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2014年05月29日

6月のJ-テルグ

サマンタとシュレーヤーのツインヒロイン、アミターブ・バッチャンの顔見せ…しかしテルグの衆にとっての大御馳走は何といってもANR家(正確にはアッキネーニ家)の三世代共演ていうところにあるんだと思う。

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Manam (Telugu - 2014) Dir. Vikram K Kumar

原題: మనం
タイトルの意味:We ※ドラヴィダ語に特有の、話者と語りかけられる相手とを含む一人称複数代名詞。相手を含まない一人称複数はmemu。

Cast:Akkineni Nageswara Rao (ANR), Nagarjuna, Naga Chaitanya, Samantha Ruth Prabhu, Shriya Saran, Brahmanandam, Ali, M S Narayana, Jayaprakash Reddy, Chalapati Rao, Posani Krishna Murali, Shankar Melkoti, Srinivasa Reddy, Krishnudu, Ramchandra, Giridhar, Saptagiri, Gundu Sudarshan, Ambati Srininivas, Duvvasi Mohan, Saranya Ponvannan, Tejaswi Madiwada, Satya Krishnan, Kaushal Sharma, etc.
Guest appearance:Amitabh Bachchan, Lavanya Tripathi, Neetu Chandra, Raashi Khanna, Akhil, Amala

■日時:2014年6月7日、14:00(終映は17:00ごろ)
■料金:大人2000円(予約は1900円)、5歳以上12歳以下の子供1200円(予約は1000円)、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語(万が一字幕なしだったら御免なさいです)
■上映時間:ネット情報によれば約150分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※家族チケットなど上映に関しての詳細は、主催者公式サイトhttp://www.indoeiga.com/を参照のこと
※別料金でインド料理ケータリングあり(上映前ランチとインターミッション中のスナック)

■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/ManamTheFilm
■公式トレーラー:http://youtu.be/Y4Bq4SQc_eM
■ソング全曲ジュークボックス:http://www.youtube.com/watch?v=uCHGnpp_sGE&feature=share&list=PL0ZpYcTg19EHn4BQrVFDBOE13qy2-Wvry
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2014/05/manam-telugu-2014.html

メールによる事前予約をお勧めします。
メールのタイトルは「Manam ticket booking」などとし、
1. Name:申し込み代表者のお名前をローマ字でここに記入
2. Number of tickets / adults:大人の人数を算用数字でここに記入
3. Number of tickets / children:子供の人数を算用数字でここに記入
以上の必要項目を埋めてmovieinfoアットindoeiga.com(アットを@に変える)までメールして下さい。支払いは当日劇場受付で。残席がある場合予約は上映前日まで可能、上映前に確約の折り返しメールが届くはずです。

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【ネタバレ度40%ぐらい?の粗筋】
1983年、ラーダーモーハン(Naga Chaitanya)とクリシュナヴェーニ(Samantha Ruth Prabhu)の若夫婦は交通事故に遭って命を落としてしまう。一人残された息子のナーゲーシュワラ・ラーオ(愛称ビットゥ)は長じて成功したビジネスマン(Nagarjuna)となった。あるとき、ナーゲーシュワラ・ラーオはナーガールジュナ(Naga Chaitanya)とプリヤ(Samantha Ruth Prabhu)という若い男女と知り合い、二人が両親に生き写しであることから輪廻を確信し、この二人の愛のキューピットになろうと決意する。

同じ頃、彼はアンジャリ(Shriya Saran)という若い女性、チャイタニヤ(ANR)という老人とも知り合う。90歳のチャイタニヤは、ナーゲーシュワラ・ラーオとアンジャリが遠い昔に亡くなった自分の両親とそっくりなのを見て驚く。チャイタニヤは彼らが両親のシーターラームドゥ(Nagarjuna)とラーマラクシュミ(Shriya Saran)の生まれ変わりであると確信して、この二人の愛のキューピットになろうと決意する。

【見どころ紹介】
2013年10月18日、89歳のアッキネーニ・ナーゲーシュワラ・ラーオ(ANR)は本作を撮影中のアンナプールナ・スタジオ(自らが設立したファミリー・プロダクションの本拠地)で、一族を従えて記者会見を行った。25分に及ぶスピーチ中で、彼は自分が癌と診断されたことを告白し、闘病の意欲は充分にあること、個人的な見舞などを遠慮してほしいという要望を伝え、100歳まで生きるつもりであると宣言した。この時点で本作は約60%撮了していたという。この演説の力強さ、そして周りを固めた一族の結束の様子(こちら参照)を見て、この人は本当に100歳を迎えることができるだろうと確信したのを覚えている。

その後彼は手術に臨んだが、術後15日目に病床でアフレコ作業をするための手配を息子ナーガールジュナに命じた。「今のうちにやっておかないと、(ANRの声帯模写を得意とする)物真似芸人に頼むことになってしまうぞ」(ナーガールジュナのインタビューによる)。ソングシーンの僅かなショットを除き、予定されていた全ての撮影・レコーディングを終えた後、NTR(シニア)と人気を二分したこの不世出の名優は、2014年1月22日に不帰の人となった。

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つまり本作は70年超にも及ぶANRの芸歴を最後を飾る記念碑的な作品であるわけなのだが、上に書いた粗筋に目を通していただければ分かるように、笑っちゃうようなラブコメ+ファミリー映画なんだよね。現地のレビューでは「バック・トゥ・ザ・フューチャー印度版」なんて言い方が盛んにされていたけど、輪廻ってのが入ってくるのがミソ。

ナンダムーリ(NTR)家とならぶ名門アッキネーニ家の始祖ANR、息子ナーガールジュナ、孫のナーガ・チャイタニヤが共演し、しかも劇中の役名として、祖父が孫の、息子が祖父の、孫が息子の芸名を背負って演技する、この完全な内輪受け構造。もともと3月末の公開が予定されていた本作は、ウガーディ・シーズン向けのファミリー映画の超豪華版。しかし、単なる季節の縁起もの映画を超えた、高いレベルの作劇と演技が結びついて、5月23日の公開以来、各種レビューで軒並み4/5の高ポイントを獲得し、興行上も爆発的な売り上げ記録を更新している。

長老ANRについてはここで、息子ナーガールジュナについてはここで以前に書いた。

孫のチャイ太ことナーガ・チャイタニヤは Josh (Telugu - 2009) でデビューして本作が第7作目。やっと青臭さが抜けてきたというところ。これまでのところの代表作は、サマンタのデビュー作でもある Ye Maya Chesave (Telugu - 2010) か。母はナーガールジュナの前妻ラクシュミで、この人は「愛と憎しみのデカン高原」の主演俳優ヴェンカテーシュや「マッキー」のプレゼンターであるスレーシュ・バーブの妹(または姉)なので、チャイ太はアッキネーニ家とダッグバーティ家の双方に連なることとなる。

豪華ツインヒロインは、「ボス その男シヴァージ」のシュレーヤー・サランと、「マッキー」のサマンタ。また、ナーガールジュナの現夫人アマラと、二人の間の息子アキルもちらりと顔を出すという。一方でこの三人が登場しないのはなぜなのか、一部では訝しがる声もある。

監督のヴィクラム・クマールは、1990年代末に英語作品でデビューし、その後は主にタミル&テルグで作品を送り出し、本作が7作目の中堅。これまでの代表作は、タミル・ヒンディー・バイリンガルのホラー Yaavarum Nalam / 13B (Tamil, Hindi - 2010) と、フレッシュなラブコメとしてヒットした Ishq (Telugu - 2012) の2本。今回はテルグ映画界きっての名門のファミリー映画を手掛けたというのだから当然テルグ人かと思いきや、2012年のこのインタビューでは、「昔と比べたら随分テルグ語も分かるようになってきた」というようなことを言っていて吃驚。本籍はタミルの人であるようだ。

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本作の大ヒットに刺激されて、テルグ映画界で番を張ってる他のファミリーの皆さんも、全員集合映画を作りだしたりしないもんかね。チランジーヴィ率いるコニデラ一家の壮絶兄弟喧嘩ムービーとか、NTRジュニアが事実上代表しているナンダムーリ一家のドロドロ愛憎サーガとか、モーハンバーブ率いるマンチュ一族のお笑い説教マラソンとか、凄く観てみたいわ。

投稿者 Periplo : 23:00 : カテゴリー バブルねたtelugu so many cups of chai
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2014年05月20日

マラヤーラム映画新作上映1406

生え際のヤバい自称ヤングどもがナンボのもんじゃい、時代は胡麻塩よっ!
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Mr. Fraud (Malayalam - 2014) Dir. B Unnikrishnan

原題:Mr. ഫ്രോഡ്

Cast:Mohanlal, Miya George, Dev Gill, Siddique, Pallavi Purohit, Manjari Phadnis, Vijay Babu, Vijayakumar, Sai Kumar, Suresh Krishna, Rahul Madhav, Ashvin Mathew, Rajeev Parameshwar, Arjun Nandhakumar, Balaji, Sathaar, Devan, Amritha Anilkumar, P Balachandram, V K Sreeraman, Kalasala Babu, Mukundan, Manoj, Balachandran Chullikkad, Biju Pappan, Gopi Sunder (guest appearance), Balabhaskar (guest appearance), Stunt Silva (guest appearance), etc.

公式サイトhttp://www.mrfraudmovie.com/
公式トレーラーhttp://youtu.be/yNdVFZsKlgw

■日時:2014年6月1日、午後2:00開映
■料金:大人1900円、10歳以上の子供1000円
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約2時間15分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/

■主催者公式サイト(FB):https://www.facebook.com/CelluloidJapan
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2014/05/mr-fraud-malayalam-2014.html

※上映に際しては途中10-20分程度のインターミッションあり。別料金でインド・スナックのサービスあり。また、ペットボトルなどの自販機も会場にあり。

※事前予約をお勧めします。申し込みフォーム(会場=東京と記載ありますが埼玉です)はこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

【導入部の粗筋】
旧藩王国時代の宮殿(マラヤーラム語でコーヴィラカムまたはコッターラム)であるアーディティヤプラム。この宮殿の宝物をめぐっては、過去に王族たちの間で血腥い抗争が繰り広げられてきた。4組ものグループに分かれて相続権を主張する成員たちを鎮めるために、宮殿と美術品は41年の期限付きで封印されていたが、その帰属について決着をつける時が近づいていた。そこに、神出鬼没の窃盗団を率いる謎の男(Mohanlal)が、中立的な鑑定士を名乗って登場する。彼は、計り知れない資産価値を持つこの宮殿の美術品略奪を、引退前の最後の大仕事とするつもりでいた。

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MrFraudCast2.jpg【主要キャスト】
01.モーハンラール:ハイテクで武装した窃盗団のリーダーであり、かつての藩王家にその財宝を狙って近づこうとする詐欺師でもある謎の男。様々な名前を持っているが、部下たちからは「バーイ・ジー」と呼ばれている。
02.デーヴ・ギル:ニッキという名前のメイン悪役というだけで詳細は不明。デーヴ・ギル(公式サイトあり)はプネー出身、Bhaag Milka Bhaag [走れミルカ、走れ] ではパキスタン人アスリートを演じた。ただし、2008年からテルグを中心としたサウス映画に出始め、現在は「ほぼサウス俳優」状態。代表作は Magadheera (Telugu - 2009) あたりか。
03.ヴィジャイ・バーブ:バーイ・ジーの右腕として活躍するアッバス。演じるヴィジャイ・バーブは、今年上映されたEscape from Uganda (Malayalam - 2013) にもヒロインの夫役で出ていた。経歴についてはこちら参照。
04.ヴィジャヤクマール:ヤジャマン』、『バーシャ』『チャンドラムキ』などの出演作が日本でも公開されているベテランのタミル俳優ヴィジャヤクマールは、もしかしたら本作がマラヤーラム初出演かもしれない。
05.スレーシュ・クリシュナ:ケーララの獅子』で武将の役を重厚に演じていたスレーシュ・クリシュナは、平常運転では「嫌味な奴」が定位置。
06.デーヴァン:やはり『バーシャ』によって日本でも知られているデーヴァンは、実はトリシュール生まれのマラヤーラム俳優。ここ数年出演作が抑えめなのは、並行して政治活動に従事しているためらしい。
07.サーイ・クマール:下で紹介のシッディクと並ぶマラヤーラム映画悪役二大巨頭の一人。過去にこちらで紹介している。しかしその芸域の広さは単なる悪役俳優というレッテルでは済まされないものがある。
08.バーラチャンドラン・チュッリカード
09.ラーフル・マーダヴ
10.ムクンダン
11.Pバーラチャンドラン
12.シッディク:旧藩王家の当主、ラージャシェーカラ・ヴァルマ、王族の末裔でありながら共産党の代議士でもある。演じるシッディクについてはこちらなど。ラルさんのワンマンショーと評されている本作中で、脇役としてはもっとも存在感を示しているらしい。
13.ミヤ・ジョージ:ラージャシェーカラ・ヴァルマの養女サラスワティ。ミヤ・ジョージについては昨年あたりから注目していただけに、ここにきて脇役からヒロインとして独り立ちした姿を見られて感無量。予習・復習でのお勧めは、清楚な尼さん姿がいやら美しい Vishudhan (Malayalam - 2013) あたり。
14.マンジャリー・パドニス:アッバスと共にバーイ・ジーのアシスタントを務めるプリヤ。Jaane Tu...Ya Jaane Na (Hindi - 2008) の脇役で注目を集めたマンジャリーは、同年からテルグを中心にしたサウス映画にも進出しているが、マラヤーラム映画出演は本作が初となる。
15.パッラヴィ・プローヒト(パッラヴィ・チャンドランとも):バンガロール育ちのケララ人で、デビュー当初はヒンディー語の連続TVドラマに出演していた。 Silence (Malayalam - 2013) でいきなりマンムーティの妻役としてデビュー。3作目となる本作ではややヴァンプ的な役どころらしい。
その他マダム・イン・ニューヨーク』で校長先生を演じるアシュウィン・マチュー、本作の楽曲を手掛ける売れっ子MDで、ソングシーンでカメオ出演するゴーピ・スンダルなどにも注目。

【簡単な見どころ紹介、その他】
ありがたいことに、今回も英語字幕付きの上映なので、そうクドクド書く必要もないだろう。

マラヤーラム映画界恒例の業界内ゲバのせいで遅れに遅れて5月17日封切りとなった本作は、昨年の Drishyam で未曾有の大成功をおさめたモーハンラールの2014年初の封切り。蓋をあけてから3日の現時点での評判は、いわゆる「ミクスト・レスポンス」というもの。ロジックよりはマサラを前面におしだした「ファンのための映画」、あんなことやこんなことするラルさんをウットリ眺めるための平均作というところか。多彩な出演者を擁しながらも実質的にはモーハンラールの独り芝居という声も聞かれる。で、ウットリさせるためにグレーヘアで決めたラルさんのあれやこれやは、もちろんウットリものなのだが、多くの評者がラストシーンのコスチュームだけはどうかと思うぞ、と書いている。今のところそのシーンのスチル写真は見つかっていない。なので、どんな華麗なファッションでドン引きさせてくれるのかドキドキしながらストーリーを追うというのも一興かもしれない。

監督のBウンニクリシュナンは、2006年にデビューして本作が9本目となる中堅。スリラーを多く手掛けて一定の評価を得ている。特にモーハンラールとのコンビで送り出した Grandmaster (Malayalam - 2012) はスマッシュヒットだった。

旧藩王家の財宝をめぐるスリラーということで、ロケは大部分がケララ各所に残る宮殿建築で行われている。筆頭にくるのが、コーチン南郊トリプニトゥラにあるヒル・パレス・ミュージアム。旧コーチン藩王国の宮殿で、ケララ伝統建築と西欧の新古典主義建築を折衷した独特の外観。これまでにも映画の撮影地として幾たびか登場している(たとえばこれ)。そして、当網站で過去に紹介したこともある、ヴァリッカーシェーリ・マナ。中東部パーラッカードの郊外オッタッパーラムにあるこの大邸宅は、現在は映画やTVの撮影専用に貸しだされているという点でインドでも珍しい歴史建築。一体何本のマラヤーラム映画がここで撮られたか、すでにカウントもできないほどのものなのだ。FBページは一見の価値あり。

とはいえ、本作のストーリーの着想は、数年前に大騒ぎとなった、トリヴァンドラム・パドマナーバスワーミ寺院での旧トラヴァンコール藩王家のお宝大発見(こちらなど参照)から来ていることは間違いない。

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こんな風にカッコつけてバーチャル・タッチパネルをしゃしゃっとやってみたいもんだわい。

投稿者 Periplo : 20:22 : カテゴリー バブルねたkerala
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