的な生活を送っていたシッダールタンは、10年以上前にこの館のテラスから転落して死んだのだが、それは事故とも殺人とも判じ得ないものだった。アーディは父の伝記を執筆することを思い立ち、生前に親交のあった人々を訪ねて歩く。彼の前にはシッダールタンの晩年のミステリアスな断片が次々と現れて、謎はさらに深まっていく。

ソングシーンは1つだけあるが、まあ芸術映画といっていいと思う。不特定多数の異性と付き合い根無し草な生活を送る破滅型芸術家なんてのは、いまどきじゃ恥ずかしいばかりのもんだが、ラルさんがやるとこれが見事にはまる。全編を通して夜のシーンが多く、カメラは神秘的なアジールの雰囲気を上手く捉えていると思う。見る人によっては鼻持ちならない気取りとしか映らない面もあるだろうが、ストーリーの起承転結だとか意味だとかそういうものを考えずにただ身を任せて漂うならば、とても贅沢な1時間42分だ。レビューは概ね低調。脚本はいいのに監督がなってない、という論評が目に付いた。原作・脚本は作家役を演じているアヌープ・メーノーンが担当。そう、「まるでラルさんの親戚」として驚かしてくれたこの人は新進の脚本家でもあるんだよね(こちらのインタビューなど参照)。まあ、ラルさんの息子役としては最良の選択だったのではないか。死者と対話するという振れ込みの奇人医師役のスレーシュ・ゴーピはちょっとミスキャストか。

抑え切れない死への衝動を抱え続ける芸術家を最終的に彼岸に押しやったのはどんな力だったのか、まあそんな映画です。

投稿者 Periplo : 03:36 : カテゴリー Mohanlal Discography
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2009年12月10日

ディスク情報0912-1

とっても珍しいメイキング映像ディスクについて。

cvAakashagopuram2.jpgcvMakingAG.jpg

以前紹介したときは随分醒めたことを書いたけど、時間がたつにしたがってじわじわ効いてきた(見返したわけでもないのに) Aakasha Gopuram [Aakashagopuram] (Malayalam - 2008) Dir. K P Kumaran、ときどきこういう遅効性の名作ってのに遭うんだ。

その『天空の城』のメイキング映像ビデオが発売と聞いて苦労して手に入れたのだった。ヒンディー映画DVDではメイキング映像が(ときに別ディスクで)オマケについてくるのはごくありふれたことになってるが、マ映画ではほとんどお目にかかったことがない。

ヒンディー映画の「メイキング」と称するものは大抵退屈な屑画像の寄せ集めでしかないが、本ディスクはわざわざ別売り(上右カバー)するほどなんだから、よほど気合の入ったものに違いない。

なんて思ったわたすが馬鹿ですた。

一応コンテンツ。
1.Theatrical Trailers
2.Songs & Dance
3.Red Carpet Premiere
4.Mohanlal learn to Rumba
5.Secret Behind the Tower Of Aakashagopuram
6.Ibsen, Mohanlal & Aakashagopuram
7.The Director Speaks
8.Kumarans In Conversation

ダラダラしたいつものあれ。インタビューはほとんどがマラヤーラム語で字幕はなし、撮影中の画像なども一切ない。ワールドスタンダードの大予算芸術映画というふれこみから期待したのが浅はかだった。

単品売りの本編DVD(上左カバー)70ルピーに対してこちらが100ルピーってのはないんでねえの、と思ったらオマケで本編のディスクもついていた(とほほ)。ってよりこれは「Aakashagopuram + オマケディスクの二枚組みセット」っていうのが妥当なんだろうねえ。

他にもまとめ買いしたから笑ってられるが、これだけのために万難を排してゲットしたんだったら怒ってたね。最近の Moser Baer 社の出鱈目な売り方については項を改めて怒りをぶつけようと思っている。みてろよMB。

投稿者 Periplo : 01:48 : カテゴリー Mohanlal Discography
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