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2013年01月14日

1月のJ-テルグ その2

嬉し恥ずかしお正月ファミリー映画でございます。

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Seethamma Vakitlo Sirimalle Chettu (Telugu - 2013) Dir. Srikanth Addala

原題:సీతమ్మ వాకిట్లో సిరిమల్లె చెట్టు
タイトルのゆれ:SVSC
タイトルの意味:A jasmine plant at the front door of Madam Seetha's house
Cast: Venkatesh, Mahesh Babu, Anjali, Samantha Ruth Prabhu, Prakash Raj, Jayasudha, Rohini Hattangadi, Rao Ramesh, Abhinaya, Kota Srinivasa Rao, Tanikella Bharani, Rama Prabha, Venu Madhav, Ravi Babu, Ahuti Prasad, Murali Mohan, Srinivasa Reddy, Melkote, etc.

■日時:2012年1月19日に2回上映、第1回は15:00、第2回目は18:30開映予定 ※インターミッション中には別料金での軽食サービスもあり
■各回の料金:大人2400円(予約2200円)/5歳以上12歳以下の子供1200円(予約1000円)/5歳未満の子供は無料(座席なし)
■字幕:なし
■上映時間:ネット情報によれば約159分、ただしセンサー通過後にコメディシーンが付け加えられたとの情報もあり
■会場:アキバシアター(東京都千代田区神田練塀町3、JR秋葉原駅中央改札から徒歩2分、詳しくはhttp://www.fsi.co.jp/akibaplaza/cont/theater/index.htmlを参照、英語での案内はこちら
※家族チケット料金などに関しての詳細は、主催者公式サイトhttp://www.indoeiga.com/を参照のこと
■オフィシャルFBページ:SVSC The Film
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2013/01/seethamma-vakitlo-sirimalle-chettu.html

席数の少ない会場なので、メールによる事前予約をお勧めします。
メールのタイトルは「SVSC ticket booking」などとし、
1. Name:申し込み代表者のお名前をローマ字でここに記入
2. Number of tickets / adults:大人の人数を算用数字でここに記入
3. Number of tickets / children:子供の人数を算用数字でここに記入
4. Show timing:15:00か18:30かのどちらかをここに記入
以上の必要項目を埋めてmovieinfo@indoeiga.comまでメールして下さい。家族チケットをご希望の場合はその旨お書き添え下さい。支払いは当日劇場受付で。残席がある場合予約は上映前日まで可能、上映前に確約の折り返しメールが届くはずです。

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さて何から書こうかね。長い長い「お預け」期間に内容についての各種の憶測と期待とではち切れそうになった末に、1月11日に現地で封切られ、怒濤の大ヒットの気配を見せている本作、キーワードは二つあると筆者は思う。一つは「ファミリー向け田舎仕様」そして残りは「豪華マルチスター」。

ボリウッドのことはよく分からないのだが、南インド映画界では、どちらかといえば二線級のスタッフ・キャストによる、明らかに都市の単身者向けではなく、田舎や地方都市の(業界用語でBセンターなどと呼ばれる)保守的なファミリー層に向けたかなり泥臭いフォーマットの映画が製作され、特に節目の祭事シーズンなどに公開されることがある。カンナダ映画などは実のところ今でもこっちが主流なのではないかと思える節もある。

特徴は、一言でいうと「べったべたのこってこて」の田舎芝居。テーマとなるのは、ずばり「家族の価値」。大家族の素晴らしさ、年長者の知恵のありがたさ、性差に応じた男女の役割分担、子宝の目出度さ、一族和合・繁栄のために個々の成員が払う犠牲の尊さ、などという価値観を、わか〜りやすいストーリーと語り口にのせて謳い上げるのだ。もしも同じ内容が日本映画で作られたなら、堪え難い偽善の腐臭にまみれてしまうだろうこうした家族神話が、しかし南インドではまだまだ観衆を惹き付ける力を持っており、興行的にも馬鹿にならない数字をたたき出すことがある。都市の個人主義的なインテリ層によって担われているだろう映画ジャーナリズムにおいても、こうした傾向の作品群に対して正面切っての批判を展開しているものは少ない。

そして大家族制・家父長制をバックにもつこれら作品になぜか多いのが、「偉大なる長兄」というモチーフ。家長たる親爺はどういう訳か一歩後退し、兄貴が色んなものを背負うのだ。以前、有名匿名掲示板のどこかで無名氏が「野郎若草物語」などと評していたが、まさに適切な形容だと思う。必ずしも4人とは限らないのだが、ともかく長男を中心にした男兄弟が、外からの脅威に一致団結して闘ったり、仲違いしてみたり、和解して抱き合ってひーひー泣いたり、そういうもろもろを繰り広げるのだ。

で、SVSC に話を戻す。そういう定型作品がサンクラーンティのお祭りにまた1本封切られる、というだけなら誰も騒ぎはしない。 ヴェンキーことヴィクトリー・ヴェンカテーシュ(Preminchukundam Raa [邦題:愛と憎しみのデカン高原] (Telugu - 1997) Dir. Jayanth C Paranjee で日本デビュー済み)とプリンスことマヘーシュ・バーブ(Businessman 上映の際に紹介した)が共演するウルトラ豪華マルチスターだというので、業界がひっくり返っているのだ。多少なりともご覧になっている人には分かるだろうが、テルグ映画界というのは、ホントに難しいところで、トップの皆さんが共同して事にあたるというのがなかなか実現しない。テルグ映画の75周年を祝ってオールスターが一堂に集うことを目指した2007年の Telugu Chitra Vajrotsavam でも、結局マヘーシュとNTRジュニアはよく分からない理由を付けて欠席、そして当日のステージでも面白過ぎる展開、こーゆー方々が実作品で共演して作中の扱いやクレジットで差がついたりしたら、ファンが黙っちゃいないってもんなのだ。そういう風土のなかで実現したこのドリーム企画には巨大な期待が寄せられ、Bセンターの壁を打ち破り、州都ハイダラーバードや米国などのNRIエリアでも大反響となっているのだ。

不惑の50を過ぎても基本路線は極楽トンボ+アクションのヴェンカテーシュは、過去にも Sankranthi (Telugu - 2005) Dir. Muppalaneni Shiva という典型的な野郎若草もの(成功したタミル映画 Aanandham のリメイクである)で長兄を手堅く演じている。やはり一番のサプライズは、孤高のアクションスターのイメージが強いマヘーシュの弟役だろうね。ともかく本作のどのイメージを見ても、常にはない甘えた弟の無邪気な満面の笑み。相当なイメージチェンジが期待されて胸が躍る。

ヒロインも大変に豪華。Eega でハエの恋人役をやったサマンタちゃんは、がつがつと出演作を増やす事はしていないものの、かなり効率よくタミル・テルグの話題作でヒロインを演じ、ほぼトップクラス入り完了という感じ。本作ではマヘーシュの恋人役。ヴェンカテーシュとペアを組むのは、テルグ人ながら主にタミル・ニューウェーブ作品群への出演で注目を集めてきたアンジャリ。グラマラスな露出は抑えめで、端正な面立ちに貧しさと純情さを表現する演技に評価が高い。ヴェンカテーシュ「耐える長兄」の妻としてまさに適役。

他に兄弟の両親役として、既に日本でもお馴染みのプラカーシュ・ラージ(実はヴェンキーよりも5歳も若いのだ)と、往年のテルグ・ヒロインのジャヤスダー。当網站がしつこく追いかけてる聾唖の美少女アビナヤちゃん(過去に Dammu にも登場)などなど。またブラフミーをはじめとするコメディアン陣も一個大隊で出動。 (01.20追記:コメディアンと言えるのはラヴィ・バーブとタニケッラ・バラニぐらいのものだった。)

監督は、青春映画 Kotha Bangaru Lokam (Telugu - 2008) に続いて本作がやっと2本目というシュリーカーント・アッダーラ、しかし脚光を浴びているのは監督よりもプロデューサーのディル・ラージュの方。音楽はこの間の Life is beautiful でもしっとりしたところを聞かせてくれたミッキーJメイヤー。

さて、ここまでまるで見て来たような事を書き連ねたが、もちろん全て予想に過ぎないのである。この SVSC、定式通りのこてこて御節料理なのか、それとも蓋をあけたらアッと驚くモダンなフュージョンなのか、その辺はあえて事前には知らずにおこうと思う。 (01.20追記:ファミリー映画ではあったが、「耐える長兄」パターンではなかった。)年の始めの1日限りの縁起物をお見逃しなく。

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投稿者 Periplo : 18:56 : カテゴリー バブルねたtelugu
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2013年01月12日

1月のJ-テルグ

いんや、申し訳ない、開催前日ハッキリ言って役立たずの、滑り込み ’言うだけはいったもんね’ 告知。現地で1月9日に封切られたばかりのホヤホヤだよ。

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Naayak (Telugu - 2013) Dir. V V Vinayak

原題:నాయక్
タイトルのゆれ:Nayak
タイトルの意味:Leader
Cast:Ram Charan Teja, Kajal Aggarwal, Amala Paul, Rahul Dev, Dev Gill, Brahmanandam, Jaya Prakash Reddy, M S Narayana, Ashish Vidyarthi, Raghu Babu, Pradeep Rawat, Posani Krishna Murali, Rajeev Kanakala, 'Sathyam' Rajesh, Sudha, Charmee

■日時:2013年1月13日、16:00開映予定 ※インターミッション中には別料金での軽食サービスもあり
■料金:大人2200円(予約2000円)/5歳以上12歳以下の子供1200円(予約1000円)/5歳未満の子供は無料(座席なし)
■字幕: なし
■上映時間:ネット情報によれば約160分
■会場:アキバシアター(東京都千代田区神田練塀町3、JR秋葉原駅中央改札から徒歩2分、詳しくはhttp://www.fsi.co.jp/akibaplaza/cont/theater/index.htmlを参照、英語での案内はこちら
※家族チケット料金・予約方法など上映に関しての詳細は、主催者公式サイトhttp://www.indoeiga.com/を参照のこと

いや目出度い。ともかく、ちゃらん様ことラームチャラン・テージャの初お目見えだ。日本では一部で「チル太」の愛称でも呼ばれている、メガスター・チランジーヴィの御曹司、メガ一家のただ一人の直系男子だ。2007年にデビューして本作がやっと第5作目。こちらのフィルモグラフィーを見ていただければ分かるように、ざっくり言って2年に1本という、今時の若手スターには珍しい超スローペース。これは政界入り直前の親爺様だのラジニ様だの超重厚な方々のペースに近い。若くてチャレンジ精神も横溢しているだろうチル太には結構辛いだろうと思われる(ちなみに親爺様はデビューからの5年で約50作に出演している)が、これはこの若者にのしかかる巨大な重圧のほんの一端の現れでしかないのだろう。そりゃあ、顎もひしゃげてくるってもんだ。しかし外野が勝手に「あるべき姿」を論じていてもしょうがない、こういうレールを敷かれてしまったチル太がこれからどんな風に独自の成長を遂げて行くか(あるは行かないか)を、長い目で追いかけて行こうと思う。

ヒロインは豪華ツートップ体制。

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J-テルグだけでも何回この人を見たかも分からない、カージャル・アガルワールさん。

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そして当網站がデビュー作以来執念の追っかけをしている『神さまがくれた娘』アマラ・ポールさん、J-テルグでは Love Failure に続き2回目の登場。

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さらにアイテムダンスには、このところちょっとお目にかかることが減ってきているように思えるチャールミーが登場、ファンには嬉しいお年玉。※これのみイメージは別作品のもの

最後に、監督のVVヴィナーヤック氏(オフィシャルサイトあり)についても一言だけ。こちらのフィルモグラフィーを見るとわかるように、2002年デビューの中堅で、一貫して娯楽性の高いアクション作品を撮り続けている。若干の例外はあるものの、ヤングヒーローを主役に据えたものが多い。テルグのメジャー映画は皆そうだと言ってしまえばそれだけだが、非常に手のこんだアクションシーンを仕掛けることでも名高い。で、お決まりのVVヴィナーヤック・スペシャル(内緒。こう呼ばれているとある演出があるのだ)が本作でも見られるのかどうかにも注目したい。

投稿者 Periplo : 18:36 : カテゴリー バブルねたtelugu
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