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2013年04月30日

PJ2012-19:Friday

副題に「11.11.11 Alappuzha」とあるが、つまりこれは2011年の11月11日金曜日にアーラップラで起こったことであるという設定なのだ。11月は一年の中で比較的過ごしやすい良い気候の時期だ。

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Director:Lijin Jose
Cast:Fahad Fazil, Ann Augustine, Manu, Nedumudi Venu, Sudhir Janardhanan, Pala Charlie, Vijaya Raghavan, Narayanan Kutty, Sasi Kalinga, Nimisha Suresh, Tini Tom, Seema G Nair, Prakash Bare, Asha Sarath

原題:ഫ്രൈഡേ
タイトルのゆれ:Friday 11.11.11 Alappuzha

DVDの版元:Movie Channel
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約1時間44分

ジャンル:人間ドラマ
キーワード:ニューウェーブ、デビュー監督、グランドホテル、アレッピー、ヴェンバナード湖

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2013/01/friday-malayalam-2012.html

お勧め度:★★★☆☆

【寸評】
これもまた、ニューウェーブの連中が大好きなグランドホテル形式の一作。ただし、どういうわけか現地では「ハイパーリンク・シネマ」という言い方のほうが好まれている。

本作では、親の目を盗んでデートをする若いカップル、娘の結婚を控えた一家、臨月の乞食女、コーンカニー・バラモンの貧しいオート運転手、希少動物を違法に取引する売人、子供が出来ないために孤児院で養子縁組をしようとする夫婦etc.といった人々が、それぞれに何らかのやり取りをしたりすれ違ったりする様を描こうとしている。

そもそもマラヤーラム・ニューウェーブの連中はどうしてこんなにハイパーリンクが好きなんだろうか(同じニューウェーブでもタミルの方ではこういう作例はあまり多くない)。ひとつには伝統的な「神のごときヒーロー像」への反発があるのではないかと思う。神なき時代である現在を描こうとすると、超人ヒーローではなく等身大の人間の群像を映し出すことになる、というのは必然的な流れだ。一方で、人々がそれぞれの事情でバラバラに営む生活の、不規則で無秩序な分子運動の中で偶然が連鎖し、まるで神の手によるかのようなストーリーが生まれることを提示しようとする試みも見受けられる。

ただ、どちらにしても既にマニエリズム化が始まっており、才能を欠いた作り手によるものはこれから容赦なく淘汰されて行くことが予想される。本作はどちらかといえば不発に終わった見本。監督は、大スター不在映画というだけで劇場主から屈辱的な扱いを受けたと息巻いているが、やっぱり作品の質自体に問題があったとしか思えない。個別のパートに非常に印象的なシーンが幾つかはあるものの、全体を貫くストーリーが弱い。特に、群像映画とはいえ、明らかに最もスポットライトの当たった登場人物であるファハドが演じるオート運転手が、クライマックスに全く姿を見せないというのは、いくらなんでもバランスが悪い。他のキャラクターもあまりに短すぎる登場時間の中で、いかにもな型どおりの所作を行うだけで深みがない。見終えた後の充足感が足りない一本だ。

文句ばかり書いたが、観光プロモーション的ではないアレッピーの風景は大変に印象的。特にラストの長回しのシーンの美しさは凄い。これを撮りたいがために制作者は本作を企画したんじゃないかと思われるぐらいだ。

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この美しいポスターにも実際はこんな舞台裏がある。おもしろ~い。

投稿者 Periplo : 02:07 : カテゴリー バブルねたkerala
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2013年04月29日

PJ2012-18:Trivandrum Lodge

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Trivandrum Lodge

Director:V K Prakash
Cast:Jayasurya, Honey Rose (Dhwani), Anoop Menon, Master Dhananjay, Baby Nayanthara, Thesni Khan, P Balachandran, Saiju Kurup, Janardhanan, Sukumari, P Jayachandran, Bhavana, Babu Namboothiri, Devi Ajith, Arun, Kochu Preman, Krishnaprabha, Nandu, Nikhil, Ponnamma Babu, Indrans, V K Prakash

原題:ട്രിവാന്‍ഡ്രം ലോഡ്ജ്

DVDの版元:Movie Channel
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約1時間59分

ジャンル:人間ドラマ
キーワード:ニューウェーブ、愛、セックス、フォート・コーチン、マッタンチェーリ、貧乏下宿、ドクターフィッシュ

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2013/01/trivandrum-lodge-malayalam-2012.html

お勧め度:★★★★★

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【寸評】
フォート・コーチンにある古色蒼然たる洋館トリヴァンドラム・ロッジ。そこには、年老いた音楽家、得体の知れない自称映画ジャーナリスト、非熟練労働者として職を転々とする若者など、様々な背景を持つ変わり者たちが入居し、どんよりと垂れ込めた日々を過ごしていた。そこに一人の若い女性が転居してくる、彼女はインテリで上層階級に属しているが、最近離婚したばかりで気分転換を求めていた。そしてこの貧乏下宿に蠢く男たちを観察して小説を書こうとしている。

本作を見た観客の反応は大雑把に言って3パターン。退屈で寝ちゃうか、大いに惹きつけられるか、猥雑表現(そのほとんどは映像ではなく台詞によるものだが)に激怒するかだ。筆者は最初の3分の1程は大欠伸の連続だったが、女性たちが賑やかになってくる中盤から引きこまれ、2時間もせずに終わった時にはこの黴臭くジメジメした貧乏下宿から立ち去り難く思われて悲しくなった。一般的には最後のパターン、怒っちゃった人が多数派だったらしい。その怒りの声をあれこれ読み漁るのもまた楽しい。一方で絶賛する観客は本作の「大胆さ」を言い立てているが、ダブルミーニングの猥語を連発した程度の「大胆さ」で感激しすぎるのもガイジン観客としてはどうかと思う。

ストーリーらしいストーリーもない本作の魅力は、俳優たちの高い芝居力と、卓越した美術・カメラワークによって醸し出される「気怠い心地よさ」と「いがらっぽさ」。実際、ジャヤスーリヤの芝居に感銘する日が来るとは思っていなかった。他にもサイジュ・クルップ、アルンなど「かつてのヒーロー候補生」たちが味のある存在感を見せてくれる。女優達は特別出演に近いバーヴァナを除いては、特に美人はいない。しかし、にもかかわらず不敵なほどにエッチで魅力的だ。主演のハニー・ローズの色事師ぶりはカッコイイ。

VKプラカーシュという人は、ご多分に漏れずパドマラージャンの大ファンであるようで、前作 Beautiful (Malayalam - 2011) でも Thoovanathumbikal (Malayalam - 1987) へのオマージュが捧げられていた。本作での Thoovanathumbikal への言及はオマージュを超えた、かなり下品なパロディになっていて、それがまた否定派の逆鱗に触れたのではないかと想像される。もちろん、一番イケなかったのは、女の方から男にお誘いをかけるところだったんだろうけどね。

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上にも書いたように本作の舞台はフォート・コーチンであって、トリヴァンドラムではない、念のため。

投稿者 Periplo : 01:25 : カテゴリー バブルねたkerala so many cups of chai
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2013年04月28日

PJ2012-17:Akashathinte Niram

浜辺を舞台にして、常に海鳴りが背後に聞こえる映画は、それだけでちょっとばかし高等な雰囲気がでるよね。

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Akashathinte Niram

Director:Dr Biju
Cast:Indrajith, Nedmudi Venu, Amala Paul, Anoop Chandran, Master Govardhan, Prithviraj, V K Sreeraman, Indrans, Geedha Salam, Pai Guruvayur, C J Kuttappan, Gopakumar, Shaji Sharma, Biju John

原題:ആകാശത്തിന്റെ നിറം
タイトルの意味:Color of Sky
タイトルのゆれ:Aakashathinte Niram, Akasathinte Niram, Aakasathinte Niram

DVDの版元:Saina
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約1時間59分

ジャンル:アート
キーワード:アンダマン諸島、謎のアート老人、説教、チンピラ更正

オフィシャルサイト:http://www.colorofskymovie.com/
参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2012/11/akashathinte-niram-malayalam-2012.html

お勧め度:★★☆☆☆

【寸評】
ドクター・ビジュことビジュクマール・ダーモーダラン監督による前作 Veettilekkulla Vazhi については昨年の総括の時に完膚なきまでに粉砕しておいたのだが、うっかり名前を忘れて、またこれを見ちゃった。てか、気がついたらデビュー作の Saira (Malayalam - 2006) も見てるじゃないか、最低だ俺。

アンダマン諸島の中心地ポート・ブレア港、食い詰めた流れ者(Indrajith)が小銭を手にしようと目論み、モーターボートで一人出航しようとしている老人(Nedmudi Venu)を刃物で脅す。 老人は意に介することもなく流れ者を乗せたまま離れ小島に向けてボートを操る。その小島では若者(Anoop Chandran)と少女(Amala Paul)と男の子が帰りを待っており、流れ者と共に奇妙な共同生活が始まる、というストーリー。

舞台をアンダマン諸島にしたのは、この地の特殊な風土を描くためではなく、逆に風土を消し去り抽象的な舞台で人間ドラマを際立たせる、という芸術映画的なものだということは分かる。そしてそれは成功している。ただその人間ドラマってのがどうにも安っぽい。苦手だ苦手だとぼやきながらもマラヤーラム芸術映画を見続けていると、やっぱり同じカテゴリーの中でも風格の違いってのはやがて分かるようになってくるもんだ。本作は気取ってばかりいて底の浅さが見え見えのおバカ芸術映画の格好の見本だと思う。

トロピカルでありながらどこか翳りを湛えたアンダマンの景色に星一つ、アマラちゃんに星一つ。監督については、もうイルカ・ヲチでもネイチャー・ゲームでもやって勝手に癒されてろとしか言いようがない。

そんな風に毒づいて、本作についてはもう完膚なきまでに粉砕した気になってたけど、実は世界各地の映画祭を転々とし、今年の全州国際映画祭の BEYOND BOLLYWOOD なんていう特集でも掛かったということだ。日本上陸まであとわずかってとこまで迫ってたんだ。はあ~、全州で止まってくれて良かった~。

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投稿者 Periplo : 00:20 : カテゴリー バブルねたkerala
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2013年04月27日

PJ2012-16:Cinema Company

また劇中で作られようとしている映画が半端なくつまらなそうなのよ。
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Cinema Company

Director:Mamas
Cast:Basil, Sanjeev, Badri, Shruthi, Nitin Paul, Sanam, Swasika, Lakshmi, Shible, Baburaj, Lalu Alex, Narayanan Kutty, Ambika Mohan, Krishna, T P Madhavan, Kottayam Nazir, Kamal, Sibi Malayil, Siddique (director)

原題:CINEMA കമ്പനി

DVDの版元:Horizon
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間31分

ジャンル:青春
キーワード:友情、決裂、再会

オフィシャルサイト:http://cinemacompany.in/
参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2012/11/cinema-company-malayalam-2012.html

お勧め度:★★☆☆☆

【寸評】
映画監督志望、俳優志望、脚本家志望、ミュージシャン志望で一緒に映画を作ろうとして挫折した4人組が、歳月を経た後に再会して再び夢を追いかけようとする、という物語。

デビュー作 Paappi Appachaa (Malayalam - 2010) がなぜかヒットしてしまったらしいママース監督の第二作目。前作と今作を観て確信したのは、この人、そこそこの素材を使って死ぬほど退屈な映画を撮ることにかけては天才だってこと。同じストーリーでも、もたもた&クドクドをなんとかしてたら凡庸なメロドラマにはなったかもしれないのに。それと新人で固めた俳優連中にも惹きつける力が足りなかった。紅一点ギャルとか眼鏡君とか、ありがち~なパートをお行儀良く型どおりに演じてただけだし、主演格のベイシルというのが、また覇気のないお坊ちゃん系で魅力なし。それでもこの先こいつを見ていくことになるんだろうか。

かろうじて面白かったのは終盤に出てくる特定のスターさんへの当てこすりの部分。それ見たさで最後まで我慢できたという感じだ。誰かはここでは書かないが、興味ある人はこちらなど読むよろし。

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低予算映画の製作現場の様子など、多少の資料性はあると思う。

投稿者 Periplo : 23:38 : カテゴリー バブルねたkerala
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2013年04月26日

PJ2012-15:Diamond Necklace

主人公はドゥバイのブルジュ・ハリーファに住んでいるという設定。日本映画ならさしずめスカイツリーに住んでるってところか、いやもっとお洒落かな。
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Diamond Necklace

Director:Lal Jose
Cast:Fahad Fazil, Samvritha Sunil, Goutami Nair, Anushree Nair, Sreenivasan, Rohini, Kailash, Sreedevi Unni, Manian Pillai Raju, Sukumari, Guruvayur Sivaji

原題:ഡയമണ്ട് നെക്‌ലെയ്സ്

DVDの版元:Satyam Audios
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間37分

ジャンル:人間ドラマ
キーワード:ニューウエーブ、ドゥバイ、エリート、カード地獄、イージー男女交際、毛髪と我欲の関係、ブルジュ・ハリーファ

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2012/11/diamond-necklace-malayalam-2012.html

お勧め度:★★★★☆

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【ネタバレ度40%の粗筋】
ケララ出身でドゥバイに住んでいるアルン・クマール(Fahad Fazil)は、癌の専門医として高級クリニックに勤務しており、平均的な労働移民の苦労も知らずに贅沢で気楽な独身生活を謳歌している。しかし高給取りであるにも拘わらず、無計画な浪費によってクレジットカードが止められるという事態に陥っている。そんな問題を抱えながら、彼は職場で新人タミル人ナースのラクシュミ(Gauthami Nair)に目をつけ、あっという間に籠絡する。クレジットカード会社はさらに彼を追い詰め、車を差し押さえ、海外渡航もできないようにしてしまう。友人と共有していた豪華なフラットからも追い立てられ、ホームレスに近い状態になった彼だが、在ドゥバイの同胞の助けでなんとか一時帰国する。しかし故郷の家では予想外の展開によって田舎の箱入り娘ラージャシュリー(Anusree)と見合い結婚させられてしまう。ひとまず単身ドゥバイに戻った彼は、上司のサーヴィトリ(Rohini)から親類の娘マーヤー(Samvritha Sunil)を紹介される。彼女はパリに住むファッションデザイナーだったが、癌を宣告され、それによって婚約者からも捨てられていたので、アルンは彼女の話し相手となって慰めることを期待されたのだった。二人の仲は急速に親密なものとなっていく。相変わらず経済的に逼迫している彼は、マーヤーが婚礼に備えて買い求めていた高価なダイヤモンドのネックレスをある時目にする。

【寸評】
なぜかインド人に人気のあるOヘンリーの短編(筆者はかなり苦手だ)みたいな頓智噺だったらどうしようと若干不安に思いながらストーリーを追っていたのだが、なんとかギリギリでそれは回避されたのだった。本作が宝飾品小売りチェーンのジョーイ・アルッカスとのタイアップで制作されたことに不快感を表明するレビューもあったが、豪華なダイヤを見せつけつつもあからさまな広告にはなっていない、それで制作費用が浮いたのならよかったじゃないですか、というクレバーなものだったと思う。

ラール・ジョースの2012年作品3本のうち、先日紹介の Spanish Masala はほぼ全編がスペイン・ロケ、本作はドゥバイ・ロケで撮影されている。Spanish Masala の方は正直なところかなり浮ついた仕上がりで、見ていてゲンナリするものがあったのだが、同じ外国でもやはりドゥバイとなると全然風合いが異なる。最初の導入シーンこそ夢のようなリッチな都会生活であるものの、やがて綻びが顔を出し、どんどん面白くなって行く。脚本を担当したのは Arabikatha (Malayalam - 2007) Dir. Lal Jose の脚本家でもあるイクバル・クッティプラム。本作中には、自身はブルーカラーでありながらも同胞マラヤーリーとして主人公を助ける中年男の役でシュリーニヴァーサンが登場するのだが、Arabikatha のシュリーニのその後の姿を見るようでもある。

主要な出演者の中ではやはりサムちゃんことサムヴリタ・スニルさんが圧倒的。裕福でハイセンスな都会の女性としての姿と、死病に冒されての燃え尽きる蝋燭の最後の輝きのような美しさ、この二つを余すところなく見せてくれた。クライマックスのシーンでは、誇張ではなくホントにあっと声が出るほどのインパクトだった(ネタバレを厭わない、後から文句を言わない、という人のみここ参照)。それから、世間ずれしていないタミル人の看護婦役のガウタミ・ナーイルも、瑞々しい魅力で前半を盛り上げた。主演のファハド・ファーシルは、今やマラヤーラム映画界きってのスケコマシ野郎(スクリーン上でのことだ、念のため)だが、本作でも次々と魅力的な女性たちを食い散らかしている。それにしても、医師という高度に知的な職業に就きながら、一方でクレジットカード債務地獄に陥るまで浪費を続けるという欠落者、でありながら3人のヒロインから愛され(そして不実を許され)、それからローヒニおば様からも弟に対するように慈しまれ、周囲の人々からも助けられ、運命からすら決定的な罰を受けない、そういう不思議で不公平な愛され体質のキャラを説得力をもって演じていたかというと、かなり疑問だ。星5つではなく4つにした理由はそれだけ。

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ところで映画とは全然関係ないんだけど、ジョーイ・アルッカスのツイッターページ見て広告塔の人選に吃驚した。

投稿者 Periplo : 02:27 : カテゴリー バブルねたkerala
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2013年04月25日

PJ2012-14:Spirit

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いくらなんでもこのイメージはカッコ良すぎだろ。これじゃ酒飲みたくなっちまうわ。実際に、当初このイメージを使ったポスターが制作されたものの、クレームがついて撤去されたそうだ(こちら参照)。

Spirit

Director:Ranjith
Cast:Mohanlal, Kaniha, Madhu, Shankar Ramakrishnan, Thilakan, Nandu, Lena, Siddharth Bharathan, Kalpana, Tiny Tom, Suraj Venjaramoodu, Ganesh Kumar, Sasi Kalinga, Guruvayoor Sivaji, Master Ganapathy, T P Madhavan, V K Sreeraman, Vijay Menon, Govindankutty

原題:സ്പിരിറ്റ്

DVDの版元:Central
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間24分

ジャンル:人間ドラマ
キーワード:ニューウェーブ、アル中、辛口ジャーナリスト、離婚、家庭内暴力

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2012/11/spirit-malayalam-2012.html

お勧め度:★★★☆☆

【寸評】
いやともかく、インドの通俗道徳が酒を憎むことといったら、Devdas の昔から並大抵のものじゃないのだ(にもかかわらず決別できない人々もまた多いようなのだが)。それに比べて煙草のほうは比較的近年まで見逃されてきたが、映画の中での表現への規制はここ数年で欧米よりも厳しいものとなった。酒にしろ煙草にしろ、開始前に警告が挿入されるだけでは済まなくなり、本編で画面に写るシーン全てに煩い警告ネームが焼き付けられることになってしまった。2012年度の国家映画賞 Best Film on Social Issues を受賞することになった本作は、そのメッセージ性から例外的に、冒頭の警告のみの表示で本編中の注意書きは免れることになった。また、興行収入への課税が免除または軽減されたという話もある(それに文句つけてる人ので知った)。

煙草のことはここでは措いておこう。それにしても、通俗道徳が酒を憎むことと関係があるのかないのか、(少なくともサウス)インド映画の中で旨そうに酒が嗜まれているシーンというのは本当に少ない気がする。コメディに出てくる貧乏下宿だろうが、ギャングのキャバレーだろうが、クリスチャンの名家だろうが、基本は無茶飲み。そんなに辛いのかね、インド人。

エリートでなおかつ組織に縛られない自由人である主人公(Mohanlal)が、ズルズルと常習的な深酒に引きずり込まれて行き、人間関係が壊れ健康も脅かされてきたところでやっと目が覚める。彼は立ち直ることが出来るのか、という物語。どうしても愛着の湧かない一作なのでさらにネタバラシしてしまうが、この男は驚異的な意志の力で飲酒癖を断ち切った後、さらに他人のアルコール依存を矯めようとして色々とおっぱじめるのだ。それが、かつての喫煙者が極端にアグレッシブな嫌煙論者に変じるのを見るときのような、何ともいえない気持ちの悪さを生むのだ。

ストーリーテリングの巧みさによって忘れがたい名作を幾つも生み出してきたランジットは、前作 Indian Rupee (Malaylam - 2011) あたりから、どうも「物語」と決別し、より思索的なエッセイに向かっているように思える。ランジットに限ってならば、それは俺が許可しようと言いたいところだが、その代わり上から目線のガサツな正義は止めてほしい、それが本作のメッセージ的なパートに対する筆者のリアクションだ。メッセージ部分を離れてみれば、インテリ上流階級のバラエティに富んだ人間模様、逃げた女房へのラルさんの未練、脇役軍団の底力、シッダールト・バラタン演じる無頼詩人の詩の素晴らしさ、などなど魅力たっぷり。一度は見て損はないと思う。

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投稿者 Periplo : 04:01 : カテゴリー バブルねたkerala
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2013年04月24日

PJ2012-13:Nidra

久しぶりにオリジナルを超えたリメイクを観た気がする。超えたというようりは、オリジナルの製作者が存命ならば、今日の技術でこんな風にセルフリメイクしたかったんじゃないか、とまで思わされた。

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Nidra

Director:Sidharth Bharathan
Cast:Sidharth Bharathan, Rima Kallingal, Jishnu, KPAC Lalitha, Thalaivasal Vijay, Vijay Menon, Sarayu, Guruvayoor Sivaji, Malavika, Rajeev Parameswaran, Ambika Mohan, Ajmal, Kavitha, Baby Maria Biju, Preethi

原題:നിദ്ര
タイトルの意味:Sleep
タイトルのゆれ:Nidhra

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約1時間43分

ジャンル:人間ドラマ
キーワード:ニューウェーブ、過去の名作のリメイク、ネイチャー系引きこもり、Chalakudy

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2012/10/nidra-malayalam-2012.html

お勧め度:★★★★★

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【ネタバレ度50パーセントの粗筋】
ケララ中部の裕福な家庭の次男坊として生まれたラージュ(Sidharth Bharathan)は、宇宙科学研究者を目指していたが、内向的な性格から世間とうまく折り合えず、念願かなって赴いたドイツ留学も精神的な問題から完遂することができず、帰国後は定職にも就かず無為に過ごしていた。彼には兄と弟がいたが、特に世知に長けた常識人である兄のヴィシュワン(Jishnu)に対しては屈折した感情を抱いている。

彼は子供のころから恋心を抱いていたアシュワティ(Rima Kallingal)と再会し、二人は結婚を望むようになる。寡婦の母(KPAC Lalitha)と二人で慎ましい生活を営むアシュワティと資産家の息子ラージュとの恋愛は周囲の反対を引き起こしたが、結局恋人たちは結ばれる。

希望にあふれて婚家での新生活を始めたアシュワティだったが、時にバランスを崩しそうになる夫の精神状態を見て不安を覚えるようになる。幾つもの不運な出来事の連鎖によって、ラージュの症状は悪化の一途をたどる。アシュワティは自分たち夫婦が肉親からさえも見放されつつあることを悟る。

【寸評】
注目のカムバック新人シッダールト・バラタン(ここで紹介した)による監督&主演作。オリジナルはシッダールトの父であるバラタン監督による1981年の同名作品。2012年の本作は、クライマックスの数分以外はかなり忠実にオリジナルをなぞっている。

たとえばこんなところまで。
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ついでだが、オリジナルでの主役は、今や嫌な奴系脇役が定位置となったヴィジャイ・メーノーン(2012年リメイクでは精神科医の役で登場している)。そしてヒロインは以前にちょこっと紹介したこともあったシャーンティ・クリシュナさん。
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オリジナル版のシャーンティ・クリシュナは文句なしに素晴らしい。小鳥のように可憐でありながら芯の強さがあり、自分自身が不安に苛まれながらも、壊れてゆく夫をなんとか繋ぎ止めようとする健気な若妻。この役を、全くタイプの違うリマにキャスティングしたシッダールト監督の、そしてオファーを受けたリマの勇気は大したものだと思う。これまで悩ましいイメージが先行していたリマだが、ここで見せた絶望の深さと愛の強さを体現した芝居は、ひとつの転機を感じさせるものだった。演技者としてのシッダールトも、自分を見つめる他人の瞳に映る恐怖と憐憫に深く傷つく孤独な若者の姿をリアリティを持って描き出していた。

オリジナルとリメイク、どっちを先に見てもいいけど、ともかく見比べてみると、最後の数分の改変の部分に深い感銘を受けると思う。両方は見ていられないというのなら、やはりリメイクの方がお勧め。

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クライマックスに近づくにつれ凄みを増して行くサミール・ターヒルのカメラ。この人の監督デビュー作 Chaappa Kurish (Malayalam - 2011) Dir. Sameer Tahir を見た時は、有望な新人監督の登場だと思ったのだが、本作を見るとこのままカメラマンを続けたほうがマ映画のためにはプラスなんじゃないかとも思えた。

投稿者 Periplo : 02:49 : カテゴリー バブルねたkerala so many cups of chai
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2013年04月21日

シュリーヌ・ヴァイトラ主要作品ディスコグラフィー

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最新作 Baadshah 上映を案内する前回エントリの一部にするつもりだったけど、いくらなんでも長すぎなので別立てにした豪華付録。もしも Baadshah で興味を持たれたら是非とも過去作品に遡ってご覧になっていただきたい。

前回書いたことの繰り返しになるが、シュリーヌ・ヴァイトラの作風の際立った特徴は、comedy of errors と呼ばれるような身分詐称をベースにしたドタバタ・コメディー+アクション。バレるかバレないかハラハラドキドキの嘘つき合戦に加えて、大挙して登場するコメディアン軍団のドツキ合いもたっぷりトッピングされ、ランタイムはかなり長くなる傾向にある。また登場人物も無闇に多いので、脳内で整理しながら見ようとするとかなり疲れる。2時間を少し過ぎて、他の作品ならそろそろまとめに入ろうかという頃合になって新しいお笑いキャラが登場してきたり、一番豪華なソングシーンが披露されたりなので、見る側も気合いと体力を充分に備えた上で臨んだほうがいい。また、テルグ映画全般にもともとその傾向があるのだが、映画への引用がたっぷりと盛り込まれているのも特徴的。

以下では入手可能なディスクを中心にまとめてみた。ポスター写真を掲載しているものが中でもお勧め。

cvNeekosam.jpgNee Kosam (Telugu - 1999)

Cast:Ravi Teja, Maheshwari, Rajiv Kanakara, Brahmaji, Jayaprakash Reddy, Chalapati Rao, Sivaji Raja, Uttej, Sudha

原題:నీ కోసం
タイトルのゆれ:Neekosam
タイトルの意味:For you

DVDの版元:MoserBaer
DVDの字幕:なし
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約1時間49分
DVD 入手先:Bhavani DVD など。TouTube上に全編動画(字幕なし)もあり。

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2013/04/nee-kosam-telugu-1999.html

■ デビュー作品。主演俳優としてデビューしたばかりのラヴィ・テージャとシュリーデーヴィーの姪のマヘーシュワリをフィーチャーして撮られた低予算映画。今日の作風とはかけ離れた純愛物語で結構驚く。字幕なしDVDしかないので細かな機微は分からないのだが、各種の賞を獲得するなど、批評家からは高く評価されたということだ。


以下の三作についてはデータなし。

Anandam (Telugu - 2001)
ディスク未入手、キャストなどはこちら参照

Sontham (Telugu - 2002)
ディスク未入手、キャストなどはこちら参照

Anandamanandamaye (Telugu - 2004)
ディスク未入手、キャストなどはこちら参照


cvVenki.jpgVenki (Telugu - 2004)

Cast:Ravi Teja, Sneha, Jeeva, Srinivasa Reddy, Chitram Seenu, Thanikella Bharani, Mallikarjuna Rao, Krishna Bhagavan, Venu Madhav, Brahmanandam, Ramachandra, AVS, Darmavarapu Subramaniam, Ashutosh Rana, Ahuti Prasad, Suman, Mantra

原題:వెంకీ
タイトルのゆれ:Venky
タイトルの意味:主人公の名前

DVDの版元:Volga
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間42分
DVD 入手先:TouTube上に全編動画(字幕なし)もあり。

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2013/04/venki-telugu-2004.html

■ 上の空白の三作のどこでどんな転機があったのかは不明だが、本作においてはすでにロジック無視気味のお笑い路線がハッキリ見てとれる。一応、ポリス・アカデミーもの系と殺人ミステリ系の二つのプロットがあるのだが、その縒り合わせはかなり投げ遣り。注目すべきはコメディアン大集合のドツキ合い大会という作風がここで既に確立されていること。ヴァイザーグからハイダラーバードへ向かう列車内での、ヴェーヌ・マーダヴの車掌、怪しい乗客ブラフマーナンダム、AVS、ラヴィ・テージャ、シュリーニヴァーサ・レッディ、チトラム・シーヌなどによる、15分を超える馬鹿騒ぎのシーンが、実際のところ本作のハイライトとなっているようだ。


cvAndarivaadu.jpgAndarivaadu (Telugu - 2005)

Cast:Chiranjeevi, Tabu, Rimi Sen, Prakash Raj, Rakshita, Pradeep Rawat, Kaikala Satyanarayana, Brahmanandam, Sunil, M S Narayana, Venu Madhav, Krishna Bhagavan, Salim Baig, Dharmavarapu Subramanyam, Krishna Bhagawan, AVS, Paruchuri Venkateswara Rao, Kondavalasa, Narsing Yadav, Ravi Prakash, Devi Charan, Anant, Giri, Hema, Jyothi, Melkote, Raghava Lawrence

原題:అందరివాడు
タイトルのゆれ:Andarivadu, Andarivaadu - Man of the Masses
タイトルの意味:Man of the people

DVDの版元:Sri Balaji Video
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間35分
DVD 入手先:Bhavani DVD など。TouTube上に全編動画(字幕なし)もあり。

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2012/09/andarivaadu-telugu-2005.html

■ゴーヴィンドラージュル(Chiranjeevi)は年季の入った土方の親分で、腕っぷしはめっぽう強く、酒と煙草を愛し、権力者を怖れないため社会の低層に生きる人々の信望も篤い。彼はやもめだったが、亡妻が残した一人息子のシッダールト(Chiranjeevi)を慈しみ、息子も父の期待に応えてエリートコースを進み、テレビで人気のジャーナリストとなっていた。シッダールトは父の放埓さをなんとかしようと再婚をお膳立てする。気楽なやもめ暮らしを愛するゴーヴィンドラージュルは、見合い相手として現れたシュラヴァニ(Tabu)が彼を嫌うように仕向け、自ら縁談を壊そうとする。一方、シッダールトは職場で出会ったシュウェータ(Rimi Sen)から猛アタックを受け、やがて二人は恋仲になる。しかしシュウェータの父で建設会社社長のヴィレーンドラ(Prakash Raj)は娘が土方の息子と結婚することを許そうとしない。

チランジーヴィが一人二役を演じたドタバタ・コメディー。メガスターは2008年に自前政党を立ち上げて正式に政界入りした。それを見越しての戦略と思われるが、2000年過ぎあたりからの主演作はどんどん生真面目さを増し、善隣&弱者救済メッセージを前面に押し出すものになってきていた(ではそれらが説教じみた駄作かというと、結構楽しめる、というのがチルさんの凄いところなのだが)。そんななかでラストから4本目の主演作である本作はかなりの異彩を放っている。タイトルおよび冒頭のモブシーンには「キャンペーン映画」的なものも感じられるが、本編に入るとそうしたものは吹っ飛び、コメディーの奔流に圧倒される。一人二役とはいえ、明らかにフォーカスはロウワーな親父の方にあり、チランジーヴィの全キャリアの中でも無類の愛すべきキャラクターが立ち上がってくる。そこには、野卑なジョークや性的なほのめかしを厭わなかった80年代のチルさんへのノスタルジーもある。それにしてもこの親父の飲みっぷり&(煙草の)吹かしっぷりは大層なもので、同じアイディアがあっても仮に1年遅かったらおそらくスクリーン上では実現できなかっただろう(あのラーマダース氏が厚生大臣に就任したのが本作公開の前年2004年5月だ)と思われる、滑り込み的なある種の奇跡だ。

キャンペーン的な性格が薄いと上では書いたが、知性的な正義漢である息子とダメ人間でありながら市井の人々の間の人気者である親父とをチルさんが同時に体現することによって、やがて来る政治家チランジーヴィが、大衆を置き去りにしないことを間接的に訴える、クレバーなメッセージ映画としても読み取ることができる。このリスト中では一番のお勧め。

Andarivaadu.jpg
2005年のチランジーヴィにこの恰好をさせたってのはやっぱり凄い!


cvDhee.jpgDhee (Telugu - 2007)

Cast:Manchu Vishnu, Genelia D’Souza, Srihari, Sunil, Brahmanandam, Jayaprakash Reddy, Chandra Mohan, Tanikella Bharani, Akash, Brahmaji, Devi, Ajay, Srinivasa Reddy, Chiram Seenu, Shafi, Supreeth Reddy, Master Bharat

原題:ఢీ
タイトルの意味:Crash (こちらも参照)

DVDの版元:Shalimar
DVDの字幕:なし
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間21分
DVD 入手先:Bhavani DVD など。TouTube上に全編動画(字幕なし)もあり。

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2013/04/dhee-telugu-2007.html

■ハイダラーバードのオールドシティを根城にするヤクザのシャンカル・ガウダ(Srihari)、彼はライバルのバッルと仁義なき戦いを繰り広げながらも、美しい妹のプージャー(Genelia D’Souza)を慈しんでいた。無職でぶらぶらしている若者バブルー(Manchu Vishnu)は、父親によってシャンカルの組事務所の会計係の職に就かされる。バブルーとプージャーはやがて恋仲になるが、シャンカルにそれが知られればバブルーの命はない。一方、シャンカルに実弟を殺されたバッルは、肉親を失う痛みを味あわせて復讐しようと、プージャーの命を狙うようになる。

アーンドラの説教大王モーハン・バーブの長男・マンチュ・ヴィシュヌの主演作。スターの家から続々と新世代スターが生まれてくるという特異なテルグ映画界において、残念ながらモーハン・バーブ家は芸能一族としては風下の地位に甘んじている。ヴィシュヌは踊りがだめ、芝居も下手、見てくれも腑抜け、の三拍子揃ったB級で、本作ももうちょっとましな役者がヒーローだったならばどれほどに見事なものとなっていただろうかと惜しまれる。とはいえ、芸達者な脇役陣と軽快なテンポによって、ヤクザの抗争とヒロインの家族からの結婚の許しという使い古されたプロットしかない本作がそれなりに観られるものになっているというのは驚異だ。


cvDubaiSeenu.jpgDubai Seenu (Telugu - 2007)

Cast:Ravi Teja, Nayantara, J D Chakravarthy, Sayaji Shinde, Dharmavarapu Subramanyam, Giribabu, Mallikarjuna Rao, M S Narayana, Sunil, Surekhavani, Telangana Shakuntala, Srinivasa Reddy, Brahmanandam, Venu Madhav, Krishna Bhagavan, Chitram Seenu, Supreet Reddy, Neha Bamb, Sushanth, Raghubabu, Narayana Rao, Raghu Teja

原題:దుబాయ్ శీను
タイトルのゆれ:Dubai Sinu, Dubai Sreenu
タイトルの意味:Seenu (=Srinivas) of Dubai

DVDの版元:Tolly2Holly
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間36分
DVD 入手先:Bhavani DVD など。TouTube上に全編動画(字幕なし)もあり。

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2012/09/dubai-seenutelugu-2007.html

■ ハイダラーバードに住むシュリーニヴァーサ(Ravi Teja)の綽名は「ドゥバイ・シーヌ」、それは彼がドゥバイへの出稼ぎだけを夢見ていることからつけられたものだった。渡航のための資金を貯めた彼はビザ取得のためにムンバイに出かけて行くが、悪徳ブローカーに騙されて文無しとなり、やむなくそこでスナック屋台を始める。ラジオ・ジョッキーのマドゥマティ(Nayanthara)は兄を探すためにムンバイにやってきてシーヌと出会う。一目惚れしたシーヌはマドゥマティに求愛するが、彼女は取り合わない。一方、シーヌは偶然にも旧友のチャクリ(J D Chakravarthy)と出会うが、そこで彼らに衝撃的な出来事が降りかかる。

比較的低予算で作られた本作だが、テルグ娯楽映画の定石をそつなく組み込んだ飽きさせない造りが受けて大ヒットした。ウペンドラ主演で Dubai Babu (Kannada - 2009) Dir. Naganna としてリメイクされただけでなく、ラヴィ・テージャの2010年主演作が、内容的には全く関連がないにもかかわらず Don Seenu というタイトルになるなど、かなりのインパクトをもつものとなったようだ。


cvReady.jpgReady (Telugu - 2008)

Cast:Ram, Genelia D’Souza, Kota Srinivasa Rao, Jayaprakash Reddy, Shafi, Brahmanandam, Sunil, Dharmavarapu Subramanyam, Supreet Reddy, Bharat, Nassar, Chandra Mohan, Tanikella Bharani, Srinivasa Reddy, Ravi Varma, Sudha, Vidya, Apoorva, M S Narayana, Suman Shetty, Vinaya Prasad, Sathya Krishnan, Surekhavani, Nagababu, Tamanna, Navadeep

原題:రెడీ

DVDの版元:Sri Balaji Video
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間45分
DVD 入手先:Bhavani DVD など。TouTube上に全編動画(英語字幕つき)もあり。

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2013/04/ready-terlugu-2008.html

■名家の家長、ラグパティ(Nasser)は一族の若い娘スワプナ(Tamanna)を見合い相手に嫁がせるための準備に余念がなかったが、式の直前になって甥のチャンドゥ(Ram)の手引きで、スワプナは恋人と駆け落ちしてしまう。激怒したラグパティはチャンドゥを出入り禁止にする。懲りないチャンドゥは今度はカレッジの友人のために、家族に強いられ結婚させられそうになっているその恋人を式場から誘拐しようとする。しかし、その際に人違いが起こり、友人の恋人とは無関係なプージャー(Genelia D’Souza)をかどわかしてしまう。ラーヤラシーマ出身NRIのプージャーは彼女自身問題を抱えており、これ幸いとチャンドゥと共に追っ手を振り切って逃げ出す。チャンドゥはプージャーをかくまうために身分を偽らせてラグパティの家に連れ込む。

今日のシュリーヌ・ヴァイトラ節がほぼ完成という感じのヒット作。最初に見たときは、面白いとは思ったものの、ヒーローのラームがやや小粒ということもあり腹に堪えるようなインパクトは感じなかったのだが、あれよあれよという間に Raam (Kannada - 2009)、Uthamaputhiran (Tamil - 2010)、Ready (Hindi - 2011) というリメイク・ドミノ現象が起き、特にサルマーン・カーン主演のヒンディー版は大ヒットとなって驚いた。まあ、例によってだが、入り組んだ複雑怪奇なストーリーなので、脳味噌がクリアな状態での鑑賞がお勧め。


cvKing.jpgKing (Telugu - 2008)

Cast:Nagarjuna, Trisha, Bharath Dhabolkar, Sayaji Shinde, Jayaprakash Reddy, Krishna Bhagawan, Brahmanandam, Dharmavarapu Subramanyam, Sunil, M S Narayana, Venu Madhav, Mamtha Mohandas, Chandra Mohan, Geetha, Sudha, Deepak, Ajay, Surya, Jeeva, Master Bharath, Supreet Reddy, Chitram Seenu, Srinivasa Reddy, Anushka, Charmi, Genelia, Priyamani, Sneha Ullal, Kamna Jethmalani

原題:కింగ్

DVDの版元:Bhavani
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約3時間1分
DVD 入手先:Bhavani DVD など

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2013/04/king-telugu-2008.html

■コインバトールの王家の当主チャンドラ・プラタープ・ヴァルマ、またの名をキング(Nagarjuna)は、一族の成員の複雑な利害関係の中で舵取りをしていたが、彼を嫉妬する親族が放った刺客に付け狙われ、ある時から行方不明になる。同じころハイダラーバードではボットゥ・シーヌ(Nagarjuna)というヤクザが、恋仲の歌手シュラヴァニ(Trisha)との結婚を、彼女の兄でシーヌのライバルであるニャーネーシュワル(Srihari)に認めさせようと躍起になっていた。そんな彼をコインバトールの王室の関係者が目撃し、シーヌとキングが瓜二つであることに驚愕する。様々な思惑が絡まって、シーヌはニャーネーシュワルと共にコインバトールの宮殿に乗り込むこととなる。

3時間を超える大河アクション&コメディ。 『恋する輪廻』 [Om Shanti Om] (Hindi - 2007) Dir. Farah Khan から明らかに着想を得たと思われる、♪Nuvvu Ready Nenu Ready という曲には頓馬なダンスでスター全員集合という趣向があって楽しい。しかもこっちはテルグのトップヒロインだけでできてる。こういう「綺麗どころを集めて大騒ぎ」のシーンでこそナグさんのスターとしての器の大きさを見せつけられる感じだ。


cvNamoVenkatesa.jpgNamo Venkatesa (Telugu - 2010)

Cast:Venkatesh, Trisha, Mukesh Rishi, Pradeep Rawat, Dharmavarapu Subramanyam, Jeeva, Kota Srinivasa Rao, Subbaraju, Telangana Shakuntala, Chandra Mohan, M S Narayana, Ali, Surekhavani, Raghubabu, Srinivasa Reddy, Surya, Jayaprakash Reddy, Sudha, Vinaya Prasad, Master Bharat

原題:నమో...వెంకటేశ
タイトルのゆれ:Namo Venkatesha
タイトルの意味:I bow to Sri Venkateswara

DVDの版元:MoserBaer
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間31分
DVD 入手先:Bhavani DVD など。TouTube上に全編動画(字幕なし)もあり。

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2013/04/namo-venkatesa-telugu-2010.html

■粗筋はいちいち書かないけど、DDLJ の前半の舞台をロンドンからパリに、後半の舞台をパンジャーブからラーヤラシーマのファクショニストの館に置き換えて、コメディーを7割増ぐらいにしたものと考えればいいかも。 全く、こういうストーリー運びをたった4文字で説明できるようにしてくれたアディティヤ・チョープラー先生、偉大なり。

親子ほども歳が離れているのに妙に相性のいいヴェンカテーシュとトリシャーによるロマンチック・コメディー。観た後しばらくは耳にまつわりつくテーマソング♪Namo Namo Venkatesa は、敬虔な歌い出しの歌詞と豪華かつ阿呆くさいヴィジュアルの落差が凄くて癖になる。

NamoVenkatesa.jpg


cvDookudu.jpgDookudu (Telugu - 2011)

Cast:Mahesh Babu, Samantha Ruth Prabhu, Prakash Raj, Sonu Sood, Sonia Deepti, Tanikella Bharani, Chandra Mohan, Sayaji Shinde, Nasser, Kota Srinivasa Rao, Ajaz Khan, Bramhanandam, M S Narayana, Sudha, Pragathi, Supreeth Reddy, Shafi, Vennela Kishore, Suman, Naga Babu, Dharmavarapu Subramanyam, Ravi Prakash, Vinaya Prasad, Rajiv Kanakala, Subbaraju, Shiva Reddy, Adithya Menon, Master Bharath, Parvathy Melton, Sanjay Swaroop, Meenakshi Dixit, Surekhavani, Srinivasa Reddy

原題:దూకుడు
タイトルのゆれ:Dhookudu, Dukudu
タイトルの意味:Jumping (こちらも参照)

DVDの版元:Volga
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間54分
DVD 入手先:Bhavani DVD など

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2012/09/dookudu-telugu-2011.html

■シャンカル・ナーラーヤナ(Prakash Raj)はテランガーナ地方の名家の当主で、地元民から神のように慕われる代議士でもあった。彼は1990年代中頃に不審な交通事故に遭い、一命はとりとめたものの、昏睡状態のまま十数年を病床で過ごしていた。彼の息子アジャイ・クマール(Mahesh Babu)はムンバイをベースにする捜査官で、国際的なマフィア組織を牛耳るナーヤク(Sonu Sood)を逮捕すべく東奔西走している。アジャイは任務で立ち寄ったイスタンブールでプラシャーンティ(Samantha Ruth Prabhu)とめぐり合い、一目惚れするが、彼女は取り合わない。同地での任務を終えて帰国したアジャイに驚くべき知らせが舞い込む。父のシャンカルが昏睡状態から目覚めて回復したというのだ。しかし父の体調はデリケートで、極端な精神的ショックを与えられるとそれだけで死に至る危険性もあるというものだった。アジャイは、事故後売り払っていたテランガーナの屋敷を、映画撮影という名目で借り、売れない俳優や無能な親族、献身的な部下などを巻き込んで、父の安住できる1990年代の延長としての虚構世界を作ろうとする。

ReadyKing と並び最も複雑でトリッキーな筋立てをもつコメディー。『グッバイ、レーニン!』からインスピーレーションを貰ったとも思われる設定。しかしオリジナルとは違い、こちらは虚構世界が幾重にも層をなしている。かつての自邸を借り出すためにありもしない映画のプロジェクトをオーナーに信じ込ませ、やがてそれがTVのリアリティーショーに変じる。そして父をだますその仕掛けの延長上で、リアリティーショーの登場人物を使ってさらにアイデンティティを詐称させてマフィア相手の捕り物も同時に行ってしまおうとする。正直なところ、終盤あたりになると、各キャラクターが「どこまで知っていて、どこからは知らないか」がだんだん整理しきれなくなってくるのだが、そんなこともお構いなしにぐいぐいと引っ張って行く力技が凄い。長い眠りから目覚めた親父が「それでNTR様はいまどうしていらっしゃる?」と家族に尋ねるシーンなど、映画に関する引用・言及も例によって豊富。なお、本作はアジャイ・デーヴガン主演&プラブ・デーヴァー監督でヒンディー・リメイクのプロジェクトがあるという。

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マヘーシュ王子様にこういう泥臭い地方政治家ファッションをあてがって本格的なコメディー演技をさせたのはかなり画期的だと思う。

投稿者 Periplo : 20:26 : カテゴリー バブルねたtelugu
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2013年04月11日

4月のJ-テルグ

ともかくまず見てほしいイメチェンはこのサラサラ・ストレートヘアーよ。それから、見えないとこでもこんな努力(きゃっ♥)してるの。

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Baadshah (Telugu - 2013) Dir. Srinu Vaitla
原題:బాద్ షా
タイトルの意味:Emperor (元来はムガル皇帝の称号)、なお本作はSRK主演の1999年の同名作、ラジニカーント主演の Baashha とは無関係
タイトルのゆれ:Badshah

Cast:NTR Jr, Kajal Agarwal, Kelly Dorji, Mukesh Rishi, Pradeep Rawat, Ashish Vidyarthi, Nassar, Samyuktha Movva, Brahmanandam, M S Narayana, Thagubothu Ramesh, Vennela Kishore, Master Bharath, Chandra Mohan, Ajay, Suhasini, Pragathi, Ritu Varma, Supreet Reddy, Aditya Menon, Siddharth (guest appearance), Navdeep (guest appearance), Meenakshi Dixit (guest appearance), Mahesh Babu (narration)

■日時:2013年4月21日、午後1時00分上映開始、終映は4時ごろを予定(開場は12時頃、開映前に南インド料理のランチ、インターミッション中に軽食あり、いずれも別料金)
■料金:大人2200円(予約2000円)/5歳以上12歳以下の子供1200円(予約1000円)/5歳未満の子供は無料(座席なし)
■字幕:なし(の予定)
■上映時間:センサー認証書類によれば約161分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※家族チケット・予約方法など上映に関しての詳細は、主催者公式サイトhttp://www.indoeiga.com/を参照のこと
■ 参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2013/04/screening-of-jr-ntrs-baadshah-in-japan.html

メールによる事前予約をお勧めします。
メールのタイトルは「Baadshah ticket booking」などとし、
1. Name:申し込み代表者のお名前をローマ字でここに記入
2. Number of tickets / adults:大人の人数を算用数字でここに記入
3. Number of tickets / children:子供の人数を算用数字でここに記入
以上の必要項目を埋めてmovieinfoアットindoeiga.com(アットを@に変える)までメールして下さい。支払いは当日劇場受付で。残席がある場合予約は上映前日まで可能、上映前に確約の折り返しメールが届くはずです。

Baadshah2.jpg

【予想される見どころについて】
J-テルグでのNTRジュニア作品上映もこれで3作目、感慨深い。今作でもジュニアはぶれのない王道娯楽作品を見せてくれるだろう。ヒロインは幾度となくJ-テルグに登場のカージャル・アガルワールさん。音楽もおなじみのタマン君。これだけで終わってしまいそうだが、多少は書こう。

監督のシュリーヌ・ヴァイトラ(Srinu Vaitla、あるいは Sreenu Vytla, Seenu Vytla)は、大スターをフィーチャーして、上を下への大騒ぎ映画を作ることで有名。その多くは comedy of errors と呼ばれるような、アイデンティティを詐称して嘘の上に嘘を塗り固めるというタイプのストーリー。もちろんテルグの大スター作品ではアクションも不可欠。充分にアクションを仕込んだ上でさらにこってりとしたコメディーを加えるものだから、かなり長尺になる傾向にある。笑いのツボは二つあり、ひとつは大挙して登場するコメディアン軍団によるプロの芸、それにヒーロー&ヒロインetc.による身分詐称がギリギリのところでバレるかバレないかというドタバタ。後者の笑いは重度に台詞に依存したものなので(なおかつ出演者も無闇と多いので)、字幕なしではちょっとつらい部分もあるが、字幕つきDVDで見ても追いつかないこともあるので心配はいらない(気休めになってない?)。

近年の作品がいずれもブロックバスターとされているヒットメーカー。全インド的に最も有名なのは、カンナダ(Raam)、タミル(Uthamaputhiran)、ヒンディー(Ready)と次々にリメイクされた Ready (Telugu - 2008) か。またマヘーシュ・バーブ主演のブロックバスター Dookudu (Telugu - 2011) は今回上映作とストーリーラインが非常に似ているという評もあるので注目だ。しかしそれ以外にもお気に入りのお勧め作品はまだある。あまりに長くなってしまうのでシュリーヌ氏のディスコグラフィーについては別のエントリーを立てようと思う。

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上に書いたような訳で、主要登場人物の相関関係ぐらいは予習しておいて損はないかも。以下は役名(カッコ内は俳優名)と簡単なプロフィール。イメージは必ずしも本作のスチルからではない。また、筆者自身も未見の状態で各種のレビューから拾った情報を元に書いているので正確ではないところがあるかもしれないがご容赦を。

ntrjr.jpgラーマラーオ、またの名をバードシャー (NTRジュニア)
マフィアとつながりをもつランジャンの息子。野心あふれる黒社会の幹部候補生として登場し、各国の警察からのマークを逃れるために居場所を転々としている。とある目的のためジャーナキを籠絡しようと彼女のいるミラノへと向かう。彼女が許嫁との挙式のためにインドに戻ると、後を追って帰国し、ウェディング・プランナーを装って屋敷に乗り込み、結婚式をおじゃんにしようと試みる。一方で、親父のボスであるサードゥ・バーイに反旗を翻すこととなり、命を狙われるようになる。「バードシャーがいったんその気になったなら、勝負は一方的なものになる」「爺ちゃんが俺に名前をくれたのは墓碑銘に刻むためじゃない、この名で歴史を創るためなんだ」等々がパンチライン。毎度のことではあるがジュニア作品には偉大なる爺ちゃん・NTRシニアへのオマージュが散りばめられている。今回は晩年の有名作品 Justice Chowdary (Telugu - 1982) Dir. K Raghavendra Rao の有名な衣装とポーズをまねたコスプレ・シーンがあるという(こちらなど参照)。また本作後半の結婚式の前に行われるサンギート(親族一同が集まって歌えや踊れやをやる)のシーンでは、NTRシニアや叔父のバーラクリシュナの有名ソングがメドレーでカバーされるという。ナンダムーリ・ファンにとっては堪えられない大盤振舞いだね。

KajalAgarwal.jpgジャーナキ(カージャル・アガルワール)
二人の妹とともにミラノに住むインテリア・デザイナーで、間もなく結婚のためにインドに帰国することになっている。慈善事業を行う博愛主義者で、しばしば真と善にまつわる哲学的な言辞を口走る。失恋のために自暴自棄になっていると言いつのって彼女に近づくラーマラーオの芝居を信じ込み、なんとか立ち直らせようとするうちに、彼に恋心を抱くようになってしまう。

KellyDorji.jpgサードゥ・バーイ(ケリー・ドルジー)
東南アジア全体を取り仕切るマフィア組織のトップ。ランジャンもその支配下に置く。過去にハイダラーバードで起きたグルシャン・チャート爆弾テロ事件(2007年のゴークル・チャート事件がモデルとなっている)の黒幕でもある。ラーマラーオとの抗争の過程でインドの主要都市を標的にした新たな同時多発テロをもくろむ。ケリー・ドルジーはブータン出身のイケメン・ボリウッド俳優。しかし近年は悪役としてタミル・テルグへの出演がメインになってきている。本作では東アジア的な風貌で設定に凄味を加えることになるだろうか。

MukeshRishi.jpgランジャン(ムケーシュ・リシ) 
ラーマラーオの父だが、20年前に家族を捨ててしまっている。経済アナリストという肩書を持ちながら、裏でマカオのカジノを経営し、マフィアの資金源となっている。東南アジアの黒社会の大元締めであるサードゥ・バーイの信任も厚い。ムケーシュ・リシは北インドの出身だが2000年頃からテルグ映画に頻繁に出演するようになった。カラテの上級者だというが、どちらかといえば凶悪な顔で勝負する系の悪役が多い。

pradeep-rawat.jpgヴァイオレント・ヴィクター(プラディープ・ラーワト)
サードゥ・バーイのライバルであるドンの一人。サードゥ・バーイに唆されてラーマラーオを抹殺しようと試みる。プラディープ・ラーワト、この名前は忘れても、顔だけは一度見たら忘れられない。Ghajini (タミル、ヒンディーの両方)で悪役を演じて以来、テルグを中心としたサウス映画界で引っ張りだこで今日に至っている。

AshishVidyarthi.jpgクレイジー・ロバート(アーシシュ・ヴィディヤールティ)
サードゥ・バーイのライバルであるドンの一人。サードゥ・バーイに唆されてラーマラーオを抹殺しようと試みる。ベンガル人とケララ人の両親の間に生まれ、デリーで育ち、テルグでブレイクの悪役俳優、アーシシュ・ヴィディヤールティについては過去にちょこっと紹介した。

Nasser.jpgジャイ・クリシュナ・シンハ(ナーサル)
ジャーナキの父親で、ハイダラーバードの警察長官。サードゥ・バーイのインドでの違法活動を阻止しようと試みる。家では大家族を率いる厳父でもある。日本でも出演作が何本か公開されている(ほんの一例として『ザ・デュオ』など)タミル俳優ナーサル小父さんは、本作ではコメディアン的な立ち位置。実はテルグの出演作も少なくなく、本作ではセルフダビングでお笑いをやっているそうだ。

Brahmanandam.jpgパドマナーバ・シンハ(ブラフマーナンダム)
ジャイ・クリシュナ・シンハの妹の婿でやはり警察官。義兄に頭が上がらない。実はNTRジュニアに次いで最も観客を沸かせているらしいのが、ギネスブック入り出演本数記録をもつブラフミー先生が演じるこの捜査官。インターミッション後の登場らしいが、ハリウッド映画『インセプション』をネタにしたお笑いを披露してくれるそうだ。「ドリーム・マシーン」を使ってブラフミー先生に脳内侵入されたら発狂は間違いないね。

MSNarayana.jpgリベンジ・ナーゲーシュワラ・ラーオ(MSナーラーヤナ)
映画監督。アンダーワルドを舞台にした作品で名高く、またSNSでの毒舌で常に物議を醸すお騒がせ野郎。つまりこの人をおちょくっているのだ、という見方がもっぱら。MSナーラーヤナについては過去記事に紹介あり。

Suhasini.jpgラーマラーオの母(スハーシニ)
息子思いの心優しい女性。ラーマラーオのマフィアとしての活動は知らされずにいる。マニ・ラトナム夫人としても知られるスハーシニさんは、自身の監督作『インディラ』の公開時に来日もしている。基本的にはタミル映画人だがテルグ映画への出演も多く、テルグ語はステージショーの司会を務めるほどのレベル。

Siddharth.jpgシッドゥ(シッダールト)
ラーマラーオの兄(弟?)。この人物に降りかかった運命がラーマラーオの生きる目的を変えることになる。「只今来日中」のシッドゥ君、この人もタミル俳優ではあるけれど、テルグでも無視できないプレゼンスを誇っている。というよりも、2000年代後半からはむしろテルグを本拠地としていると言った方が当たっている。本作では僅か数分の登場時間ながら、非常に重要な役回りで、またその演技も高い評価を得ている。

navdeep.jpgアーディ(ナヴァディープ)
ジャーナキの婚約者でやはり警察官。


MaheshBabu.jpgナレーション (マヘーシュ・バーブ)
前半でマフィアの抗争を物語るくだりでこの人のナレーションがつかわれるらしい。たかが声の出演と侮ってはならない、これだけでハードコアなマヘーシュ・ファン観客が大量動員されたはずだ。パワン・カリヤーン主演の Jalsa (Telugu - 2008) Dir. Trivikram Srinivas 以来の二度目の声の出演。

ミラノの心臓部、大聖堂前でのダンスとその撮影風景。あのヴィスコンティの『若者のすべて』の舞台でこんなことやっちゃってるの見ると笑いが止まらん。
Baadshah5.jpgBaadshah4.jpg

投稿者 Periplo : 01:40 : カテゴリー バブルねたtelugu
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2013年04月09日

PJ2012-12:Spanish Masala

もちろんこれは本作の本質とは無関係なイメージ。逆転の発想で、西洋の異人さんがケララに来てこんな風に大はしゃぎってのならまだ面白かったかもしんない。
SpanishMasala1.jpg

Spanish Masala

Director:Lal Jose
Cast:Dileep, Kunchacko Boban, Daniela Zacherl, Biju Menon, Vinaya Prasad, Kalaranjini, Nelson, Majeed, Archana Kavi, Nivin Pauly

原題:സ്പാനിഷ് മസാല
タイトルの意味:どうも本作中に登場する、具の部分にスペイン料理を取り込んだ創作マサーラー・ドーサ(ノンベジ)のことをこう呼びたいらしい。

DVDの版元:AP Inrernational
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間34分

ジャンル:ロマンス
キーワード:スペイン風オムレツ風マサーラー・ドーサ、マドリード、トマト祭り、フラメンコ、闘牛、ドン・キホーテの風車、ローマ水道橋、アレッピー

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2012/10/spanish-masala-malayalam-2012.html

お勧め度:★★☆☆☆

【寸評】
不法移民としてマドリードにやってきたチャーリー(Dileep)は、なんとかインド料理店の厨房にもぐりこんで生活の糧を得るようになる。彼のつくるスペイン風味のドーサは評判となり、かつて駐インド・スペイン大使を務めた名士の館の専属料理人として引き抜かれる。チャーリーはそこで盲目の令嬢カミーラ((Daniela Zacherl)と知り合う。彼女は幼時に住んだインドの幸福な思い出が忘れられず、その頃に習得したマラヤーラム語を喋ることすらできる。チャーリーは特技の声帯模写で彼女を慰めようとする。というようなストーリー。

一作一作が注目されるラール・ジョース監督の2年ぶりの新作、なおかつほぼ全編スペイン・ロケということで大いに期待を集めたが、結果的にはブーイングの嵐で、興行的にも沈没。スペイン政府観光局の丸抱えを推測させる名所・旧跡・名物(例のトマト投げトンまつりまで出てくる)のオンパレードだが、それをストーリーに無理に組み込もうとして苦労した跡が感じられる。まあその、クルーの渡航費用から何からバーターで安上がりにしようと試みたのかもしれんけど、場合によっては出資者の要求にがんじがらめになって碌でもないコンテンツになっちゃうことも多いしね。

後半になって登場する悪役が「まるで昔のヒンディー映画だぜ」と嘯くシーンがあるのだが、実際にこれが本質を言い当てているのだからなんとも。ラール・ジョースもまた外国に出かけると訳もなくはしゃいでしまうタイプの監督だったのか、それとも上に述べたような「広告主様」の意向を上手くさばけなかったのか。自分たちに対して向けられる眼差しのステレオタイプには大層敏感なのに外国に対しては実に無邪気にステレオタイプ的なインド人という傾向をまたしても確認してしまった。しかし、翻って西欧人がインドに押しつけるステレオタイプの根強さを考えればもっとやれという気にもなるもんだ。

ヒロインのダニエラ・ツァヒャールさんはオーストリアの新進女優とのことだが、これからもインド映画のオファーが来るかどうかは微妙な感じだ。

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クンチャーコー君がこれまでにない役柄に挑戦しているので、チャコーチャン・ファンは必見。そしてチャコーチャンのいるところ必ず出てくるビジュ・メーノーンも。

投稿者 Periplo : 15:16 : カテゴリー バブルねたkerala
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2013年04月08日

PJ2012-11:Karmayogi

みんなムンドゥ着てるのに何で二ティヤだけラファエル前派してる衣装なんじゃ?

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Karmayogi

Director:V K Prakash
Cast:Idrajith, Thalaivasal Vijay, Padmini Kolhapure, Nithya Menon, Ashokan, Saiju Kurup, Manikuttan, Vinay Forrt, Sreejith Ravi, Babu Nambuthiri

原題:കര്‍മ്മയോഗി
タイトルの意味:通りのよいタイトルをつけるとしたら「求道者」か。しかし充分ではない。『バガヴァッド・ギーター』中でクリシュナがアルジュナに説いた、「結果を思い煩うことなく、己に与えられた使命を能力の限りをもって行うべし」という教えを実践する人。こちらなど参照。DVDの字幕では A yogi dedicated to his karma とあり。
タイトルのゆれ:Karma Yogi

DVDの版元:Horizon
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約1時間53分

ジャンル:輸出用アート
キーワード:カラリパヤット、ウルミ、テイヤム、剣士の舞、クンフー軍団、沈黙の行、乞食の行

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2012/10/karmayogi-malayalam-2012.html

お勧め度:★★☆☆☆

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【寸評】
統計的な数字を持ってるわけじゃないけど、シェイクスピアを翻案した映画作品の生産量ではインドってトップ3に入ってくるんじゃね?こんなまとめも見つかったけど、もっと隅々の地方語映画を探せばリストはさらに増えるんじゃないかと思う。なぜなのかという問いには簡単に答えられないが、「芸術映画」というハッキリとしたジャンル区分の存在が、背景の一部としてはあるのじゃないか。シェイクスピア劇でも喜劇作品が採用されることはほとんどないしね。

Beautiful (Malayalam - 2011) の成功で一躍ニューウェーブ系のヒットメーカーとみなされるにいたったVKプラカーシュ監督の芸術寄り作品。しかし同年にはThree Kings (Malayalam - 2011) というサイテー映画も送り出しているので、オイラは気を許しちゃいないのだ。ポスターなどにはハッキリと「Based on Shakespeare's Hamlet」と謳ってる。気持ちを引き締めて鑑賞に臨んだが…。

舞台はマラバール。武人の家系に生まれたルドラン(Indrajith)は、彼の実父を謀殺した人物への復讐を誓っている。そして、父の死後に彼の母(Padmini Kolhapure)と結婚して家長の座に収まった叔父のバイラヴァン(Thalaivasal Vijay)こそが仇であると知る。幼馴染みの恋人ムーンヌマニ(Nithya Menon)はそんな彼を案じている。大体こんな設定だ。

何となく予測はしていたけれど、無闇と深刻ぶって勿体をつけたアート作品風だが、どうにも底が浅い。同じシェイクスピア翻案ものでは、『オテロ』を原作とした Kaliyattam (Malayalam - 1997) Dir. Jayaraj には遠く及ばない。やっぱりこういうのは俳優の力あってこそのもんだろうに、インドラジットを主役に据えた時点で、もう半分失敗してる。この人は、都市の低所得者だのコメディでの「田舎のプレスリー」をやってる分には悪くないんだけど、額に縦線系は無理だよ。他のキャストも、タライヴァサル・ヴィジャイ以外はみんな生硬な感じで、なんか文士劇みたいなんだ。VKプラカーシュさんはやっぱ信用できんわ。カラリパヤットとそれにまつわる儀式、テイヤム、(見渡す限りどこにも映画や貴金属店の巨大看板がないという点で)驚異の風景etc.外国ウケする要素はあるけどね。


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投稿者 Periplo : 03:47 : カテゴリー バブルねたkerala
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2013年04月05日

PJ2012-10:Masters

タミル・ニューウェーブの人を引っ張ってきても、必ずしもマラヤーラム・ニューウェーブになるとは限らないんだな。

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Masters

Director:Johny Antony
Cast:Prithviraj, Sasikumar, Pia Bajpai, Mithra Kurian, Sandhya, Ananya, Biju Menon, Salim Kumar, Shammi Thilakan, Sai Kumar, Jagathy Sreekumar, Siddique, Vijaya Raghavan, Bhagath Manuel, Mukesh, Geetha, Sadiq, Anil Murali, V K Sreeraman, Sasi Kalinga, Majeed, Samdirakani

原題:മാസ്റ്റേഴ്സ്
タイトルのゆれ:Masters - deciders of destiny

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間23分

ジャンル:スリラー
キーワード:コーッタヤム、連続殺人、婦女暴行、自爆攻撃、凸凹コンビ、女優の卵

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2012/10/masters-malayalam-2012.html

お勧め度:★★★☆☆

【寸評】
舞台はコーッタヤム。警察官のシュリーラーマクリシュナン(Prithviraj)とジャーナリストのミラン・ポール(Sasikumar)は学生時代以来の親友だった。ある時この地方で不可思議な殺人事件が連続する。殺人の直後に下手人と思われる人物が自殺すること、そしていくら調べても被害者と加害者の間に犯行の動機となりそうな繋がりが見当たらないこと、この二つが一連の事件に共通していた。

ディリープ主演の C.I.D. Moosa (Malyalam - 2003) でデビューし、その後もマンムーティの Thuruppu Gulan (Malayalam - 2006) など、一貫してライトタッチのどたばたコメディーを撮り続けてきたジョニー・アントニー監督による、2012年公開作2本のうちのひとつ。もう一作はマンムーティの Thappana で、こちらは従来の作風の延長上にある楽しい一品。一方で本作はサスペンス・スリラーで、なおかつ中心的なテーマは「男の友情」だというのだ。

しかしまあ、そんなことよりも話題となっていたのはピヤ・バージペーイのマラヤーラム初出演、そしてさらに一層話題になっていたのは、タミル・ニューウェーブの中心人物のひとり、あの Subramaniapuram の監督シャシ・クマールが主役格で出演するということだった。

隙のない緊密な脚本でまずまずのヒットとなった本作だが、紛らわしいタイトルの Grandmaster と比べると、ミステリーとしてはこちらの方が優れていると思えるにもかかわらず、見終わった後の十全な満足感ということではイマイチ。Grandmaster でのラルさんの存在感は、Masters の出演者の皆さんが束になっても凌駕できるものじゃないって感じだ。特に注目のシャシクマールは全体にぎこちなく(タミル映画 Nadodigal での主演はまさに嵌り役と思えたのだが)、何のためにわざわざ吹き替え俳優をあてがってまでキャストしたのかよく分からなかった。こちらのインタビューによれば、本作への出演によって Subramaniapuram を熱烈に支持してくれたケララの観衆への感謝の気持ちを示したかったというのだが、それなら面白いマラヤーラム映画を監督してくれよと、普通は思うよな。

貶すようなことばかり書いてしまったが、謎解きとしての面白さではお勧めできる、一度は見ても損はない一本。

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投稿者 Periplo : 03:19 : カテゴリー バブルねたkerala
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2013年04月04日

PJ2012-09:Mallu Singh

まあ、見ての通りのおフザケよ。

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Mallu Singh

Director:Vysakh
Cast:Kunchacko Boban, Unni Mukundan, Samvrihta Sunil, Biju Menon, Manoj K Jayan, Rupa Manjala, Meera Nandan, Suraj Venjaramoodu, Aparna Nair, Shalin, Suresh Krishna, Kalsala Babu, Sreejith Ravi, Mamukoya, Master Ganapathy, Siddique, Sai Kumar, Geetha, Lakshmi Krishna Moorthy, Asif Ali, Shobi Paulraj

原題: മല്ലൂസിംഗ്
タイトルの意味:Malayali Sardar Ji
タイトルのゆれ:Mallusingh

DVDの版元:AP International
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間26分

ジャンル:コメディー
キーワード:パンジャーブ、デコトラ、バングラ、菜の花畑、シク教、Hitler、相続問題

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2012/10/mallu-singh-malayalam-2012.html

お勧め度:★★★☆☆

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【寸評】
インディラ・ガンジー暗殺後ケララにいられなくなったシク教徒がパンジャーブに引き揚げ、しかしマラヤーラム語を生活語として保持しつつリトル・ケララを形成している(もちろん架空)という、阿呆臭い設定のコメディ。着物も食べ物もパンジャーブ風なのに言葉だけがマラヤーラム語という都合の良さ。Punjabi House (Malayalam - 1998) Dir. Rafi & Mecartin 以来の久々のパンジャーブものマラヤーラム映画。楽園ハワイに住む人々が休暇がとれるとラスベガスに出かけて行くように、楽園ケララの連中も国内の異境にエキゾチズムを求めるんだわな。

タイトル・ロールのマッル・シンには当初プリトヴィラージがあてられて、イメージスチルまで出回っていたが、途中で降板し、代わりに駆け出しのウンニ・ムクンダンがキャストされた。それもあってか、実質的な主役はチャコーチャンことクンチャーコー・ボーバンが担うことになり、チャコーチャンのいるところにビジュ・メーノーンを配さなければ話にならないので、結局ヴァイシャーク監督の前作 Seniors (Malayalam - 2011) Dir. Vyshakh(ここで紹介)からジャヤラームをマイナスしただけのお馴染みの面々が揃うことになった。

ストーリーは予測可能でサスペンスはあまりないし、ロマンスとしての盛り上げも Punjabi House より劣る。ただもうケララ人俳優のパンジャービーっぷりをヘラヘラと笑いながら楽しむべきもんんだね。

本場のものとは微妙に回転数が違うように感じられるバングラーにのったクンチャーコー君の踊り(下の画像)はもちろん重要なアトラクション。しかし踊りで一番でかい顔してるのは特別出演の振り付け師ショービ・ポールラージ(♪Rab Rab Rab)だったりする。
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投稿者 Periplo : 02:03 : カテゴリー バブルねたkerala
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2013年04月01日

PJ2012-08:Grandmaster

なんともいえない微妙な表情のお二人さん。

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Grandmaster

Director:Unnikrishnan B
Cast:Mohanlal, Priyamani. Narain, Jagathy Sreekumar, Anoop Menon, Babu Antony, Roma Asrani, Siddique, Manikuttan, Devan, Riyaz Khan, Shanti Krishna, Arjun Nandakumar, Sruthi Menon, Sreelekshmi, Mithra Kurian, Rajshri Nair, Seetha

原題:ഗ്രാന്റ്മാസ്റ്റർ
タイトルの意味:グランドマスターは、国際チェス連盟 (FIDE) により付与されるチェスのタイトル(称号)で、「世界チャンピオン」を別にすれば、チェス選手の最高位のタイトルである。(ウィキペディアの説明)
タイトルのゆれ:Grand Master

DVDの版元:Harmony
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約2時間13分

ジャンル:スリラー
キーワード:シリアルキラー、コーチン、殺人予告、法服、離婚、クリスチャン、精神病院、学芸会

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2012/10/grandmaster-malayalam-2012.html

お勧め度:★★★★☆

【ネタばれ度30パーセントの粗筋】
コーチンにあるケララ州警の特別ブランチMCSC (Metro Crime Stopping Cell) は、チャンドラシェーカル(Mohanlal)をトップに、ラシード(Jagathy Sreekumar)、キショール(Narain)の3名からなる少数精鋭集団。チャンドラシェーカルは3年前に辣腕弁護士のディープティ(Priyamani)と離婚し、一人娘のダークシャーヤニーからも引き離されて、職務に対する情熱を失っていた。ある時彼のもとに殺人の予告状が送られてくる。そしてA,B,Cの頭文字を持つ人物が順番に殺されて行く。チャンドラシェーカルはDの頭文字を持つディープティとダークシャーヤニーの身を案じながら捜査を続ける。

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大ヒットシリーズ婆羅門刑事セードゥラーマ・アイヤルから、イマイチに終わった単発ものまで、名探偵が助さん格さんを従えるのはマラヤーラム・スリラーの伝統。

【寸評】
なんだこいつが犯人か、つまんねえ。

それだけで済ましたくなったけど、星4つにもした訳だし、ちょっとは書こう。ウォルト・ディズニーの子会社 UTV Motion Pictures によって制作された初めてのマラヤーラム映画。アガサ・クリスティーの『ABC殺人事件』にプロットの着想を得てはいるものの、ストーリーはオリジナル。

まあ、大変に洗練されたスリラーで、ループホールもないし、テンションを徐々に盛り上げて行くストーリー運びも見事。モーハンラール演じる主人公はエルキュール・ポワロとは異なり、頭脳も冴えてるが必要になれば腕力も使う。アクションシーンの演出も非常にリアルでなおかつカッコいい。ラルさんはここのところ未練たらたらのバツイチを演じることが増えているような気がするのだが、本作でも元妻に彼氏がいるのを知ってムギュッとなるところなど、激シブでありながら同情を誘われる面もあり、つまり魅力全開なのだ。惜しむらくは最後に対決する犯人があまりに小物過ぎること。サスペンスの維持のために敢えてそうなったのだろうが、バレバレでもいいからもっとキャラのたった人物にしてほしかった。そのせいで見終わった後の満足感が十全ではなかったように思えるのだが、一度は観て損はない、お勧め。

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各種の制服フェチの方には堪らない、こんなサービスカットもあり。

投稿者 Periplo : 03:12 : カテゴリー バブルねたkerala
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