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2015年04月26日

5月のマラヤーラム映画上映

「ケララ社会(特に若者の)セルフ・ポートレイトなのである」とは監督の弁。とりあえず鹿爪らしくもっともらしいことを言ってみただけかも知れんけど。

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Oru Vadakkan Selfie (Malayalam - 2015) Dir. G Prajith

原題:ഒരു വടക്കൻ സെൽഫി
タイトルの意味:A northern selfie ※どうでもいい薀蓄については下記参照

Cast:Nivin Pauly, Manjima Mohan, Vineeth Sreenivasan, Aju Varghese, Neeraj Madhav, Bhagath Manuel, Vijaya Raghavan, Sreelakshmi, P Sukumar, T Parvathi, Santhosh Keezhattoor, Harikrishnan, Shravan, Sharath, Revathy Sivakumar, Bobby Simha, Anwar Shareef, Vineeth Kumar (Guest Appearence), etc.

Music:Shaan Rahman

公式サイト(FB):https://www.facebook.com/OruVadakkanSelfie
公式トレーラー(英語字幕つき):https://youtu.be/7s0uX2u6b5w
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/Yxg94UDceKA

■日時:2015年5月17日、14:00開映(開場は12:00、別料金でのランチ提供あり、受付は13:00から、17:00前に終了)
■料金:大人1800円、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約142分、途中で15-20分程度のインターミッションあり
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※別料金で12:00からビリヤーニーのランチ(要予約)あり、インターミッションにはケララ風カツレツ+チャイの販売あり、どちらも映画と同時にオンライン予約可。

■主催者公式サイト:http://celluloidjapan.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/04/oru-vadakkan-selfie-malayalam-2015.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームへの入り口はこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

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【写真はイメージです(当たり前やがな)】前回上映会でのビリヤーニー弁当(1200円)。この時はライタ、チャパティ・ロール、スージ・ハルワー付だった。

【たぶん鑑賞の役には全く立たない、タイトルについての薀蓄】
ヴァダッカン・パーットゥ(複数形でヴァダッカン・パーットゥカルとも)は、直訳すれば「北の歌」。ケララ州北部の狭義のマラバール地方に伝わる民衆歌謡のこと。これに対して同州南部にはテッカン・パーットゥ(南の歌)というのも存在するのだが、大衆文化の中でポピュラーなのは、16世紀に遡るといわれるヴァダッカン・パーットゥの方。英語では Northern Ballads と訳されることが多い。題材となるのは中世の武芸(今日カラリパヤットと称される武術の体系)の達人たちの行跡で、権門同士の争い、友情、恋愛などなど。中でも、抜きん出た剣士でありながら裏切りによって斃れたアーローマル・チェーカヴァルと裏切り者のチャンドゥ、美しき女剣士ウンニヤールッチャなどの逸話は特に好まれて映画化され、1970年代にはマラヤーラム映画界の一大ジャンルとなっていた(こちら参照)。このジャンルは1980年代末にほぼ死滅したのだが、その最終局面に作られた超有名作が、数部門で国家映画賞を受賞した Oru Vadakkan Veeragatha (Malayalam - 1989) で、タイトルの意味は「ある北方の勇者の詩」。何でもありのチャンバラものであったヴァダッカン・パーットゥカルを文芸的に総括したともいえるこの作品は、死に行くジャンルの掉尾を飾るにふさわしいものであったのかもしれない。Oru Vadakkan Selfie という本作のタイトルは、まあゆうなれば「お馬鹿映画でございます~」という分かりやすいタグとでも解釈しとけばいいのかな。

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【30パーセントぐらいの粗筋】
工科大学の学生だったが落第して故郷である北ケララのタラッシェーリ(英名テッリチェリー)地方に戻り、村の笑いものとなったウメーシュ(Nivin Pauly)。彼は映画監督になるという子供の頃からの夢を追い求めようと決意する。敬愛するガウタム・メーナン監督の下で修行し、ゆくゆくはアジットを主演にすえて映画を撮る、というのが彼の野望だ。洋装店の売り子のシャージ(Aju Varghese)とバス運転手のタンガプラサード(Neeraj Madhav)という悪タレ仲間とともに、まずは(韓国映画をパクった!)短編映画を撮影して世間の注目と資金とを集めようともくろむ。同じ頃、彼の家の隣にはデイシー(Manjima Mohan)という美少女が引っ越してくる。彼女に一目惚れしたウメーシュは、彼女を勝手にヒロインに想定して脚本を書き進める。幾つかの出来事を経た後のある日、デイシーが突然行方不明になってしまう。抗いきれない事情から、ウメーシュはシャージとともにデイシーの探索を開始する。

【主要キャスト】イメージは本作のスチルからではないものも混じっている
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■ウメーシュ(ニヴィン・ポーリ)
1983Bangalore Days と、セルロイドによって既に2本も出演作が上映済みのニヴィン。前に書いたように、大したことをやっているようには見えないのになぜか出るもの出るもの大成功となる運のいい奴。当網站では過去に「素人がカメラの前に立って照れ笑いしてるようにしか見えない」演技を腐したりもしたが、最近になってそれでもちょっとはスターらしいオーラが備わってきたようでもある。
■デイシー(マンジマ・モーハン)
2000年代には子役として活躍してきたが、本作で晴れてヒロイン・デビュー。父はベテラン撮影監督のヴァイピン・モーハン。初々しくて可愛らしくて期待大。
■ジャック(ヴィニート・シュリーニヴァーサン)
デイシーを探すウメーシュが頼ることになる怪しい私立探偵のジャック。演じるヴィニートについては過去にここに書いた。演技者としてよりも監督としてのプレゼンスを増してきている若い才能で、本作でも脚本を担当している。昨年には嫁と一緒に謎の来日(目撃地は原宿・竹下通り)をしており、今後の動きが気になるところだ。
■その他
サイドキックには、過去に上映された Punyalan AgarbattisPeruchazhi に出てきたアジュ・ヴァルギース、Drishyam のニーラジ・マーダヴと、いかにもなキャスティング。ウメーシュの口うるさい父親役にはベテランのヴィジャヤ・ラーガヴァン。どんな役かは不明ながら、つい先日発表された国家映画賞で、驚きの最優秀助演男優賞をゲットしたボビー・シンハーも顔を出すようだ。

【釣り書き】
監督のGプラジト(プラジト・ゴーピナート)は本作がデビューとなる新人。90年代から助監督をやっていたらしいが、ヴィニート・シュリーニヴァーサン監督とニヴィン・ポーリ&アジュ・ヴァルギースのデビュー作である Malarvaadi Arts Club (Malayalam - 2010) でスタッフに名を連ねて以降、全てのヴィニート監督作品(つまりヒット作ということになる)に関ってきたという。何が言いたいのかと言うと、つまり本作は有為なる若きマラヤーラム映画人たちが、キャッキャウフフの内輪ノリで作っちまった映画である可能性が高いってこと。公式FBページとか見ても、スチルなんだか撮影風景なんだか判別に苦しむセルフィーだらけよ。しかし、最近多いそういう仲良しサークル映画が、モノによってはヒットして、いい大人をも映画館に向かわせるというのが凄いところ。本作も、先日上映のモーハンラール主演 Ennum Eppozhum と並んで、この四半期きっての大入りとなっているのだという。大いに期待して臨みたい。

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タラッシェーリからチェンナイまでの、ロードムービー的な要素もありそうで楽しみだ。

投稿者 Periplo : 22:13 : カテゴリー バブルねたkerala
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2015年04月22日

カンナダ映画新作上映1505

印度風水とカンナダ風ハナモゲラ語(←まさに死語)にまつわるコメディらしい。

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Vaasthu Prakaara (Kannada - 2015) Dir. Yogaraj Bhat

原題: ವಾಸ್ತು ಪ್ರಕಾರ
タイトルの意味:The way of Vaasthu
タイトルのゆれ:Vasthu Prakara, Vaastu Prakara, etc.

Cast:Rakshit Shetty, Jaggesh, Aishani Shetty, Parul Yadav, Anant Nag, T N Seetharam, Sudha Rani, Sudha Belawadi, Yogesh Kumar, Satyanarayana, Aras, Rockline Sudhakar, Kaddipudi Chandru, Prashanth Siddi, etc.

Music:V Harikrishna

公式サイト(FB):https://www.facebook.com/vaastuprakaara
公式トレーラー:https://youtu.be/WYh3t7iXT_8
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/1b5TwqctVlQ

■日時:2015年5月24日(日)、13:30開映(17:00前に終映)
■料金:大人2200円、5-12歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)、完全予約制
■字幕:なし
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約145分、途中で15分程度のインターミッションあり
■会場:千葉県市川市、イオンシネマ市川妙典(こちら参照)

■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/04/vaasthu-prakaara-kannada-2015.html

【重要】本上映は完全予約制です。当日の劇場でのチケット購入はできません。5月8日までにこちらから申し込みをして下さい。チケットの受け渡しは郵送または手渡しで行われます。チケット代金支払いは、受け渡し方法に応じて銀行振り込みまたは手渡しとなります。振込み手数料は入金者の負担となります。(4月28日追記:予定より早く完売となりましたので予約は締め切りとさせていただきました)

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【粗筋】
クベーラ(Rakshit Shetty)は著名な風水師クリシュナ・シャーストリ(T N Seetharam)を父に持っていたが、自分は風水などこれっぽっちも信じていなかった。アンジャネーヤ神像の向きを勝手に代えたことが原因で父と大喧嘩をしたクベーラは家出してヨーロッパの小国ヴァーステニアに移り住む。そこにはオジのジャガディーシュ(Jaggesh)が住んでいたのだが、彼はかつかつの生活に苦しんでいた。ジャガディーシュはしぶるクベーラを説得して、金儲けのために二人でインチキ風水ビジネスを始めることにする。

ヴァーステニア人を騙すつもりの二人の前に現れたカモはなんとカンナダ人で、離婚の危機にあるアナンタクリシュナ(Anant Nag)とヴァンダナ(Sudha Rani)という熟年カップルだった。クベーラは二人の娘リトゥ(Aishani Shetty)を見て一目惚れする。リトゥはクベーラに風水パワーで両親の縒りを戻して欲しいと頼む。

ヴァンダナはアナンタクリシュナが浮気をしていると疑って離婚手続きを勧めているのだが、そこに登場するのが弁護士のニルマラ(Parul Yadav)だ。実は彼女は過去にジャガディーシュとの間に因縁があった。昔は豊かだった彼はニルマラに邸宅をプレゼントしたのだが、行き違いから彼女を怒らせ絶縁されてしまったのだ。しかしジャガディーシュはいまだに彼女に未練たっぷりで、彼女がヴァーステニアの男と婚約しているのを知っても諦めきれずにいる。

リトゥの依頼でクベーラとジャガディーシュが取り組む、アナンタクリシュナ邸の風水に則った改築、ニルマラの進める離婚手続きとが衝突して、3組の男女の間にはてんやわんやの大騒ぎが起こる。

【主要キャスト】イメージには本作のスチルからではないものも混じっている
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■ラクシト・シェッティ(クベーラ)
ウドゥピ出身、2010年にデビューしてから本作でやっと6本目(うち、主演は3本)という新進俳優。Simpallaag Ond Love Story (Kannada - 2013) で認められ、続く Ulidavaru Kandanthe (Kannada - 2014) では、監督と主演の兼業でまず驚かせ、異色のクライムストーリーとしても高い評価を得た(と言っても、現状では日本ではどんな手段によっても見ることが叶わず、隔靴掻痒なのだが)。上記の SOLS を見た限りの印象では、ともかく映画のヒーローになりそうにない、普通すぎる佇まい。しかし、監督主導型の一部のカンナダ映画では、こうした俳優にも需要があり、そのような傾向の作品の成功によって名前を売った「地味スター」も何人か存在するのだ。初のコメディでラクシトがどんな持ち味を見せるのかも注目だろう。
■ジャッゲーシュ(ジャガディーシュ)
1980年代中頃から活躍しているコメディアン。と言ったそばから「いや、性格俳優か?」と自信がなくなるインタビューもある。ともかく、現役のコメディアン/性格俳優の中ではちょっと破格な地位にある人だ。大スターから新人にいたるまでのヒーローが主演する映画にチョコチョコ顔を出しては笑いを取り、それを一年に10本も20本もこなすのが、南印コメディアンの一般的なありかただが、この人は主演率が大層高い。ウペンドラが監督した Tarle Nan Maga (Kannada - 1992) のような重要作品も含んでいる。そして通常は大スターがやることになっている、作中での「カルナータカ州旗ぶんまわし」もやってのける。ディリープ、ヴィジャイ、ヴェンカテーシュ、サルマーン・カーンがそれぞれの言語圏で演じてヒットさせた Bodyguard のカンナダ語版で主演したりもしている。冠タイトルは Navarasanayaka。
■アイシャーニ・シェッティ(リトゥ)
マンガロール出身の20歳。フィルモグラフィーが見当たらないのは、本作が実質的なデビューであるかららしい。こちらのインタビューによれば、割と小柄な人であるらしく、オーディション合格後に、背の低さをからかわれるシーンが作中に加えられたという。
■パルル・ヤーダヴ(ニルマラ)
ムンバイ出身の元モデル。ボリウッドからキャリアを開始したがすぐに南下。2012年の Govindaya Namaha での演技が認められてからは、ほぼカンナダ女優に。色白で無闇と立体的な造作のモデル顔というのは、典型的なカンナダ・ヒロインに思える。公式サイトあり。
■アナント・ナーグ(アナントクリシュナ)
以前ちょっとだけ紹介したことのある最初期主演作 Ankur [邦題:芽ばえ] (Hindi - 1974) で芸術映画ファンに鮮烈な印象を残したアナント・ナーグも、今や60代後半、イケズ親父演技にも磨きがかかってきた。主演格のラクシトやジャッゲーシュよりもこの人についての方が書きたいことは沢山あるのだが、まあここでは我慢しておこう。ヨーガラージ・バット監督作の常連でもある。
■スダーラーニ(ヴァンダナ)
子役出身で、1990年代にヒロインとして活躍した女優。現在もお母さん役でコンスタントに出演を続けている。

【釣り書き】
冒頭で書いたハナモゲラ語とは、作中に設定されている架空のヨーロッパの小国ヴァーステニア(実際のロケ地はスイスらしい)の国語のこと。もちろん実在しない。このヴァーステニア語、英語、カンナダ語が入り混じっての阿鼻叫喚を字幕無しで観るのは、脳へのいい刺激になりそうだ。

監督のヨーガラージ・バットについて、タミル映画界、テルグ映画界、マラヤーラム映画界でなら誰に当たる、というたとえを考えたりしてみたのだが、思いつかない。スターではなくクオリティを求める観客から支持を集める、文句なしのカリスマ監督ナンバーワン。そうは言っても、前衛性、スタイリッシュネス、メッセージ性といった面で極端に尖んがってるわけではない。日本人観客としては、時に過剰なセンチメントの洪水にたじろぐことがある。押しつけがましさは低いものの、説教は結構ある。映像はファンタスティック。等身大のリアルな若者像を描き、その若者が日常性から離れた異郷で何かを失ったり見出したりする、というストーリーラインが多い。台詞に深い味わいがあるのだという。2003年に映画監督デビューし、Mungaru Male (Kannada - 2006) の雪崩的大ヒットによって地位を確立した。その動向が常に注目されるトップ監督だが、作品に必ずしも大スターを起用するとは限らないことでも知られる。裏方の製作陣には、ヨーガラージ組とでも言うべき「意識高い系」が参集し(その中で最も成功したのが Lucia のパワン・クマール監督)、この先カンナダ映画がどう変わっていくにしても、その影響を抜きに考えることはできないだろうという人物だ。

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題名にあるヴァーストゥを、上の粗筋中では風水と書いたが、正確には古代から受け継がれてきた、建築や都市計画に関しての規範書のこと。現代においては神秘学としての性格が強くなっている。富裕層・上位階層の間でもこれを信じる人は珍しくなく、タミル・ナードゥ前州首相のジャヤラリター女史なども、お抱えの風水師を大層重んじているという話がある。本作はどうやらヴァーストゥ依存を迷信として戒める方向性のようだが、一方でホラー映画 Winter (Malayalam - 2009) には、細かな風水の決め事にも古代人の合理性が秘められているのだと訴える内容が含まれていたりして、色々な意見があるのが面白い。

その他、印度で唯一のアフリカ系俳優(唯一かどうか裏は取れてないけど他に聞いたことない)シッディ・プラシャーントが、短いが重要な役で出てくるなど、興味は尽きない(おまけ:ヴァーステニア語で本作のプロモーションを行うプラシャーント君動画)。

投稿者 Periplo : 02:00 : カテゴリー バブルねたkannada
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2015年04月20日

5月のタミル映画上映

こうやって並べると、どうしたって右の方に期待しちゃうってのが人情じゃありませんかい?ついに実現した関東・関西のデュアル上映、どうぞ応援してやっておくんなさいまし。

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Uttama Villain (Tamil - 2015) Dir. Ramesh Aravind

原題: உத்தம வில்லன்
タイトルの意味:Virtuous Villain
タイトルのゆれ:Uthama Villain, etc.

Cast:Kamal Haasan, Jayaram, Andrea Jelemaiah, Parvathi Menon, Parvathi Nair, K Viswanath, K Balachander, Pooja Kumar, Nasser, Urvashi, M S Bhaskar, Chithra Lakshmanan, Anant Mahadevan, Shanmugarajan, Ghibran, Rajesh M Selva, etc.

Music:Ghibran

公式サイト(FB):https://www.facebook.com/OfficialUttamaVillain
公式トレーラー(英語字幕つき):https://youtu.be/fD4F_dQgDUs
全曲ジュークボックス:http://youtu.be/-5YPmYIJi4w

【関東】
■日時:2015年5月9日(土)、14:00開映(17:00前に終映)
■料金:大人3000円(予約前払い2500円)、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約136分約173分ということだが、数分カットされたという話もある。途中で15分程度のインターミッションあり
■会場:千葉県市川市、イオンシネマ市川妙典(こちら参照)

※当日券の購入および予約チケットの引き換えは、イオンシネマ3Fの共通チケットブースではなく、会場入り口にて。13:00から受付開始。

【関西】
■日時:2015年5月10日(日)、14:00開映(17:00前に終映)
■料金:大人2500円、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
上映時間:ネット情報によれば約136分約173分ということだが、数分カットされたという話もある。途中で15分程度のインターミッションあり
■会場:大阪府茨木市、イオンシネマ茨木(こちら参照)

※当日券の購入および予約チケットの引き換えは、イオンシネマの共通チケットブースではなく、会場入り口にて。13:00から受付開始。

■主催者公式サイト:http://celluloidjapan.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/03/uttama-villain-tamil-2015.html
※5月1日の現地封切り後に追記予定

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームへの入り口は、関東がこちら、関西がこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

【粗筋】
封切前のため詳細は不明。8世紀の宮廷役者であるウッタマン(Kamal Haasan)と、21世紀のタミル映画界の熟年スーパースター・マノーランジャン(Kamal Haasan)の人生とが並行的に語られるらしい。カマル自身の言葉によれば、“It’s the story of an actor; a superstar with and without a mask” なのだそうだ。

【主要キャスト】イメージは本作のスチルからではないものも混じっている
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■カマル・ハーサン(カマラーハーサンとも)
カマル・ハーサンについては Vishwaroopam のところで書いた。ともかくこの人は、プロデューサーや監督に全てを任せて指示に従うタイプではなく、通常主演俳優に求められる以上に深く深く製作にタッチする傾向がある。そのため、監督がバラバラであっても、全ての主演作にクッキリとした「カマル謹製」の刻印が押されているのだ。おそらくそれと関係があるのだろう、封切りにあたって色々と横槍が入って揉めることがやたらと多い(本人もインタビューでそれを認めている)。そして、そのせいなのか、揉め事が法廷闘争にまで及ぶような面倒くさい力作と、その合間の明らかに肩の力を抜いた箸休めとを交互に発表している。2年前の前作 Vishwaroopam は明らかに前者だった。今作はというと、最初は後者であるような印象を持っていたのだが、やはり訳の分からない理由で公開が延期になったりしており、さあてどっちなのか。
■ジャヤラーム(ジェヤラームとも)
マラヤーラム映画界ではモーハンラール、マンムーティに続く押しも押されぬ大スターなのだが、両巨頭に比べると芸域が狭いためにキャリアが尻すぼみな感じになり、ここのところパッとしなかった。170本を超えるマラヤーラム映画出演があるが、タミル映画でも30本に出演している。基本的な芸風は愛すべき頓馬キャラ。タミル映画だと、以前東京でやった Thuppakki がいい例だけど、さらに輪をかけて笑われ役なんだ。さて、今作ではどう出てくるか。公式サイトもあり。
■Kバーラチャンダル
昨年末に惜しまれつつ世を去った監督・プロデューサー。日本では Thanneer Thanneer [邦題:お水よお水] (Tamil - 1981) が映画祭公開されているほか、『ムトゥ』のプレゼンターとしても名前が知られている。1960年代半ばから昨年までの50年にわたる映画人生のインパクトは巨大なもので、その訃報に一つの時代の終わりを感じた人は多かったようだ。各時代ごとに名作を送り出しただけでなく、新人発掘にも手腕を発揮し、カマル・ハーサン、ラジニカーント、プラカーシュ・ラージ、ラメーシュ・アラヴィンドなどが、このKBによってデビューしたり、初ブレイクを達成している。本作では、そういった経緯から、KBの顔見せは名匠へのオマージュ程度のものかとも思っていたのだが、ラメーシュ・アラヴィンド監督によれば、出番は長くはないものの、ストーリーに絡む重要な役なのだそうだ。
■Kヴィシュワナート
こちらもまた映画監督。主にテルグ映画を手掛けているが、2000年ごろから俳優としての活動の方が目立つようになってきている。監督としては、Shankarabharanam [邦題:シャンカラバラナム] (Telugu - 1979) に代表される芸道ものの巨匠とみなされている。
■アーンドリヤー・ジェレマイヤー
Vishwaroopam と連続でカマル映画のヒロインとなった。タミル・ナードゥで生まれ育ったアングロ・インディアンであるという。まず歌手としてデビューして、2007年ごろから俳優として活動を始めた。長身と英語の影響の強いセリフ回し(吹き替え声優としても需要があるという)が売り。比較的仕事を選ぶタイプのようで、フィルモグラフィーはさほど多くはないが佳作が並ぶ。代表作は Annayum Rasoolum (Malayalam - 2013) あたり。
■プージャ・クマール
北インド出身の両親の元にアメリカで生まれ育ったNRI。1995年に「ミス・インディアUSA」となったことから芸能界入りの道が開けた。やはり Vishwaroopam との連続出演となる。公式サイトあり。
■パールヴァティ・メーノーン
Bangalore Days (Malayalam - 2014) でパールヴァティが演じた魅力的なラジオジョッキーのことはまだ記憶に新しいだろう。同作のタミル・リメイクにも出演が決まっているという。
■パールヴァティ・ナーイル
こちらもマラヤーラム映画界出身の新進女優。2月に川口で上映された Yennai Arindhaal... での、悪役の妻としての演技が印象的だった。

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【釣り書き】
渾身の力作かちょっとした箸休めなのかは分からないが、もちろん本作も「カマル謹製」を楽しめば十分なのであるが、年季の入ったファンとして見過ごせないのが、「監督:ラメーシュ・アラヴィンド」だ。

1980年代中ごろから俳優として活躍するベテラン、南インド5言語(トゥル語含む)とヒンディー語映画に出演し、フィルモグラフィーは130本超を記録している。やはり最初はKバーラチャンダル監督に見いだされ、タミル映画に専心していたが、1990年代終わりごろから母語である(←と思うのだが、確認はできなかった)カンナダ語の映画にシフトしはじめ、サンダルウッドの中堅スターとして現在に至っている。劇場公開こそなかったが、日本語字幕付きDVDが流通した Rhythm (Tamil - 2000) で、ARラフマーンの名曲をバックにミーナちゃんの王子様として登場するシーンを見て微妙な感想を持った人も少なくないのではないだろうか。ま、いわゆるチョコレート・ヒーローからサイコな奴まで何でもこなす器用な役者だ。

監督デビューは Rama Shama Bhama (Kannada - 2005) で、以降の監督作5本もすべてカンナダ映画。全部を見たわけではないが、こじんまりとした作風で、手堅くまとめてきているという印象だった。ここにきて初のタミル映画、それもカマル・ハーサン主演のビッグバジェットものということで、さてどんな腕前を見せてくれるのか、かなり楽しみなのである。

俳優、監督の他に、TVショーのホストもこなす。カマル・ハーサンとは年来の友人であるという。脱力系(エアポート・ブックともいう)のエッセイ集の執筆もしている。公式サイトあり。

他に気になるスタッフとしては、プロデューサーとして中堅監督のリングサーミ、それから衣装デザイナーとしてカマルの現夫人で往年のヒロインであるガウタミの名前が挙がっていることか。

それから、トップ右の画像に掲げたマスク・プレイだが、これはケララ州で盛んなテイヤムと呼ばれている降神・憑依系の芸能であると説明されている。ありがたいことに、この芸能に関しては、日本語で呆れるほどに多くの紹介・研究ページが見つかる(一例としてここここなど)。こういう絵柄だからといって、これが8世紀のパートのものである保証はないのだが、見せ場の一つであることは間違いないだろう。そして、8世紀には、現在のケララ州もまた大タミル語地域の一部だったことを覚えておいても良いかもしれない。

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投稿者 Periplo : 21:13 : カテゴリー バブルねたtamil so many cups of chai
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2015年04月14日

レビュー:Ugramm

とめてくれるなおっかさん、腕のナラシンハが吠えているんじゃ。

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Director:Prashanth Neel
Cast:Sriimurali, Haripriya, Tilak Sekhar, Atul Kulkarni, Avinash, Jai Jagadeesh, Padmaja Rao, Manjunath Reddy, etc.

原題:ಉಗ್ರಂ (Ugramm)
タイトルの意味:憤怒 ※映画冒頭でこのように丁寧に説明される。’momentous anger induced by a great period of tolerance’ を一語で表すサンスクリット起源の言葉。本作自体は神話のストーリーとは無関係ではあるが、ウグラムとはそれだけでナラシンハの物語を想起させる語であるようだ。シュローカ全体の訳はこちら参照。

DVDの版元:Anand
DVDの字幕:英語
DVDの障害:特になし
DVDのランタイム:約131分
DVD 入手先:Kannada Store など。

参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2014/06/ugramm-kannada-2014.html
公式トレーラー:https://youtu.be/Vfi3bEWkG5Y

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【粗筋】
オーストラリア在住NRIのニティヤ(Haripriya)は母の墓に詣でるためにインドに帰国する。故地であるタラグワールに向かう途中で、彼女は一群のならず者たちに誘拐されるが、アガスティヤ(Sriimurali)という名のメカニックの男に助けられる。彼女を攫って殺害しようとする試みは、かつて密輸などの非合法活動に手を染めていたニティヤの父(Jai Jagadeesh)とギャング出身の政治家シヴァルドラ・リンガイヤ (Avinash)との間での因縁の争いに関係があった。

アガスティヤは母(Padmaja Rao)と暮らすコーラールの自宅にニティヤを匿う。ニティヤは助けてくれたアガスティヤに好意を持つが、やがてその過去を知ってショックを受ける。

無法者が支配する北カルナータカのムゴール地方に生まれたアガスティヤは、幼いころにギャング同士の抗争の中で父を失っていた。彼自身は平穏に生きることを望み、父の復讐を試みることはなかったが、ギャングとしての地位を確立したいと望む幼馴染みの親友のバーラー(Tilak Sekhar)のために、暴力沙汰に手を染めることになる。

有能なアガスティヤの力添えでバーラーは支配地域を着々と広げていく。しかし、組内部での緊張の高まりの中で、アガスティヤはバーラーの弟を殺してしまう。バーラーは彼を許さず、アガスティヤはギャング稼業から足を洗い、町を離れることになったのだった。

しかし、シヴァルドラの執念と、その息子ディーラージ(Atul Kulkarni)の野心とが、アガスティヤを再びムゴールの暴力の世界に引き戻すことになる。

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【主要キャラクター:キャスト】 ※上のイメージには本作のスチルからではないものも含まれる
■シュリームラリ:アガスティヤ
バンガロールの東約50kmのところにある小邑コーラールに母と共にひっそり暮らすメカニック、しかしその名だけでならず者を震え上がらせる過去を持った男。ひとたび戦闘モードに入ると敵無しの殺戮マシーンと化してしまう。演じるシュリームラリは10年超の芸歴を持ち、コンスタントに出演作があるにもかかわらず、本作の諸レビューは盛んに「カムバック」の語を使っていた。つまり、初期の数本のヒット以降それくらい鳴かず飛ばず状態が続いていたのだ。ラージクマール夫人パールヴァタンマの甥にあたり、血族ではないものの、ラージクマール王朝に連なる俳優ということになる。イトコのシヴァラージクマールやプニートとはタイプが違うものの、やっぱり鼻が目に飛び込んでくる。兄に同じく俳優のヴィジャイ・ラーガヴェーンドラがいる。本作の監督プラシャーント・ニール(これがデビューでそれまではIT技術者だったそうだ)は義理の兄弟にあたるという。
■ニティヤ:ハリプリヤー
オーストラリア・シドニーに住むNRIで、帰国早々に暴力沙汰に巻き込まれたところをアガスティヤに助けられ、匿われて共に暮らすうちに当然のこととして彼に惚れるようになる。ハリプリヤーもまた、南印4言語にまたがる10年近いキャリアの持ち主ながら、突破口となる大ヒットには恵まれずにいた。当網站でも出演作のレビューをあげておきながら、ヒロインへの言及は一切なし、って我ながら酷いもんだ。チッカバッラープラ出身の生粋のカンナダ女優、訓練をうけたバラタナーティヤムの踊り手でもあるという。
■バーラー:ティラク・シェーカル
ムゴール地方全体を支配下に置くギャングのドンになることを望み、友人であるアガスティヤに助力を求める。モデル出身のティラクはこれまで主として悪役を演じてきた。初期のインタビューはこちら
■シヴァルドラ・リンガイヤ :アヴィナーシュ
シーラを本拠地とする元ギャングの政治家。ニティヤの父との過去の争いを根に持ち、いまだに意趣返しの機会を窺っている。アヴィナーシュは舞台出身、80年代後半の映画デビュー以降300本以上に出演と言われる悪役・性格俳優。日本では、『チャンドラムキ』の祈祷師の役で登場済み。
■ディーラージ:アトゥル・クルカルニー
シヴァルドラの息子。政界で大物となる野心を持っており、そのためには非合法な手段をとることも厭わない。マラーティー映画界の知的な演技派という印象が強いアトゥル・クルカルニー(公式サイトはこちら)だが、実はカルナータカ州ベルガウム(ベラガーヴィ)の出身だと知って吃驚。ヒンディー、マラーティー、南印4言語で活躍するマルチリンガル俳優。日本では、ゲイ映画『マンゴー・スフレ』によって紹介済み。
■ニティヤの父:ジャイ・ジャガディーシュ
カルナータカ出身で今はオーストラリアに住むビジネスマン。インドにいたころには密輸などの非合法活動にたずさわっていた。ここで「密輸」と出てくるのは、たぶん1980年代にこの親父が悪さしてたってことなんだろうね。現在からは想像しにくい部分もあるが、90年代の改革開放路線前のインド映画では密輸王ってのは悪役の定番だったのだ。ジャイ・ジャガディーシュもまた息の長い活躍をしている俳優・プロデューサー。1960-70年代の巨匠プッタンナ・カナガル監督の元でアシスタントをしていたところを抜擢されて俳優となった。たぶんこれは抜粋でしかないのだろうけど、フィルモグラフィーはこちら

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【トリヴィアなど】
2000年代のカンナダ映画についてここで大上段に構えて論じる器量は当網站筆者にはないが、本作は典型的なカンナダ映画とは随分違った、突き抜けた一作と受け止められているようだ。これでカンナダ映画もひとつステージが上がった、などとはしゃいでいる連中も結構見受けられる。

確かに、ドン臭いストーリー、もっさりしたアクション、目を逸らしたくなるダンス、咀嚼困難なポエム等々といった、これまでのカンナダ映画によくみられた癖からは、見事なくらいに吹っ切れた、スタイリッシュでパワフルでスピーディーな130分だ。

その突出ぶりが最も顕著なのは、タミル・ナードゥ出身の名カメラマン、ラヴィ・ヴァルマンのカメラワークであることについては衆目が一致している。フィルモグラフィーを見てもその充実ぶりには唸らされる。日本公開作としては Phir Milenge [邦題:フィル・ミーレンゲー/また会いましょう]、Barfi! [邦題:バルフィ!人生に唄えば] などがある。

それから、物語の舞台が北カルナータカ(劇中で北カルナータカという言及はないし、ムゴールは架空の町であるようだが)というのも実は案外珍しい。あれこれと見てみても、カンナダ映画というのは大半が、バンガロール~マイソール~マディケリと、えーとそうだなシモガを結ぶ三角形とその周辺だけで完結してるんじゃないかと思えるところがある。北部・中部カルナータカが舞台になるのは珍しいし、また北部出身者を定型的な悪役として描くことも多い。まあ、ムゴールが悪のはびこる化外の地として描かれているという点では、カンナダ映画の伝統的な世界観を踏襲している訳だが。本作は、北部のグルバルガの町で初めて本格的にロケが行われたことを謳っている。前半部分を含むその他のロケ地としては、かつて金鉱で湧いた町コーラールのKGF(Kolar Gold Field)と呼ばれる荒涼とした跡地(時折他の映画のソングシーンなどにも登場する、こちら参照)、チンターマニ、ナンディ・ヒルズ、マイソールなど。

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投稿者 Periplo : 17:45 : カテゴリー バブルねたkannada so many cups of chai
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2015年04月10日

4月のマラヤーラム映画上映

モーハンラールと「女モーハンラール」の夢の競演、17年ぶり!というのにケララの皆さんが狂喜してる訳なのであります。

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Ennum Eppozhum (Malayalam - 2015) Dir. Sathyan Anthikad

原題:എന്നും എപ്പോഴും
タイトルの意味:Forever always
タイトルのゆれ:Enum Eppozhum, Ennum Eppolum, Ennum Eppozhum, Yennum Yeppozhum, etc.

Cast:Mohanlal, Manju Warrier, Innocent, Lena, Reenu Mathews, Jacob Gregory, Renji Panicker, Minon, Usha S Karunagapally, Baby Adhvaitha, Kalpana, Santhosh Keezhaattoor, Dileesh Pothen, Sreekutty Ramesh, Kozhikode Sarada, Ajith, Babu Anoor, Baiju, Antony, Kochouseph Chittilappilly, etc.

Music:Vidyasagar

公式サイト:http://ennumeppozhumthemovie.com/
公式トレーラー:https://youtu.be/bL5KBVY7lOw
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/_rIQPhPXUJ0

■日時:2015年4月18日、14:00開映(開場は12:00、別料金でのランチ提供あり、受付は13:00から、17:00前に終了)
■料金:大人1800円、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:未定(決まり次第追記)
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約147分、途中で15-20分程度のインターミッションあり
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※別料金で12:00からビリヤーニーのランチあり、インターミッションにはケララ風カツレツ+チャイの販売あり、どちらも映画と同時にオンライン予約可。

■主催者公式サイト:http://celluloidjapan.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/04/ennum-eppozhum-malayalam-2015.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームへの入り口はこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

【粗筋】
コーチンで有名女性誌の記者をしているヴィニート(Mohanlal)は、子供っぽい性格で、仕事にも熱心に打込むことなく、独身のままふらふらと日々を過ごしている。新しく編集長ポストに就いたカリヤーニ(Reenu Mathews)は、彼の仕事ぶりが気に食わず、実現困難なタスクを与え、その不履行を理由に彼を馘にすることを目論む。そのタスクとは、著名な弁護士で社会活動家でもあるディーパ(Manju Warrier)の独占インタビューをとること。次号に間に合うタイミングで彼女を捕まえられないととヴィニートは職を失うことになる。ディーパは離婚経験者で、7歳になる娘(Baby Adhvaitha)と二人で暮らしているが、多忙を極めているため、簡単には談話が取れないセレブとして有名だった。ヴィニートによるあの手この手でのディーパへの「追っかけ」の日々が始まる。

【主要キャスト】イメージは本作のスチルからではないものも混じっている
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■ヴィニートNピッライ(モーハンラール)
女性誌ワニタラトナムの編集部員。母親のコネで就いた現在の仕事が気に入らず、ダラダラと勤めている。
■ディーパ(マンジュ・ワーリヤル)
家庭裁判を専門とする弁護士。社会奉仕活動にも熱心。社会活動家としての彼女の姿には、この女性の影響があると監督が認めている。「女モーハンラール」と称されるマンジュ・ワーリヤルについては下記を参照。
■カリアチャン(イノセント)
ディーパの隣人。定年退職した元郵便局長。何かとディーパ母子の世話を焼く。マラヤーラム映画界のお笑い二代巨頭の一人、イノセントについてはこちらに書いた。
■ファラー(レナ)
ディーパの親友、ブティック経営者。既婚者だが夫の浮気が原因で別居中(離婚した?)。演じるレナについては、過去に注目の脇役としてここでちょっとだけ紹介した。その後も映画界でのプレゼンスは上がる一方で、ダイエットにも成功し、こんなことになっちゃってる。ヒロイン・デビューも遠くなさそうだ。
■カリヤーニ(リーヌ・マチュース)
女性誌ワニタラトナムの新任の編集長。ロンドン帰りのインテリ。ヴィニートの仕事ぶりが気に食わず、退職に追い込もうとしている。ドゥバイ育ちでエミレーツ航空スチュワーデス出身のリーヌ・マチュースは、2013年のデビュー以来、スローペースながら佳作に出演して注目度を上げている。実際にはまだ若く、高身長のモデル体型だが、これまでの出演作のほとんどが熟年俳優の妻役というのが面白い。インタビューはこちら
■マータン(ジェイコブ・グレゴリー)
ヴィニートのアシスタント兼カメラマン。ジェイコブ・グレゴリーについては過去にこちらに書いた。
■建設会社社長(ランジ・パニッカル)
GMビルダーズという会社のCEO。ディーパと対立している。ランジ・パニッカルは、シャージ・カイラースやジョーシといったベテランのマッチョな作風を得意とする監督たちと組んで脚本を担当してきた。マラヤーラム映画界では時々あることだが、個性的な顔立ちに目をつけられてカメラの前にも立つようになった。特に昨年からは俳優が専業状態になっている。
■ビンドゥ(カルパナ)
マラヤーラム映画界を代表するコメディエンヌ。マラヤーラム映画会のレギュラーの人ならば、Bangalore Days での、ぶっとんだオカン役を覚えているだろう。姉妹には南インド全言語圏で活躍するウルワシ(過去にこちらでちょっと紹介)、カラーランジニがいる(この過去の美人三姉妹っぷりを見よ!)。
■役名不詳(サントーシュ・キーラーットゥール)
大注目の脇役。来日もしたカマル監督による、ケララの左翼演劇界内幕を描いた秀作 Nadan (Malayalam - 2013) の冒頭の短い役でデビュー。いにしえの時代の伝説の女形俳優という役どころだった。舞台で台詞を口にしている場面を中心とした数ショットがあるだけの極めて限られた露出でありながら、インパクトは巨大なものだった。そう感じたのは筆者だけではなかったようで、それ以降、数こそ多くないものの印象的な脇役出演が続いた。20年以上の演劇界での経験をもつ新人、こちらに簡単な紹介がある。

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【釣り書き】
ケララ人の映画ファンには、一度愛したら愛し抜く、という傾向がどうもあるようだ。男優女優を問わず、歳相応に老けて体型が変わったり、駄作が続いたりしても、かつてアイドルとして仰いだ相手にはかなり寛大であるようなのだな。マンジュ・ワーリヤルの一連のカムバック劇を眺めていて本当にそう思った。

1979年生まれのマンジュは、1995年の Sakshyam の半ば子役のような役でデビュー、このとき17歳だった。以降、一年に5~7本程度のペースでヒロインをこなすようになる。もって生まれた童顔を生かした無垢な乙女の役もあったが、一転して鉄火肌な独り立ちした女性を演じてもド迫力だった。特に美人ではないし、スタイルが良かった訳でもないが、変幻自在に役になりきる(役を皮膚のように纏うとでもいったらいいか)ことでは群を抜いており、いま一つな脚本でもマンジュの芝居によって強引に観客を最後まで引っ張る力を持っていた。あまりに自然なので、凄い演技をしているということが分からない、そんなあり方から、Lady Mohanlal のニックネームで呼ばれることもあった。1999年、21歳ごろに、共演相手だったディリープと結婚し、惜しまれながら引退する。当時のディリープは、今と違って駆け出しの若造扱いだったので、名花マンジュを引退させたことで相当な批判や怨嗟を受けて、仕事を干されかかったりもしたようだ。足かけ5年間の芸能生活での出演作は20本、筆者も全部を見ているわけではないが、代表作を問われたら、シェイクスピアのオテロを翻案した Kaliyattam [邦題:神の戯れ] をひとまず挙げておきたい。

引退後はディリープとの間に一女をもうけ、芸能界の鴛鴦カップルとして家庭でのスナップが雑誌グラビアなどにしばしば見かけられたが、数年前から不穏な噂が流れ始めた。彼女が芸能界への復帰を熱望しているのにディリープがそれを認めないために夫婦仲は冷え切っている、マンジュが「この結婚は全てが間違いで無駄だった」と公言しているといったこと等々。2013年にまずテレビCM出演と舞踊公演(バラタナーティヤムではプロ級であるという)によって、公の場に姿を現し、翌年 How Old Are You で念願のカムバックを果たした。そしてこの一月に正式に離婚し、やる気全開。この HOAY、オフスクリーンでのマンジュのアグレッシブな姿が二重写しになるようなストーリーで、筆者などは若干退き気味だったのだが、かなりのヒットとなった。そればかりでなく、タミル・リメイク 36 Vayathinile ではジョーティカが、ヒンディー・リメイクではカージョールが、それぞれカムバックの第一作とするなど、何か全インド的な琴線に触れるものがあったのだと思う。今回のモーハンラールとの共演は1998年のKanmadam 以来の17年ぶり。ケララの皆さんの熱狂ぶりが上映の場でどんな形で出てくるかも楽しみの一つだ。

監督のサティヤン・アンティッカード(ファンサイトあり)は1980年代から活躍する人情譚の巨匠。ヒット作は枚挙にいとまがないが、たとえば T. P. Balagopalan M. A. (Malayalam - 1986) はモーハンラールのスーパースターへの道の重要な足掛かりとなった一作。庶民の人間模様を細やかに描くそのスタイルは現在もほとんど変わらない「安定の作風」。ニューウェーブ映画が全盛の現在でも、ファミリー客を中心とした観客の絶大な支持を受けており、本作も3月27日の封切り以降、あちこちでフルハウスを記録しているという。

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投稿者 Periplo : 23:45 : カテゴリー バブルねたkerala
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2015年04月09日

4月のJ-テルグ

テルグ映画界のクソガキ(褒めてる)、アッル・アルジュンのソロでの初見参だ。

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S/O Satyamurthy (Telugu - 2015) Dir. Trivikram Srinivas

原題: s/o సత్యమూర్తి
タイトルの意味:Satyamurthy’s son
タイトルのゆれ:S/O Satyamoorthy, S/O Sathyamurthy, SOS, Son of Satyamurthy, etc.

Cast:Allu Arjun, Upendra, Rajendra Prasad, Prakash Raj, Samantha Ruth Prabhu, Sneha, Adah Sharma, Nithya Menon, Brahmanandam, M S Narayana, Kota Srinivasa Rao, Rao Ramesh, Sampath Raj, Ali, Vennela Kishore, Surekha Vani, Sindhu Tolani, Mamilla Shailaja Priya, Pavitra Lokesh, Chaitanya Krishna, Amit Kumar Tiwari, Ileana D'Cruz, etc.

Music:Devi Sri Prasad

公式サイト(FB):https://www.facebook.com/SonofSatyamurthy
公式トレーラー:https://youtu.be/dpnENU952gc
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/I_OedGjNByY

■日時:2015年4月11日、14:00開映(17:00前に終映)
■料金:大人2500円(予約2200円)、5-15歳の子供1200円(予約1000円)、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約162分、途中で15分程度のインターミッションあり
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※別料金で13:00ごろからカレーランチ、またインターミッション中にインドスナックのケータリングあり。

■主催者公式サイト:http://www.indoeiga.com/
■主催者公式FB:https://www.facebook.com/pages/IndoEiga/387150801377796
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/03/so-satyamurthy-telugu-2015.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームへの入り口はこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

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【粗筋】
裕福なNRI実業家で博愛家でもあるサティヤムールティ(Prakash Raj)を父に持つヴィラージ(Allu Arjun)は、ヨーロッパ(?)で気楽に暮らしていたが、父の身に起こった椿事がきっかけとなって財産を失う。ウェディング・プランナーとしての職を得て働き始めた彼はサミーラ(Samantha Ruth Prabhu)と知り合い、喧嘩しつつも惹かれあうようになる。しかし彼女の父で、サティヤムールティの旧友でもあるサーンバシヴァ・ラーオ(Rajendra Prasad)は、今は貧乏になったヴィラージを婿としては認めない。彼は度を越した吝嗇家で、金以外の価値を認めないタイプの人間なのだ。サーンバシヴァは、サティヤムールティが過去に彼から土地を騙し取ったという虚偽の事件をでっち上げて、ヴィラージを娘から引き離そうとする。その土地は、今ではファクショニストのデーヴァラージ・ナーイドゥ(Upendra)の所有物となっていた。サーンバシヴァは、デーヴァラージを納得させて土地の権利を取り戻すことができれば、娘との結婚を許してもいいとヴィラージに告げる。

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【主要キャスト】イメージは本作のスチルからではないものも混じっている
■ヴィラージ・アーナンド:アッル・アルジュン
Yevadu での短い出演を除けば本邦初登場となるアッル・アルジュン。冠はスタイリッシュ・スター、愛称はバニー(恥ずかしーな)。チランジーヴィの血の繋がらない甥(メガスターの妻の甥)。祖父は1950年代から半世紀に渡って活躍したコメディアン、アッル・ラーマリンガイヤー。父はテルグ映画界の有力プロダクションであるギータ・アーツの総帥アッル・アラヴィンド。兄はお洒落映画マガジン South Scope の編集長からB級俳優に謎の転身をしたアッル・シリーシュ。イトコにラームチャラン・テージャ。縁続きの人名はまだまだ続くがこのくらいにしておこう。Gangothri (Telugu - 2003) で実質的なデビュー、以降(壊滅的だった2010年の Varudu を除く)11本の主演作はどれも着実なヒットとなっている。人生を舐めきったクソガキ的キャラを演じると上手い、テルグ名物の荒唐無稽アクションも綺麗に決める、そして何よりの強みはダンス。どのくらい上手いかは、プラブ・デーヴァーの主演で話題となった ABCD: Anybody Can Dance (Hindi - 2013) のパート2にゲスト出演が決まっているということからも察せられるだろう。当網站的に注目しているのはケララでの異常人気。見かけはマラヤーリーみたい、でもお洒落といい、ダンスといい、若手マラヤーラム俳優が持っていないものを備えている、というのが人気の元らしい。Mallu Arjun というニックネームを当人も喜んで使っているくらいだ。ボリウッド・ファンダメンタリストだったのにこいつにハマってサウスに転んだネットの有名人もいる。公式サイトはこちら
■デーヴァラージ・ナーイドゥ:ウペンドラ
あの Upendra [邦題:ウペンドラ] のウペンドラが脇役&悪役出演だ。主演格男優は他元語圏作品には出演しないというのが不文律(例外はスディープ)みたいになっちゃってるカンナダ映画界なのだが、ウッピーはときどきテルグ映画に顔を出す。そして何故かへ~んな詰まらない役のこともあるのだ。今回はどうなのか、ドキドキする。
■サーンバシヴァ・ラーオ:ラージェーンドラ・プラサード
パスティーシュ映画 Quick Gun Murugun (Hindi/Tamil/Telugu - 2009) で全国的に名前が知られるようになったラージェーンドラ・プラサードは、テルグ映画界では1980年代から活躍しているベテラン。チランジーヴィやバーラクリシュナと同世代ながら、一貫してユーモア映画のヒーロー(でありながら格としてはコメディアンではない)というユニークな地位を保ち続けてきた。
■サティヤムールティ:プラカーシュ・ラージ
カルナータカ出身、南インド4言語圏+ボリウッドを股に掛ける性格俳優、プロデューサー・監督としても意欲的な仕事をしているプラカーシュ・ラージ(ラーイ)についてはここ参照。
■サミーラ(スッバラクシュミ):サマンタ
ハエの恋人サマンタについては説明の必要もないでしょう、ってなもんだ。
■役名不明:ニティヤ・メーノーン
来日の記憶も新しいニティヤについてはこことか、ここで。オフビート系の意識高い映画にしか出ないのかと思ってたのに、ベッタベタのテルグ娯楽映画に出てきてくれちゃって吃驚よ。
■パッラヴィ:アダー・シャルマー
この中では唯一のボリウッド出身の役者。昨年に「南下」を始め、Heart Attack (Telugu - 2014) でテルグ映画界に確かな一歩を踏み出している。
■役名不明:スネーハ
タミル女優のイメージが強いスネーハだけど、テルグ映画でも着実な仕事をしている。こちら参照。
■その他
先日急逝したベテラン・コメディアンMSナーラーヤナ、ここ数年どこ行ってたんだ!?のシンドゥ・トラーニーなどなど、キャスティングへの興味は尽きない。

【釣り書き】
2013年の、テランガーナの分離にゆれて不安定だったテルグ映画界で雪崩的な大ヒットとなったAttarintiki Daredi を手がけたトリヴィクラム・シュリーニヴァース監督が、2年ぶりに送り出す新作。本作サブ・タイトルの ‘Viluvale Asthi’ (意訳だが、「(家族の)価値は財産に勝る」)から、前作と同じく家族間のエモーショナルな絆を描いたものと予想される。本日インドで封切られ、まずまずの評判だ。前作の紹介でも書いたが、トリヴィクラム監督のハッキリした作風は、まずなによりも「長い!」ということ。本作もしっかり162分に仕上げてきた。英語字幕付きでもこれに臨むにはかなりの気構えが要りそうだが、煌煌スターキャストに見とれていれば時間を忘れそうな予感もする。Barfi! [邦題:バルフィ!人生に唄えば] のセカンド・ヒロインだったイリヤーナーのアイテム出演を含むダンスシーンは、もちろんハイライトとなるだろう。

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投稿者 Periplo : 19:44 : カテゴリー バブルねたtelugu
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