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2015年08月08日

8月のJ-テルグ

るるるん、自転車乗って自分探し~
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Srimanthudu (Telugu - 2015) Dir. Koratala Siva

原題:శ్రీమంతుడు
タイトルの意味:Billionaire
タイトルのゆれ:Sri Manthudu, Srimantudu, Selvandhan(タミル語吹き替え版タイトル), etc.
※1979年の同名作とは無関係である模様

Cast:Mahesh Babu, Shruthi Haasan, Jagapati Babu, Rajendra Prasad, Sukanya, Ali, Vennela Kishore, Sivaji Raja, Amani, Angana Roy, Sanam Shetty, Tejaswi Madivada, Sampath Raj, Mukesh Rishi, Tulasi, Kadambari Kiran, Edidhi Sriramulu, Subba Raju, Rahul Ravindran (guest appearance), Poorna, etc.

Music:Devi Sri Prasad

公式サイト(FB):https://www.facebook.com/SrimanthuduTheFilm
公式トレーラー:https://youtu.be/dlvgG-hZ9xc (英語字幕つき)
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/4kYfcwZCbiw

■日時:2015年8月15日、13:45開映(開場は12:30ごろ、17:00ごろに終了)
■料金:大人2400円(予約2200円)、5-12歳の子供1200円(予約1000円)、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約163分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※別料金で上映前にランチあり、インターミッションにはスナックの販売あり。下の申し込みフォームからチケットと同時に予約可。

■主催者公式サイト:http://indoeiga.com/
https://www.facebook.com/pages/IndoEiga/387150801377796
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/08/srimanthudu-telugu-2015.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームはこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

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【粗筋】
ハルシャ・ヴァルダン(Mahesh Babu)は大富豪の実業家ラヴィカーント(Jagapati Babu)の息子で、学業を終えた後に実業界に入って父の跡を継ぐことを期待されていたが、彼自身は父から譲り受ける財産以外の理由で人々から尊敬を獲得できる人物になることを望んでいた。そんな日々に出会ったチャールシーラ(Shruthi Haasan)は、農村の開発について学ぶまじめな学生で、彼女に惹かれたハルシャは大学で同じ専攻に進むことにする。

その後、彼はチャールシーラと故地を同じくしていることを知る。その村、アーンドラ・プラデーシュ州北部のデーヴァラコータは現在深刻な問題を抱えていた。父にはヨーロッパ旅行に出かけると偽り、ハルシャはデーヴァラコータに乗り込み、村の問題に取り組むことになる。

【主要キャラクター/キャスト】イメージは本作のスチルからではないものも混じっている
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■ハルシャ・ヴァルダン(マヘーシュ・バーブ)
大富豪の一人息子の大学生。何不自由ない生活を保障されているが、自転車を好んで乗り回している。演じるマヘーシュについて、「この人誰ですか?」という向きはこちらなどお読みいただきたい。
■チャールシーラ(シュルティ・ハーサン)
女子大生。農村の近代化について学んでいる。シュルティ・ハーサンについて特に説明は要らないだろう。2012年の Gabbar Singh に始まり、J-テルグでの登場も4作目となる。Gabbar Singh の時には「色んな意味で話題を振りまきながらも今のところ大ヒットは飛ばしてない」などと書いたが、昨年の Race Gurram の大あたりなどで、現在は押しも押されぬテルグ映画界トップ・ヒロインのひとりと言っていいだろう。日本では『ラームが村にやってくる』によって紹介済み。
■ラヴィカーント(ジャガパティ・バーブ)
ハルシャの父で大富豪の実業家。息子が自分の跡を継いでビジネスをさらに拡大することを強く望んでいる。ゴルフ大好き。マヘーシュの親父役をやるにはちょっと若すぎやしないかい、というジャガパティ・バーブは53才。昨年末にやったラジニの Lingaa にも(かなり無理のある悪役だったが)登場していた。本作では、ロールスロイスが似合う奴を好演しているという。
■シャシ(サンパト・ラージ)
ヤクザあがりの地方政治家。現在も手下の荒くれたちをつかってデーヴァラコーンダの村で好き放題に振舞う。サンパト・ラージは主に悪役として活躍しているタミル人俳優。コラターラ・シヴァ監督の前作 Mirchi に続いての起用となる。

【その他のキャラクター/キャスト】
■ナーラーヤナ・ラーオ(ラージェーンドラ・プラサード)
デーヴァラコータに住む、チャールシーラの父。
■ヴェンカタラトナム(ムケーシュ・リシ)
中央政府の大臣。弟のシャシと結託する悪徳政治家。

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【釣り書き】
脚本家としてスタートし、デビュー作の Mirchi (Telugu - 2013) が好評だったコラターラ・シヴァ監督の第二作目。好評だったのに次作発表まで時間がかかったのも不思議だが、スーパースター・マヘーシュを主役に据えることができたのだからいい感じの流れなのだろう。かたやマヘーシュといえば、昨年の 1-NenokkadineAagadu の2本が散々なプロップだったので、正統的なヒーロー作品で失地挽回を図りたいところだったに違いない。8月7日に現地公開された本作は、幸いにしてかなりの好評で売り上げも上々のようだ。

豊かで恵まれた環境に育ったヒーローが、貧しい僻村の生活を向上させるために、色々なものを投げ打って尽くすというストーリーのあらましが公開前に流れ、チランジーヴィの Rudraveena (Telugu - 1988) やSRKの Swades (Hindi - 2004) などとのストーリーラインの類似が取りざたされたりしたものだった。公開後のレビューなどを読むと、確かに大筋は似ているものの、そこはテルグ映画なので、たっぷり大盛りのファイトシーンや、ラスベガスみたいな巨大セットでのダンスシーンも用意されていて安心だ。本作でのマヘーシュのトレードマークになっている自転車、大富豪の息子の質素さのシンボルとして現れるらしいのだが、実際のところかなりお高いものだという。田舎が舞台ってことで、久しぶりにマヘーシュにドーティを巻かせたりしたのも話題になったが、一方でスーパースターはトルソを見せることは頑なに拒否したとか、色々と面白いもんである。

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この村に誓うぞ、絶対に脱いだりするもんか~。

投稿者 Periplo : 23:26 : カテゴリー バブルねたtelugu
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2015年08月05日

カンナダ映画新作上映1508

ひんやりした映像でつかの間酷暑を忘れる、そんな予感のする一作。
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RangiTaranga (Kannada - 2015) Dir. Anup Bhandari

原題:ರಂಗಿತರಂಗ
タイトルの意味:Colourful Wave
タイトルのゆれ:Rangi Taranga, Rangi Tharanga, etc.

Cast:Nirup Bhandari, Radhika Chetan, Avantika Shetty, Saikumar, Ananth Velu, Arvind Rao, Siddu Moolimani, Shilpa Singh, Chetan Raj, Roshni Kore, Dinesh Siriyara, Shanker Ashwath, etc.

Music:Anup Bhandari, B Ajaneesh Loknath (BGM)

公式サイト:http://www.rangitaranga.com/
公式トレーラー:https://youtu.be/L8wWqg2oYiQ (英語字幕つき)
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/aKdO2u9lk7o

■日時:2015年8月22日、13:00開映(開場は12:00ごろ、16:30ごろに終了)
■料金:大人1600円(予約1500円)、5-12歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約149分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※ランチ、インターミッションのスナックの販売については決まり次第当欄に追記。

■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/08/rangitaranga-kannada-2015.html

※事前予約をお勧めします。東京カンナダ人会の会員以外の申し込みのフォームはこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。(8月21日追記:申し込みは締め切りました。当日券には余裕があります)

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【公式サイトに書いてある程度の粗筋】
小説家のガウタム(Nirup Bhandari)はタミルナードゥ州の保養地ウーティーで隠棲者のような生活を送っていた。彼が取り組んでいる小説のタイトルは「ランギタランガ(色とりどりの波)」、彼の過去につながりがある。たおやかで優しい妻のインドゥ(Radhika Chetan)は画家で、これまでの彼の全ての小説の表紙の絵を手がけてきている。

一方で、ジャーナリストのサンディヤーが登場する。彼女は「アナシュク」というペンネームしか分かっていない文筆家のことについて調査している。

予測していなかった展開から、ガウタムはトゥルナードゥのカマロットゥという村にあるインドゥの実家を訪れることになる。村では郵便局長のカーリンガ(Saikumar)、校長のシャンカラ(Ananth Velu)と親交を結ぶ。滞在中、ガウタムは幾つもの不可解な出来事に遭遇し、原因を知ろうとするが、村の有力者はなぜかそれを喜ばない。

そんな中、匿名の文筆家を追い続けるサンディヤーもまた、カマロットゥを訪れる。

【主要キャラクター/キャスト】イメージは本作のスチルからではないものも混じっている
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■ガウタム・スワルナ(ニルプ・バンダーリ)
カンナダ語で書く小説家。本作がデビューとなるニルプ・バンダーリはマイソール出身の30歳。監督であるアヌープ・バンダーリは兄。こちらにインタビューあり。
■インドゥ・スワルナ(ラーディカー・チェータン)
ガウタムの妊娠中の妻で、画家でもある女性。ラーディカーもまた本作でデビューの新人。なんでもニルプ・バンダーリの昔の職場の同僚だった人だそうだ。
■サンディヤー・バールガヴ(アヴァンティカー・シェッティ)
ペンネーム以外に一切の情報がないある文筆家について追いかけているジャーナリスト。アヴァンティカーも本作が映画デビュー。マンガロール出身で、つまりカルナータカ州人であるにもかかわらず、カンナダ語の台詞に苦労したとこちらのインタビューで語っている。
■カーリンガ・バット(サーイクマール)

ガウタムと親交を結ぶカマロットゥの郵便局長。新人が目立つキャストの中で唯一のベテランが、テルグ映画界出身のサーイクマール。本作での演技が絶賛されている。吹き替え声優から出発して、ポリスものの主役からヤングヒーロー映画の悪役まで何でもこなし、「ダイアローグ・キング」の異名をもつ。近年の代表作は Prasthanam (Telugu - 2010) あたりか。見た目そっくりな弟のラヴィシャンカル(以前にここでちょっと紹介)も現在はカンナダ映画で活躍する性格俳優。息子のアーディはテルグ映画界の新進ヒーロー。

【その他のキャラクター/キャスト】
■シルパ・ラーオ(シルパ・シン)インドゥの友達。2012年のミス・ユニヴァース・インド代表のシルパ・シンがゲスト出演。
■シャンカラ・マスター(アナント・ヴェール)カマロットゥ村の公立学校の校長。
■バサヴァラージ・ハーディマニ(アラヴィンド・ラーオ)サブ・インスペクター。カマロットゥ村の有力者であるマハーバラ・ヘグデの片腕。
■ガルナール・バーブ(チェータン・ラージ)マハーバラ・ヘグデの手下。
■ニレーシュ・ガウダまたの名をパーンドゥ(シッドゥ・ムリマニ)サンディヤーの親友。コミカルなキャラクター。
■パンチャミまたの名をパーンチャーリ(ローシニ・コーレ)サンディヤーの親友。ニレーシュの婚約者。

【釣り書き】
2013年の Lucia、2014年の UgrammUlidavaru Kandanthe に続いて、現地の映画好きが熱く盛り上がる無印映画が登場した。新人または新進監督(本作のアヌープ・バンダーリもまた米国帰りの元IT技術者にして、短編映画作家。今回が長編デビューとなる)、低予算、非スター・キャスト、映像重視(本作ではハリウッドからランス・カプランという人を引っ張ってきたことをウリにしている)という共通項を持つこれら作品群は、この先カンナダ映画を変えていくうねりの先駆けとなるのか、それとも特異なカルト作品としてひっそりと映画史の一角に名を残すのか。

しかしそんな小難しいことを考えなくても、英語字幕つき(カンナダ映画自主上映では初の快挙だ)で涼しげな映像を楽しみ、ホラーっぽい進展におびえ、途中のどんでん返しでびっくりしたりすればいいのではないかとも思う。

ちょっとぐらいは知っておいても良いと思われるのは、メインの舞台となるカルナータカ州沿海部のトゥルナードゥと呼ばれる地方のこと。実はこの地方がカンナダ映画に登場するのは、地理的な重要性と比較すると割と少ないのだ。トゥル語と呼ばれる独自の言語(マラヤーラム語に比較的近いのだという)を持ち、現在もこのトゥル語の映画が細々と作られていたりする。アイシュワリヤ・ラーイなどのラーイ姓、シルパ・シェッティなどのシェッティ姓の人々は、トゥルナードゥにルーツを持つ可能性が高い。作中にも登場するブータ儀礼もこの地方に特有のもの。

設定はトゥルナードゥで、実際の撮影地はバンガロール、マイソール、マディケリ、プットゥール、シラー、(船の登場するシーンで)ケララ州アレッピー、タミルナードゥ州ウーティーなど。興味深いのは、トゥルナードゥの古い屋敷として登場する建物が、ケララ州オッタッパーラムにあるヴァリッカーシェーリ・マナ(以前、まったく無関係な作品のロケ地として紹介した)であるらしいことなど。

カンナダ映画のニューウェーブ(となるかもしれない)作品に興味がある人、トゥルナードゥに惹かれる人、ホラー風味の作例は見逃したくない人などにお勧めの一作だ。

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投稿者 Periplo : 03:00 : カテゴリー バブルねたkannada
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