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2012年08月22日

Project 2011: その4

今回は星2つ、もう紹介と言うよりは警報として発信しておきたいというレベルのものだ(その割には妙に口数多いな、自分)。それだけじゃあナンなので2011年にガーンと前面に出てきた人たちについてサラリとふれておきたい。まずは女の子ちゃん&小母ちゃんから。

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まあ、女王の座は再びカーヴィヤ・マーダヴァンに戻ってきたことは間違いはない。フィルモグラフィーを見ると、離婚騒動の最中にあった2010年にはたった1本の出演作しかなかったが、2011年は5月に正式に離婚が成立し、本数も一気に6本まで戻した。いずれも大作、あるいは意欲作。はっきり言って逆戻り不可能なほどに膨満化+オバさん化してしまったように見えるのだが、ケララの衆がカーヴィヤさんに寄せる支持はいまだに絶大なようなのだった。この先も頑張って欲しい、でもできれば洋装は避けたほうがいいと思うのだが。

SwethaSaltPep.jpg
女王様は一人だけではなかった。この2011年に頂点を極めたのはシュウェちゃんことシュウェータ・メーノーンさんでしょう。ウィキペディアのフィルモグラフィーによれば、2001年にAnaswaram (Malayalam - 2001) Dir. Jomon でデビュー(ここの右下にその時のものと思われるイメージあり)、その後ボリウッドに行き、マラヤーラムへのカムバックは2006年、そしてPaleri Manikyam で2009年に大躍進、2010年はちょっと休憩、2011年には再び Salt N' Pepper などで話題をさらった。そのシュウェちゃんも2011年6月にめでたく挙式、現在は妊娠休業中ということだが、このまま引退してしまうということはどうやらなさそうだ。

nithyaramya.jpg
ガールズではこの二人、ニティヤ・メーノーンとラミャ・ナンビーシャン。

ニティヤは Aakasha Gopuram (Malayalam - 2008) Dir. K P Kumaran で本格的に映画デビュー、Kerala Cafe (Malayalam - 2009) の中の短編 Happy Journey Dir. Anjali Menon でも大いに注目されたが、2011年に名実共にメジャーリーガーになったという感じだ。既にタミル、テルグ、カンナダの出演作があり、特にテルグではさほど多くはない出演が全て話題作となって確実に地歩を築いている。それとともに業界内での内輪揉めにまつわるゴシップもしばしば聞こえてくるようになった。個々の事例の真贋は不明だし、内容も死ぬほど下らないから興味はないのだが、要するにこうした摩擦はこの子がマラヤーラム映画(あるいはインド映画)の現状に対して大いに批判的であり、それを率直に口に出していることが根底にあるのではないかと思う。

ラミャ・ナンビーシャンは1990年代半ばから子役として活躍しており、ヒロイン・デビューは Aanachandam (Malayalam - 2006) Dir. Jayaraj によって。しかしその後しばらくは子役を脱しきれていないような助演が続き、キャリアは低迷していた。それが2011年になって TrafficChaapa Kurish とで急浮上。ベビー・フェイスはそのままに、悩ましく蠱惑的かつ不道徳な「危ない子」として観客を圧倒した。しかも肌の露出もアイテムソングもなしでだ。それはひとえに、この子のちんまりとまとまった子役顔に拭いようもなくクッキリと「悪」という文字が浮かび上がっている、そのことを彼女が充分に自覚したからなのではないだろうか、そんな想像が掻き立てられるのだ。

ともかく、ニティヤとラミャ、どちらもこの先のマラヤーラム・ニューウェーブを牽引して行くことになるのは間違いないと思う。

LenaAbhi.jpg
このくらいで止めておけば普通の人には充分なところだが、脇役マニア+熟女好きとして、どうしてももう一人紹介しておきたい。レナ・アビラーシュさんだ。

正直なところ、この人の顔と名前が一致するようになったのは割と最近のことだ。実はテレビの連続ドラマではかなりの人気者だというのだが、映画の方では端役専門だった。フィルモグラフィーを見ると自分が以前から名前も知らずに礼奈さんを眺めていたことがわかった。懐かしい感じがするのはそのためか。大抵は大家族全員集合もので前から3列目で顔だけ出して笑ってるような役だった。それが2011年には前から2列目まで来た。その分台詞が増えて魅力も倍増、特に Traffic での大スターを叱り飛ばす妻の役、Snehaveedu での実母と和解したいのに出来ずに喧嘩してしまう駆け落ちした娘の役がこちらの心の琴線に触れた。2012年には最前列に出てきてくれるのではないかと今からワクワクなのだ。

さて、ここからが本題。

星2つ

cvIthuNammude.jpgIthu Nammude Katha

Director:Rajesh Kannankara
Cast:Asif Ali, Nishan, Abhishek, Ananya, Amala Paul, Nimisha Suresh, Vineeth Kumar, Kaviyoor Ponnamma, Shoba Mohan, Indrans, Lalu Alex, Jagathy Sreekumar, Ambika Mohan, Suraj Venjaramoodu, Kottayam Nazir, Devan, Kalaranjini, Dhanya, Jagadheesh, Lishoy, Balachandra Chullikkad, Manoj Thomas

原題:ഇതു നമ്മുടെ കഥ
タイトルの意味:This is our story
タイトルのゆれ:Ithu Nammude Kadha

DVDの版元:MoserBaer
DVDの字幕:なし
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間11分

ジャンル:青春
キーワード:タミル・ニューウェーブ、リメイク、アレッピー

当網站の関連ポスト:2011.12.18(リメイク比較)
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/wish-list-ithu-nammude-katha

【寸評】
タミル・ニューウェーブの有名作 Nadodigal (Tamil - 2009) Dir. P Samuthirakani のかなり忠実なリメイク。同作の売りであるアクションシーンなどはカット割りまで同じではないかというくらいのものだ。しかし地理的なセッティングをタミル南部のマドゥライ地方からケララの水郷アレッピーに、主役をシャシ・クマールからアーシフ・アリに変えただけで、完全に別物となった。なんかこう醒めていて、低血圧で腰砕けなサスペンスなのだ。脚本も演出も原作に忠実だから破綻は全然ない、ニュアンスだけが違う。タミル映画の激情的な性向とマラヤーラム映画の抑圧的・内向的な指向性との違いが本作を通してくっきり浮かび上がった形だ。タミル・ニューウェーブを移植したからといって即そのままマラヤーラム・ニューウェーブとはならない、ということがよく分かる、そういう意味での変なお勧めだ。


cvChinatown.jpgChinatown

Director:Rafi Mecartin
Cast:Mohanlal, Jayaram, Dileep, Suraj Venjaramoodu, Kavya Madhavan, Poonam Bajwa, Deepa Sha, Pradeep Rawat, Captain Raju, Shankar, Shanavas, Jose, Jagathy Sreekumar, Ranjini Haridas

原題:ചൈന ടൌണ്‍
タイトルのゆれ:China Town

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間29分

ジャンル:コメディ
キーワード:ゴア、カジノ、関取、ギャング抗争、クリスチャン、マルチスター

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/chinatown-malayalam-2011

【寸評】
モーハンラール、ジャヤラーム、ディリープのデコボコ3人組が繰り広げるドタバタ・アクション。この分野の第一人者であるラーフィ・メカーティン監督のものということもあり、そこそこはヒットしたようだが、リリースの時期をちょっと誤ったのではないかと思う。前回紹介の Christian Brothers とキャストがかなりかぶっているのに同時期に劇場にかかっていたのだから。筆者は両作を現地で2日間で立て続けに観て、すっかり何がなんだか分からなくなってしまった。ちなみに本作のタイトルは、舞台の一部であるゴアにあるカジノの名前「チャイナタウン』にちなんでいるだけで、中国的な要素は全くない。で、中国人の代わりに正体不明の欧州人角力を延々と写しているのだ。豊満親爺ランドであるケララで、笑いを取るためにわざわざ日出ずる国の角力のビジュアルを使うというのは時折目にする現象。一部のニュースではハンガリー出身のプロの関取だという情報もあったがたぶんガセ、この画像を一瞥すればわかるが、鍛え抜かれたアスリートの体には見えないし髷の結い方も杜撰、大方コーヴァラム・ビーチで拾ってきたんだろう。まあこの人の出自はどうでもいいけど、この画像だけで本作のユーモアのレベルは推し量れてしまうだろう。ラーフィ・メカーティンの劣化を感じてしまった残念な一作。


cvSeniors.jpgSeniors

Director:Vyshakh
Cast:Kunchacko Boban, Jayaram, Biju Menon, Manoj K Jayan, Ananya, Padmapriya, Suraj Venjaramoodu, Siddique, Meera Nandan, Radha Varma, Jyothirmayi, Jagathy Sreekumar, Vijaya Raghavan, Lalu Alex, Shammi Thilakan, Rahasya, Sumit Naval, Sajitha Betti, Sreejith Ravi, Narayanan Kutty

原題:സീനിയേഴ്സ്

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間24分

ジャンル:コメディ
キーワード:学園殺人事件、生涯教育、幽霊、学園祭レビュー

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/seniors-malayalam-2011

【寸評】
何かと話題になりヒットもした Pokkiri Raja (Malayalam - 2010) でデビューしたヴァイシャーク監督の第二作目。本作も地すべり的なヒットになったという。しかし内容は破れかぶれの便所の火事映画とでも言ったらいいだろうか。早い話が Classmates (Malayalam - 2006) Dir. Lal Jose のパロディな訳よ。今からもう6年も前の作品になるが、まあこれは今日隆盛となったニューウェーブの先駆けだったと言えるだろう。Classmatesでもキーとなるのは4人の学生だった。そして学園内の死亡事件というモチーフ、卒業後時間が経ってから当事者達が再会するという構造も同じ。まあそれを親父ギャグで全面コーティングして展開するわけなのだが、Pokkiri Raja での馬鹿笑いには至れなかった。やっぱりあれはマンムーティの自虐ネタの破壊力だったのかもしれない。本作ではビジュ・メーノーンのコメディセンスが高く評価されることになった、埋もれてる才能ってのはまだまだあるもんなんだ。これからこのオッさんのコメディを嫌というほど見せられることになるのかもという予感。

それにしてもこの↓ポスターを目にしながら(劇場で実際に掲げられてた)ひるむことなくボックスオフィスに向かい金を払って入場する成人男女がいるというのは凄い。やっぱインド人に勝てると思っちゃあかん。
seniors.jpg


cvViolin.jpgViolin

Director:Sibi Malayil
Cast:Asif Ali, Nithya Menon, Lakshmi Ramakrishnan, Reena Basheer, Vijayaraghavan, Nedumudi Venu, Sreejith Ravi, Chembil Asokan, Anil Murali, Janardhanan

原題:വയലിൻ

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間17分

ジャンル:ロマンス
キーワード:フォート・コーチン、クリスチャン、若草物語

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/violin-malayalam-2011

【寸評】
以前傑作として紹介した Mutharam Kunnu PO (Malayalam - 1985) でデビューしたシビ・マライル先生は25年超の安定したキャリアを持つ「中堅以上巨匠未満」という監督。 40本以上の監督作のジャンルはスリラー、ミュージカルなど多岐に渡るが、「気恥ずかしくなるくらいのバタ臭い設定の中での少女漫画みたいなラブコメ」というものを結構作っているのだ、このジャンルでは第一人者と言ってもいいだろう。ただ昔はそれをこういう面子で作ってた。なので、気恥ずかしさよりもシュールさの方が上回っていた。それが、前作 Apoorvaragam (Malayalam - 2010) でニティヤ・メーノーンという「逸材」を見つけて、完全にストッパーが外れてしまったようなのだ。生年がはっきり分からないシビ・マライル先生、50代半ばというぐらいのところだろうか、まだ老耄には早いと思うのだが、このままストッパーなしで暴走を始めてしまうのではないか、見ていてそんな不安が胸をよぎる、乙女の夢(ただし初老男の想像による)が詰まったロマンチックな一品。


cvMetro.jpgThe Metro

Director:Bipin Prabhakar
Cast:Sarath Kumar, Bhavana, Nivin Pauly, Suraj Venjaramoodu, Suresh Krishna, Shammi Thilakan, Nishant Sagar, Siddique, Kalsala Babu, Majeed, Jagathy Sreekumar, Ponnamma Babu, Bhagath Manuel, Biyon Gemini, Arun

原題:ദി മെട്രോ

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間11分

ジャンル:スリラー
キーワード:コーチン、政治家暗殺、グーンダ、ヤング群像、ブロードウェイ

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/the-metro-malayalam-2011

【寸評】
湾岸出稼ぎから一時帰国した青年とその友人達が再会を祝して田舎への小旅行に出かけるが、その帰途コーチンで犯罪に巻き込まれ深夜の街を右往左往する、というストーリー。つまり、メトロとはコーチンのことなのである。作中では「ドゥバイにも並ぶ」なんて形容してる台詞まであって、こっちは飲みかけのチャイを辺り一面に吹き散らしたりした。夜の12時前に寝静まって真っ暗になっちゃう街を普通はメトロとは言わんだろ。大都会とまではいかなくても昼間は賑わっていてウキウキ楽しく散策できる、それがレストランで夕食を終えて表に出ると、繁華街を歩くのに懐中電灯が欲しくなる、インドの地方都市って大概がこんなもんだ。そして本作のキーとなっているのもまさにこの現象なのだ。青年達がコーチンからヴァイピーン島を経由してトリシュールに抜けようとしてどうやら道を間違えたらしく逆戻りしてしまう、などという具体的な地名が辿れるのは面白い。そういうリアリティあるスリルと、サラト・クマールのスーパーコップぶり、マ映画の緩い基準からしても二昔前なアイテムソングなどが結びつかずチグハグな印象。


cvRathinirvedham.jpgRathinirvedam

Director:T K Rajeev Kumar
Cast:Swetha Menon, Sreejith Vijay, Manian Pillai Raju, Shammi Thilakan, Unda Pakru, KPAC Lalitha, Shoba Mohan

原題:രതിനിര്‍വേദം
タイトルの意味:Adolescent desire
タイトルのゆれ:Rathinirvedham, Rathi Nirvedam

DVDの版元:Harmony
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約1時間51分

ジャンル:青春
キーワード:同一言語旧作のリメイク、蛇塚、初体験、年上のお姉さん、中央トラヴァンコール、星回りの凶兆、SEIKO時計

準オフィシャルサイト:http://www.manoramaonline.com/advt/Specials/Metro/Rathinirvedam/index.asp
当網站の関連ポスト:2011.03.10(予告的紹介)
参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/rathinirvedam-malayalam-2011

【寸評】
パドマラージャン原作、バラタン監督による Rathinirvedam (Malayalam - 1978) Dir. Bharatan の鳴り物入りリメイク。しかし原作を貶めたと酷評された(ただし興行的には、もともと低予算だったこともあり、エ ロが呼び物となって一定程度のヒットになったようだ)。本作を観て、パドマラージャンの未亡人はもうリメイクの許可を出さないことを決めた、などとも報道された。オリジナルは、片田舎で無為の日々を過ごす青年の春の目覚めを、詩情豊かに、かつ残酷に描き名作とされた。リメイクの本作の最大のウリは、なんといってもヒロインがシュウェちゃんことシュウェータ・メーノンさんであること。若いのがあれこれとイケない妄想を膨らませる相手としては最高のキャスティングでしょう。この点だけはオリジナルのオバちゃん臭いジャヤバーラティよりも格段に勝っていた。だけど、ただそれだけなんだよね。オリジナルにあった張りつめた緊張感と瑞々しさは本作では失われ、よくある記号表現の羅列だけのダレダレの2時間となってしまった。なお、こちらの記事によれば、本作でデビューした主演(いや助演だな)のシュリージット・ヴィジャイ君にとって、撮影を通して一番チャレンジだったのはムンドゥを着こなすことだったという。いや、世も末じゃ。


cvFilmstar.jpgThe Filmstaar

Director:Sanjeev Raj
Cast:Dileep, Kalabhavan Mani, Muktha George, Rambha, Thalaivasal Vijay, Jagathy Sreekumar, Vijaya Raghavan, Salim Kumar, Ashokan, Valsala Menon, Devan, Suraj Venjarammoodu, Baburaj, Sadiq, Narayanan Kutty, Babu Namboothiri, Kottayam Nazir, Pala Charlie, Guruvayoor Sivaj

原題:ഫിലിംസ്റ്റാര്
タイトルのゆれ:Filmstar, Film Star

DVDの版元:AP Internationaal
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間21分

ジャンル:人間ドラマ
キーワード:悪徳政治家、スーパースター、石鹸会社、映画界内幕

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/filmstar-malayalam-2011

【寸評】
南インド映画界きってのスーパースター(Kalabhavan Mani)の邸宅に侵入した脚本家志望の男(Dileep)、彼は不快さを隠さないスターを前にして自分が温めてきたストーリーのプレゼンをすることをなんとか許される。最初は嫌々耳を傾けていたスターは、途中から俄然興味を示し始め、その脚本を映画化すること、そして自分が主演することをその場で約束する。それは巨大資本と利権まみれの政治家による謀略で父祖伝来の土地を追われた村人たちの物語だった。大体こんなストーリーで、要はよくある悪徳資本家+政治家粉砕ものなんだけど、主演のディリープに並べてカラーバワン・マニを準主役で立てたり、凝った仕掛けを作ろうとした意図は窺える。しかしこれは観客の共感の行き先をどっちつかずなものにしてしまった。ここのところの「ディリープがなんか変わったことしようとしてる」シリーズのうちの一つなんだと思うけど、裏目に出てしまった。だいたい、カラーバワン・マニは「南インドのスーパースター」(注:ケララではない)をやるには格好良すぎ&インテリ過ぎじゃあねえか。


cvCollector.jpgCollector

Director:Anil C Menon
Cast:Suresh Gopi, Aditya Menon, Pala Charlie, T P Madhavan, Sudheesh, Babu Raj, Abu Salim, Manian Pillai Raju, Janardhanan, Nedumudi Venu, Manga Mahesh, Srihari, Ponnamma Babu, Subair, Kaviyoor Ponnamma, Kalsala Babu, Mohini, Megna, Yamini Sharma, Viju Pappan, Anil Murali, Rajeev, Laxmi Sharma

原題:കളക്ടര്‍
タイトルの意味:当網站では「地方行政長官」と訳しているが、妥当性については自信なし。選挙で選ばれる自治体首長とは異なり、州政府によって任命される高級官僚である。英領時代の収税長官に起源を辿ることができる官職で、担当地域における権力は絶大であるという。ウィキペディアのエントリーも参照。

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間24分

ジャンル:スリラー
キーワード:コーチン、大規模ビル、ゼネコン、婦警さん、ラジニカーント大好き少年、テロ

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/collector-malayalam-2011

【寸評】
誰だったか、外国のことを良く知ろうと思うなら、その国の言葉で書かれたB級文芸作品を片端から読むがいい、と言った人がいた。A級には時代や地域を超越した高みに達してしまうものがある、しかしB級にはその土地の人々の時代精神や欲望が無意識のうちに宿るから、という理屈だった。そういう意味では本作は大変タメになる一品。まず、コーチンで遠い昔に不法占拠した土地に大型商業ビルをおったて、長年営業を続けて巨益をあげている悪徳資本家というのが登場する。これは2011年の他の作品でも見かけた設定だった。具体名は不明ながら実際にこういう事業者がいて社会問題化しているということなのだろう。またこれまもまたよく見るモチーフだが、大規模開発で甘い汁を吸うのは北インド人とタミル人だという通念がはっきりと示され、同時にタミル語を話す乞食の少年も登場する。そこにまたイスラム原理主義のテロリスト集団までが出てくるのだが、これはちょっと詰め込みすぎたようで、ラストになっても悪徳資本家とどういう契機で繋がっているのか分からなかった。それから上の「タイトルの意味」欄でちょと書いたけど、コレクターという独特の権力装置と選挙で選ばれる地方自治体の首長との力関係というのも、これまでよく分からずにいたことなんだけれど、劇中ではスレーシュ・ゴーピ演じるエルナクラム・ディストリクト・コレクターとモーヒニが演じるコーチン市長が激しく対立するシーンもあり、ニュアンスとしては理解できた。なお、2011年7月に封切られた本作には、2010年8月に没したスバイールが登場するが、一方で屋外シーンには2011年1月に封切られた Arjunan Shaakshi のポスターが見えたりする。短期間でさくさくと撮影されることが普通のマ映画としては珍しく、途中で寝かされていたのかもしれない。それから積極的に評価できたことも書いておこう。それは殺陣の振り付けの技術水準の高さ。タミルやテルグのアクション大作にあるような荒唐無稽ではなく、基本的には重力に逆らわない仕様でそれなりに見せるものになっている。本作特有というようりはマラヤーラム映画界全体の技術的な底上げが起きていることを推測させるものだった。あ、それからヒマーチャル・プラデーシュ州出身のヤーミニ・シャルマさんが演じた婦警さんも良かったよ。

ふっ、婦警さ〜ん!
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cvDoctorLove.jpgDoctor Love

Director:K Viju
Cast:Kunchacko Boban, Bhavana, Innocent, Ananya, Nedumudi Venu, Bindu Panicker, Majeed, Vidya Unni, Hemanth Menon, Salim Kumar, Vijaya Raghavan, Shari, KPAC Lalitha, Manikuttan, Rejith Menon, Aju Varghese, Nimisha Suresh, Bhagath Manuel, Lal, Asif Ali

原題:ഡോക്ടര്‍ ലവ്
タイトルのゆれ:Dr. Love

DVDの版元:Harmony
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間36分

ジャンル:ラブコメ
キーワード:デビュー監督、カレッジ、三文ロマンス小説、幼なじみ

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/doctor-love-malayalam-2011

【寸評】
要するに、ゴーマン女子大生のバーヴァナちゃんが全校の学生を前に、彼女に思いを寄せるとある男子に惚れたりすることは絶対無いと言い放ち、「恋の臨床医」を自認するクンチャーコー君は一定期間内にバーヴァナちゃんをその男子の前に跪かせてみせると公言する、阿呆臭い賭け事を巡る騒動なのだが、もうちょっとスリリングに胸キュンに作ってほしかったなあ。2人とも適役なだけに残念。冒頭ではラール(映画監督兼俳優の)とアーシフ・アリによる本編とは無関係なアイテムソングとアイテム口上があって、なんじゃこりゃってなものなのだが、我慢して最後まで見通すと、つまり本編に自信がなくて後から小細工でくっつけたんだということがよく分かった。オマケならもうちょっとましなものをつけてくれ(涙)。


cvVeettilekkulla.jpgVeettilekkulla Vazhi

Director:Dr. Biju
Cast:Prithviraj, Indrajith, Master Govardhan, Danya Mary Varghese, Uday Chandra, Kiran Raj, Vinay Forrt, Irshad, S Saji, Melwyn, Azim, Lakshmipriya, Malavika

原題:വീട്ടിലേക്കുള്ള വഴി
タイトルの意味:The way home
タイトルのゆれ:Veetilekkulla Vazhi, Veetilekulla Vazhi

DVDの版元:MoserBaer
DVDの字幕:なし
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約1時間31分

ジャンル:アート
キーワード:テロリスト、デリー、トリヴァンドラム、ジョードプル、アジメール、ジャイサルメール、ラダック、カシミール

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/veettilekkulla-vazhi-malayalam-2011

【寸評】
失敗に終わった自爆テロの実行犯女性が、残された自分の幼い息子を父親の元に送り届けてくれるよう、息を引き取る直前に担当医師に懇願する。医師はその子供を連れて、ケララからラージャスターン、ラダック、カシミールへと旅をする。その医師には過去に妻と息子をテロ事件で失った際のトラウマがあった、というような話。こう書くと、最低でもロードムービーとしての楽しさはあるのではないかと思われるかもしれないが、BGMが死ぬほどだっさくて、効果の全くない手持ちカメラのブレがイライラさせるだけの典型的なメッセージ系アート作品。こういうテーマにしときゃあどこぞで賞でも獲れるだろう、ってくらいのさもしい志で作られたとしか思えない腹立たしい一作。そして予想通り国家映画賞マラヤーラム映画部門を始めとした各種の賞を獲得したのだった。勝手にしろ。


cvSandwich.jpgSandwich

Director:M S Manu
Cast:Kunchacko Boban, Richa Panai, Ganesh Kumar, Lalu Alex, Valsala Menon, Suraj Venjaramoodu, Vijayakumar, P Sreekumar, Shari, Kottayam Nazir, Kulappulli Leela, Indrans, Ananya

原題:സാന്‍വിച്ച്

DVDの版元:Harmony
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間23分

ジャンル:ラブコメ
キーワード:デビュー監督、トリヴァンドラム、ひき逃げ、コーヴァラム・ビーチの白人、タミルのグーンダ

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/sandwich-malayalam-2011

【寸評】
お笑いなのかスリラーなのがロマンスなのか、制作者も迷っていることがはっきり分かるかったるい仕上がり。タイトルが示唆するようにクンチャーコーお坊っちゃんが2人のヒロインの間で板挟みになって多いに弱るという話なのだが、もうちょっとキャスティングと脚本とダンス振り付けとソングと編集と演出に配慮が行き渡ればそれなりに見られるものになってただろうな。残念だ〜。


cvDoubles.jpgDoubles

Director:Sohan Seenulal
Cast:Mammootty, Nadia Moidu, Taapsee Pannu, Geetha Vijayan, Anoop Chandran, Saiju Kurup, Bijukuttan, Anand Raj, Suraj Venjaramoodu, Salim Kumar, Narayanan Kutty, Avinash, Abu Salim, Kiran Rathod, Y G Mahendra

原題:ഡബിള്‍സ്

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間00分

ジャンル:
キーワード:デビュー監督、ポンディシェリー、レスキュー隊、ニカブ

参考レビュー集成:http://periplo.posterous.com/doubles-malayalam-2011

【寸評】
ストーリーラインとしては古くからある兄妹の絆もの。それはいいのだが、色々と余計な要素を詰め込みすぎて、その肝心の兄妹(二卵性双生児という設定)の間の情愛や葛藤といったものがひどくあっさりとした扱いになり、感情移入が出来ないまま終わってしまうのだった。ともかく、誰か教えてほしいのだが、タプシーディークシャ・セートを見分けるコツって何かあるのか?もうどっちがどっちだか。

投稿者 Periplo : 01:34 : カテゴリー バブルねたkerala

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