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2013年11月07日

マラヤーラム映画新作上映1311

当網站の名前の由来を久しぶりに思い出したぜよ。踊るかどうかはわからんが、元祖アメリカ帰りの博士が戻ってきた。先日のポストと前後してしまうが、こちらの方が先の上映。ってか、現地で11月14日封切りのものを16日に首都圏でってマジかぁぁぁ?

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Geethaanjali (Malayalam - 2013) Dir. Priyadarshan

原題:ഗീതാഞ്ജലി
タイトルの意味:女性の名前。タゴールの詩集のタイトルとしても有名で、一般的には「歌の捧げもの」と訳されている。マニ・ラトナム監督作品で同名のテルグ映画(こちらに英語字幕つき全編動画あり)もあるが本作とは無関係。レーカー主演の同名のヒンディー映画とも無関係。本作のロゴを見ると、ギーターとアンジャリという、これまた良くある女性の名前がふたつ組み合わされたもののようにもとれる。
タイトルのゆれ:Geethanjali, Geetanjali, Gitanjali

Cast:Mohanlal, Keerthy Suresh, Nishan, Innocent, Siddique, Nasser, Madhu, Seema, Harishree Ashokan, Ganesh Kumar, Ambika Mohan, Shobana (guest appearance), Suresh Gopi (guest appearance)

トレーラーhttp://youtu.be/7RBM46gPojE

■日時:2013年11月16日(土)、 開映18:00
■料金:大人2250円、11-16歳の子供1500円、6-10歳の子供1000円
■字幕:なし
■上映資材:不明、後日追記
■上映時間:不明、後日追記
■会場:千葉県市川市、イオンシネマ市川妙典(こちら参照)
■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/Movie.Geethaanjali
■主催者公式サイト(FB):https://www.facebook.com/Malayalam.Theatre.Tokyo
■参考レビュー集成(この先も随時更新予定):http://periplosjottings.blogspot.jp/2013/11/geethaanjali-malayalam-2013.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームの入り口はこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

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やってくれるでねえの、Manichitrathazhu (Malayalam - 1993) からきっちり20年後に。

もう何から始めたらいいのか分からないほどに色々な事が頭ん中をぐるぐるしてんだけど、何とか自分を落ち着かせてアウトラインだけを簡潔にまとめるよう努めよう。

Geethaanjali は、今から20年前に公開され、マラヤーラム映画史上の不朽の名作といわれている Manichitrathazhu(上イメージ)の「スピン・オフ」を自称するホラー映画である。ここで言うホラーとは、超常現象を扱うものだけでなく、サイコ・スリラーをも含む広い意味のジャンル名と考えていただきたい。今回作品は、公開されているイメージなどから、クリスチャン社会をバックグラウンドに持つもののようにも予想される。そしてオリジナルと同じく、憑きものが主題となっているようだ。なぜ続編ではなくスピン・オフと言っているのかはよく分からない。呼び名は何であれ、過去のヒット作の登場人物を使って正編とはほとんど関係のないストーリーを作る(しかも監督をはじめとしたスタッフはオリジナルとは別人のことが多い)というのは、なぜかマラヤーラム映画界ではよくある。多くの場合このパターンの作品はしょぼい結果に終わるのだが、今回の布陣はかなり豪華なのでやはり期待せずにはいられない。

本作は Manichitrathazhu の重要登場人物(主役といっていいのかはわからない)であるドクター・サニー・ジョーゼフ(ケララ的発音ではサンニ・ジョーセフ、Mohanlal)を再登場させたストーリーではあるが、上に書いたような理由から、オリジナルを見ていなくても充分に楽しめるものなのではないかと思える。もちろん、Manichitrathazhu にまつわる楽屋落ちもサービスとして用意されてはいるだろうが。

なので、本質的なかかわりはないだろうが、ここでこれまでの関連作品をおさらいしておこう。

第一次作品群
Manichitrathazhu (Malayalam - 1993) Dir. Fazil
Cast:Mohanlal, Shobhana, Suresh Gopi, Sridhar, Thilakan
Aaptha Mitraa (Kannada - 2004) Dir. P Vasu
Cast:Vishnuvardhan, Soundarya, Ramesh Aravind
Chandramukhi [邦題:ラジニカーント★チャンドラムキ − 踊る!アメリカ帰りのゴーストバスター] (Tamil - 2005) Dir. P Vasu
Cast:Rajinikanth, Jyothika, Prabhu, Vineeth, Nayanthara
Rajmahal [Raj Mahal] (Bengali - 2005) Dir. Swapan Saha
Cast:Prosenjit, Rachana Banerjee, Abhishek Chatterjee, Anu Choudhury
Bhool Bhulaiyaa (Hindi - 2007) Dir. Priyadarshan
Cast:Akshay Kumar, Vidya Balan, Shiney Ahuja, Vineeth

第二次作品群(続編)
Aaptha Rakshaka (Kannada - 2010) Dir. P Vasu
Cast:Vishnuvardhan, Sandhya, Vimala Raman, Lakshmi Gopalaswamy, Vineeth, Avinash
Nagavalli (Telugu - 2012) Dir. P Vasu
Cast:Venkatesh, Anushka Shetty, Richa Gangopadhyay, Kamalinee Mukherjee, Shraddha Das, Avinash

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出演者に関しては例によってざっくりと。なおイメージには本作のスチルではないものも含まれている。

普段はお茶目で冗談好きな風来坊、でも本当のピンチになると、沈着で洞察力に富んだ頼れるセンセイ、確かに一作だけの登場で終わらせるのは勿体ない、そんなサニー博士を演じるモーハンラール(上段左)は、マンムーティと並ぶマラヤーラム映画界のツインタワーの一人。『追われた人々』、『最後の舞』など、アート系の出演作がいくつか日本でも映画祭上映されている。銀座の老舗ナイル・レストランの初代店主アイヤッパンピッライ・マーダヴァン・ナーイルの伝記映画を来日して撮影するという公約は未だ果たされていない。日本語訳したプチ・インタビューもあるよ。

本作でヒロインとして幸運なデビューを果たすキールティ・スレーシュ(上段中)は、1980-90年代のマラヤーラム映画でヒロインとして活躍したメーナカーとプロデューサーであるスレーシュ・クマール(その制作会社レーヴァティ・カラーマンディルについてはこちら参照)との間に生まれた娘。役者としての力量は全く未知数だが、ホラー映画の取り憑かれ美女役というのは演技力よりは思い切りの良さが肝要。『チャンドラムキ』でのブレイク前に Vismayathumbathu でキョーレツな憑きもの芝居をしていたナヤンターラを見習って頑張ってほしいものだ。

ヒロインの夫もしくは婚約者を演じることになるニシャン(上段右)は、カルナータカ州クールグの出身でありながらカンナダ映画には一本も出演せず、これまでのキャリアの大半がマラヤーラム映画で占められる(こちら参照)という変わり種。シヤーマプラサード監督の文芸的な新感覚映画 Rituここで紹介)でデビューして以来、主としてニューウェーブ的作品に顔を出してきた。本作撮影中に行われたインタビューもあり。

1933年生まれ、本年80歳となったマドゥ翁(中段左)はマラヤーラム映画史の生き証人。1960-70年代にはプレーム・ナシール、サティヤンと共に人気を三分する大スターだった。マラヤーラム映画初のホラー作品とされている Bhargavinilayam にも出演。重々しい風貌(その割には今でもB,C級作品にホイホイと顔を出すのだが)が本作ではどう生かされるか。

マラヤーラム映画界売れっ子悪役ツートップの一人、シッディク(中段中)については、以前に書いた。今回はズラなしのガチ地肌出演。

イノセント(中段右)については前回にちょっとだけ書いた。本作の方が復帰第一作となるだろう。この人は20年前の Manichitrathazhu にも出演している。

ハリシュリー・アショーカン(下段左)はベテラン・コメディアンの一人。際立った芸風は、えーと…寄り目。本作ではおそらく一番ベタなお笑いを担当するものと思われる。

お色系演技派女優だったシーマさま(下段中)についても、以前に書いた。80年代をヒロインとして働きづめに働いた後、子育て期間を経て2000年過ぎからテレビと映画に復活。現在は肝っ玉母さんという役どころが多い。

ザ・デュオ』、『ロージャー』『ボンベイ』など、一連のマニ・ラトナム監督作やラジニ映画への出演で日本でも知られているタミル俳優ナーサル(下段右)は、ビジュアル的に一番気になる。シリアン・クリスチャンのマランカラ派の坊さんの装束だろうか。出来れば悪魔払いとかオイシい展開に持っていってほしいもんである。

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監督のプリヤダルシャンについては今更何を書いたらいいのか迷う。面倒なんでパスしてしまいたくなったけど、当網站の名前の由来でもあるわけだし、最低限のことだけ書いとく。1957年ケララ州トリヴァンドラム生まれ、モーハンラールとは学生時代からの親友だった。1980年代からマラヤーラム映画界で監督として活躍を始め、1990年代後半からボリウッドに進出し、一定の成功を収めた。サウスからボリウッドに出張って行って上手くいった例としてはマニ・ラトナム、ラーム・ゴーパール・ヴァルマーと並び御三家といってもいいかもしれない。巨匠マニが作家性を追及し、鬼才ラームがトンガリ路線を追及してるのに対し、プリヤン先生は徹底したベタベタ大衆迎合&省エネ・リメイクで大成功、銭の稼げる監督として確実な地歩を築いた。ただ、どうなんだろね、その勢いも4,5年ぐらい前から若干陰りが出てきたようで、ヒットの快音が聞こえなくなってきている今日この頃だ。古巣のマラヤーラム映画界で親友のラルさんと組んでもう一回盛り返すことができるかどうか注目したい。

なお、プリヤン監督は、サニー博士が初登場した1993年の Manichitrathazhu では、ファーシル監督の下で「セカンド・ユニット」と称する分業集団の中で部分的に監督をこなしてもいる。このセカンド・ユニットには他にもシビ・マライルやシッディク・ラールなど、今日トップ監督として知られる人々が名前を連ねていた。さらにプリヤン監督は Manichitrathazhu のヒンディーリメイクである Bhool Bhulaiyaa を2007年に手がけ、手堅く成功させている。

日本とのつながりで言えば、1998年に大ヒットして、先日リバイバル公開もされた『ムトゥ』の原作である Thanmavin Kombathu (Malayalam - 1994) の監督でもある。また、ボリウッドでの初期のヒット Virasat (Hindi - 1997) は、『VIRASAT(ヴィラサット)~愛と宿命の決断』の邦題で日本語字幕つきDVDになったりTV放映されたりしたこともある。

音楽監督のヴィディヤサーガルは、1980年代末から映画音楽の活動を始めており、まずテルグで、後にタミル、マラヤーラムでも人気作曲家となった。日本で公開された作品としては『チャンドラムキ』、『愛は至高のもの』がある。本作ではソングと共にBGMも手がけているようで、おどろおどろしい楽曲の録音シーン動画が公開されており、興味深い。

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簡潔になどといいながら、結局くどくどいっぱい書いてしまったが、頑張って予習しまくって膝を正して張り詰めて鑑賞するような映画でもないだろという気もしている。脱力してなんぼってのがマラヤーラム・ホラーのUSPだ。まあ気楽に楽しみましょうや。

投稿者 Periplo : 02:27 : カテゴリー バブルねたkerala
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2013年11月01日

【会場・時刻変更】マラヤーラム映画新作上映1312

テルグ映画で大騒ぎしてたら今度は最新マラヤーラム映画の上映情報が飛び込んできたよ。なんでも8月17日にクランクインして、11月末に現地封切り、そして12月8日に日本で上映ということらしい、凄いもんだねえ。

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Punyalan Agarbattis (Malayalam - 2013) Dir. Ranjith Shankar

原題:പുണ്യാളൻ അഗർബത്തീസ്‌
タイトルの意味:Holy Incense (作中で主人公が売り出すお香の商品名)
タイトルのゆれ:Punyaalan Agarbattis、Punyalan Agarbathis
タイトルの読み方:ぷにゃーらん・あがるばってぃーす

Cast:Jayasurya, Innocent, Nyla Usha, Rachana Narayanankutty, Aju Varghese, Idavela Babu, Sunil Sukhada, T G Ravi, Sreejith Ravi, Jayaraj Warrier, Ponnamma Babu, Leshoy, Sudhir Karamana, Mala Aravindan, Thesni Khan, Vinod Kovoor

公式トレーラーhttp://youtu.be/uz2TbNIFAwI(下ネタ注意)
東京上映チームによる監督インタビューhttp://youtu.be/O0hl6bLevMY(マラヤーラム語)

■日時:2013年12月8日、午後5:30 2:00開映(遅くとも1:30には開場しているとのこと)
■料金:大人2000 1900円、10歳以上の子供1000円
■字幕:英語
■上映資材:DVDとなる予定 DCP
■上映時間:不明、後日追記
■会場:東京都江戸川区東部フレンドホール 埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/PunyalanAgarbathisOfficial
■主催者公式サイト(FB):https://www.facebook.com/CelluloidJapan
■参考レビュー集成(この先も随時更新予定):http://periplosjottings.blogspot.jp/2013/11/punyalan-agarbattis-malayalam-2013.html
※上映に際しては10分程度のインターミッションあり。ただし食べ物のケータリングはなし。別料金でマサーラー・ワダとチャーイのサービスあり。また、ペットボトルなどの自販機は会場にあり。

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームの入り口はこちらこちら(いずれも同内容)。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

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■現状で分かる限りの導入部の粗筋
ケララ中部トリシュールに生まれ育ったクリスチャンの青年ジョーイ・ターッコールカーラン(Jayasurya)は、起業を夢見る楽天家。公務員や会社員になることは眼中になく、またより良いチャンスを求めて大都会に出て行くことも潔しとせず、地元で興すベンチャーでの大当たりを狙って、あれこれと試みるがどれも実を結ばず、結局妻のアヌ(Nyla Usha)が家計を支えている。あるとき、ジョーイはユニークな素材を使った線香の製造販売を思いつく。その素材とは象の糞。儀礼用に多数の象を擁しているヒンドゥーの大寺院との間で取り決めを交わし、マテリアルの安定供給を確保したジョーイは、Punyalan Agarbattis というブランド名で線香を売り出し、商売は順調に伸びてゆくかに見えた。しかしその矢先、原材料供給元の大寺院の管理委員会で議長の交代が起こり、新議長は象糞の下げ渡しを一方的に停止してしまう。新鮮な象糞を求めてのジョーイの奔走が始まる。

■見どころ予想、その他
Thoovanathumbikal から始まり、Pranchiyettan & The Saint、そしてイマイチな出来ではあったが昨年の Thiruvambadi Thampan まで、トリシュールを舞台にした映画作品には独特の空気が漂う。商都コーチンの北にあるこの中都市(ケララ第四の都市ということになってはいるが)は、名刹ヴァダックンナーダン寺院を中心に多くの歴史的な寺院・教会・モスクを擁し、また幾多の文学者や芸術家を輩出したことでも知られ、「文化首都」の異名を持つ。また、この地の住民が口にするマラヤーラム語には特異なアクセントがあり、余所者には真似が難しいと言われている。実際に本作にもイノセントをはじめとしたご当地出身俳優が幾人か登場している。

アクセントの問題については自分みたいなガイジンにはお手上げなのだが、トリシュール映画の風物として思い浮かぶのは、やっぱり象とシンクレティズム。 この二つについては Thiruvambadi Thampan の紹介の際にも書いた。象はズバリそのものが登場してくれるので説明はいらないだろう。シンクレティズムは、別にテーマとして中心に据えられているわけではないだろうし、そもそもがケララ全域に認められる現象であるのだけれど、各宗教の名刹が並び立ち、古式を保った祭礼が現在も盛んなトリシュールが舞台になると際立って見えるのだ。本作からは離れるが、トリシュール近郊クンナムクラムの聖ジョージ・シリア正教会の例大祭で聖ジョージ(ゲオルギウス)の聖像画が象の背中に乗せられて練り歩くとこ(動画あり)なんか見るとクラクラするよ。劇中でクリスチャンの主人公がヒンドゥー大寺院と商売上の関係を巡って揉めたりするのは、もちろんコミュナルな対立ではない。象の糞をめぐってお寺さん(といっても必ずしも坊さんではなく、州政府の管理下にあるデーヴァスワムという委員会が主体なのだが)とクリスチャンの起業家が対決するという馬鹿馬鹿しい構図に、ケララの地のいい加減でテキトーなシンクレティズムを感じ取ることができれば本作はそこそこ楽しめるのではないかと思う。

Passenger (Malayalam - 2009) でデビューしたランジット・シャンカル監督も本作で4作目。2作目の Arjunan Saakshi (Malayalam - 2011) はメタメタ、3作目のMolly Aunty Rocks ! は批評家から一定の評価を得たものの興行的には振るわなかった。トリシュール生まれのシャンカル氏は連続テレビドラマの脚本家からスターし、2009年の Passenger でセンセーションを巻き起こした。当網站が行きがかり上追いかけることになってしまっているニューウェーブの担い手の中では比較的早くに登場している。その分、後発の連中と比べると生真面目で、スタイリッシュ映像に妙に凝ったりすることもなく、またハイパーリンクシネマという形式にうつつを抜かすこともない。正統的なストーリーテリングに信頼を置き、一定の社会性を持った作品を作り続けていこうとしているようだ。

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出演者に関してはざっくりと。なお、上の写真は必ずしも本作のものではない。

ジャヤスーリヤ(上段左)はコーチン近郊生まれの35歳。2000年ごろに端役で映画デビュー、それまではTVの司会や物真似芸などをしていたという。デビュー後ほどなくしてトップキャストにクレジットされるクラスの売れっ子となったが、多くの場合セコイ系の悪役だった。典型的なのが Classmates (Malayalam - 2006) での、主人公と対立する学内政治グループのリーダー役か。時に主演を張ることもあったが、これがほとんどの場合「脳内お花畑」系のお笑いヒーロー。こちらの典型は Ivar Vivahitharayal (Malayalam - 2009) か。悪いがあまり笑えなかった。長身、小顔、色白、適度に筋肉質という要素が揃っても、椰子國では必ずしもマス・ヒーローにはなれないということの格好の見本だった。風向きが変わり始めたのは2011年あたりから。 JanapriyanBeautiful、それに翌12年の Trivandrum Lodge という一連のニューウェーブ系で良い脚本に恵まれ、半端ヒーローとしてよりもハイレベルの演技者として評価された。今後の活躍が期待される中堅スターである。本作では初のプロデュースにも取り組んでいる。

ナイラ・ウシャ(上段中)は本作でやっと2作目となるフレッシャー。トリヴァンドラム生まれだが長らくドゥバイに住んでおり、デビュー前は湾岸ベースの人気FM局でのラジオ・ジョッキーだったという。映画デビューは Kunjananthante Kada (Malayalam - 2013) で、マンムーティの妻役だった。デビューでいきなり熟年スーパースターの奥さんかい!とのけぞったが、実生活でも既婚で5歳児の母だという。こういう新人が出てくるところがマ映画界の面白さだわなあ。

イノセント(上段右)は、言わずと知れたマラヤーラム映画界お笑い二大巨頭の一人。オフィシャルサイトはこちら。1970年代初頭から活躍を続けてきていたが、昨年の後半に初期の喉頭癌を診断されたとしてファンを心配させた。しかし治療の後、今年の夏ごろには現場に復帰し、出演作もこれから続々と封切られる見込み。二大巨頭の片われであるジャガティ・シュリークマールがやはり昨年後半に交通事故に遭い、こちらは現在復帰の見込みが立っていないことを考えると、大変に心強いカムバックである。

アジュ・ヴァルギース(下段左)は、友人であるヴィニート・とっちゃん坊や・シュリーニヴァーサン(過去にここで紹介)に引っ張られる形で映画界入り。自分をあくまでもサイドキック俳優と見なし、タイプキャストを恐れない姿勢はこちらのインタビューから覗える。ヴィニート監督の Thattathin Marayathu (Malayalam - 2012) でのサイドキックぶりはなかなかに好感のもてるものだった。

ラチャナ・ナーラーヤナンクッティ(下段中)はトリシュール生まれのTVドラマ女優。今年に入って映画出演がどっと増えてきた。どちらかといえばコメディエンヌ的な立ち位置か。Amen (Malayalam - 2013) での主人公の姉役は高い評価を得た。

シュリージット・ラヴィ(下段右)もまたトリシュール出身。同地で、父であるTGラヴィ(本作にも出演している)と共にタイヤ会社を経営しているという。2000年代の中頃から主として悪役で顔を見せるようになってきた。台詞があるかないかというくらいの軽い扱いのものも少なくないが、愛嬌ある顔立ちはまさに「ザ・椰子國おっちゃん」という印象で筆者は密かに注目している。本年のIFFJで上映された Celluloid (Malayalam - 2013) では、初期のマラヤーラム映画人スンダルラージを好演した。

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止まらなくなっていっぱい書いちゃったけど、まあ椰子國呑気を気楽に楽しめる小品じゃないかと思うよ。各種の芸能を垣間見ることもできるんじゃないかと期待。

投稿者 Periplo : 22:00 : カテゴリー バブルねたkerala
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