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2011年08月25日

Project 2010:その6

誰かの役に立つかどうかはわからないが、一応2010年に公開されたその他の映画42本についてもサラっと紹介しておく。別にこれらを絶対見ないと決めたわけではないので、そのうち気が向いて鑑賞して、いいものだったら紹介したい。また、「お前は外していたが、残り物の中にこんな秀作があったぜよ」と当網站読者からのたれ込みがいただければ、これより嬉しいことはない。そんなムシのいい期待も込めて、ディスクが発売となっているものについては通販サイトのアドレスも付記した。

今回の総括に当たっては、全公開作品リストとして Wikipedia のものと現地新聞社 Mathrubhumi のものとを参照した。どちらかがもう片方のコピペである可能性は否定できないが。

無味乾燥なリストではないものとしては Metromatinee の Malayalam Cinema - 2010 Flash Back がお勧め。この年に注目された人物や作品が一目で分かる(多少ご祝儀的なものも混じっているように思えるが)。

個人的な感想としては、熟年王国ケララとはいいながらも、20台前半の若い役者達が多少はプレゼンスを増して来たかなという印象を持った。いやつまり、オッちゃんと熟女にばかり目が行ってる筆者ですら名前を覚えられるようになった若いのが増えたってだけのことなんだけど。そんな彼らは、かつてのヒーロー・ヒロイン候補生のようにいきなり一枚看板で主演したりせず、とりあえず団体戦で勝負に出るというのが多い。やがて淘汰されて行くんだろうけど。裏方に関して言うと、この年もまたデビュー監督による作品の数が尋常ではなかった。そのほとんどが「アマチュアは大人しく引っ込め!」的に痛罵され、第2作目を手がけるチャンスはもう来ないだろうが。生き残りは新人俳優以上に厳しいものと思われる。カメラの前と後ろにいるこうした連中が、目の覚めるような秀作を生み出した実例には今のところお目にかかってはいないが、ゆっくりとしたシフトが起こりつつあるのかもしれない。一方で、星4つの項で書いたように、学生達が In Ghost House Inn の親爺達に熱狂しているような現象を見るにつけ、一筋縄では行かないなあ、という実感もひしひし。

なお、当エントリーの末尾には、ここまでお付き合い下さった皆さんへのお礼として、ちょっとしたお得情報を記載した。そこいらのチャラい情報サイトでは絶対に書いてない凄いネタ。お楽しみに。

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☆☆☆☆☆(星ゼロ)色々あって観なかった

Black Stallion
Director:Pramod-Pappan
Cast:Kalabhavan Mani, Namitha, Bala, Asish Vidyarthi, Pitamagan Mahadevan
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:英語
コメント:核爆バディのナミーちゃんのマ映画初出演てえだけじゃなくて、脇を固める連中も一癖二癖ありそうで面白そうだよね。そのうち気力充実した時に見てみよう。

Kanmazha Peyyum Munpe
Director:Roy
Cast:Shafna, Arun, Thilakan
DVDの発売:確認できず
コメント:学園友情&ロマンスもの。

Brahmasthram
Director:Benny Ashamsa
Cast:Saiju Kurupu, Jagathy Sreekumar
VCDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
コメント:College Days と同じく、有力者の子弟によるカレッジでの犯罪的なラギングがテーマだという。

Senior Mandrake
Director:Ali Akbar
Cast: Jagathy Sreekumar, Charutha, Jagadeesh, Kalpana, Suraj Venjaramood
VCDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
コメント:ジャガティ先生主演、マ映画界のコメディアン全員集合!作品のようだ。

Annarakannanum Thannalayathu
Director:Prakash
Cast:Kalabhavan Mani, Jagathy Sreekumar, Thilakan
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:なし
コメント:カラーバワン・マニの一人二役、田舎のイイヒト映画か。

Cheriya Kallanum Valiya Policum
Director:Haridas Kesavan
Cast:Mukesh, Jagadeesh, Machan Varghese, Suraj Venjaramoodu, Indrans, Kochu Preman
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:なし
コメント:低予算の割には予想外にヒットしたとあるのだが、本当だろうか、気になる〜。

Nanthuni
Director:Hari Narayanan
Cast:Vijaya Raghavan, Mithuna, Govindankutty
VCDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
コメント:田舎に住むナンドゥニ(原始的なヴィーナと説明される、こちらのページに画像あり)奏者を主人公にして、女神崇拝とタブーを描く、とか言われるとすごく面白そうなんだけど。

Valiya Angadi
Director:Salim Baba
Cast:Manikuttan, Varada, Shwetha Menon
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:なし
コメント:市場の若き顔役が、腐敗した政治家と対峙して正義を貫く、みたいな話か。

Kausthubham
Director:Sajeev Kilikulam
Cast:Sai Kumar, Sukumari, Karthika, Vijaya Raghavan, Sukumari, Indrans, Jagadeesh, Baiju, Mamukoya, Kochu Preman
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:英語
コメント:レビューは軒並み低評価だが、BharatStudent によれば「80年代のバクティ映画の焼き直し」みたいなものなんだそうだ。それは大層気になる。神さんの役は誰がやってるのか、今度見てみよう。

Kadaksham
Director:Sasi Paravoor
Cast:Suresh Gopi, Swetha Menon, Swetha Vijay, Jagathy Sreekumar, Indrans, Kottayam Nazir, Jaffer Idukki, Machan Varghese, Narayanan Kutty
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:なし
コメント:只今上映中のレビューによれば、最後の10分のあっと驚くどんでん返しは見物らしい(皮肉で言ってる可能性もあるが)。やっぱ見てみようかな。そもそも、字幕がないとか、嫌な予感のするスレーシュ・ゴーピの文芸調作品だからとか、そんなくだらない理由でシュウェちゃん主演作を見逃してたらバチが当たるわな。

Kadaksham
Kadaksham のポスター。最初は同名の桃色映画かなにかかと思ったが、こちらで確認すると、やはりシュウェちゃん+スレーシュ・ゴーピの共演作のものだったのだ。うむむ、サリーの着付け教室をやってくれてるこのお姉さんは一体誰?

Pulliman
Director:Anil K Nair
Cast:Kalabhavan Mani, Meera Nandan, Vijaya Raghavan, Sreejith Ravi, Sudheesh, Kochu Preman
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:なし
コメント:田舎を舞台にした貴種流離譚的なドラマか。

Canvas
Director:Shaji-Rajasekharan
Cast:Kalabhavan Mani, Kannan, Althara
VCDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
コメント:カラーバワン・マニが画家でかつ舞台監督という設定は面白そうだね。

Thoovalkattu
Director:Venu B Nair
Cast:Manoj K Jayan, Lakshmi Gopalaswamy, Sai Kumar
VCDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
コメント:『美女と野獣』型のロマンスと、テロリズムの恐怖が同時に語られる?

Nalla Pattukare
Director:K S Sivachandran
Cast:Vijay Madhav, Najim Arshad, Sannidanandan, Bheeman Raghu, Hima, Vijaya Raghavan, Jagathy Sreekumar
VCDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
コメント:ケララでは2006年にその前身が放映をスタートした、テレビの勝ち抜きのど自慢 Idea Star Singer は、映画という娯楽メディアを脅かすことになるのではないかと思えるほどの勢いだが、本作はそれを直接的にテーマにしたものだという。

Text Book
Director:Satheesh Kandanchira
Cast:Kanthesh, Abhinay, Soni, Sakki, Basheer, Jagathy Sreekumar, Sreejith Ravi, Suresh Krishna, Sobha Mohan, Mamukoya, Syamili
DVDの発売:確認できず
コメント:どうやら学園ロマンスらしいのだが、プレビュー、レビュー一切見当たらず。

Nallavan
Director:Aji John
Cast:Jayasurya, Mythili, Sai Kumar, Siddique, Suraj Venjaramoodu, Bijukuttan, Sudheesh
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:英語
コメント:タミル・ケララ州境を舞台にした駆落ち&殺人&暴虐大地主etc.のドラマらしい。

Advocate Lakshmanan - Ladies Only
Director:Pappan Payattuvila
Cast:Mukesh, Mallika Kapoor, Suraj Venjaramoodu
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:不明
コメント:離婚問題専門で、必ず女性の側に立って仕事することをポリシーにしている弁護士が主役。うーん、これは楽しそう。

Avan
Director:Nandakumar Kavil
Cast:Vijay Yesudas, Bala, Muktha George, Riaz Khan, Thalaivasal Vijay, Vijaya Raghavan, Indrans, Devan
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:なし
コメント:これも例によってTV勝ち抜きのど自慢が背景になっている。御大の息子で、自身も既に充分に活躍しているプレイバック・シンガー、ヴィジャイ・イェースダースの俳優デビュー作。

Taskkara Lahala
Director:Ramesh Das
Cast:Suraj Venjaramoodu, Lakshmi Sharma, Salim Kumar
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:なし
コメント:スラージ・ヴェニャーラムード主演で、コメディアン軍団の皆さんがワサワサという例のパターン。

Ammanilavu
Director:M D Rajendran
Cast: Sasi Ayyanchira, Aparna
DVDの発売:確認できず
コメント:そこそこ有名なプロデューサー、シャシ・アイヤンチラが俳優デビューというのが一番の話題。嫌な予感。

Pulliman
Pulliman の看板。クリシュナ神のテラコッタ像を造る職人というのがマニさんの役どころ。

Patham Adhyayam
Director:P K Radhakrishnan
Cast:Bala, Udayathara, Murali, Madhu, Suchitha, Madhu Warrier
VCDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
コメント:2009年の8月に他界したムラリが出演してるのに公開が2010年の8月、きっと裏では色々あったんだろうね。

Plus Two
Director:Shebi Chavakkad
Cast:Roshan, Vishnu Mohan, Shafna, Justing John, Deepak Murali, Ranjith, Sai Kumar, Suraj Venjaramoodu, Salim Kumar, Manian Pillai Raju, Geetha Vijayan, KPAC Lalitha
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:なし
コメント:katha Parayumbol (Malayalam - 2007) Dir. M Mohan から子役として注目されてきたシャフナのヒロインデビュー作。シャフナ以外のキャストはほとんどが同世代の無名の新人。その割には好意的に受け止められた作品(もちろん絶賛されたわけではないが)のようだ。

3 Char Sau Beas (Three 420)
Director:Govindan Kutty
Cast:Govindan Kutty, Rahul Menon, Anu Anandhan, Kalabhavan Mani, Dhanya Mary Varghese, Suraj Venjaramoodu, Salim Kumar, Bijukuttan, Jaffer Idukki, Sukumari, Jagathy Sreekumar
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:なし
コメント:人気TV番組の司会者が主演・監督の両方をこなしている。前衛的な手法を取り入れたクライム・ドラマらしい。

Fiddle
Director:Prabhakaran Muthana
Cast:Varun J Thilak, Ayilya G Nair, Jagathy Sreekumar, Ananya
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:なし
コメント:Idea Star Singer で勝ち残って顔を売った男性歌手が本作で俳優デビュー。音楽大学で学ぶ理想主義的な若者たちがツアーの途中で遭遇するミステリアスな事件、というような話。

Nirakazhcha
Director:Anish J Karrinad
Cast:Mamta Mohandas, Manoj K Jayan, Vincenzo Bocciarelli, Jagathy Sreekumar, Suraj Venjaramoodu, Bijukuttan, Mamukoya, Kalpana
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:なし
コメント:楽園ケララに憧れてノコノコやって来たイタリア人の絵描きが、モデルにマムタ姐さんをあてがわれて鼻血ブーッってな話らしい(←テキトー)。

9 KK Road
Director:Simon Kuruvila
Cast:Babu Antony, Vijaya Raghavan, Shammi Thilakan, Nishant Sagar
VCDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
コメント:バーブ・アントニーが捜査官を演じるマーダー・ミステリーもの。

Idayan
Director:Santosh Sauparnika
Cast:John Mathew, Rajeev Rangan
DVDの発売:確認できず
コメント:久々のクリスチャン宗教映画、それも「イエス・キリストの生涯」ものらしい。これは見たい。こちらなど参照。

Inganeyum Oral
Director:Kabeer Rowther
Cast:Sai Kumar, Vinu Mohan, Praveena, Indrans, Sarayu
VCDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
コメント:定年も間近になってから若い女性と結婚した老教授が、妻と自分の甥との関係を疑って悶々とする、みたいな話。面白そうだけどネットでの評価はボロボロ。

Orange
Director:Biju Varkey
Cast:Kalabhavan Mani, Biju Menon, Sona Nair, Lena
DVDの発売:確認できず
コメント:さすらいのローリー・ドライバーをカラーバワン・マニが演じる人情譚なのかな、これは見たい。題名の「オレンジ」は運ちゃんが転がすトラックの名前ということだ。

24 Hours
Director:Aditya Sam
Cast:Kuldeep, Manoj K Jayan, Komal, Anil Murali, Jagathy Sreekumar
VCDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
コメント:マフィアのドンの弟を殺した犯人と間違われ、マフィアから追われる青年の物語。

Vande Matharam
Director:Aravinda Raj
Cast:Mammootty, Arjun, Sneha, Kalabhavan Mani, Rajan P Dev, Atul Kulkarni, Jai Akash, Gopi Krishnan, Sumithra, Cochin Haneefa, Riyaz Khan, Shraddha
DVDの発売:確認できず
コメント:マンムーティとアルジュンの初共演のアクション大作ということで期待していたのだが、今日現在ディスク発売はなし、なぜなのか。タミル版の方はSrithilayam のDVDが発売済。

Sadgamaya
Director:Harikumar
Cast:Suresh Gopi, Navya Nair, Swetha Menon, Thilakan, Jagathy Sreekumar, Ambika, Guruvayoor Sivaj, P Sreekumar, Balachandran Chullikkad, Lakshmipriya
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:なし
コメント:スレーシュ・ゴーピのアートな試みにはほとほと参ってるのでパスしてしまったが、適当に早送りしてシュウェちゃんの登場シーンだけは見とこうかしら、と悩みちう。

Thoovalkattu
Thoovalkattu の看板。この巨大な麦わら帽子の呼び名が知りたい。

Chithrakuzhal
Director:Majeed Gulistan
Cast:Amal Ashok, Sidharth, Meera Nair
DVDの発売:確認できず
コメント:環境問題をメインテーマとする児童映画。西ガーツ山脈の山中で撮影され、部族の少年と平地の子供たちとの交情も描かれるという。

Holidays
Director:M M Ramachandran
Cast:Vinu Mohan, Ranjith Menon, Priya Lal, Sruthi Lakshmi, Sudheesh, Kalabhavan Mani
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:なし
コメント:コーチンに暮らすITエンジニアたちのオサレ・ライフに、殺人事件が降りかかって…という話。

Koottukar
Director:Prasad Vaalacheril
Cast:Vinu Mohan, Bhama, Saiju Kurup, Anoop Chandran, Devan, Shankar
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:不明
コメント:学園を舞台にしたアクションドラマ。いわゆるキャンパス・ポリティクス問題も絡んでいるという。

Oru Small Family
Director:Rajasenan
Cast:Rajasenan, Seetha, Kailash, Ananya, Kalabhavan Mani, Bheeman Raghu
DVDの発売:確認できず
コメント:酒の違法醸造によって富み栄えている一家と、飲酒習慣の拡大にストップをかけようとしている一家の戦い。いやともかく、もうラージャセーナンは勘弁してほしい。

Swantham Bharya Zindabad
Director:Biju Vattappara
Cast:Unda Pakru, Sruthilakshmi, Mukesh
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:英語
コメント:マ映画(インド映画?)最小俳優ウンダ・パクルが、今度はコミュニストのリーダー役に挑戦。インターバル前の部分については結構褒められてる。さて、どうしたものか。

Sahasram
Director:Dr Janardhanan
Cast:Suresh Gopi, Lakshmi Gopalaswamy, Bala, Sarayu, Sandhya, Suresh Krishna, Riza Bava
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:なし
コメント:スレーシュ・ゴーピのお巡りさんシリーズ。今回は映画界を舞台にした殺人事件だそうだ。

Again Kasargod Khader Bhai
Director:Thulasidas
Cast:Jagadeesh, Radha Varma, Innocent, Suraj Venjaramoodu, Salim Kumar, Bijukuttan, Ashokan, Baiju, Babu Antony, Gautham
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:英語
コメント:ジャガディーシュ率いる物真似劇団が、刑務所での慰問公演に臨み、そこで起きた殺人事件に巻き込まれて…という話。

Chaverpada
Director:T S Jaspal
Cast:Bala, Muktha George, Arun, Tony, Manikuttan, Jagathy Sreekumar, Kalasala Babu, Tony, Riza Bava
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:英語
コメント:才能あるIT系の学生たちが、テロリストに誘拐され技術を提供するよう強いられるところを、特殊部隊によって救出される、というストーリー。

Marykkundoru Kunjaadu
Director:Shafi
Cast:Dileep, Bhavana, Biju Menon, Vijaya Raghavan, Vinaya Prasad, Jagathy Sreekumar, Innocent, Salim Kumar, Jai, Appa Haja, Kochu Preman, Nimisha Suresh, Ambika Mohan
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:英語
コメント:2010年の12月に封切られてかなりのヒットとなったらしいファミリー・スリラー。単にDVD発売が遅いというだけの理由で50本から漏れたので、そのうち実見して、面白ければ紹介するつもり。

Puthumukhangal
Director:Don Alex, Biju Majeed
Cast:Angel Agarwal, Silsil, Helan, Nima, Maya Unni
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:なし
コメント:それほど多くはないレビューを読んでみてもどんな話なのかさっぱりわからない。カレッジの農学部が舞台で、若いもんが筋肉を見せびらかす傾向があるということ以外は。

【追記】
Venalmaram (2009)
Director:Mohanakrishnan
Cast:Bala, Lakshana, Sona, Sarvajith, Mala Aravindan, Suraj Venjarammoodu, Kottayam Nazeer
DVDの発売:MyIndiaShopping にて確認済み
DVDの字幕:なし
コメント:いや、申し訳ない。2009年の総まくりをやってた時には、これは2010年作品だと思い込んでたんだよね。まあそれにしてもレビューでここまで何もかもがdisられてるのも珍しいね。一応記録しとこう、BizHatSifyのレビュー。

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こんなヤクザなことばっか書いてるにも拘らず、当網站の読者には女性の方もいらっしゃるということを知ったのでスペシャルサービスで裏技伝授。

作品の出来不出来とは無関係に、派手なドーティ・アクションが見たければ、クリスチャン映画なのだ。なぜだかは分からない。特に都会ものではなく、コーッタヤムからパーラにかけてのクリスチャン・ベルトが舞台のものが高確率。お嬢様も、奥様も、目を覆いたくなるようなドーティでの死闘には充分にご用心を。

Nazrani.jpgPappyAppacha2.jpgThanthonni.jpg
左から、Nazrani (Malayalam - 2007) Dir. Joshiy、Pappy AppachaThanthonni

投稿者 Periplo : 01:47 : カテゴリー バブルねたkerala
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2011年08月24日

Project 2010:その5

50本総括の底辺の4本にやって来た。たったの4本というのがなんか寂しい。見なかったものの中には、きっとこれよりももっとドン底があるだろうと思うと変に気持ち悪い。極めきれなかった悔恨はあるものの、他にやりたい企画もあるし、やっぱり前に進まないとね。次回は諸事情で俎上に載らなかった作品の一覧も掲載の予定。

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★(星1つ)観るというなら止めはしないが

cvKarayilekku.jpgKarayilekku Oru Kadal Dooram

Director:Vinod Mankara
Cast:Indrajith, Mamta Mohandas, Dhanya Mary Varghese, Laxmi Sharma, Jagadheesh, Kozhikode Narayanan Nair, Ambika Mohan, Guruvayoor Sivaj, T P Madhavan, Geetha Vijayan, Kochu Preman, Valsala Menon, Narayanan Kutty

タイトルの意味:A Sea away to the Shore
タイトルの揺れ:Karayilekku Oru Kadal Duram

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム: 1時間53分

ジャンル:アート
キーワード:作家、運命の女、死の予感、創作ダンス、先祖のタラワッド、デビュー監督

寸評:内なる声に従ってというのではなく、見よう見まねのツギハギでアートに挑戦してみました、というのがバレバレのC級芸術映画。同じC級でも娯楽映画には楽しみ方もあると思うだが、アートの場合は救いようがない。今回の50本のなかではダントツのサイテー映画。しかしヴィノード・マンカラは本作でケララ州映画批評家賞のデビュー監督賞を獲得しているのだった。世も末じゃ。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/karayilekku-oru-kadal-dooram-malayalam-2010


cvPathinonnil.jpgPathinonnil Vyazham

Director:Suresh Krishnan
Cast:Mukesh, Manya, C I Paul, Nedumudi Venu, Sadiq, Jagathy Sreekumar

タイトルの意味:Jupitor in 11th House
タイトルの揺れ:11nil Vyazham

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:1時間59分

ジャンル:コメディー
キーワード:ウーティ、資産家、盗撮ビデオ、我儘令嬢、邪なマネージャー、強請、入婿

寸評:一見して Pistha (Tamil - 1997) Dir. K S Ravikumar とよく似たストーリーライン。舞台となるウーティ、ティー・エステートのオーナーである資産家の豪邸、形式だけの結婚etc.と90年代のタミル娯楽映画のパーツがてんこ盛りでレトロ感一杯。2005年12月に没したCIポールが重要な役どころで出演している。つまり少なくとも5年はお蔵に入ってたということになる。なんで、登場するお馴染みの面々もなんだか皆うっすらと若い。そしてよく分からないバタバタとした終わり方。明らかに伏線として提示されながら、打ち捨てられてしまったエピソードなどもあり。ポールさんの急逝で予定していたショットが撮れなくなったなどということでもあったのか、合掌。監督のスレーシュ・クリシュナ(オープニングロールでは Suresh Krishnnan と表示される)が、あの Badsha (Tamil - 1995) などの有名作品を手がけたスレーシュ・クリシュナ監督と同一人物なのかどうか、結局よくわからず。どなたか情報を持ってたら教えて下さい。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/pathinonnil-vyazham


cvRamaRavanan.jpgRama Ravanan

Director:Biju Vettappara
Cast:Suresh Gopi, Mithra Kurian, Biju Menon, Nedumudi Venu, Vadivukkarasi, Baburaj, Kochu Preman, Sona Nair, Sudheesh, Kulappulli Leela

タイトルの意味:
タイトルの揺れ:Raama Raavanan

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:1時間55分

ジャンル:アート
キーワード:スリランカ、LTTE、詩人、マドゥライ、ティルチラパッリ、テロリスト支援、ミューズ

寸評:マーダヴィクッティによるマラヤーラム語中編小説「Manomi」を原作としてもつアート作品で、なおかつ劇中にもこの原作への言及があり、メタ的な要素も兼ね備えている。一応舞台はタミル・ケララの州境ということになってるが、スリランカからやって来たシンハラ人であるヒロイン以外のキャラクターは明らかに全てタミル人。だってそうじゃないとストーリーが成立しないんだもん。原作を読んでないから確かなことは言えないが、タミル人の物語をマラヤーラム語で綴る(著者がマラヤーラム語人だから)ことには全くおかしなところはなかったはずだが、これが映画になるとかなり変。吹き替え作品でもないのに、タミル人、あるいはスリランカ・タミル人である登場人物をケララ人俳優が演じ、台詞も全部マラヤーラム語。ご都合主義の娯楽作品でならともかく、芸術映画ではさすがにマラヤーラム語でおk、とはならなかったと思うんだけどな。かといってタミル語の台詞でマラヤーラム語の字幕という訳にもいかなかったことは分かる。使用言語において、小説と映画というメディアの違いがクッキリ出てしまった珍現象として貴重。コンテンツ的には、スレーシュ・ゴーピの失敗したアートな試みにまたひとつ追加、という以外言うことはなし。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/rama-ravanan-malayalam-2010


cvYakshiyun.jpgYakshiyum Njanum

Director:Vinayan
Cast:Meghna Raj, Sajan Madhav (Gautham), Jubin Raj, Thilakan, Sphadikam George, Captain Raju, Mala Aravindan

タイトルの意味:Ghost and Me

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間25分

ジャンル:ホラー
キーワード:コーテーション、英国式ホーンテッド・マンション、女神崇拝、ティー・エステート、見世物小屋、ウェディングドレス、州境

寸評:マ映画きっての「見世物小屋の香具師」ヴィナヤン監督が3年ぶりに送り出した怪作ホラー。「夜叉と俺」というタイトルに軽く痺れる。マラヤーラム俳優組合と全面戦争中のヴィナヤン監督なので、出演の顔ぶれになじみがなくて凄い。なにしろ主演俳優の名前すらレビューによって異なっているのだ。演劇あるいはTV界からのリクルート、全くの新人、他州出身者、組合内のスト破りといった皆さんが熱演してるのだが空回り。科学では説明できない超常現象を描くとはいえ、ホラーにはホラーのロジックというものがあるはず。女の幽霊と生身の男のロマンスは面白いが、元の恋人はどうなったんじゃと女幽霊に問いたい。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/yakshiyum-njanum-malayalam-2010

yakshiyumnjanum.jpg
こんなふうに紹介すると Yakshiyum Njanum が凄く面白い映画に見えたりしないだろうか、心配だ。

投稿者 Periplo : 20:35 : カテゴリー バブルねたkerala
| コメント (0)

2011年08月23日

Project 2010:その4

そろそろ黒い霧がまつわりつき始めたぜ、の星2つ、全部で14本。しかしなんだろね、酷い目にあった映画がほとんどだってのに、星が減れば減るほど、寸評を書きながらヘラヘラ笑いが止まらないってのは。こうやってここで罵詈雑言を書くってのは、復讐なのか、セラピーなのか。

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★★(星2つ)観る人を選ぶと思う


cvPunyamAham.jpgPunyam Aham

Director:Raj Nair
Cast:Prithviraj, Samvritha Sunil, Nedumudi Venu, Sona Nair, KPAC Lalitha, Nishant Sagar, Sreejith Ravi

タイトルの意味:'Punyam' and ‘Aham’ are Sanskrit words adopted into the Malayalam language. ‘Punyam’ literally translates as purity, holiness, virtue, blessedness, or auspicious deed. ‘Aham’ means ‘I’ or ‘self’.

Joined, 'Punyaham' usually refers to a ‘holy water’ made and used ritualistically by the Hindu priests of South India to cleanse impurity (for example, if death occurs within a temple courtyard).

However the ‘substance’ can be anything - organic or inorganic, spiritual or secular, or even a state of mind. It could be a handful of muddied water, turned into a holy substance in the hands of a pure mind. ‘Punyaham’ can also refer to a transitional or transformed state of mind, perhaps with remedial power on another state of mind. It is this sense that is intended in this story.(プレスキットより)

DVDの版元:Saina
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:1時間52分

ジャンル:アート
キーワード:カタカリ、性的搾取、バラモンとダリトの結婚、色白コンプレックス

寸評:ホラー映画の化け物役、推理映画の死体役から始まって現在もセカンドヒロインどまりのサムちゃんがついにヒロイン役か!と期待を持って臨んだが巨大空振り。辛気臭い芸術映画だったorz。オフィシャルサイトに抜け目なく用意されているプレスキット(お勧め!)の釣り書きの方が本編よりもずっと面白いってのは問題だよ。まったく観る価値なしと切り捨てたいとこなのだが、ネドゥムディ・ヴェーヌの妖怪のような老カタカリ役者の芝居は捨てがたいのだから、始末に負えない。監督のラージ・ナーイルは『えび』の著者として名高い文豪シヴァシャンカラ・ピッライの孫にあたるという。

オフィシャルサイト:http://punyamaham.com/
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/punyam-aham-malayalam-2010


cvAgathan.jpgAagathan

Director:Kamal
Cast:Dileep, Charmi, Sathyaraj, Lal, Innocent, Biju Menon, Zarina Wahab, Valsala Menon, Majeed, Ambika Mohan, Babu Namboothiri , Reema Bashir

タイトルの意味:Arrival, Coming
タイトルの揺れ:Agathan

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム: 1時間59分

ジャンル:人間ドラマ
キーワード:カシミール紛争、特殊部隊、復習、バンガロール、葡萄園、ウドゥマライペーッタイ、シュリーナガル、ワイン樽

寸評:カシミールの紛争で家族全員を失った少年が、成人して故郷のケララに帰還する。次に彼はバンガロールに現れ、裕福な家庭の娘と恋に落ち、許婚となる。彼女の父である退役した将軍が住む山荘に招かれた主人公は、大家族と共に高原のヴァカンスを楽しむが…、という物語。ロマンスとサスペンスがいい具合にブレンドされた佳品なのだが、結末だけがちょっと強引&杜撰で全体の評価が下がったか。サディヤラージとチャールミーのマラヤーラム映画初出演ということで多少は話題になった。他言語の映画だとグラマーを要求されることの多いチャールミーだが、ここでは典型的な良家のお嬢さんを演じていてホンマに可愛い。これからもマ映画に居着いてくれないかな〜。ああ、チャールミーがこんなにカワユイのになんでオイラこれを星2つになんかしちゃったんだろうぉぉぉ~(後悔)。

オフィシャルサイト:http://aagathan.com/
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/aagathan-malayalam-2010


cvThanthonni.jpgThanthonni

Director:George Varghese
Cast:Prithviraj, Sheela, Sai Kumar, Ambika, Suresh Krishna, Jagannatha Varma, Vijaya Raghavan, Captain Raju, Ramu, Guruvayoor Sivaj, Anil Murali, Sadiq, Suraj Venjaramoodu, Baburaj, Sreejith Ravi, Sudheesh, Majeed, Bindu Panicker, Lena, Jagathy Sreekumar, Aditya, Abu Salim

タイトルの意味:Libertine

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間30分

ジャンル:アクション系ファミリー・ドラマ
キーワード:デビュー監督、パーラ(Pala)、シリアン・クリスチャン、アコーディオン、ドゥバイのドン、デザート・キャンプ、生き別れの父、飲んだくれ、ドーティ、もみあげ

寸評:久しぶりに見てて恥ずかしいと思った一品。結構予算をつぎ込んだような跡がうかがえるが、現地でもプリトヴィラージのダイハード・ファン以外にはほとんどアピールしなかったようだ。「シリアン・クリスチャンの名家のメンバー間での(大酒かっくらいながらの)骨肉の争い映画」のコレクター以外にはお勧めしたくない。自分はもちろんコレクターだ。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/thanthonni-malayalam-2010


cvAprilFool.jpgApril Fool

Director:Viji Thambi
Cast:Jagadheesh, Ashokan, Siddique, Mukesh, Biju Menon, Jagathy Sreekumar, KPAC Lalitha, Indrans, Majeed, Dinesh Kodieri, Lal, Kaveri , Nayana

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間4分

ジャンル:コメディー
キーワード:トリヴァンドラム、ニンフォマニア、痛い奴を晒すゲーム、長距離バス、自称歌手

寸評:ストーリー&脚本担当は主演のジャガディーシュとクレジットされているが、実際は Bheja Fry (Hindi - 2007) Dir. Sagar Ballary(これ自体がフランス映画『奇人たちの晩餐会』のパクリだという)の勝手リメイク。4月1日に封切られた。キャストをざっくり見ると分かるように、In Ghost House Inn とかなり被っていて、否応なしにコメディーとして期待させられてしまうのであるが、大外れ。少し前に封切られて大ヒット中だった同作が満員御礼で、あぶれた観客が多少はこっちに流れたのかもしれない。なお、衣装担当はインドランス

オフィシャルサイト:http://aprilfool.moviebuzz.org/
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/april-fool-malayalam-2010


cvRingtone.jpgRingtone

Director:Ajimal
Cast:Suresh Gopi, Bala, Megna Nair, Baburaj, Zeenath, Machan Varghese, Manraj, Jagannath Varma, Abu Salim, Anoop Chandran, Rajan P Dev, Ambika, Kozhikode Narayanan Nair, Kiran Raj, Sai Kumar, Sreelatha, Ambika Mohan,

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:1時間57分

ジャンル:スリラー
キーワード:デビュー監督、コインバトール、パーラッカード、トラックの荷台、ケララ・アイヤル、ワランガル、AP州のテロリスト

寸評:とりあえずB級スリラーであることは最初から分かっていたのでダンスシーンのショボさやアクションシーンの安普請には目をつむるつもりでいた。最初の30分ほどでは、なにやら緊迫した展開があってちょっとワクワクしたのだが続かなかった。マラヤーラム映画におけるアーンドラ・プラデーシュ州のイメージに関して興味のある人以外にはお勧めしない。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/ring-tone-malayalam-2010


cvMalarvaadi.jpgMalarvaadi Arts Club

Director:Vineeth Sreenivasan
Cast:Nivin Pauly, Shraavan, Bhagath, Harikrishnan, Aju Varghese, Nedumudi Venu, Jagathy Sreekumar, Kottayam Nazir, Suraj Venjaramoodu, Janardhanan, Sreenivasan, Salim Kumar, Apoorva Bose, Malavika Wales

タイトルの意味:Malarvadi は beautiful flower garden の意。後は読んでの通りだが、どうやら土地の有志や政党の支部などが提供する少年の自主活動(スポーツ系を除く)の場が Art club と呼ばれることが多いようだ。
タイトルの揺れ:Malarvadi Arts Club

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間11分

ジャンル:青春
キーワード:バンドやろうぜ!、勝抜きのど自慢、マヘへの酒の買い出しツアー、政党の下働きのグーンダ、スト破り

寸評:プレイバック・シンガーとしてイイ線いってて、性格俳優としても見所ありとされているヴィニート・シュリーニヴァーサンの初監督作。音楽に賭ける若者達の青春群像を、平凡だが訥々と描く。主役級のキャストが無名の新人ばかりであるにも拘らず、現地では若い世代を中心に受け入れられ、それなりにヒットしたという。が、個人的には困った映画だな。ー番の違和感は、(ロックンロール的な)バンドの音楽性と(喉自慢的な)シンガーの音楽性とが一緒くたにされてしまっているところか。そのへん、曲は基本的にヴィニートお得意のバラードなのにヴィジュアルだけがタテのりになってるクライマックスシーンに最もクッキリと現われていた。これが非古典音楽に対するケララ的な感性なのだろうか。ともかく音楽が飾りじゃない本質的な役割を果たす映画だけに、このギクシャクはちょっと痛すぎると思った。ディリープ(Graand Production)がプロデューサーというのもまた意表をつく布陣。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/malarvaadi-arts-club-malayalam-2010


cvPattinte.jpgPattinte Palazhy

Director:Rajiv Anchal
Cast:Meera Jasmine, Manoj K Jayan, Nedumudi Venu, Revathy, Jagathy Sreekumar, Jagadheesh, Sreedevi Unni, Balabhaskar, Kozhikode Narayanan Nair

タイトルの意味:Milky Ocean of Songs
タイトルの揺れ:Pattinte Palazhi, Paattinte Paalaazhy

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間12分

ジャンル:人間ドラマ
キーワード:プレイバック・シンガー、パーラッカード・バラモン、チェンナイ、ヒンドゥスターニー音楽、ガザル、マイソール、サンダルウッド、アーター粉、異教徒間結婚

寸評:芸道を主軸に据えたミュージカル映画のようでありながら、途中からインド映画お得意の「サイコロジカル・ディスオーダー」ものに転じてしまい、どっちつかず。劇中、MSスッブラクシュミと夫のサダシヴァムについて意味ありげに語られるのだが、いうなれば本作は「MSが無理解な夫を持ったらどうなっていたか」をシミュレーションしてみた鏡面像のドラマのようにも見える。個人的に大ショックだったのは厚化粧のレーヴァティとラミャー・クリシュナンの区別がつかなくなって来たってことだ。見終わって各種のレビューで確認するまで本当にどっちだか分からなかった、なんてことだあ(泣)。カルナーティック・ヴァイオリンをフィーチャーしたテーマチューンはセンチメンタルでいい。

オフィシャルサイト:http://www.simplymadframes.com/works/pattinte/
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/pattinte-palazhy-malayalam-20109


April Fool
April Fool のポスター。これ見て行きたいと思う人は…まあ、いるんだろうけど。


cvNeelambari.jpgNeelambari

Director:Harinarayanan
Cast:Vineeth, Bhama, Divya, P Sreekumar, Ambika Mohan, Kalasala Babu, Anoop Chandran, Harishree Ashokan, Suraj Venjaramoodu, Anoop Menon,Ponnamma Babu

タイトルの意味:Blue Lotus、またカルナーティック音楽のラーガの一つの名称でもある
タイトルの揺れ:Nilambari

DVDの版元:Empire
DVDの字幕:なし
DVDのランタイム:1時間47分

ジャンル:ロマンス
キーワード:パーラッカード、パラニ、ケララ・アイヤル、巡礼団、シヴァ讃歌、親切なトラックの運ちゃん、憧れのセンセイ、物乞いのコロニー

寸評:慎ましいバラモン集落に育った二人の女の子が、乙女の夢と妄想できゃっきゃきゃっきゃの楽しい毎日に、素敵な音楽の先生が現れて、いつの間にやら生臭の渦に巻き込まれ、気が付けば…というジェットコースター・ドラマ。あまりにもベタベタで古臭すぎてなんとコメントしていいやら。それにしても、Vietnam Colony あたりから意識して見るようになったのだが、ケララ・アイヤル=パーラッカード・バラモン(こちらなど参照)の世界を背景にした映画というのは、現実の人口比率に対してみるとかなり多い。ムスリムやクリスチャンといった「メジャーなマイノリティ」に匹敵するぐらいに多いような気がする。他のマイノリティと比べてあまり政治的な気遣いをせずにネタにできる、しかも衣装や舞台装置などがわかりやすくエキゾチック、みたいなところがあるからなんだろうか。そういう意味での魅力は確かにあるので、観光的な楽しみを求める人にはお勧めしたい。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/neelambari-malayalam-2010


cvChekavar.jpgChekavar

Director:Sanjeevan
Cast:Indrajith, Kalabhavan Mani, Sreejith Ravi, Samvritha Sunil, Sarayu, Jagathy Sreekumar, T P Madhavan, Pala Charlie, Subair, Ambika Mohan, Suraj Venjaramoodu, Janardhanan, Kalasala Babu, Narayanan Kutty, Majeed, Kollam Ajit

タイトルの意味:Name of warriors' class in ancient south India

DVDの版元:Harmony
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:1時間40分

ジャンル:アクション・スリラー
キーワード:デビュー監督、コーチン、警官の身内の犠牲者、兄弟ペアの犯罪者、寺院の決闘

寸評:身内に危害を加えられた警官が、遵法的な捜査活動を放棄して犯人と私闘に望む、という身も蓋もないストーリー。勿体をつけたセリフ(俺様は罪障消滅のための祈祷を知ってるだけのバラモンじゃない、破壊を体現するシヴァ派バラモンなのだ)とかで色々と膨らまそうとした努力のあとはうかがえるのだが、アイディア不足で失墜した感は否めない。カラーバワン・マニによる「昔はかなりヤンチャしたけど、今はもう落ち着こうと思ってるの、いつまでもバカやってられないじゃない♫」タイプの中年ヤクザ像はちょっと面白かった。

オフィシャルサイト:http://www.chekavar.in/
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/chevakar-malayalam-2010


cvOridathoru.jpgOridathoru Postman

Director:Shaji Azeez
Cast:Kunchacko Boban, Innocent, Sarath Kumar, Meera Nandan, Salim Kumar, Jaffer Idukki, Majeed, Narayanan Kutty, Anil Murali, Kalabhavan Mani, Suraj Venjaramoodu, Ganesh Kumar

タイトルの意味:Postman at a place

DVDの版元:Harmony
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間8分

ジャンル:人間ドラマ
キーワード:富籤中毒、テロリスト、社会改革家、郵便配達人、息子が親を勘当、野生動物写真家

寸評:親父と息子のドツキ合いをメインとしたヴィレッジ・コメディーと、テロリズムを扱うシリアス・メッセージが噛み合ず、ちぐはぐな印象。イノセント演じる親父の職業を郵便配達にして、なおかつタイトルにも掲げた意味もあまりはっきりしない結果となった。郵便屋映画というと Mutharam Kunnu PO (Malayalam - 1985) Dir. Sibi Malayil みたいなお気に入りがあったんでつい期待してしまったのだが。ミーラ・ナンダンちゃんを出してるのにロマンス要素もない妙に禁欲的な構成も勿体無いと思えた。富籤に入れ込んで破滅する男のエピソードは興味深かった。普通の理性があれば、こんなオッちゃんが宣伝してる富籤にアタリがあるわきゃないと分かりそうなもんだが。パチンコも競馬も競輪もないケララじゃあ唯一の公認の博打なのでやむを得ないのか。それにしても、インド映画でたまに遭遇するネイチャー・フォトのカメラマンという設定は面白い。Photographer (Malayalam - 2006) Dir. Ranjan Pramod とかでもそうだったけど、風来坊の自由人だが、デカトラ運ちゃんとは違って都会的センスがありインテリでもある人物像として好まれているようなのだ。1995年の米映画『マディソン郡の橋』あたりの影響だろうか。Orange (Telugu - 2010) Dir. Bhaskar で、主人公がシドニー在住の若いグラフィーティ・アーティスト(憫笑)で同時にネイチャー・フォト・カメラマンでもある(爆笑)ってのを見たときは、さすがにひっくり返ったが。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/oridathoru-postman-malayalam-2010


cvFourFriends.jpgFour Friends

Director:Saji Surendran
Cast:Jayaram, Jayasurya, Kunchacko Boban, Meera Jasmine, Kamal Hasan, Siddique, Sukumari, Lalu Alex, Seema, Ganesh Kumar, Salim Kumar, Suraj Venjaramoodu, Manikuttan

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間36分

ジャンル:人間ドラマ
キーワード:マレーシア、ランカウィ島、Suicide Bridge、地獄の沙汰も金次第、天后廟、Sholeyのテーマソング

寸評:奇妙な映画、としか言いようがない。極限の状況におかれた男3人女1人の4人組の友情。オリジナルはハリウッド映画ということなのだが、マ映画としては空前絶後の設定で、現実感はゼロ。ジャヤラーム、ミーラ・ジャスミン、クンチャーコー・ボーバン、ジャヤスーリヤのそれぞれの芝居が良くてところどころ胸を打たれるが、次の瞬間アホ臭い展開に一気に白ける、その繰り返しで疲れた。自身の役で現れるカマル・ハーサンは友情出演でストーリーには絡まないが、プライベートなことをベラベラと喋ったりしてちょっと驚いた。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/four-friends-malayalam-2010


cvKaryasthan.jpgKaryasthan

Director:Thomson
Cast:Dileep, Dileep, Akhila, Vandana, Madhu, G K Pillai, Siddique, Biju Menon, Sadique, Ganesh Kumar, Lena, Suresh Krishna, Kozhikode Narayanan Nair, Shammi Thilakan, Suraj Venjaramoodu, Salim Kumar, Kochu Preman, Janardhanan, Haishree Ashokan, Ramu, Nishant Sagar,Anoop Chandran

タイトルの意味:Manager
タイトルの揺れ:Kaaryasthan, Kariyasthan, Kaariyasthan

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間49分

ジャンル:コメディー
キーワード:デビュー監督、敵対する隣同士の名家、TV俳優によるOmShantiOm式ソングシーン

寸評:なんたってJanapriya Nayakan (much loved hero)、皆様のディリープの記念すべき100本目の出演作だ。脚本はお気に入りのシビKトーマスとウダイクリシュナのコンビ、Twenty:20 (Malayalam - 2008) Dir. Joshiy を手がけた腕利き。なもんだからコッテコテの大サービスであることは見る前から分かってた。で、実見してみて、期待を裏切らないサービスぶり。あまりにも予想通りで、逆に何も記憶に残らなかった…。ええと、どんなストーリーだったっけ? 隣り合っているのにいがみ合ってる二つの名家のうちの片方にディリープがやってきて執事となり、その心とろかす微笑みと機智と愛嬌によって良家を和解させ、ついでに美人の恋人も手に入れて、最後に正体をあかす、ってんだったわな。とあるレビューでは、「ラージャセーナン・タイプのコメディ」と評されてた。最近の経年劣化の激しいラージャセーナンしか知らないもんだから、そうか全盛期にはこういう作風だったのかということが分かり勉強になった(なんのこっちゃ?)。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/karyasthan-malayalam-2010


cvThethriller.jpgThe Thriller

Director:B Unnikrishnan
Cast:Prithviraj, Katherine Theresa, Riyaz Khan, Vijaya Raghavan, P Sreekumar, Siddique, Lalu Alex, Sasi Kalinga, Subair, Sampat Raj, Guruvayoor Sivaj, Kollam Thulasi, Dinesh Panicker, Mallika Kapoor, Mamta Mohandas

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間22分

ジャンル:スリラー
キーワード:サンド・マフィア、コーテーション殺人、ハワラ、コーヴァラム、トリヴァンドラム、ナガルコーイル、サイバー捜査官、ガンの飛ばし合い

寸評:スレーシュ・ゴーピの偉大さが再確認できる作品。ただし本作にはスレーシュ・ゴーピは出演していない。題名こそスリラーだが、ムーンウォークはない、ゴリマーもない、これが本作の最も肯定的な要素。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/the-thriller-malayalam-2010


cvKanyakumari.jpgKanyakumari Express

Director:T S Sureshbabu
Cast:Suresh Gopi, Babu Antony, Jagathy Sreekumar, Bheeman Raghu, Lena, Urmila Unni, Kiran Raj, Gouri Nanda, Dinesh Panicker, Baiju

タイトルの揺れ:Kaniyakumari Express

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム: 1時間48分

ジャンル:アクション・スリラー
キーワード:トリヴァンドラム、コーヴァラム、カニヤークマリ蝋人形館、タミル州警、イケイケおばちゃん

寸評:鉄道ものと思いきや、カニヤークマリ・エクスプレスとは一般道を走るバスの事なのだった。カニヤークマリ岬の周辺にあるショボいテーマパークなどが舞台になっており、田舎くさいことこの上ない。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/kanyakumari-express-malayalam-2010


Four Friends
Four Friends のカットアウト。まるで変種の青春映画みたいな印象を与えるが…。

投稿者 Periplo : 19:35 : カテゴリー バブルねたkerala
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2011年08月22日

Project 2010:その3

一番バラエティに富んだ星3つ、ここはさくさくっと行こう、全部で21本だ。こうして見るとクソミソに貶してるものと結構褒めてるものとが混じってて不思議な感じだが、自分の好き嫌いだけでなく客観的な視点を意識した結果、個人的にはイマイチだったものもこのカテゴリーに入って来たとご理解いただきたい(←いちいち大仰だっての)。

******************************************************************

★★★(星3つ)色々あって面白い

cvHappyHus.jpgHappy Husbands

Director:Saji Surendran

Cast:Jayaram, Bhavana, Reema Kalingal, Salim Kumar, Suraj Venjaramoodu, Maniyan Pillai Raju, Indrajith, Jayasurya, Samvritha Sunil, Vandana, Sadique, T P Madhavan, Mamukoya, Kalabhavan Shajohn

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間37分

ジャンル:コメディー
キーワード:浮気、バンコク、中産階級、ジャヤラームの踊りっぷり

寸評:Charlie Chaplin (Tamil - 2002) Dir. Shakti Chidambaram、Pellam Oorelithe (Telugu - 2003) Dir. S V Krishna Reddy、No Entry (Hindi - 2005) Dir. Anees Bazmee とブーメランのようにリメイクされてきたストーリーのマラヤーラム版。浮気が主要なモチーフとはいえ、見るからに人畜無害なスターさんを揃えたおかげで家族揃って楽しめるものになってる。ただし、ちょっと長過ぎ。このシャージ・スレンドランという監督、デビューからまだ数作だが、若い連中が(一部若くないのも混じってるが)集団でドツキ合うあるような群像ドラマをハッキリと指向してるところが面白い(同年公開の Four Friends もそうだ)。今後どんなものが出てくるか。それにしても、劇中での一行の旅行先は見た目からして明らかにタイなのに、台詞の上ではマレーシアで押し通す不思議、なにか訳でもあったのか。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/happy-husbands-malayalam-2010


cvBodyGuard.jpgBodyguard

Director:Siddique

Cast:Dileep, Nayantara, Harisree Ashokan, Thyagarajan, Mithra Kurian , Cochin Haneefa, Janardhanan, Balachandran Chullikkad, Unda Pakru,Zeenath

タイトルの揺れ:Body Guard

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間36分

ジャンル:ラブコメ
キーワード:コメディー・オブ・エラーズ、ジェミニ・ガネーシャンという綽名、グラサン、サファリスーツ、親爺学生、悪戯電話、「まだ見ぬ恋人」

寸評: はっきり言って2010年の最大の問題作だ。それはもちろん、本作が雪崩的にあるいは将棋倒し的に他言語リメイクを起こしたから。それも安っぽいのじゃなく、ヴィジャイ&アシンの Kaavalan (Tamil - 2011) Dir. Siddique、サルマーン&カリーナーの Bodyguard (Hindi - 2011) Dir. Siddique、ヴェンキー&トリシャーの Ganga (Telugu - 2011予定) Dir. Mallineni Gopichand と、各言語の大スターをフィーチャーしたものになったから。オリジナルは大ヒットにはいたらなかったというのに。なんでもシッディク監督によればこれはもともとヴィジャイ主演のタミル映画として構想されたものだったのだそうだ(SouthScope 誌のインタビューによる)。本当かどうかはわからないけどね。ともかく、こちらのフィルモグラフィーを見ると分かるように、なんかこの人は「(セルフも含めた)リメイクされ体質」を持ってるようなのだ。本作に限定した感想はというと、正直なところ眠たい印象だった。あり得ない奇想天外な話なのにロジック的には一応筋が通ってる魔術のような展開、特にコメディーがロマンスに変わる中盤や、どんでん返しのラストには胸を打つものがある。ただ、導入部分が長過ぎたのと、キャスティングにところどころ説得力がなかった(たとえばヒロインの父役にはもうちょっと陽性の凶暴さが欲しかったが、どうだろう)のが、エキサイトに至らなかった原因だと思う。なので後から雪崩うつリメイクの話を聞いてビックリだった。本作の何が他言語圏のプロデューサーにアピールしたのだろうか、やっぱり気になって全部観てしまいそうなのだった。
8月27日追記:カンナダ版もあった! Bodyguard (Kannada - 2011) Dir. Anand

当網站の関連ポスト:2009.03.08(予告的紹介)
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/bodyguard-malayalam-2010


cvDrona2010.jpgDhrona 2010

Director:Shaji Kailas

Cast:Mammootty, Kaniha, Navya Nair, Manoj K Jayan, R Jayan, Subair, T P Madhavan, Kollam Thulasi, Laxmi Sharma, Suraj Venjaramoodu, Dhanya Mary Varghese, Thilakan, V K Sreeraman, KPAC Lalitha, Sadique, Bala, Devan, Abu Salim, Narayanan Kutty, Kulappulli Leela, Manraj

タイトルの意味:マハーバーラタの登場人物ドローナについてじはこちら参照。本作のタイトルとして意味は正直なところよくわからない。
タイトルの揺れ:Drona 2010, Drona

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム: 2時間30分

ジャンル:ホラー
キーワード:酒好きバラモン、ナンブーディリ、呪いの館、蛇神、ライバル名家、夜叉、一人二役、エクソシスト、アンクレットの鈴の音、憑物、フラストレーションの高まりから自分の額を柱に打ち付けるあのジェスチャー

寸評: マッチョ・アクション映画の大家であるシャージ・カイラースとマンムーティが組んでホラー映画を作ったってんだから期待は否応無しに膨れ上がったが、ともかく現地でのブーイングが酷かった。登場するキャストは全てオーバーアクト気味。しかしこれはホラー映画としては責められるところではないはずだ。問題は、次々と怪奇現象が起こるなか、主役とメイン悪役が睨み合いながら延々と勿体つけた禅問答を続ける描写が長過ぎたってことかな。クライマックスの憑物シーンは評判が悪いが、この悪趣味グロテスク加減は嫌いじゃない。伝説の悪霊を演じる女優の下品な美貌もまた魅力的。笑えるホラーでもないし、美しいホラーでもないけど、ゴージャスなパチもんとしてはお勧めしたい。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/drona-2010malayalam-2010


cvThathwamasi.jpgThathwamasi

Director:Viswachaithania

Cast:Vineeth, Laxmi Gopalaswamy, Rajasenan, Anoop Chandran, Narayanan Kutty, Dinesh Panicker, Manikuttan, Guruvayoor Sivaj, Subair

タイトルの意味:That you are (サンスクリット語のフレーズ、Tat Tvam Asi から来ている)

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム: 2時間6分

ジャンル:ディヴォーショナル
キーワード: アイヤッパン、シャバリマラ巡礼、無神論者、警備の警官、神の窶し、ラーマ神話、Attukalamma (Sabarimala of Ladies)

寸評:マラヤーラム映画としては久々の神話・バクティ映画というのでかなり期待していた。サウスではこのジャンルで時折大作が作られている(今でも盛ん、とまでは言わないが)テルグ映画のそれとどのように違う表れ方をするかというのが、興味の大半だった。満艦飾で、現代的なテクノロジーを駆使して、世俗的・娯楽的な魅力も満載のテルグ神話映画と異なり、本作は絵巻物のような淡々とした語り口で、クライマックス以外はリアリズムに支配されており理知的。一方で時折挿入される神話の再現は、まるで紙芝居のようで古拙の味わい。クライマックスも完全に定式化したもので、冒頭から予測がつくもの。スリリングな展開によって観客の心をがっちり掴んで離さない、そして宗教的な熱を呼び覚ます、という類のストーリーでは全然ない、しかし何故だか好感が持てる。巨大な宗教現象としてのシャバリマラ巡礼についてのある種のドキュメンタリーとして大変に興味深い。参拝を許されない女性に巡礼を疑似体験させるという意味合いも持っていたのではないかとも思える。

当網站の関連ポスト:2010.01.25(予告的紹介)
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/thathwamasi-malayalam-2010


cvYugapurshan.jpgYugapurushan

Director:R Sukumaran

Cast:Thalaivasal Vijay, Mammootty, Kalabhavan Mani, Navya Nair, Siddique, Salim Kumar, Pala Charlie, Thampi Antony, Sai Kumar, Shoba Mohan, Babu Antony, Arun, Jishnu, Augustine, Jagathy Sreekumar, Kalpana, Devan, Saji Vakkanad

タイトルの意味:Person of this Age

DVDの版元:Harmony
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間31分

ジャンル:アート、偉人伝
キーワード:イーラヴァ、地位向上、神前飲酒の禁止、ブラウスを纏う権利、異カースト間(逆毛)婚、ガンジー、タゴール、低カーストの寺院入構、"Chattambi Sage"

寸評: イーラワ・カースト(こちらなど参照)の社会的地位の向上に努めた(本来の教えはイーラワに限定したものではなかったが)導師で、死後は神格化されたシュリー・ナーラーヤナ・グル(1855-1928)の生涯を伝記的に描く。もちろん直球のメッセージ映画な訳だから、通常の娯楽映画のアトラクションは全くないのだが、これが結構飽きないのだ。聖人とはいえ19-20世紀の実在の人物の行跡が描かれているのだが、話法としては完全にバクティ映画のそれで、フラッシュバックなどもあまりなく直線的にストーリーが進行する。バクティ映画的でありながらも、奇跡とか神さんの降臨とかはないのでどこまでも淡々としている。なのにどうして飽きないのかというと、やぱりスターさん達が実在の歴史上の有名人になりきって歴史上の事件にかかわっているところに見とれるからだと思う。実際のところ、ガイジンである自分にとっては初めて知る人物や事件も多いのだけれど、本作を教材にして知識を得られるというのは大層贅沢なことだと思う。

当網站の関連ポスト:2009.03.06(誤報的紹介)
オフィシャルサイト:http://yugapurushan.moviebuzz.org/
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/yugapurushan-malayalam-2010


cvNayakan.jpgNayakan

Director:Lijo Jose Pellissery

Cast:Indrajith, Siddique, Jagathy Sreekumar, Thilakan, Lalu Alex, Dhanya Mary Varghese, Kalasala Babu, Vijaya Raghavan, Ambika Mohan, Majeed, Sreejith Ravi, Kiran Raj, Anil Murali

タイトルの意味:Actor
タイトルの揺れ:Nayagan, Naayakan, Naayagan

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間15分

ジャンル:アクション・スリラー
キーワード:デビュー監督、カタカリ、飲酒ショック死、カーニバル、マレーシア、フォート・コーチン、カバディ、泥仕合、EMSのそっくりさん、養豚場、錠剤の向精神薬(?)、京劇メイク(?)

寸評:デビュー監督のものとしては意外なほどに現地のレビューの評価が高かった作品。ストーリーは比較的単純な復習譚なのだが、色々と新しいことをしようとした工夫の跡が見て取れる。まずフラッシュバックの多用、それに演劇性の高い演出、ワイヤーにあまり頼らないアクション、芸術映画で採用されそうな凝った映像処理。アクション映画ではあっても単細胞マッチョ野郎が吠えまくり暴れまくるというのは避けて、内向的で翳りのあるものにしたかったんだな。その辺が一部の現地観客にはウケたみたいだ。ただ、芝居がかった劇画調のギミックがあまりにも前に出過ぎて、ストーリーが埋もれてしまった感は否めない。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/nayakan-malayalam-2010


cvPramani.jpgPramani

Director: B Unnikrishnan

Cast:Mammootty, Prabhu Ganesan, Siddique, Fahad Fazil, Sneha, Lakshmi, Kalabhavan Mani, Suraj Venjaramoodu, Salim Kumar, Suresh Krishna, KPAC Lalitha, Guruvayoor Sivaj, Anoop Chandran, Janardhanan, P Sreekumar, Majeed, Lena, Baiju, Narayanan Kutty, Sasi Kalinga, Pala Charlie, Baburaj, Nazriya Nazim

タイトルの意味:Person who rules with properties
タイトルの揺れ:Pramaani

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間14分

ジャンル:人間ドラマ
キーワード:パンチャーヤト・プレジデント、腐敗告発、隠し子、密告レター

寸評:Bウンニクリシュナン監督といえば2008年の総潰しの時に Madambi で酷い目にあったんだった。実際に本作もまた「嫌われ役を一手に引き受けるホントはいい人のお館様」路線を継承している。そして主人公との間にロマンスがあるのかないのかよくわからない微妙なヒロインを配してるところも同じ。回想シーンで登場する故人役のプラブ・ガネーシャンは久々のマラヤーラム映画出演だが、そのブッとい存在感が活かされているとは思えず。っていうか、その死のシーンはマ映画史上でも空前のバカバカしい最期だったと思う。しかしあれには気をつけんと(汗)。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/pramani-malayalam-2010


cvJanakan.jpgJanakan

Director:N R Sanjeev

Cast:Mohanlal, Suresh Gopi, Guruvayoor Sivaj, Dinesh Panicker, Krishna Nair, Jothirmayi, Biju Menon, Harishree Ashokan, Kaveri, Priya Lal, Vijaya Raghavan, Vijayakumar, Pala Charlie, Ganesh Kumar, Ranjit Menon, Sivani, Parvathy

タイトルの意味:Father
タイトルのゆれ:Janagan

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:2時間02分

ジャンル:スリラー
キーワード:トリヴァンドラム、政府高官の子弟、未成年女性への性犯罪、逮捕状

当網站の関連ポスト:2010.08.10(ディスク情報)
オフィシャルサイト:http://janakan.moviebuzz.org/
その他の参考レビュー:http://periplo.posterous.com/janakan-malayalam-2010-18753


cvPappiAppacha.jpgPaappy Appachaa

Director:Mamas

Cast:Dileep, Innocent, Kavya Madhavan, KPAC Lalitha, Machan Varghese, Kochu Preman, Narayanan Kutty, Majeed, Ashokan, Suresh Krishna, Abu Salim, Shoba Mohan, Kalabhavan Shajohn

タイトルの意味:Paappi and Father
タイトルの揺れ:Pappi Appacha

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間40分

ジャンル:コメディー
キーワード:デビュー監督、クリスチャン、駄目親爺、パンチャーヤト・プレジデント選挙、トドゥプラ、親子喧嘩、保険金詐欺、飲んだくれ、ドーティ、もみあげ、ガウンダール・スタイルの悪役

寸評: ディリープとイノセントがやりたい放題をやるヴィレッジ・コメディなのだから楽しいのは保証付きみたいなものなのだが、ちょっと長過ぎ。個性派揃いの脇役による村のおかしな人間模様、お馬鹿なソングシーン、さらにお馬鹿なアクションシーン、全てが揃ってるのに、ともかく長くて長くて辛かった、なんでだろ。なんでもありのパンチャーヤト・プレジデント選挙のシーンは面白かった。

当網站の関連ポスト:2010.04.07(カットアウト紹介)
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/paappi-appachaa-malayalam-2010


cvAlexander.jpgAlexander the Great

Director:Murali Nagavally

Cast:Mohanlal, Bala, Aswathi, Sai Kumar, Jagadheesh, Nedumudi Venu, Zarina Wahab, Ganesh Kumar, Siddique, T P Madhavan, Lalu Alex, Shanti Krishna

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:2時間24分

ジャンル:人間ドラマ
キーワード:ドゥバイ、大富豪、精神科、数学の天才、音楽の天才、予知能力、アングロ・インディアン

当網站の関連ポスト:2010.08.12(ディスク情報)
その他の参考レビュー:http://periplo.posterous.com/alexander-the-great-malayalam-2010


cvMummyAndMe.jpgMummy & Me

Director:Jithu Joseph

Cast:Archana Kavi, Urvasi, Mukesh, Konchacko Boban, Suresh Gopi, Lalu Alex, Shari, Sudheesh, Arun, Anoop Menon, Janadhanan

タイトルの揺れ:Mummy and Me

DVDの版元:Harmony
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間11分

ジャンル:青春
キーワード:反抗期、中産階級、インターネットのチャット、鱗みたいなパーティードレス

寸評:思春期の女の子が持つありきたりの問題を丁寧に描いていて新鮮。ヒロインを取り巻く家族や友人たちの人間模様にもいちいち頷く。脇を固める名優の皆さんのアンサンブルとアルチャナちゃんのフレッシュさがいい具合に噛み合ったんだな。最後に問題の解決を神の(ごとき登場人物の)手に委ねたりしなければ傑作になったと思うのだが。もし最後にこの神さんをヒロインが実際に目にしたらどんな反応をしていたか、というところも気になる。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/mummy-me-malayalam-2010


Yugapurushan
Yugapurushan の看板


cvOruNaalVarum.jpgOru Naal Varum

Director:T K Rajeev Kumar

Cast:Mohanlal, Sreenivasan, Sameera Reddy, Devayani, Suraj Venjaramoodu, Indrans, Nedumudi Venu, Kottayam Nazir, Balachandran Chullikkad, Maniyan Pillai Raju, Lalu Alex, Dinesh Panicker, Aditya, Ambika Mohan, Siddique, T P Madhavan, Kollam Thulasi

タイトルの意味:A day will come
タイトルのゆれ:Orunaal Varum

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間29分

ジャンル:コメディー
キーワード:アシスタント・タウン・プランニング(ATP)・オフィサー、賄賂、クトラーラムの滝

当網站の関連ポスト:2011.08.12(ディスク情報)
その他の参考レビュー:http://periplo.posterous.com/oru-naal-varum-malayalam-2010


cvApoorvaRagam.jpgApoorvaragam

Director:Sibi Malayil

Cast:Nishan, Asif Ali, Nithya Menon, Vinay Forrt, Jagathy Sreekumar, Santhosh Jogi, Abhilash, Hima

タイトルの意味:Rare Melodies
タイトルの揺れ:Apoorva Ragam

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間15分

ジャンル:スリラー
キーワード:Seemati、カレッジ・ロマンス、どんでん返し、カツラ

寸評: スリラーといいながらユルユルのものが多いマ映画にしては、比較的緊密に編まれたものではあると思うのだが、頭の中でこしらえた感のあるストーリー。現実に根ざしていないファンタジック・スリラーとでも言うべきかな。見てる間は飽きはないんだけど、終わった後にこれと言った感動もない。過去に幾多の名作を世に送り出しているシビ・マライル監督が、既存のスターを一切使わずに有望な若手を前面に出して本作を撮ったことの意義は記憶しておきたい。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/apoorvaragam-malayalam-2010


cvSukudumbam.jpg
Sakudumbam Shyamala

Director:Radhakrishnan Mangalath

Cast:Urvasi, Kunchacko Boban, Sai Kumar, Bhama, Nedumudi Venu, Geetha Vijayan, Jagadheesh, Suraj Venjaramoodu, Kiran Raj, Balachandran Chullikkad, Dinesh Panicker, P Sreekumar

タイトルの意味:Shyamala with her family
タイトルの揺れ:Sakudumbam Syamala

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間19分

ジャンル:コメディー
キーワード: トリヴァンドラム、隠しカメラ、主婦感覚、アジタのパロディ、謎の野郎アイテムダンサー

寸評:クンチャーコー君が主演のほのぼのラブコメかと思いきや、マ映画伝統の「痛い奴が好き勝手やって顰蹙買いまくったあげくに懲罰を受ける」コメディなのだった。 ここでの痛い奴はウールワシさん。やり過ぎ感のあるくどい脚本をギリギリのところで笑えるものにしてるのはウールワシさんの力だろうね。教訓で終わるストーリーはともかくとして、トリヴァンドラムの町中で偶然にデモ隊と警官隊との小競り合いに巻き込まれたところをTVで放映され、それをきっかけに御輿に担がれ州政界でのし上がって行く一介の主婦というモチーフ、激しくえげつなく描写されていて見応えがある。ケララ政治の実際を知るための学習的な効果大ありのコメディーだ。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/sakudumbam-shyamala-malayalam-2010


cvPennpattanam.jpgPennpattanam

Director:V N Vinu

Cast:Swetha Menon, Revathy, KPAC Lalitha, Vishnupriya, Kailash, Sadiq, Nedumudi Venu, Abu Salim, Augustine, Lal, Guruvayoor Sivaj, Praveena, Sasi Kalinga

タイトルの意味:City of women, Supremacy of woman
タイトルの揺れ:Penn Pattanam

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間1分

ジャンル:人間ドラマ
キーワード:コーリコード、ゴミ収集人、ハワラ、因業金貸し、セクハラ

寸評: すっかり映画監督として一家を成した感のあるランジットが、珍しく脚本を提供している。社会の「中より下」(最底辺ではないが)にあって、市清掃局からの委託作業員としてゴミ収集をしている4人の女性達の尊厳と葛藤を描く。美人揃いのゴミ収集小母さん+お姐さんが不法投棄をする小狡い金持ちをこてんぱんにするシーンには胸がすくが、それだけでは終わらない。30ラクもの大金の入ったバッグをゴミ捨て場で見つけた時から、4人組には眠れぬ夜が訪れ、相互不信が芽生え始める… というストーリー。風刺映画としてよくできてるんだけど、見終わった後のスカッと感が欠けていて微妙。シュウェちゃんのアクションシーンは格好良過ぎ♥リアリズムを犠牲にしても仁王立ちで見栄を切ってほしかった。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/penpattanam-malayalam-2010


cvAthmakatha.jpgAathma Katha

Director:Premlal

Cast:Sharbani Mukherjee, Sreenivasan, Babu Namboothiri, Bindu Panicker, Jagathy Sreekumar, Ambika Mohan, Shafna, Urmila Unni

タイトルの意味:Autobiography
タイトルの揺れ:Athma Katha, Athmakatha, Athma Kadha, Athmakadha

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間13分

ジャンル:アートというかパラレルというか
キーワード:盲人、シネマソサエティ、神父の飲酒、映画館でのソングブック販売、母の導き

寸評:2011年4月に東京で行われた「ラブストーリー映画祭」において英語字幕で上映された。共に全盲の夫婦が支え合いながら生きていく様を丁寧に描く。主人公の少年時代を回想する映画館のシーンで上映されているのは、Odayil Ninnu (Malayalam - 1965) Dir. K S Sethumadhavan である。社会の不平等に声高に異議を唱えながら最底辺を生き、報われることなく死んでいく男の物語。含意するところの多い引用だと言える。それにしても、全くジャンルの違う Angaadi Theru (Tamil - 2010) Dir. Vasanthabalan とかでもそうだったけど、インド映画の中での「社会福祉というものをハナから全くアテにしない」という姿勢の貫徹ぶりは凄い。もちろん実社会において福祉が機能していなくて、弱い者たちが相互扶助によってなんとか生きて行くという構図を反映しているのだろうけれど、理想を追求する芸術映画にあってさえこれだ。美しいラストシーンでちょっと暗澹とした気持ちになった。イドゥッキ郡の風光明媚なクッティッカーナムで撮影されている。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/aathma-katha-malayalam-2010


cvAnwar.jpgAnwar

Director:Amal Neerad

Cast:Prithviraj, Mamta Mohandas, Lal, Prakash Raj, Nithya Menon, Sai Kumar, Geetha, Salim Kumar, Guruvayoor Sivaj, Pala Charlie, Sreejith Ravi, Sampath Raj, Vinay Forrt, Sasi Kalinga

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間13分

ジャンル:スリラー
キーワード:ハワラ、チェライ・ビーチ、コインバトール爆弾テロ、ベカル城趾、カンヌール監獄、フォート・コーチン

寸評:Big B (Malayalam - 2007)、Sagar alias Jacky (Malayalam - 2009)のアマル・ニーラド監督の長編映画の第三作目。前作でストーリー不在を批判されたことを意識したらしく、今回は社会性のあるシリアスな物語を持って来たが、既視感のある平凡なものになってしまった。テロリストの隠れ住むフォート・コーチンの下町の描写とかは面白かったけどね。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/anwar-malayalam-2010


cvBestOfLuck.jpgBest of Luck

Director:M A Nishad

Cast:Kailash, Asif Ali, Reema Kalingal, Archana, Prabhu Ganesan, Urvasi, Aneesh, Jagathy Sreekumar, Suraj Venjaramoodu, Bheeman Reghu, Baiju, Machan Varghese, Kozhikode Narayanan Nair, T P Madhavan, Jaffer Idukki, Janardhanan, Mammootty, Radhika, Mukesh, Fahad Fazil

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間27分

ジャンル:コメディー
キーワード:コメディー・オフ・エラーズ、映画監督志望、女優志望、変なお手伝いさん、撮影現場凸撃

寸評: 若いもんが束になって、あーでもないこーでもないとドタバタする、ある意味では最近のトレンドになっている作品群のひとつ。序盤、さざ波のように時折やってくる笑いは心地よいものなのだが、途中から助演であるべき年長者(具体的に言うと、例によってウールワシさんなのだが)にすっかり頼り切った展開になってしまって、なんだか業界の縮図を見てるようなのだった。

オフィシャルサイト:http://bestofluckmovie.moviebuzz.org/
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/best-of-luck-malayalam-2010


cvCollageDays.jpgCollege Days

Director:G N Krishnakumar

Cast:Indrajith, Bhama, Sandhya, Dhanya Mary Varghese, Ryan, Sajith Raj, Govind Padmasurya, Sai Kumar, Jagathy Sreekumar, Suraj Venjaramoodu, Narayanan Kutty, Geetha Vijayan, Biju Menon, Sasi Kalinga, Abu Salim, Ambika Mohan, Dinesh Kodieri, Balachandran Chullikkad, Vijay Menon, Venu Nagavalli, Appa Haja, Mohan Jose, Sinesh Panicker, Priyadarsini, Bindu Nemom

DVDの版元:Harmony
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間43分

ジャンル:スリラー
キーワード:ラギング、幽霊、ゆすり

寸評: ポスターなどからノスタルジックなキャンパス恋愛映画なのかと思って臨むと、しょっぱなからすごい展開。化け物話の風味を加えたリベンジ・アクションという着想は悪くないと思うけど、落とし所がバレバレで、なおかつトリックに無理がある。とりあえず観てる間は飽きないけどね。学園に蔓延する(と言われる)度を越したラギング (新入生イジメ)と有力者の子弟の無法ぶりについて知識を深めたいならお勧め。それにしても本作の悪役は、ちょっとバランスが悪いんじゃないかと思えるほどに贅沢で意表を突くキャスティング。しかも意外なほどに上手くハマってる。それが誰なのかはお楽しみ。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/college-days-malayalam-2010


cvBestActor.jpgBest Actor

Director:Martin Prakkat

Cast:Mammootty, Nedumudi Venu, Salim Kumar, Lal, Sreenivasan, KPAC Lalitha, Bijukuttan, Sruthi Ramakrishnan (Sonu), Kulappulli Leela, Baiju, Sukumari, Vinayakan, Mafia Sasi, Lal Jose, Ranjith

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間13分

ジャンル:コメディー
キーワード:撮影用タラワッド、フォート・コーチン、社会勉強、ステージ・パパ、デビュー監督

寸評: 熟年になっても映画の役者になるという夢を捨て切れない田舎の教師がチャンスを求めて右往左往、というコメディー。特に非の打ちどころはないのだが(←変な言い方)どうも充実した読後感がなかった。なんでなんだろう。一つは生ぬるいエンディングのせいかな。二つ目は、たぶん色々と差し障りがあって映画界の内幕の描写を突き詰めることが出来ず、フォート・コーチンの下町ヤクザの人情譚みたいなところにアクセントを置いてしまったことかな。それはそうと、前半部分で主演のマンムーティが、売り込みのためにアポ無しで有名監督の家を訪れるシーンが印象に残った。ランジットとラール・ジョースが自身の役で友情出演しているのだが、それぞれの家の佇まいのコントラストが凄い。本物の監督の家で撮られたのだろうか、気になって仕方がない。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/best-actor-malayalam-2010


cvTournament.jpgTournament

Director:Lal

Cast:John, Fahad Fazil, Praveen, Manu, Rupa Manjari, Siddique, Kochu Preman, Bijkuttan, Salim Kumar, Indrans, Aryan, Prajin

タイトルの揺れ:Tournament – Play & Replay

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間4分

ジャンル:青春
キーワード:コーチン、バンガロール、クリケット・マッチ、蛇肉の煮込み、 グンドルペート、タミル語

寸評:バンガロールで開催されるクリケットのトーナメントに出場する若者達が、航空機の欠便のためにコーチンからはるばる陸路で行脚することになる。フレッシュなスポ根風味の友情讃歌ロードムービーかと思いきや、虚無的なストーリー展開に唖然とする。人によってはサイテー映画という評価を下すかもしれない。あるひとまとまりのエピソードが終了した後に、ビデオテープを巻き戻しすように少し前に遡り、隠されていた別の一面を観客に提示するという斬新な手法が面白いが、それが映画の面白さには結びついていない。それに、いい若いもんが揃ってるのに、グラフィックワークに頼ったダンスばかりなのもいただけない。ともかく、中堅の監督たちが「MoMa後」に備えて模索しながら右往左往してるのが本当によく分かる。そういう意味で観といて損はない、変なお勧め。

オフィシャルサイト:http://www.tournamentplayandreplay.com/
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/tournament-malayalam-2010

Nayakan
Nayakan のカットアウト

投稿者 Periplo : 02:52 : カテゴリー バブルねたkerala
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2011年08月21日

Project 2010:その2

昨日に引き続き星4つ。9本をご紹介。本当のことを言うならば、今回紹介の筆頭に来た In Ghost House Inn は、筆者のこの年のインド映画鑑賞体験の中では最高のものだった。3月末のコーリコード、学年末休暇で街は若いもんで溢れていた。映画館が軒並みフルハウスの中、とりわけ人気の高かった街の中心の小屋、ここでは書けないさる手段でプラチナ・チケットをゲットして潜り込んだマチネー・ショー。熱気に満ちた館内では予告編から大歓声があがっていた。もちろん台詞の意味は一言もわからない、しかしストーリーは95%まで理解できて、現地観衆に混じって大笑い。これ以上はないという幸福な体験。その反動でか、半年ほど後にDVDを入手して再鑑賞した折には、自分でもビックリするくらい醒めていた。

芸術との付き合いというのは、知識の集積ではなく、なによりも体験である。とりわけ、第七芸術というのは、そのテクノロジーの特質上、大衆文化としての性格が強い。自宅にどんなに立派なホームシアターを設置しても、そこでの鑑賞は、映画館で何百人もの観衆と共有するものとは質的に異なったものとなるだろう。そういう意味で In Ghost House Inn は最高の祝祭的体験だったのだが、敢えて星5つからは外した。他の作品と条件が均一ではないというのが一番の理由。自分自身ですらその幸福な昂揚に再現性がない、そういうものについて書くことは、もう批評というよりは旅行記の範疇に入ってしまうんだな。なんで、そのうち機会があったら別の場所で旅行記として書こうかなとは思っている。

******************************************************************

★★★★(星4つ)観ないと損する

cvInGhostHouse.jpgIn Ghost House Inn 

Director:Lal
Cast:Mukesh, Siddique, Jagadeesh, Ashokan, Nedumudi Venu, Lakshmi Rai, Anoop Chandran, Rohini, Lena, Reena Bashir, Rakhi, Radhika, Majeed, Kochu Preman, Harisree Asokan, Kalabhavan Shajohn, Thampi Antony, V P Ramachandran, Appa Haja, A G Vinod, Rajesh Hebbar

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間15分

ジャンル:コミック・ホラー
キーワード:ヘリテージ・ホテル、呪いの館、憑き物、エクソシスト神父、70年前の惨劇、Bhargavinilayam

寸評:In Harihar Nagar (Malayalam - 1990) Dir. Siddique-Lal、2 Harihar Nagar (Malayalam - 2009) Dir. Lal(こちら参照)に続く大ヒット・コメディーシリーズの第3作目。批評家からはボロカスの評価を浴びながら本作もまた大いに稼いだ。しかも今回はケララの皆さんが大好きなホラー風味!それにしても、アレックス・ポール(監督の実弟である)の手になる本作の劇中歌は、♪Ole Ole Othapona Ole といい、♪Oh Rambha といい、マ映画音楽としては空前のダンサブル・チューン。それを親父4人があっぷあっぷしたりバタバタもがいたりするのに使っちまうたあ、ラール監督も豪気なもんだわ。現地劇場での鑑賞時に、4人組の中で一番観客を沸かせていたのはジャガディーシュ。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/in-ghost-house-inn-malayalam-2010


cvTDDASAN.jpgT. D. Dasan Std. VI B

Director:Mohan Raghavan
Cast:Biju Menon, Jagadeesh, Swetha Menon, Jagathy Sreekumar, Suresh Krishna, Mala Aravindan, Valsala Menon, Sreehari, Sruthi Menon, Dennis Parakkadan, Aloysius, Tina Rose, Master Alexander

タイトルの意味:6年B組TDダーサン (インドの初等教育は8年間が原則で、スタートは日本よりも1年早い、 こちらなど参照)

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約1時間38分

ジャンル:アートというかパラレルというか
キーワード:バンガロール、パーラッカード、宛名違い、清涼飲料、蛇神、行方不明者、母子家庭

当網站の関連ポスト:2011.07.30(レビュー)
オフィシャルサイト:http://www.tddasan.com/
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/t-d-dasan-std-vi-b-malayalam-2010


cvPokkiriRaja.jpgPokkiri Raja 

Director:Vyshakh Abraham
Cast:Mammootty, Prithviraj, Shriya Saran, Nedumudi Venu, Vijaya Raghavan, Siddique, Riyaz Khan, Rizabawa, Kalasala Babu, Johnny, Arun, Dandapandi, Baburaj, Abu Salim, Delhi Ganesh, Bindu Panikkar, Salim Kumar, Suraj Venjaramoodu, T P Madhavan, Jagannath Varma, Sadiq, Ambika Mohan, Kozhikode Narayanan Nair, Anil Murali, Unnikrishna Namboothiri, Paravai Muniyamma, Urmila Unni, Sasi Kalinga, Ponnamma Babu, Swetha Meno, Rachana Maurya

タイトルの意味:Rowdy King
タイトルの揺れ:Pokkiriraja, Pokiri Raja, Pokiriraja

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間43分

ジャンル:コメディー
キーワード:パンチ・ダイアローグ、スローモーション、スタイル、兄弟生き別れ、トリリンガル、コッランゴード、マドゥライ、エルナクラム、ウドゥマライペーッタイ、子供の日

寸評:以前の紹介では本作を「パスティーシュ」と断言してしまったが、別にそういうメタ的な視点を意識せずに単なるお話として臨んでも充分に楽しめることを付記しておきたい。少なくとも筆者にとっては、正真正銘のパスティーシュ映画である Thamizh Padam (Tamil - 2009) Dir. C S Amudhan の湿気った笑いよりも断然充実した体験だった。ただし、いくらお遊戯とはいえ、悪役にはもうちょっと強そうな奴を揃えた方がよかったとは思うけどな。一番悪い奴二人のこのシーンは何だったのか、芸術映画みたいな意味不明さじゃん。

当網站の関連ポスト:2010.12.04(刺身のツマ的紹介)
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/pokkiri-raja-malayalam-2010


cvKathaThodarunnu.jpgKadha Thudarunnu... 

Director:Sathyan Anthikkad
Cast: Jayaram, Mamta Mohandas, Asif Ali, Innocent, Baby Anikha, Mamukoya, Chembil Ashokan, Lakshmipriya, Sreejith Ravi, Amit, Vettukili Prakash, Manu Jose, Sreedevi Unni

タイトルの意味:Story Continues
タイトルの揺れ:Katha Thudarunnu

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム:2時間11分

ジャンル:人間ドラマ
キーワード:コーリコード、人情長屋、雲助運ちゃん、異教徒間結婚、コーテーション殺人、ホームレス、勝抜きのど自慢

寸評:家族の反対を押し切って結婚したムスリムとヒンドゥーの男女が、一人娘と幸せに暮らしていたところに突然降り掛かる不幸。夫の突然の死によって路頭に放り出された若妻(Mamta Mohandas)がホームレスになりかかっていたところ、気のいいオートの運転手(Jayaram)に助けられ、彼の住む貧しいコロニーに保護される。コロニーの人々全員に助けられて彼女は自立への道を歩み始めるが、そこに…というストーリー。どうせいつもの型で押したよなメロドラマだろうとタカをくくって臨むと不覚にも貰い泣きしそうになる、サティヤン・アンティッカード節全開の人情劇。主軸となるのは運ちゃんと若妻の交情なのだが、彼らを取り囲む住人達の人間模様も非常に丁寧に描かれる。KPACラリタおばちゃんの嘘泣きの実演。コロニーの小町娘に岡惚れしてる給水車の兄ちゃんの純情。マームコヤの爺ちゃんが演じるデモ隊の仕出し屋 (今日は会議派、明日は共産党)とか、その下で日雇いやってる元コソ泥が時々警察の首実検(無関係な人間と容疑者とが一列に並んで目撃者の面通しを受けるあれ)に出かけてくなんていう、ちょっとした描写の芸の細かさも印象に残る。特に仕出し屋爺ちゃんが、入りの悪い映画のサクラ観客の動員(AC完備の劇場でタダの映画だぜよ、足代と幕間のチャーイ付!)をかけようとして総スカンを食らうシーンには笑った。ホントにこんなことやってんのかいな。といってもほのぼのエピソードばかりではない。死んだムスリムの夫の親族が、ヒロインから一人娘を引き離そうとするくだりで、「彼らが"宗教的マイノリティ・カード"を出してきたら話はかなり拗れるかもしれない」とヒロインの友人が述べるところなど、ひんやりとしたものも感じられる。演技陣はいずれも適材適所だが、ジャヤラームの無学でお人好しなオート運ちゃん役のハマり方が凄い。Pranchiyettan & The Saint でも思ったけど、熟年の大スターさん(♂)と若い女優、親子と言ってもいいくらいのペアをヒーロー&ヒロインにすることが各方面から揶揄されている中、その2人のカップリングに脚本上の工夫が凝らされてより説得力のあるものになってきたなという印象だ。これからもケララ熟年王国は続いてほしいもんだ。

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/kadha-thudarunnu-malayalam-2010


cvPranchiyettan.jpgPranchiyettan & The Saint

Director:Ranjith
Cast:Mammootty, Priyamani, Siddique, Khushboo, Master Ganapathy, Innocent, Jesse Fox Allen, Biju Menon, Jagathy Sreekumar, Ramu, Tini Tom, T G Ravi, Edavela Babu, V K Sreeraman, Sreejith Ravi, Sasi Kalinga, Jayaraj Varier, Balachandran Chillukkad, Guruvayoor Sivaji, Sadiq, Pala Charlie

タイトルのゆれ:Pranchiyettan and The Saint
タイトルの意味:Pranchi and The Saint Francis
プランジはクリスチャンネームのフランシスがマラヤーラム語化したもの。-ettanは兄を意味する親族呼称。ヒンドゥー、クリスチャンの男性の名前に付加されて、ある種の敬語となる。実際に血縁ではなくとも使用可能で、妻が夫の名前を呼ぶ際にもしばしば付加される。

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間21分

ジャンル:コメディー
キーワード:トリシュール、シリアン・クリスチャン。パドマシュリー称号、オスカー受賞セレブ、ロータリークラブ、アッシージのサン・フランチェスコ

当網站の関連ポスト:2011.08.13(レビュー)
オフィシャル・サイト:http://pranchiyettan.com/
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/pranchiyettan-the-saint-malayalam-2010


cvElsamma.jpgElsamma Enna Aankutty 

Director:Lal Jose
Cast:Ann Augstine, Kunchacko Boban, Indrajith, Nedumudi Venu, KPAC Lalitha, Janardhanan, Jagathy Sreekumar, Suraj Venjaramoodu, Vijaya Raghavan, Maniyanpillai Raju, Manikuttan, Vani Kishore, Majeed, Balachandran Chullikkad, Meera Nandan

タイトルの意味:A Boy Called Elsamma
エルサはクリスチャン・ネームのエリザベスがマラヤーラム語化したもの。また-ammaは「母」を意味する親族呼称だが、ヒンドゥーやクリスチャンの女性の固有名の後に付加され一体化することも多い、ある種の敬称。男性の場合固有名の後にカースト名が続くところを、女性の場合は代わりに-ammaが付加されることもあるという(こちらなど参照)。

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDのランタイム: 2時間22分

ジャンル:ラブコメ
キーワード:クリスチャン、牛乳配達、新聞配達、パンチャーヤット選挙、都会vs田舎、学業断念、サンド・マフィア

寸評:ヒロインのエルサンマは文字通りの細腕で母と妹3人からなる一家を支えるという設定。あまりにも違和感がないので見逃してしまいそうだが、性格俳優オーガスティン(アガスティンと読むのがケララ風か)の娘・本作でデビューのアンはほぼ全編をルンギー+亡き父のワイシャツという男装で通すのだ。マ映画としては結構凄い。ストーリーは、煎じ詰めれば「惚れているのに好きたあ言えぬ」という王道ラブコメ。冷静に見ればエルサはちょっと風紀委員みたいで感じ悪いところもあって、若干の引っ掛かりを残すのだが、「帰ってきた王子様」クンチャーコー・ボーバンのえも言われぬ味に相殺される。オッちゃん的にはヒロインの3人の妹の1人の眼鏡っ娘をやったマヤ・ウンニちゃんに痺れ。これだからやめられんのじゃ!

参考レビュー集成: http://periplo.posterous.com/elsamma-enna-aankutty-malayalam-2010


cvShikkar.jpgShikkar

Director:M Padmakumar
Cast:Mohanlal, Thalaivasal Vijay, Samuthirakani, Sneha, Laxmi Gopalaswamy, Ananya, Kailash, Mythili, Kalabhavan Mani, Jagathy Sreekumar, Suraj Venjaramoodu, Lalu Alex, Vineeth Kumar, Shanti Krishna, Kochu Preman, Sadiq, Jain Babu, Abu Salim, Babu Namboothiri, Lal, Kani, John Kokken

タイトルの意味:Hunter
タイトルのゆれ:Sikkar, Shikar, Shikkaar

DVDの版元:MoserBaer
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間31分

ジャンル:スリラー
キーワード:シュリーカクラム、イドゥッキ、トラック運ちゃん、ナクサライト

当網站の関連ポスト:2011.08.09(ディスク情報)
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/shikkar-malayalam-2010


cvCocktail.jpgCocktail

Director:Arun Kumar
Cast:Anoop Chandran, Samvritha Sunil, Jayasurya, Mamukoya, Innocent, Aparna Nair, Fahad Fazil

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約1時間50分

ジャンル:スリラー
キーワード:コーチン、人質、爆弾入りスーツケース、街娼、質屋、ブルガリ時計、企業秘密漏洩

当網站の関連ポスト:2011.08.15(レビュー)
オフィシャル・サイト:http://www.cocktailthefilm.com/
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/cocktail-malayalam-2010


cvKandahar.jpgKandahar

Director:Major Ravi
Cast:Mohanlal, Amitabh Bachchan, Ganesh Venkatraman, Sharath, KPAC Lalitha, Anoop Chandran, Jaffel Idukki, Major Ravi, Mamukoya, Geetha Vijayan, Sumalatha, Anil Murali, Kannan Pattambi, Ragini Dwivedi, Ananya

タイトルの意味:アフガニスタンの地名。これだけで1999年に起きたイスラーム原理主義テロリストによるハイジャック事件を思い起こさせるものがあるようだ。

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間15分

ジャンル:ミリタリー
キーワード:駄目息子更正、ハイジャック、銃後の父、ウーティ、特殊部隊、タリバン軍事訓練キャンプ

当網站の関連ポスト:2011.08.07(ディスク情報)
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/kandahar-malayalam-2010


In Ghost House Inn のポスター。ラクシュミ・ラーイちゃんはホンマにええ子やなあ。

投稿者 Periplo : 01:31 : カテゴリー バブルねたkerala
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2011年08月20日

Project 2010:その1

この3月に終えたばかりのProject 2009に引き続き、2010年マラヤーラム映画の回顧企画。ただし、前に宣言したように今回からは全点潰しではない。2010年に公開されたマラヤーラム語(吹き替えを除く)の長編劇映画はウィキペディアのリストによれば、92本あったということだが、その半分強の50本を俎上に載せてみた。

50本という数字に深い意味はない。現地の映画館で見てるのではないのだから速報性を売りにする訳にもいかない。かといって歯を食いしばって全点見てたら、いくらなんでも鮮度が落ちてしまう。万が一当サイトを見てディスクを取り寄せてみよう思った人がいても、その頃には品切れになってしまっているかもしれない。そのへんの綱引きでの落としどころがこの50本だった。できることなら今年の前半に総括しておきたかったんだけどね。まあ色々あって。

まずは一番波乱のない最高得点、星5つから。

★★★★★(星5つ)どなたさんにもお勧めします

波乱がない? 両方とも芸術映画じゃん! 大丈夫か俺?

cvKuttySrank.jpgKutty Srank

Director:Shaji N Karun
Cast:Mammootty, Padmapriya, Kamalinee Mukherji, Meena Kumari Perera, Siddique, Suresh Krishna, Sai Kumar, Wahida, P Sreekumar, Satheesh Chandra, Amit, Gaurav Moudgill, Valsala Menon, Johnny, Maya Viswanath, Nanda Lal, Divya Das

タイトルの意味:The Sailor of Hearts というのが流通してるが、これはキャッチフレーズ。DVDは Small time captain Kutty としている。これだと「日雇い船頭クッティ」か。またJunior boat captain という訳もある。kutty を固有名詞とするか形容詞とするか、どっちが妥当なのだろうか。
タイトルのゆれ:Kutti Srank, Kuttysrank, Kutty Shrank, Kutty Sranku, Kutty Shranku, Kuttisranku, etc.

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間13分

ジャンル:アート
キーワード:チャヴィットナーダガム、痛み、腐敗する死体、聾唖、人柱、鼻血、失禁

当網站の関連ポスト:2008.08.19(予告的紹介)、2011.08.13(レビュー)
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/kutty-srank-malayalam-2010

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cvSufiParanja.jpgSufi Paranja Katha

Director:Priyanandanan
Cast:Sharbani Mukherji, Prakash Bare, Thampi Anthony, Jagathy Sreekumar, Geetha Vijayan, Valsala Menon, Indrans, V K Sreeraman, Augustine, Irshad, Sona Nair, Babu Anthony, Samvritha Sunil, Vineeth Kumar

タイトルの意味:スーフィーの語った物語
タイトルのゆれ:Sufi Paranja Kadha, Soofi Paranja Kadha

DVDの版元:Highness
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間5分

ジャンル:アート
キーワード:ナーイル、マーピラ、改宗、駆け落ち、衆道、天然痘

当網站の関連ポスト:2011.07.18(レビュー)
オフィシャルサイト:http://www.sufikatha.com/
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/sufi-pranja-katha-malayalam-2010

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内容についてはどちらもレビューにクドクド書いたんでここでは繰り返さないが、日本の映画祭関係者の皆さんに言いたい(どうせ届くこともないだろうが)。エキゾチックでカラフルなアート作品を探してるんなら絶対この二つだ。サントーシュ・ブランドってだけで Urumi みたいな低血圧映画を持って来たりしないでおくんなさいまし。

Sharbani.jpgKamalinee.jpg
そういやどっちもムカルジーさんだ♪

投稿者 Periplo : 01:40 : カテゴリー バブルねたkerala
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2011年08月15日

レビュー:Cocktail

ワールド映画として見るならば凡庸な部類に入ってしまうのかもしれない。第一、カナダ映画の(たぶん無許可)リメイクだって言うし。それでもやっぱり少しは感想を書き留めておきたいのだ。

Cocktail1.jpg

長らくフィルム編集を手がけてきたアルン・クマールの監督デビュー作。Kochivibeのインタビューによれば、ヒンディー映画に本格的に進出してからのプリヤン先生作品のほとんどを担当したそうだ。

cvCocktail.jpgCocktail (Malayalam - 2010)

Director:Arun Kumar
Cast:Anoop Chandran, Samvritha Sunil, Jayasurya, Mamukoya, Innocent, Aparna Nair, Fahad Fazil

原題:കൊക്ക് ടെയ്ല്‍

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約1時間50分
DVD 入手先:Webmall India など

オフィシャル・サイト:http://www.cocktailthefilm.com/
その他の参考レビュー:http://periplo.posterous.com/cocktail-malayalam-2010

【ネタバレ度30%の粗筋】
ラヴィ・アブラハム(Anoop Menon)は大手建設会社に勤めるやり手の管理職。ライバル会社との間で、そして社内の同僚との間でも、常に熾烈な競争に晒されていた。ある日彼は一人娘を新顔のベビーシッターに委ねて、妻のパールヴァティ(Samvritha Sunil)と共に外出する。道端で故障車の傍に佇んでいたアンビと名乗る男(Jayasurya)を善意で車に乗せたところから事件は始まる。最初は陽気に世間話をしていた彼は突如ラヴィに銃を突きつける。そして、ラヴィとパールヴァティは彼に絶対服従しなければならないこと、もし逆らえば共犯であるベビーシッターが娘に危害を加えるであろうことを告げる。(粗筋了)

【寸評】
先日のレビューでは、最近のマラヤーラム映画に奇抜な設定を活かしきれず企画倒れに終わる凡庸なホームドラマやラブコメが多いと書いた。しかし一方では、ごく平凡な都会人の生活スケッチと思われるところからスリリングなドラマを生じさせる、よく考えられた脚本のものも少しずつ出て来ている。担い手となっているのはデビュー、あるいはデビューから2、3作の新人監督。これまで観たものの中では Passenger (Malayalam - 2009) Dir. Ranjith Shankar, Traffic (Malayalam - 2011) Dir. Rajesh Pillai, Race (Malayalam - 2011) Dir. Kukku Surendran なんていうところが思い出される。

知名度はそこそこあるが大スターとまではいかない俳優を巧みに配置し(つまり中規模の予算ということ)、都会を舞台にしてスリラー的な展開をするものが多い。そしてタイトルは何故だか英語のものが目立つ。しかし、これをマラヤーラム・ニューウェーブだと言ってしまうのにはためらいがある。本作のようにストーリーが借り物であることもあるし、第一まだ本数が少ない。

残念ながらオリジナルの2007年カナダ映画 Butterfly on a Wheel を観ていないので公平な判断はできないかもしれない(ケララの大部分の観衆もそうだろう)。しかしコーチンを舞台にした本作は非常に面白かった。よく知っている、あるいはなんとなく見覚えのあるような風景の中で凄いことが進行しているというところに、余計にスリルを掻き立てるものがあったのだと思う(ケララの大部分の観衆もそうだっただろう)。どうやら金が目的ではないらしい犯人は、夫婦を街の様々な場所に連れ出して、考えうる限りのありとあらゆるサディスティックな責め苦(恥辱プレイをはじめとした♪)を課すのだ。いやぁ〜、金持ちが虐められてるところを見るのは無条件で快…(略)。

ええと、ともかく久々に暗くヒリヒリとした情緒を味わえて楽しかったのである。ただし、一方で限界というものも感じられる。ノワールな世界を器用に表現した本作ではあるが、たとえば Aparan (Malayalam - 1988) Dir. P Padmarajan のラストのような、「存在そのものの不安」を暗示するかのような域には達していない。良くも悪くも娯楽的。

大掛かりな宣伝もなく公開された本作は、好意的なレビューと口コミに援護されて、結果的にはそこそこのヒットとなったようだ。脚本の勝利と言っていいんだろうね。ケララのインテリが言うところの「リアリティのある」「ストーリー本位の」映画か。これがこの先のマ映画の大きな流れになるかどうかは分からない。が、新人監督が才能を世に問うための足がかりとして、芸術作品ではなくこのようなスタイルの娯楽映画がまだまだ出てくるのではないかという予感はしている。

必ずしも手放しで大歓迎はしないけどね。都会的で、英語のタイトルで、上映時間が短くて、ソングが少なくて(あ、これは元々か)、ジャンル映画化していて(この傾向も元々あるな)、土地の固有の文化の影が薄くて、ひねりの利いた脚本が命だなんて、まるでボ…(略)。

Cocktail2.jpg
サムちゃんは、ヒロインというより若妻専門女優になってしまったのかなあ。

投稿者 Periplo : 04:09 : カテゴリー so many cups of chai
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2011年08月13日

レビュー:Pranchiyettan & The Saint

金ならある。あとは恋と名声じゃ!あ、それからお洒落もしたい。中年が夢を見ちゃあいかんのか?

pranchiyettan.jpg

ケララ・クリスチャン映画のコレクションにまた一つ大物が加わる。Thoovanathumbikal (Malayalam - 1987) Dir. P Padmarajan 以来の久しぶりのトリシュール映画だという。Paleri Manikyam (Malayalam - 2009) で唸らされたランジットとマンムーティの組み合わせだ。期待する理由は山ほどあり、そしてそれが裏切られなかった、なんとも珍しいことなのだが。

cvPranchiyettan.jpgPranchiyettan & The Saint (Malayalam - 2010)

Director:Ranjith
Cast:Mammootty, Priyamani, Siddique, Khushboo, Master Ganapathy, Innocent, Jesse Fox Allen, Biju Menon, Jagathy Sreekumar, Ramu, Tini Tom, T G Ravi, Edavela Babu, V K Sreeraman, Sreejith Ravi, Sasi Kalinga, Jayaraj Varier, Balachandra Chullikkad, Guruvayoor Sivaji, Sadiq, Pala Charlie

原題:പ്രാഞ്ചിയെട്ടന് & The Saint
タイトルの意味:Pranchi and The Saint Francis
プランジはクリスチャンネームのフランシスがマラヤーラム語化したもの。-ettanは兄を意味する親族呼称。ヒンドゥー、クリスチャンの男性の名前に付加されて、ある種の敬語となる。実際に血縁ではなくとも使用可能で、妻が夫の名前を呼ぶ際にもしばしば付加される。
タイトルのゆれ:Pranchiyettan and The Saint

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間21分
DVD 入手先:Webmall India など

オフィシャル・サイト:http://pranchiyettan.com/
その他の参考レビューおよびオフィシャルサイト魚拓:http://periplo.posterous.com/pranchiyettan-the-saint-malayalam-2010

【ネタバレ度30%の粗筋】
深夜のトリシュール。シェーランマル・フランシス、通称プランジ(Mammootty)は先祖代々が眠る墓地を訪れて蠟燭を点し、教会堂で祈りを捧げる。するとそこに守護聖人であるアッシージのサン・フランチェスコそのひとが現れる。マラヤーラム語をしゃべる聖人に驚喜して、プランジはここに祈りに来た訳を語り始める。

プランジは米穀商を営むローマン・カトリックのシリアン・クリスチャン(形容矛盾のようだが実際にそういう人々がケララにはいるのだ)の裕福な家系に生まれ、勤勉に働いて受け継いだ富をさらに拡大した。現在は建設業や貴金属販売など事業の幅を広げているが、少年時代につけられた綽名「米屋プランジ」はいつまでもついてまわっている。仕事中毒で婚期を逃した彼は、慈善事業など社会的な責務も果たしているが、不器用な面も大いにあり、財産に見合った名声を築くことができない。そして勉強が苦手だったので高等教育の門をくぐらなかったことによるコンプレックスも彼を苦しめている。

プランジにとって咽に刺さった骨とも言えるのが、少年時代の同級生ジョース(Siddique)だった。彼はインテリとしての名声、要領の良さ、そしてプランジの初恋の相手だったオーマナ(Khushboo)と、全てを手にしていたからだ。小馬鹿にするジョースをなんとか見返そうと、プランジは名誉を金で買う作戦を幾度も試みるが、ことごとく失敗する。そんな時、プランジの前に、若いインテリア・デザイナー兼画家のパドマシュリー(Priyamani)と、落ちこぼれの15歳・ポーリ(Master Ganapathy)が登場する。(粗筋了)

【寸評】
どうもこのごろのマラヤーラム映画には、設定がとてつもなく奇抜で興味を掻立てられるのだが、実際に見てみると特異な設定が活きているのは最初の30分ぐらいで、あとは型で押したような決まりきったファミリードラマやラブコメとなってしまう、そういうタイプのものが少なくない。12-13世紀のイタリアの聖人サン・フランチェスコが登場するという触れ込みの本作にもその危惧はあったのだが、幸いにして杞憂に終わった。プランジの話の聞き役として登場する聖人は完全に狂言廻しで、いなくてもストーリーに支障はないようなものだが、最初は「キリストの御名のもと汝に平安あれ」とかなんとかイタリア語でもにょもにょ言ってたのが、突然「ほいで、それからどうなったん?」とトリシュール弁に変わるとこが、やっぱり転げ回るくらい可笑しい(こんなこと書くとまるで台詞の意味が分かってるみたいだが、全然そんなことはない)。ラストの落としの部分にもちゃんとこの聖人のキャラが活かされてるし。ともかく、サン・フランチェスコから始まって脇役の隅々にいたるまでの人物造形が、おそろしく手のこんだものであることに唸る。

タイプ的には、マラヤーラム映画お得意の「愚か者のイタい大立ち回りを笑う」という系譜中にあり、またマンムーティが次々と挑戦中の「訛りで笑かす」シリーズ(イノセント、ビジュ・メーノーン、TGラヴィなどご当地出身俳優も目立つ)だが、これまでの同系のものとは笑いの質のレベルが違う。

プランジがパドマシュリー称号を金で買おうとして失敗し塞ぎ込んでいるところに、イノセント演じる友人が現れて「次はシュヴァリエを狙おう!」なんて言うところに吹く。インテリア・デザイナーのプリヤーマニがプランジの家の模様替えを始めようとするシーンで、「こちらのご先祖はドラマ・カンパニーかなんかをやっていたの?」とドン臭い室内装飾を揶揄する台詞にニヤリとする。プランジのドライバーが自分の雇い主の動静をこっそりジョースに報告しているという設定の細かさに感じ入る。皮肉屋な使用人イーヤッパン(Kerala Cafe でデビューしたらしい恐るべき「新人」シャシ・カリンガが演じる)が、ボスの一大事にあたって似合わない正装をする姿がジワジワと可笑しい。あるいは、一時的な別れを告げにやって来たパドマシュリーを見て、一瞬プランジが自分の妻となった彼女を幻視するシーン、普通ならウェディング・ドレスでも着せるところにこんなイメージを持ってくるあたり、奥ゆかしい。

ひとことで言うならば、様々な趣向を凝らした滋味のある笑いが、一流の演じ手達によって繰り広げられる良質のコメディー。お勧めです。

PranchiyettanPoster.jpg
オサレに変身!のシーンも笑った。

投稿者 Periplo : 17:23 : カテゴリー so many cups of chai
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2011年08月12日

ディスク情報1108-4

今回はまとめて2本。この2本の共通点は、うーんちょっと残念、ていうところ。

cvOruNaalVarum.jpgOru Naal Varum (Malayalam - 2010)

Director:T K Rajeev Kumar
Cast:Mohanlal, Sreenivasan, Sameera Reddy, Devayani, Suraj Venjaramoodu, Indrans, Nedumudi Venu, Kottayam Nazir, Balachandran Chullikkad, Maniyan Pillai Raju, Lalu Alex, Dinesh Panicker, Aditya, Ambika Mohan, Siddique, T P Madhavan, Kollam Thulasi, Nazriya Nazim

原題:ഒരു നാള്‍ വരും(ただし、映画ロゴには活字にない特殊文字が使われている)
タイトルの意味:A day will come
タイトルのゆれ:Orunaal Varum

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間29分
DVD 入手先:MyIndiaShoppingBhavaniWebmall India など

その他の参考レビュー:http://periplo.posterous.com/oru-naal-varum-malayalam-2010

【ネタバレ度30%の粗筋】
トラヴァンコール地方南部でアシスタント・タウン・プランニング(ATP)・オフィサーとして勤めるゴーピ・クリシュナン(Sreenivasan)は、公用車を使って公務中に家族旅行をするような小狡い木っ端役人で、こそこそと賄賂を受け取ることも日常茶飯事だった。

スクマーラン・コラプッリ(Mohanlal)は一人娘との生活を楽しみ、ささやかな地所に一戸建ての家を建てようとしていた。しかし、以前に相手が誰かも知らないままゴーピ・クリシュナンとちょっとした小競り合いを起こしていたために、建築許可を得ることができない。さらに悪いことには、別れた妻ミーラ(Sameera Reddy)が現れ、親権を主張して娘を彼の手元から引き取ろうと試み始める。(粗筋了)

【寸評】
なんていうかこれ、ラルさん版 Pokiri (Telugu - 2006) Dir. Puri Jagannath なんだよね。あ、こんなこと書いたら、ネタを完全にバラしたも同然か。ただし、Pokiri と違って覆面のラルさんが観客の前で正体を明かしてからが長いんだ。

個人的には、公開前後の本作への期待はかなり高かった。ラルさん+シュリーニといやあ、抱腹絶倒のトムとジェリーの追っかけっこへの予感があるし、♪Gola Gola の1曲で日本中のニコ動職人を虜にしたサミーラー・レッディ姐さんのマラヤーラム初出演でもあるし。

実際に観てみての感想はというと、一見には値する、ただし傑作としてお勧めはできないなあ、というもの。重要な敵役としてのシュリーニのキャラが、骨の髄まで腐れ切った卑劣漢なのか、家族のためについつい犯罪に手を染めてしまう弱い奴なのか、いまひとつハッキリしないものに終始したところに敗因があったのだと思う。汚職役人をやらせたらマ映画界で右にでるものなし、のシュリーニを引っ張ってきながら残念。シュリーニが自分で脚本書いてるのにさ。

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cvAlexander.jpgAlexander the Great (Malayalam - 2010)

Director:Murali Nagavally
Cast:Mohanlal, Bala, Aswathi, Sai Kumar, Jagadheesh, Nedumudi Venu, Zarina Wahab, Ganesh Kumar, Siddique, T P Madhavan, Lalu Alex, Shanti Krishna

原題:അലക്സാണ്ടര്ദി ഗ്രേറ്റ്‌(ただし、映画ロゴには活字にない特殊文字が使われている)

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間24分
DVD 入手先:MyIndiaShoppingMaEbagBhavani など

その他の参考レビュー:http://periplo.posterous.com/alexander-the-great-malayalam-2010

【ネタバレ度30%の粗筋】
ドゥバイに住む若き実業家マノージ・ヴァルマ(Bala)は資金繰りに失敗して窮地に追い詰められていた。彼の母ガーヤートリ(Zarina Wahab)は、15年間別居しているその夫、マノージの父であるプラターパ・ヴァルマ(Sai Kumar)に助けを求めるしか方策はないと言う。ケララに住み、体力の衰えを感じ始めている大富豪のプラターパは、大勢の貪欲な親類たちの間に争いを起こさぬよう財産を分配することを考えていた。渋々と父の元を訪れたマノージを、プラターパはにべもなく拒絶して追い返す。しかしその直後、プラターパは急死してしまう。

弁護士によって読み上げられた彼の遺言は親類縁者を驚愕させる。彼は全財産を、ボンベイに住む最初の妻ジャネットとの間にもうけた息子アレクサンダー・ヴァルマ(Mohanlal)に相続させる、もしアレクサンダーが存命でなければ、次男のマノージ、親戚一同と福祉基金に3分割する、と決めていたのだ。

他の親戚が密かに刺客を放つような状況を横目に、遺産問題に決着を付けるため、マノージは一度も会った事のない兄アレクサンダーを探しにムンバイに赴く。なんとか消息がつかめたアレクサンダーは、殺人事件に係わり服役した後、現在はプネーにある精神障害者用のリハビリ施設に収容されていることがわかる。(粗筋了)

【寸評】
大体予想がつくように、精神を病む人の施設に居るからと言って、ラルさんが本当に危なくてオカしい人である訳がないのである。あまりにも天才的に頭が良くて、あまりに集中力があり過ぎて、却って社会と協調して行けないという、魅力的なキャラなのだ。インド映画では普通は富と権力とモダニティを象徴するために使われる英語が、ここでは主人公の純心性を表す手段となっているのも面白い。ただ、よくあることだけど、そのラルさんの巧みな役作りだけに寄りかかってストーリーが(特に後半)間伸びし過ぎ。落としどころに迷った末に、実は数学の天才で、外科手術の名手、ならず者軍団を独りでのしちゃう驚異の腕っ節 etc.という、いつもの着地点。ハードコアなラルさんファンのためだけのものになっちゃったのは残念。

Oru Naal Varum
Oru Naal Varum のポスター。ラルさんとサミーラー姐さんのロマンスにあまり時間を割かなかったのは、良かったのか悪かったのか。

投稿者 Periplo : 03:22 : カテゴリー Mohanlal Discography
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2011年08月10日

ディスク情報1108-3

モーハンラールとスレーシュ・ゴーピ、マラヤーラム映画界の3大トップスターのうちの2人が共演したのだからもっと話題になってもよさそうなものだったが、なんだか地味ぃ〜に消えて行ったようなのだ。

cvJanakan.jpgJanakan (Malayalam - 2010)

Director:N R Sanjeev
Cast:Mohanlal, Suresh Gopi, Guruvayoor Sivaj, Dinesh Panicker, Krishna Nair, Jothirmayi, Biju Menon, Harishree Ashokan, Kaveri, Priya Lal, Vijaya Raghavan, Vijayakumar, Pala Charlie, Ganesh Kumar, Ranjit Menon, Sivani, Parvathy

原題:ജനകന്‍
タイトルの意味:Father
タイトルのゆれ:Janagan

DVDの版元:Moser Baer
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間02分
DVD 入手先:MyIndiaShoppingMaEbagBhavani など

オフィシャルサイト:http://janakan.moviebuzz.org/
その他の参考レビュー:http://periplo.posterous.com/janakan-malayalam-2010-18753

【ネタバレ度30%の粗筋】
州都トリヴァンドラムの夜。警察の検問で止められたトラックに隠れていた不審な男が警官の制止を振り切り逃げ出す。仲間が合流し3人になった彼らは弁護士スーリヤナーラーヤナン(Mohanlal)の事務所兼住宅に逃げ込む。州政府高官も一目置く有力弁護士であるスーリヤには警察も手出しできない。彼の前で、3件の残虐な殺人事件の容疑者として追われる3人の中で主犯格と思われるヴィシュワン(Suresh Gopi)が、ここに到るまでの出来事を語り始める。それは戦慄すべき組織的な少女への集団レイプ事件の一部始終だった。

【寸評】
出だしの部分はなかなか緊張感があって思わず身を乗り出すのだが、長大な回想シーンが始まると、「ああ、いつものあれか」とガックリしてしまう、凡庸なスリラー。社会の上層部にいる人物が関わることもあるという未成年女性を狙った組織的な性犯罪の多発は、もちろんそれはそれで慄然とする楽園ケララの横顔なのだが、スクリーン上で再現すれば必ず名作になるというものでもない。絵空事ではあってもカタルシスのある結末に持って行ってこその社会派娯楽映画だと思うのだが、本作の結びは多分に偶然に頼りすぎたものだった。また、本作のモーハンラールの出演をゲスト・アピアランスとしているレビューなどもあるが、どうなんだろう、ちょっと微妙だ。過去の事件には全く関わってないのだが、現在の状況は一人で仕切ってる、ほとんど全能の神のように。以前 Flash (Malayalam - 2007) Dir. Sibi Malayil という作品への川縁先生のレビューで、「この映画にはモーハンラルが主人公として活躍するが、どちらかというと彼は産婆的な役割に回っていたと思う」という評言があってなるほどと思ったのだが、本作のラルさんもまさに勿体つけた説教の好きな産婆。結構最近こういうのが増えて来ちゃいないか、とファンとしては不満なのである。もちろん、このような事件が繰り返し起こることを許してしまっている政治家や警察幹部への苦言がラルさんの口から語られるのは、傾聴に値するものではあるのだが。なにはともあれ、本作でデビューした監督のNRサンジーヴ(デビューに当たって Saji Paravoor という本名から改名したようなのだ、迷惑だなあ)が、どうしてこんな豪華なキャストを引っ張ってこられたのかが最大の謎。

Janakan
縦3メートル×横5メートルはあったと思う巨大看板、これがトリヴァンドラムの州政府庁舎を睨めつけるかのように設置されていた。まさしくコンテンツにふさわしい掲揚場所。

投稿者 Periplo : 02:10 : カテゴリー Mohanlal Discography
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2011年08月09日

ディスク情報1108-2

どうもここんとこクリーンヒットが出てないイメージのあったラルさんに、Bhramaram (Malayalam - 2009) Dir. Blessy 以降久々の快音が聞こえたように思えた。Vaasthavam (Malayalam - 2006) でかなりの衝撃を受けて以来注目している、新進のMパドマクマールの第六作目(Kerarla Cafe の短編もカウントして)。DVDのジャケだけ見ると、まるでお笑い人情噺みたいだが、実際はぜんぜん違うのだ。

cvShikkar.jpgShikkar (Malayalam - 2010)

Director:M Padmakumar
Cast:Mohanlal, Thalaivasal Vijay, Samuthirakani, Sneha, Laxmi Gopalaswamy, Ananya, Kailash, Mythili, Kalabhavan Mani, Jagathy Sreekumar, Suraj Venjaramoodu, Lalu Alex, Vineeth Kumar, Shanti Krishna, Kochu Preman, Sadiq, Jain Babu, Abu Salim, Babu Namboothiri, Lal, Kani, John Kokken

原題:ശിക്കാര്‍
タイトルのゆれ:Sikkar, Shikar, Shikkaar
タイトルの意味:Hunter

DVDの版元:MoserBaer
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間31分
DVD 入手先:MyIndiaShoppingMaEbagWebmall Indiaなど

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/shikkar-malayalam-2010

【ネタバレ度5%の粗筋】
2009年11月、カルナータカ州クールグ地方。モハンマド・ラウタル(Thalaivasal Vijay)はバララーマンという男を訪ねてタミル・ナードゥ州ラーメーシュワラムからやってくる。しかしバララーマンは8、9年前にこの地を離れていた。二日後、アーンドラ・プラデーシュ州テランガーナ地方のシュリーカクラム。謎の人物がケララ州イドゥッキ地方の山中のチッターラに向けて陸路で旅立とうとしていた。部族民も多く住むこの寒村チッターラに一人娘を残し、トラックのドライバーとしてあちこちを旅して回ってっているのは、クールグから姿を消していたバララーマン(Mohanlal)である。腕っ節の強さでは誰も敵わない彼には、村人も、助手のマニヤッパ(Kalabhavan Mani)も知らない秘められた暗い過去があった。(粗筋了)

【寸評】
霧深いイドゥッキの森の中で繰り広げられる追跡と復讐のドラマ。そこにはナクサリズムが影を落とす。ただし、ナクサリズムとは言ってもケララのそれではなく、アーンドラ・プラデーシュ州テランガーナ地方で15年ほど前に最も盛んだったそれである。このことによって社会批判的なトーンは弱まり、純粋な人間ドラマとしての性格が強まる。南インド4州の中で、ケララとAPだけが州境を接していないペアだということは覚えておいてもいいかもしれない。地理的位置関係だけで全てが決まるわけではないが、やはりお互いの映画の中での現れ方に、その距離感が若干は見て取れるように思う。つまりお互いに具体的なイメージが掴みにくくて「化外の地」的な描写ができてしまうのだな、良い悪いは別にして。などと言いながらも、今年訪れたコーチンのディスク屋 Planet M では、最近のも古いのも一緒くたでテルグ映画がザックザクで度肝抜かれたりしたのだ。何が起きたんだ??? (分からないままにとりあえず縦買い&横買いした)

脱線したとこでもう終わろう。サスペンスが命の本作については冗言を費やしてネタバレになるのは避けたいから。最後に小さなサスペンスを追加。村祭りの野卑なダンスシーンで登場する中年の男性アイテムダンサー。名前はここで書かないが、腰抜かすよ。

shikkar.jpg
ラルさんの乗るデコトラのナイスなデザインにも注目だ。

投稿者 Periplo : 02:08 : カテゴリー Mohanlal Discography
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2011年08月07日

ディスク情報1108-1

長らくサボっていたラルさん新譜紹介を再開。しかしもう新譜でもなんでもなくなってるが…。

cvKandahar.jpgKandahar (Malayalam - 2010)

Director:Major Ravi
Cast:Mohanlal, Amitabh Bachchan, Ganesh Venkatraman, Sharath, KPAC Lalitha, Anoop Chandran, Jaffel Idukki, Major Ravi, Mamukoya, Geetha Vijayan, Sumalatha, Anil Murali, Kannan Pattambi, Ragini Dwivedi, Ananya

原題:കാണ്ഡഹാര്‍
タイトルの意味:アフガニスタンの地名。これだけで1999年に起きたイスラーム原理主義テロリストによるハイジャック事件を思い起こさせるものがあるようだ。

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間15分
DVD 入手先:Webmall Indiaなど

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/kandahar-malayalam-2010

【ネタバレ度30%とも100%ともとれる粗筋】
ウーティに住む退職した教師ローカナート・シャルマ(Amitabh Bachchan)は地域の人々から尊敬される人格者だったが、その一人息子スーリヤ(Ganesh Venkatraman)は軍人になる夢も叶わず無為に日々を過ごす若者だった。ローカナートのマラヤーリーの妻(Sumalatha)はかなり以前に亡くなっている。スーリヤがストリートでの暴力沙汰に巻き込まれた折、彼を押し止めたのはマハデーヴァン少佐(Mohanlal)だった。少佐はスーリヤの話を聞き、入隊の推薦をすることを約束する。シヴァ少佐(Major Ravi)の下での厳しい訓練を経て将校となった彼は、マハーデーヴァンの特殊部隊に配属される。そこにエア・インディアのハイジャック事件が起きる。(粗筋了)

【寸評】
ミリタリー映画という独自の路線を歩んできたメイジャー・ラヴィ監督(過去作品参考:Keerthi ChakraKurukshetraMission 90 Days)の第4作目。ともかく大バッチャンのマラヤーラム初出演ということで空前の話題作だったはずなのだが、つんのめるようにコケた、痛恨の空振り。2010年12月16日に封切られ、散々な酷評の嵐に見舞われ、1週間後の22日には早くも「興行的大惨事」と書き立てる記事が出回ることになってしまった。ヒンディーとマラヤーラムの二大巨頭の演技に文句をつけたものは誰もいなかった。ただもうひとえに監督自身が手がけた脚本の悪さがこき下ろされ、メイジャー・ラヴィ氏には「駄目監督」の刻印が押されてされてしまった。

まあ、実際に観てみてかったるいんだわ。いかにもおざなりに取ってつけたソングシーンはどれをとってもダッさいし、ハイジャック事件に至るまでの長い1時間30分は『愛と青春の旅だち』の焼き直しだし。軍隊の人間性(!)を強調するために、タリバーン支配下のアフガニスタンでのテロリスト軍事キャンプの非人間性と対比させるというのは、面白い作劇術だと思ったが、これでますます時間が取られることになった。

メイジャー・ラヴィ監督の女性嫌い、というか「銃後の耐える妻」以外の女性像を描くことの不得手は本作でも変わらず。今回はその「銃後の耐える妻」役を、いうなれば大バッチャンにやらせたのが独創的だったね。

繰り返しになるが、大バッチャンとラルさん、この二人の芝居(特に二人が対面するシーンの)は本当に得がたい、涙を誘うものなのだ。これだけで本作を推したい。この点に関しては辛口の評者の間でも意見の相違はなかった(こちらのレビューなど参照)。それでも観客が動かなかったのは、その二人のシーンがヒンディー語と英語だけ(マラヤーラム語の字幕つき)だったのが原因だろうか。特に大バッチャンは全シーンの台詞をヒンディー語と英語で通している。英語・マラヤーラム語・ヒンディー語、全てが理解できないこちらにとっては、バッチャンの台詞がケララ人声優によって吹き替えられなかったことはむしろありがたいのだが。

ともかく、題名からして手に汗握るハイジャック映画を期待させておきながら、そのシーンが30分ちょっとしかない(結果的にかなり雑な描写となった、またハリウッド映画『エグゼクティブ・デシジョン』の焼き直しであるとも言われる)のが残念なところだった。本作の撃沈によって、それに続く同系作品 Payanam/Gaganam (Tamil/Telugu - 2011) Dir. Radhamohan までもが公開前に強烈なプレッシャーに晒されることになったという(しかし Payanam/Gaganam の方はそれを跳ね返してヒットとなったようだ)。失意のメイジャー・ラヴィ監督は、次回はミリタリーを離れて、ラルさんをフィーチャーした「耐える長兄もの」を企画中だそうだ。そら見てみたいわ。

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本作の最大の収穫は、ロケ現場でバッチャンがラルさんを説得してツイッターを始めさせたってことかね。もっともラルさんはすぐに飽きちゃったみたいだけど。

投稿者 Periplo : 04:04 : カテゴリー Mohanlal Discography
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2011年08月03日

レビュー:Kutty Srank

今回はバリバリの芸術映画だ! どうしちまったんだ、やっぱ俺疲れてるんだろか…。

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カンヌ行き印仏合作映画 Vaanaprastham (Malayalam - 1999) のシャージNカルンが、マラヤーラム映画としては11年ぶりに送り出した純芸術作品。実は本作のセンサー認証は2009年に行われている(スチル写真は2008年から流通していた)。しかし監督がこちらのインタビューで激白しているように、一般映画館での上映の買い手は当初全くつかず、2009 年秋の釜山国際映画祭での初上映を皮切りに、国内外の映画祭を転々とした。2009年度作品を対象としたケララ州映画賞でも完全に無視され(なにやら「賞業界」内での揉め事もあるようだ)、このまま幻の作品となるかと思われていたが、2010年6月ごろになんとか一般公開にこぎ着けた。そして2010年秋に発表されたインド国家映画賞を席巻し、作品賞・撮影賞・脚本賞・衣装賞、それに編集部門での審査員特別賞を獲得した。これによって再度の一般館上映が行われたらしい。製作はマラヤーラム映画初参入となった Reliance Entertainment、とても頼もしい財布持ちだ。それでも2009年時点では劇場が触手をのばそうとしなかった、主演がマンムーティであっても。いやゲージツも大変なんだね。


cvKuttySrank.jpgKutty Srank (Malayalam - 2010)
Director:Shaji N Karun
Cast:Mammootty, Padmapriya, Kamalinee Mukherji, Meena Kumari Perera, Siddique, Suresh Krishna, Sai Kumar, Wahida, P Sreekumar, Satheesh Chandra, Amit, Gaurav Moudgill, Valsala Menon, Johnny, Maya Viswanath, Nanda Lal, Divya Das

原題:കുട്ടിസ്രാങ്ക്
タイトルのゆれ:Kutti Srank, Kuttysrank, Kutty Shrank, Kutty Sranku, Kutty Shranku, Kuttisranku, etc.
タイトルの意味:The Sailor of Hearts というのが流通してるが、これはキャッチフレーズ。DVDは Small time captain Kutty としている。これだと「日雇い船頭クッティ」か。またJunior boat captain という訳もある。kutty を固有名詞とするか形容詞とするか、どっちが妥当なのだろうか。

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間13分

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/kutty-srank-malayalam-2010

【ネタバレ度100%の粗筋】
■プロローグ
1950年代のケララのどこか、寂しい浜辺で、派手な舞台衣装に身を包んだ男の死体が見つかる。彼に縁があった3人の女たちが順繰りに遺体の確認に訪れ、警察官(P Sreekumar)から事情聴取を受ける。

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■第一部:マラバール地方、夏(ケララ沿海部では3月から5月末まで)
残忍で無法な封建領主ムーッパン(Satheesh Chandra)の元に一人娘のレーヴァンマ(Padmapriya)がセイロンでの勉学を終えて帰還する。ムーッパンは娘の結婚を執り行おうとするが、レーヴァンマはすぐにも家を出てビハール州のガヤーに向かい、仏教の尼僧として得度するつもりであることを告げる。ムーッパンのただ一人の腹心で、彼のためならどんな汚れ仕事でも引き受けるクッティ・シュランク(Mammootty)は、レーヴァンマを唆したとして、同行のシンハラ人僧侶を殺そうとする。それを止めたレーヴァンマは、父の暴力を幼時に目撃したことで消えがたいトラウマを味わったこと、自分には仏法の道しか残されていないことを涙ながらに語る。考えを改めたシュランクは、マドラス行きの船が出るまでの間を安全に過ごせるように、レーヴァンマに隠れ家をしつらえ、自身も身を潜める。ムーッパンはレーヴァンマを連れ戻しシュランクを殺すべく、大勢の手下たちを捜索に繰り出す。

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■第二部:コーチン地方、モンスーン(6月から9月末まで、10、11月を含むこともある)
チャヴィットナーダガムの座長(asanと呼ばれる)であるローニ(Suresh Krishna)は、大酒飲みで教会にも碌に行かないやくざな男だったが、劇団員たちからの信頼は厚かった。彼は半年後の教会の大祭で上演する『シャルルマーニュ伝』(Charlemagne Charitham)のメインキャストを親友のシュランクと妹のペンマナ(Kamalinee Mukherji)に振る。クリスチャンかどうかもよくわからない、ただの船頭でしかないシュランクと、伝統的に舞台に立つことがなかった女性であるペンマナの抜擢に、周囲は動揺し、看板役者を自認していたジョーッパン(Amit)は怒りをあらわにする。常々ローニの行状を快く思っていない教区の神父(vicarと呼ばれる)ヨーナス(Siddique)も口を出すが配役は変わらない。川辺に新しく建設される礼拝堂の屋根に十字架を挙げる作業がクリスチャンのコミュニティ総出で行われたが、十字架は落下し死傷者を出す事態となった。混乱のさなかムーッパンの殺し屋がやってくるのを察知したシュランクは姿を消す。数ヶ月後、突然戻ってきたシュランクは再び主役の座に納まる。シュランクに恋いこがれるペンマナは大胆に誘惑するが、彼は不在にした間に恋人ができたと言って取り合わない。ローニ、シュランクとジョーッパン、神父との間の対立は深まり、舞台上演の最中に起きた乱闘でローニは命を落とす。葬儀の場にムーッパンの暗殺者が再び姿を見せる。ほどなくしてジョーッパンもまた死体となって発見される。

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■第三部:トラヴァンコール地方、冬(12月から2月末まで)
三番目に現れた女、聾唖のカーリーは妊娠中だった。彼女だけが、遺体をシュランクのものだとは認めなかった。シュランクがペンマナ達の前から姿を消していた数ヶ月の間に二人は出会い、彼女はシュランクの子供を身ごもったのだ。シュランクは10年ぶりにコッラムに住むウンニタン・ナーイル(Sai Kumar)のもとにやってくる。この10年の間、ウンニタンの一族には不幸が続き、彼は極端に迷信深い人間になっていた。息子のヴィシュヌは酒浸りになり、その妻との夫婦仲も冷えきっていた。孤独な妻ナーリニ(Wahida)は小説を書き始め、シュランクとカーリーの物語が綴られる。神経症的なウンニタンは、一連の不幸が不吉な女カーリーに由来するものと思い込む。その意を察したシュランクはカーリーを殺そうと彼女が暮らす貧しい家に押し入る。しかし怯えきった彼女を目にして哀れを催し、逆に彼女を守るようになる。ある日カーリーは蛇に噛まれて意識不明で倒れているシュランクを森で見つけ、自宅に連れ帰って一月以上看病する。その過程で二人は心を通わせ、実質的な夫婦生活を送るようになる。傷が癒えて再び姿を現したシュランクをウンニタンは裏切り者として激しく叱責する。ウンニタンは土木工事の着工に当たってカーリーを人柱として殺す計画をたて、またムーッパンの追手も迫っていたため、二人はコーチン方面に逃走する。

■エピローグ
レーヴァンマとカーリーは連れ立って事情聴取の場を後にする。ジョーッパンを殺したのは自分だと告白したペンマナだけはその場に残る。レーヴァンマの父ムーッパンは拳銃で自死する。

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【分かったことや分からなかったこと】
これまで当サイトで紹介してきた中では最高に本格的な芸術映画だ。意味が分からないと文句を言ってもしょうがないし、あれこれもっともらしい解釈をしたりするのも誰の役にもたたないだろうからやりたくない。色々レビューを読んでみた(いちばん共感があったのは VR Talkies さんによるものだった)が、軒並み言われていることは「繰り返し見るべき作品である」ということ。全く異存はない。そして繰り返し見るに値する作品でもある。これまで、あまり気乗りしないままに芸術系も多少は見て大概は悪口を言ってきた訳だが、本作に関しては、もう「アートとしての格が違う」って感じだ。映像の、構図と色と光の、磨き抜かれた美しさはただものじゃない。

繰り返し見ることによって分かって来たことは、ごく皮相的なレベルでも多かった。わざとはぐらかすような話法もなくはないが、細かな台詞にも注意しながら再見すると、時系列もある程度整理されてきて、3つのパートが一応整合していることも分かった。パート2以降に時折挿入される、先行するパートの登場人物による短いエピソードが橋渡しの役をしているのだ。娯楽映画にあるようなベタベタな展開ではないものの、ナラティブにおいては本作はさほど前衛的ではない。しかし、ひとつひとつのエピソードや台詞に一対一対応の「意味」を求め、分析的に観るのはあまり賢いこととは思えない。人の創った芸術作品というよりはむしろ「ただ自ずからそこに在るもの」に対するように繰り返しその中に分け入り、その都度少しずつ違う見え方を体験するのが楽しい、と言ったら褒め過ぎか。

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したがって、以下に書くのはあくまでも末梢的な、何となく気になったことの羅列である。

■ 本作の3つのパートがそれぞれ場所・季節・宗教の異なる組み合わせから成っているというのは、ほぼ全てのレビューが取り上げている。しかしこれの出典がわからない。一般公開前に各地の映画祭で上映された際のプレス資料にでもあったのかもしれないが、今となっては分からない。実際の作中では、仏教・キリスト教・ヒンドゥー教の3つの宗教については疑いはないものの、季節や場所についてはヒントがないものもある。あるいは方言などによって分かるものもあるのかもしれないが。ともあれ、この季節や場所の組合わせというのはタミルの古典文学の約束事を思い出させる。なおかつそれが象徴的な意味をもたず、あくまでもムードを醸し出すためにあるらしい、というところに好感が持てる。さらなるバリエーションとして、3人の女性がそれぞれ信仰・愛欲・母性という強い性格を属性として持ち、それに対するシュランクが盲目的な忠僕・伊達男・誠実な恋人/夫として対応するのが面白い。

■ 上で、仏教・キリスト教・ヒンドゥー教の3つの宗教については疑いはないと書いたが、第1部のレーヴァンマに関してはよくわからない部分もある。彼女の父のムーッパンという名前は普通はムスリムのものだ。しかし彼女の叔父・叔母はヒンドゥーの名前を持ち、装いもヒンドゥー風である。レーヴァンマの台詞中の親族呼称もヒンドゥーのもの。しかしムーッパンに仕えるシュランクの装いは時にムスリム風、また屋敷内の屠場(羊や水牛の首がゴロゴロしている)の描写にもムスリム的なものが思い起こされる。

■本作中での「文明的な事物」の排除はかなり徹底している。まず道路、そして自動車というものがほとんど登場しないのが凄い。シュランクが舵を取る船以外で、機械らしきものが登場するのは第3部での映写機とラジオぐらいか。そんな中、ときおり登場するムーッパンの放った刺客が乗る豹をかたどったボートだけがちょっと妙な感じだった。まるでテーマパークの遊覧船みたいに見えるんですけどね。それからプロローグ・エピローグと繋ぎのシーンを除き、警察官が一切登場しないのも凄いね。司法の不在の中で、私刑、暗殺、人柱なんていうエピソードが満ち満ちて、まるで中世の世界みたいだ。

■時代の特定もまた気になるところ。第1部でレーヴァンマが「大勢のインド人が仏教に改宗する」のに参加するためにガヤに行くと述べるくだりがある。仏教への集団改宗といったら、普通は1956年10月のアンベードカル博士のナーグプル(マハーラーシュトラ州)でのそれがまず頭に浮かぶが、作中ではビハール州のガヤーとなっている。また第3部でシュランクとカーリーが観ている映画は、マラヤーラム映画の歴史に必ず名前が出る Neelakkuyil (Malayalam - 1954) Dir. P Bhaskaran & Ramu Karyat である。しかしそのあとにラジオが列車事故を告げるシーンでは、「アーンドラ・プラデーシュ州」という地名がはっきり聞き取れる。アーンドラ・プラデーシュ州の成立は1956年11月。

■第3部には印象的な2つの祭礼が画面に現れる。巨大な山車を船で運ぼうとするシーンのものは、ケットゥカールチャと呼ばれる祭り。コッラム郡のマラナダで3月の末頃に行われるという。もうひとつ、シュランクとカーリーが逃走するシーンでは、女装した男達の行列が見られるが、これはコッタンクランガラ・チャマヤヴィラックと呼ばれるもの。コッラム郡のチャヴァラで3月末から4月にかけての時期に行われる。

■これがテルグの娯楽映画だったら大騒ぎになっていたに違いないカマーリニ・ムカルジーさんの背面ヌード は、ボディダブルをたてることなく本人が撮影に臨んだという。信頼性が低いソースながら、監督がそう証言しているとのことだ。

■本当の主役はこの人か、というぐらいの冴え渡ったカメラワークのアンジャリ・シュクラは、デビューとなった本作でいきなり国家映画賞を受賞した。マラヤーラム語があまり話せないと告白しているのでケララ人ではないらしく、育ちはUP州のラクナウとのことだ。長らくサントーシュ・シヴァンのもとで修行を積み、Anandabhadram (Malayalam - 2005) Dir. Santosh Sivan の中の♪Pinakkamano の撮影もまかされていた。その後もサントーシュ組の一員として仕事をしているらしい。

■本作中で最もカラフルなアトラクションとなっているのは、大航海時代にやって来たポルトガルの影響下に成立したとされる、ケララ・クリスチャンの間に伝承されてきた舞台劇チャヴィットナーダガムであることに誰も異論はないだろう。何回か現れるこの劇のシーンと、カマーリニさんのエロティックな演技、そして痛烈な教会批判のせいで、ちょっとバランスが崩れないかと思えるほど第2部が突出して魅力的なのだ。そしてシュランクの死体が舞台衣装をまとっていることによってその印象はますます強まる。5年も前にちょっとだけ書いた時は、まさかこれが映画作品中で見られるとは思ってもいなかった。アイサック・トーマス・コットゥカーッピリによる劇中歌が素晴らしい。古雅という形容詞がしっくりくるような旋律は、世界中に散らばるポルトガル起源の大衆音楽に共通の明るさとメランコリーを併せ持っているように聞こえるが、どうだろう。また、踊りの凄さでは定評のあるマンムーティだが、巧みな編集によって色んなものが台無しになる危険は回避されている。というより舞台シーンでは本当に格好良いと思った。この舞台劇も20世紀後半には忘れ去られ、消滅の危機にあったというが、近年になってやっと復興の動きが出てきたものらしい。本作ではアレッピーにある Kreupasanam Pauranika Renga Kalapeedam という団体が協力・出演したらしく、同団体のウェブサイトには本作の撮影風景が掲載されている。ただし、最も正統的な「本家」としてこの芸能を保持してきたのはアレッピーではなく、コーチンの北端にあるゴトゥルトという名の中洲の島だという。根拠は薄弱だが、総人口中のクリスチャン率が97パーセントにも達するというこの島が第2部の舞台と想定されているのかもしれない。

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ゴトゥルト島にある聖セバスチャン教会。この地でのチャヴィットナーダガムの中心。YouTube上にはここを本拠地とする保存団体 Yuvajana Chavittu Nadaka Kala Samithi による上演を記録した一時間を超える動画もアップされている。

投稿者 Periplo : 16:40 : カテゴリー so many cups of chai
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