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2015年10月31日

11月のJ-テルグ:その1

バックに見える太鼓は Chandralekha [邦題:灼熱の決斗](Tamil/Hindi - 1948) の有名シーンへのオマージュなのではないかと思う。

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Rudhramadevi (Telugu - 2015) Dir. Gunasekhar ※今回上映は2D版

原題:రుద్రమదేవి
タイトルの意味:女主人公の名前
タイトルのゆれ:Rudramadevi, Rudrama Devi, Rudramba Devi, etc.

Cast:Anushka Shetty, Rana Daggubati, Allu Arjun, Krishnam Raju, Prakash Raj, Vikramjeet Virk, Suman, Adithya Menon, Nithya Menon, Catherine Tresa, Prabha, Vijayakumar, Vinod Kumar, Raja Ravindra, Ulka Gupta, Aditi Chengappa,Hamsa Nandini, Ajay, Baba Sehgal, Raza Murad, Jaya Prakash Reddy, Ravi Prakash, Ashok Kumar, Sivaj Raja, Uttej, Venu Madhav, Vennela Kishore, Raksha, Sana, Krishna Bhagavan, Chiranjeevi (narration), etc.

Music:Ilaiyaraaja

公式トレーラー:https://youtu.be/Fc0QmDnNy3U
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/dVQ6sSchS3k

■日時:2015年11月3日、13:45開映(12:30ごろランチ開始、17:00ごろに終了)
■料金:大人2400円(予約2200円)、5-12歳の子供1200円(予約1000円)、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約158分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※別料金で上映前にランチあり、インターミッションにはスナックの販売あり。下の申し込みフォームからチケットと同時に予約可。

■主催者公式サイト:http://indoeiga.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/10/rudramadevi-telugu-2015.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームはこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

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【粗筋、ではなく史書に現れるカーカティーヤ朝の略史】 
13世紀後半の南インドは、戦国時代と言ってもよく、パーンディヤ朝(現在のタミルナードゥ州南部)、ホイサラ朝(カルナータカ州南部)、カーカティーヤ朝(テランガーナ+アーンドラプラデーシュ州の要部)、ヤーダヴァ(セーウナ)朝(カルナータカ州北部とマハーラーシュトラ州)の4大勢力が覇権を争い、その他の小国家も、生き残りをかけて合従連衡を繰り返していた(こちらの地図を参照)。

オールガッル(現在のワランガル)を主邑としたカーカティーヤ朝の起源は、ラーシュトラクータ朝に連なる軍閥で、9世紀末または10世紀初頭ごろに、兵を引き連れて南東辺境部(テルグ語地域)に地方長官としてやってきたらしい。10世紀末になると、ラーシュトラクータ朝はチャールキヤ朝に押されて凋落し、現在のテランガーナ地域を支配するカーカティーヤは事実上の独立国となるが、同時に西チャールキヤ朝への服属によって安全保障を図っていた。

12世紀中葉にさしかかると、西チャールキヤ朝にも翳りが見え、カーカティーヤはルドラデーヴァ王(在位1158-95)の時代に完全独立国となる。ルドラデーヴァはオールガッルに堅固な城塞を建設し、国家の礎とする。後継者のマハーデーヴァ王(在位1196-98)は、短い治世にシヴァ派を熱心に保護した。

ガナパティデーヴァ王(在位1199-1262)の驚くほどに長い治世は、カーカティーヤ朝の黄金時代と言っていい。彼は武力による征服と平行して、服属を受け入れた小首長たちの娘との縁組によって領土を磐石のものとした。南のパーンディヤ朝との間で幾たびもの戦闘を繰り返しながら、沿海部への進出を果たし、現在のネッルール付近までを最大版図とした。

ガナパティデーヴァと正妻との間には男子が生まれなかったが、庶子を跡継ぎにすることを嫌い、娘のルドラマデーヴィ(在位1262-90、ルドランマ、ルドランバなどとも)をルドラデーヴァ・マハーラージャと名づけて男子として育て、自らの在位中から共同統治者として経験を積ませた。

ガナパティデーヴァの死後、ルドラマデーヴィが正式に王位を継承するに当たっては、親族からの反発も大きく、異母兄弟のハリハラデーヴァムラリデーヴァがクーデターを起こしたが、ルドラマはこれを平定した。即位したルドラマは、周辺国からの絶えざる侵略に応戦することで忙しかった。デーヴァギリ(現在のダウラターバード)を本拠地とするヤーダヴァ朝のマハーデーヴァ王はカーカティーヤの都オールガッルに脅威を与えたが、ルドラマによって撃退された。沿海地方の北部に対してはオリッサのガンガー朝が野心を見せていた。南部ではネッルールをめぐってパーンディヤ朝との攻防が続いた。

領域内でも不穏な動きが起きた。カーヤスタ(現在のラーヤラシーマ地方)の首長であるアンバデーヴァは、初めは忠実な臣下としてあったが、独立を求めるようになり、カーカティーヤの敵国であるヤーダヴァ朝やパーンディヤ朝と通じて叛乱を起こす。これを平定するための戦いに赴いたルドラマは、1290年(または1289年)にトリプラーンタカムの地で戦死した。

ルドラマは夫である東チャールキヤ朝の王族ヴィーラバドラとの間に二人の女子をもうけた。長女ムンマダンマの息子であるプラターパルドラが王位を継ぎ(在位1290-1323)、アンバデーヴァを打ち負かした。プラターパルドラは軍の改革などに意欲的に取り組んだが、デリーに勃興したトゥグルク朝のウルグ・ハーンの侵攻に屈し、捕囚先のデリーで自死した。これによってカーカティーヤ朝は滅亡する。

君主としてのルドラマは、名君とみなされていた。宰相に任せることなく自ら執務し、御前会議も仕切った。また、戦となれば躊躇うことなく出陣した。常に男装していたという。内政においては農業や対外貿易の振興に努めた。熱烈にシヴァ神を信仰していたが、他の宗派を圧迫することはなかった。有名なワランガルの千柱寺院は彼女の治世に完成したという。多くの小国の首長を配下に従えていたが、最も有能で忠実だったのはゴーナ・ガンナー・レッディで、彼はヤーダヴァ朝との戦いでバッラーリやラーイチュールをプラターパルドラが奪還するに当たって功があったという。
【主な参考文献】
A Concise History of South India: Issues and Interpretations (Noboru Karashima)
Medieval Andhradesa AD 1000-1324 (Somasundara Rao)

【主要キャラクター/キャスト】
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■ルドラマデーヴィ(アヌシュカ・シェッティ)
カーカティーヤ王家の正嫡に男子がいなかったために、ルドラデーヴァと名付けられ、男として育てられる。アヌシュカはこれまでに出演作が3本も自主上映されている。歴史大作で戦う女王を演じることになったのは、やはりArundhati (Telugu - 2009) での屹然とした女領主役の熱演があってのことなのではないか。一方で、女の園での戯れのシーンなどでは、サリー&宝飾店のCMかというほどのフェミニンな魅力も全開。こういう形で主演できる女優は、インド広しといえどもまだ少ない。
■ゴーナ・ガンナー・レッディ(アッル・アルジュン)
カーカティヤに服属する小国ヴェッダマニ(今日のテランガーナ南部)の君主で、危機にあるルドラマを助ける。この人物は歴史上実在し、1940年代に刊行された同名のテルグ語小説によって人々に記憶されているという。スタイリッシュ・スターという恥ずかしい冠タイトルをもつアッル・アルジュンだが、本作でのテランガーナ方言の台詞が高く評価されている。
■ヴィーラバドラ(ラーナー・ダッグバーティ)
ヴェーンギを主邑とする東チャールキヤ朝のニダダヴォール分家の王子。ルドラマと結婚する。ヴェンカテーシュの甥にあたるラーナーは、Krishnam Vande Jagadgurum で紹介済み。もしかしたら来年あたり劇場公開されるかもしれない Baahubali でも重要な役を演じている。

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■ムクタンバ(ニティヤ・メーノーン)
「王子」ルドラデーヴァに輿入れしてくる王女。これまでも何度か上映会でスクリーンに登場しているニティヤは、東京国際映画祭で『OK Darling』が上映されてファンを確実に増やした。本作でもかなり可愛く撮られているので、俄かファンも必見。※史実におけるルドラマの長女ムンマダンマに比定される。
■アナンビカ(キャサリン・トリーサ)
ゴーナ・ガンナー・レッディの妻で、ルドラマの親友。マラヤーリーのキャサリンは、デビュー後しばらくパッとしなかったが IddarammayilathoMadras によって注目を浴びた。
■マダニカ(ハムサ・ナンディニ)
多分重要なキャラクターではないと思うのだが、ハムサ・ナンディニは『マッキー』のえっちな人妻が印象的だったので載せておく。マダニカとは普通はこういうものを指すらしい。まさに嵌り役。

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■ガナパティデーヴァ王(クリシュナム・ラージュ)
ルドラマの父。カーカティーヤ王朝の最盛期の王。演じるクリシュナム・ラージュは1970-80年代のヒーロー俳優。弟のスーリヤナーラーヤナ・ラージュはプロデューサー。その息子で甥にあたるプラバースも人気俳優。
■シヴァ・デーヴァイヤ(プラカーシュ・ラージ)
ガナパティデーヴァとルドラマの2代に仕えた宰相。プラカーシュ・ラージもまた『OK Darling』に登場していた。また、この後の自主上映 Thoonga VanamTUFSシネマでの『カーンチワラム サリーを織る人』などドカドカ出演作がやってくる。
■マハーデーヴァ・ナーヤクドゥ(ヴィクラマジート・ヴィルク)
カーカティーヤと対立するヤーダヴァ朝の王。北インド出身でモデルあがりのヴィクラマジートについては、どっかで見たような顔だとしか思っていなかったが、『バードシャー テルグの皇帝』で日本のスクリーンにもデビュー済。公式サイトあり。

【その他】
■ハリハラデーヴァとムラリデーヴァ(スマン、アーディティヤ・メーノーン)
ガナパティデーヴァの側室の子で、異母姉妹のルドラマが王位を継承することを喜ばない二人の王子。
■アンバデーヴァ(ジャヤプラカーシュ・レッディ)
史実としては、この小国の君主が戦闘においてルドラマを斃した可能性が高い。しかし本作中ではあまり重要な役柄ではないらしい。あるいはルドラマに叛旗を翻す前の廷臣時代のみが描かれるのかもしれない。政治的な理由から、今日のラーヤラシーマを本拠地とした土侯を悪役として描くことが控えられたのではないか。同様に、史実においてはルドラマと激しく対立したパーンディヤ朝のジャタヴァルマン・スンダラ・パーンディヤも、タミル・マーケットへの配慮からか作中ではあまり活躍しないようだ。
■マルコ・ポーロ(ゲイリー・タントニー)
13世紀末に今日のアーンドラプラデーシュ沿海部のモートゥパッリを訪れ、ルドラマの統治を高く評価する文章を書いている。ボリウッドの吹き替え声優であるゲイリー・タントニーについてはここにインタビューあり。

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【トリヴィア】
バブーをさがせ!』 (Telugu - 1998) で知られるグナシェーカル監督の最新作。当網站では Arjun (Telugu - 2004) を取り上げたこともある。

CG、女性の主人公、歴史アクションなどなど、本作を語るにあたってのキーワードは沢山あるが、ここで注目したいのは「テランガーナ」。本作のヴィジュアルに多用されている千柱寺院ワランガル城砦の石門が、テランガーナ州のエンブレムにあしらわれていることから明らかなように、カーカティーヤ朝というのは、テランガーナ人にとって最も輝かしい栄光の時代であるのだ(ニザームの治めたハイダラーバード藩王国時代はどうかというと、左翼的なテランガーナ活動家からすると、むしろ批判されるべきものであるのだという)。

2014年6月、かつてのハイダラーバード藩王国の要部であるテランガーナは、インド29番目の州として、アーンドラ・プラデーシュ州からの独立を果たした。先祖を1956年のAP州成立以前の住民に遡ることができるテランガーナ人はおおむねこれを歓迎したが、56年以降にAP州の他地域から主としてハイダラーバードに移住してきた膨大な数の人々にとっては、市民としての地位までもが揺るぎかねない不安感をもたらしている。沿海アーンドラ&ラーヤラシーマ地方の住人の多くが猛反発したのは言うまでもない。

以前ここでクドクド書いたように、テルグ娯楽映画とは、本質的に「沿海アーンドラ人がハイダラーバードで作る、沿海アーンドラ人を主役に据えた映画」だった。テランガーナの市場としての重要性は無視できないものでありながら、映画の中でのテランガーナ人(方言によってはっきりと区別される)は、良くて背景、一般には悪役または笑われ役というものだった。

これまでテランガーナを自らの一部として疑うことがなかったところに、青天の霹靂としての分離を受け入れざるを得なかったアーンドラの映画人にとって、進むべき道はどちらにあるのか。能天気で娯楽一辺倒のテルグ映画界はしゅんとするのだろうか。この先のテルグ映画に、何らかの翳りがでてくるのか。そして新生テランガーナ州は、これまで自分たちを市場として以外に見ることなく、バカにしくさってきたテルグ映画界と袂を分かって第二トリウッドを作るのか。それとも双方の歩み寄りが始まるのか。10年単位のウォッチの一環として本作(御多分に洩れず、スタッフ・キャストのほとんどが沿海アーンドラ人または州外人である)に臨むというのも、あるいは面白いかもしれない。

投稿者 Periplo : 18:33 : カテゴリー バブルねたtelugu
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2015年10月24日

11月のマラヤーラム映画

文通、そして雨が重要なモチーフになっているという。

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Ennu Ninte Moideen (Malayalam - 2015) Dir. R S Vimal

原題:എന്ന് നിന്റെ മൊയ്തീൻ
タイトルの意味:From Yours Moideen(手紙の結びの文句)
タイトルのゆれ:Ennu Ninde Moideen, Ennu Ninte Moidin, etc.

Cast:Prithviraj, Parvathy Menon, Saikumar, Tovino Thomas, Bala, Sashi Kumar, Lena, Sudheer Karamana, Sudheesh, Sivaji Guruvayoor, Kalaranjini, Roshan, Surabhi Lakshmi, Indrans, Sija Rose, Subeesh Sudhi, Sneha Raj, Devi Ajith, Emine Salman, Shilpa Raj, Charutha Baiju, George Tharakan K J, Krishna Namboothiri, etc.

Music:M Jayachandran, Ramesh Narayan, Gopi Sunder

公式トレーラー:https://youtu.be/b_iPKIpiAm0
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/cJPqS-EelwM

■日時:2015年11月1日、14:00開映(12:00ごろランチ開始、13:00ごろチケット販売・引き換え開始、17:00ごろに終了)
■料金:大人1800円、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約167分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※別料金で上映前にランチあり、インターミッションにはスナックの販売あり。下の申し込みフォームからチケットと同時に予約可。

■主催者公式サイト:http://celluloidjapan.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/10/ennu-ninte-moideen-malayalam-2015.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームの入り口はこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

【粗筋】
1960年代のマラバール地方。コーリコード(カリカット)近郊のムッカム村に2つの名家があった。両家の当主、ウンニ・モイディーン・サーヒブ(Saikumar)とコッターッティル・マーダヴァン(Sasikumar)は宗教を異にしながらも親友同士で、村社会の中でもムスリムとヒンドゥーの友好的共存を態度で示し続けていた。ウンニ・モイディーン・サーヒブの息子モイディーン(Prithviraj)とマーダヴァンの娘カーンチャナマーラ(Parvathy Menon)は家族ぐるみの付き合いの中での幼なじみだったが、成長した二人が互いに恋心を抱いたとき、周囲の人々によって引き裂かれる。モイディーンは見合い婚を強いる父との口論の末、家を離れる。カーンチャナマーラは学業を中断させられ、家に軟禁される。いつか結ばれる日まで待つことを選択した二人は、信頼できる使用人の助けで文通を始める。そして20年近い年月が流れるが…。

【主要キャラクター/キャスト】イメージは本作のスチルからではないものも混じっている
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■モイディーン(プリトヴィラージ)
裕福なムスリムの家庭に生まれながら社会主義に惹かれて活動家となる。文学を愛好すると同時にサッカーに魅いられてもいる。演じるプリトヴィラージについては昨年の Kaaviya Thalaivan の時に書いた。一説には、本作のモデルとなった実在のカーンチャナマーラは、プリトヴィの主演を条件に映画化を許可したという。
■カーンチャナマーラ(パールヴァティ・メーノーン)
医者になることを目指して勉強する聡明なヒロイン。社会的な不正に対して果敢に声を上げる積極性の持ち主だが、保守的な家族の前に、夢を諦めさせられる。演じるパールヴァティは、Bangalore DaysUttama Villain で登場済み。空恐ろしくなるほどの演技の幅を持つ女優で、本作では上にあげた2作とは全く違うたたずまいで登場することが予想される。
■ウンニ・モイディーン・サーヒブ(サーイクマール)
「ムッカム村のスルタン」と称される名家の当主。熱心な国民会議派の支持者で、社会主義者となった息子にに激怒し、口論を絶やさない。マラヤーラム映画悪役二大巨頭の一人であるサーイクマールについてはこちらに書いた。
■パーットゥンマ(レナ)
モイディーンの母。終盤で大変重要なシーンがあるらしい。若返りに向けてフルスロットルのレナさんだが、今回は老け役。
■コッターッティル・セードゥ(バーラー)
カーンチャナマーラの兄弟。カーンチャナマーラの運命をなすすべなく傍観する。
■ムッカム・バーシ(スディール・カラマナ)
モイディーンの友人。
■アッチュ(トヴィノー・トーマス)
カーンチャナマーラに密かに恋する若者。
■コッタンガル・アチュダン(シヴァージ・グルヴァイユール)
カーンチャナマーラのオジ。
■その他
カーンチャナマーラの父役としてシャシクマールの名前がクレジットされているが、おそらくはタミル映画俳優兼監督のMシャシクマールではなくカンナダ俳優のシャシクマールが登場するものと思われる。[11.02追記]違いました、出てきたのはマラヤーラムのセミプロ俳優のASシャシクマール

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【釣り書き】
マラバール地方では大変有名で、しかも当事者が存命している実話に基づいたストーリーだという。

ムスリムとヒンドゥーという異なるコミュニティーに属していたため、愛し合いながら引き裂かれた二人は、駆け落ちか、親の定めた別の相手との結婚か、どちらか一つを選ばざるをえないと思われた。しかし結果として、「ただじっと時機を待つ」という第三の道が二人を導くことになる。離れ離れになった恋人をつないだのは文通というか細い糸だった。

文通というのは映画には馴染みにくいモチーフと思われるのだが、これに果敢に挑んだ作品も時に見つかる。当網站では過去に Pokkisham を紹介した(これもヒンドゥー&ムスリム・ロマンスだった)。文通もので、なおかつ実話に基づく近過去の歴史もの(1960年代から80年代という設定)という一筋縄ではいかない素材を、新人監督RSヴィマルがどのようにまとめ上げたのか、大変に興味深いところだ。なお、ヴィマルは2006年に、カーンチャナマーラに取材して、二人の恋物語を Jalam Kond Murivetaval というドキュメンタリーフィルムにして発表している。

本作もまた、ケララ州外で上映される全てのプリントに英語字幕がつくという(こちらのレビューによる)。今回はソングにも字幕が付与され、かなりレベルの高い出来であるという。良い方向性なので、なんとかこれがスタンダードになってほしいもんです。

投稿者 Periplo : 23:33 : カテゴリー バブルねたkerala
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2015年10月17日

10月のタミル映画上映:その3

「タミル映画ウィークエンド」の第二弾。こちらはロマンティック・コメディというふれこみ。イメージ写真を見るとちょっとロードムービー的な要素もあるように思えるが、どんなものか。

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Naanum Rowdy Dhaan (Tamil - 2015) Dir. Vignesh Shivan

原題:நானும் ரௌடி தான்
タイトルの意味:I'm a rowdy too
タイトルのゆれ:Naanum Rowdydhaan, Naanum Rowdy Thaan, Nanum Rowdy Than, etc.

Cast:Vijay Sethupathi, Nayanthara, Parthiban, Raadhika Sarathkumar, RJ Balaji, Anandaraj, Rajendran, Surya Vijay Sethupathi, etc.

Music:Anirudh Ravichander

公式トレーラー(英語字幕つき):https://youtu.be/dFjClp12gDI
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/dFjClp12gDI?list=PLDzvTFEtakc3nbaw-aBrxlRRfuofhqFfF

■日時:2015年10月25日、14:00開映(13:00ごろにチケット販売・引き換え開始、17:00ごろに上映終了)
■料金:大人2300円(予約2000円)、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約150分
■会場:千葉県市川市、イオンシネマ市川妙典(こちら参照)

■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/NRDMovie
■主催者公式サイト:https://peraichi.com/landingPages/view/x01ks
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/10/naanum-rowdy-dhaan-tamil-2015.html
※10月21日の本国公開後に追記予定

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームはこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

【粗筋】
今のところ不明。10月21日の本国封切り後に急いで追記するかも。

【主要キャラクター/キャスト】イメージは本作のスチルからではないものも混じっている

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■パーンディ(ヴィジャイ・セードゥパティ)
いわゆるカリスマ・アクション・スターではない。変幻自在の演技力で目の肥えたタミルの観客を虜にしつつある風雲児が、1978年生まれ37歳のヴィジャイ・セードゥパティ(VJS)。湾岸出稼ぎを含め各種の職を転々としたプレ芸能界時代+比較的長い下積み期を含む映画界での芸歴についてはウィキペディアに詳しい。2012年に PizzaNaduvula Konjam Pakkatha Kaanom の2本の成功によって最も注目されるタミル俳優のひとりとなった。個々の作品については、日本一のVJSファンであるTamilalagiさんのレビューを参照。
■カダンバリ(ナヤンターラ)
5月に上映された Masss Engira Masilamani では、脇役に近いような限定的な登場で肩透かしだったナヤンターラ。本作はヒロインとしての50本目になるそうなので、充実したキュートな演技を期待したい。また、タミル映画としては初めて台詞を自分の声でしゃべる(こちら参照)というのにも興味深々だ。
■キリヴァラヴァン(パールティバン)
以前マラヤーラム映画 Escape from Uganda のときにちょっとだけ紹介したパールティバン。「俺様だってラウディーだ」というタイトルからすると、この人が自他ともに認める正真正銘のラウディーを演じることになるのだろうか。
■婦警さん?(ラーディカー・サラトクマール)
80年代のトップヒロインの一人。熟年の大物俳優サラトクマールの夫人。2000年以降はTVドラマの世界で大忙しとなっている。日本で公開された「ジーンズ 世界は二人のために」ではヒーローの母親役を演じている。

【トリヴィア】
監督のヴィグネーシュ・シヴァンはこれが2作目となる新進。2012年に封切られたデビュー作の Podaa Podi は、悪い意味での壊れた映画で、興行的にも惨敗。脚本も自分で手がけたというシヴァンには、ちょっとカウンセリングでも受けたほうがいいんでないの?と言いたくなるほどの出来だった。なものだから、その名前は忘れてしかるべき、あるいは避けたほうがいい監督として覚えるべき、といういうくらいものだった。

しかし3年ぶりの本作が、ダヌシュ・プロデュース、VJS主演となると話は別だ。脚本の選定眼にかけてはかなり鋭いこの2人が関わっているということは、やはりタダモノじゃなさそうだ。そしてThani OruvanMaya と今年はヒット続きで絶好調のナヤンターラ、若手ミュージック・ディレクターとしてはトップクラスのアニルドも加わり、どんな世界が展開するのか、久々に予測がつかないワクワクの一作だ。

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投稿者 Periplo : 04:04 : カテゴリー バブルねたtamil
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2015年10月16日

10月のタミル映画上映:その2

「タミル映画ウィークエンド」の第一弾はヴィクラムのカーチェイス。

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10 Endrathukulla (Tamil - 2015) Dir. Vijay Milton

原題:10 எண்றதுக்குள்ள(パットゥ・イェントラドゥックッラと読む)
タイトルの意味:Before counting up to ten
タイトルのゆれ:Pattu Endrathukulla, 10 Yendrathukulla, 10 Enrathukulla, etc.

Cast:Vikram, Samantha Ruth Prabhu, Pasupathy, Rahul Dev, Abhimanyu Singh, Manobala, Ramadoss, Sampoornesh Babu, Charmme Kaur (special appearance), etc.

Music:D Imman

公式トレーラー(英語字幕付き):https://youtu.be/3vygWI0XK4E
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/OkycgSC9izE?list=PLHuHXHyLu7BEGXD00aUc1tUY4Wyvx3toc

■日時:2015年10月24日、14:00開映(12:30ごろにチケット販売・引き換え開始、17:00ごろに上映終了)
■料金:大人2400円、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約149分
■会場:千葉県市川市、イオンシネマ市川妙典(こちら参照)

■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/10EKTheFilm
■主催者公式サイト:http://celluloidjapan.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/10/10-endrathukulla-tamil-2015.html
※10月21日の本国公開後に追記予定

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームはこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

【粗筋】
公開前なので不明。ヴィクラムとサマンタのコンビが、インド亜大陸狭しと爆走し、悪の勢力(多分ラーフル・デーヴやアビマンニュ・シン)とも対決するコミック・ロード・アクションらしい。


【主要キャラクター/キャスト】 イメージは本作のスチルからではないものも混じっている

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■ジェームス・ボンド?(ヴィクラム)
「チェンナイ一の名ドライバー」であるヒーローを演じるヴィクラムについては特に説明も不要だろう。『神さまがくれた娘』が日本で公開されており、来日も果たしている。
■シャキーラ?(サマンタ)
ひとたびハンドルを握れば車も木に登る、という迷ドライバーのヒロインを演じるのは『マッキー』のサマンタ。今回は眼鏡で萌えさす作戦らしい。
■?(パシュパティ [パスパティとも])
頬にキス』の脇役などから出発したパシュパティは、もともと演劇界で鍛えられていた実力派。Virumaandi などでのハードコア悪役から、ラジニ映画 Kuselan でのような善意の市井人まで何でもこなす。本作では Mumbai Express でのようなとぼけた味わいも予想されるがどうだろうか。
■ゲスト出演(チャールミー)
テルグ映画界でブレイクしたパンジャーブ娘。一時期はちょっと太目になっちゃってマラヤーラム映画に都落ちまでしてたけど、昨年起死回生のダイエットで見事復活。本作では9分にもわたる長大なソングシーンに登場するという。

【トリヴィア】
GhajiniKaththi など、社会性をもった娯楽映画を得意とするARムルガダース監督は、プロデューサーとしても渋い仕事をしている。これまでは低予算ものが多かったそのARムルガダース・プロダクションズが、大スターのヴィクラムをフィーチャーして放つ期待作。

監督は期待の新鋭であるヴィジャイ・ミルトン。撮影監督として長いキャリアを持っているが、監督としては本作が第3作目。筆者は前作の Goli Soda しか見ていないのだが、チェンナイのこ汚い下町を舞台に、下層ミドルティーンの少年たちの生きるための闘いを軽快に描いた佳作。塵芥の散乱する市場の喧騒とずしりとしたリアリティのあるアクション、チェンナイの下町を舞台にしたタミル映画に特有のガラッぱちワールドが見事だった。演技派スターのヴィクラムと華やかなサマンタを配した本作でも、軽快なアクションとべらんめえのド突き合いを期待したい。

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投稿者 Periplo : 21:52 : カテゴリー バブルねたtamil
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2015年10月10日

10月のJ-テルグ

タイトルの由来はこの腕の彫り物(拡大図)。それ以外はあんまし関係ないと思う(多分)。だってシュリーヌ・ヴァイトラだぜ。

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Bruce Lee - The Fighter (Telugu - 2015) Dir. Srinu Vaitla

原題:బ్రూస్ లీ
タイトルのゆれ:Bruce Lee, BruceLee

Cast:Ram Charan, Rakul Preet Singh, Kriti Kharbanda, Brahmanandam, Arun Vijay, Sampath Raj, Nadhiya, Tisca Chopra, Brahmaji, Mukesh Rishi, Posani Krishna Murali, Sayaji Shinde, Rao Ramesh, Amitash Pradhan, Chiranjeevi (cameo appearance), etc.

Music:S Thaman

公式トレーラー:https://youtu.be/JdSSm6waqgc
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/NSMXka6ZKbM

■日時:2015年10月17日、13:45開映(開場は12:30ごろ、17:00ごろに終了)
■料金:大人2400円(予約2200円)、5-12歳の子供1200円(予約1000円)、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば160分未満(詳細分かれば後日追記)
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※今回はランチ、インターミッションのスナックの販売はなし。

■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/BruceLeeTheFighter
■主催者公式サイト:http://indoeiga.com/
https://www.facebook.com/pages/IndoEiga/387150801377796
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/10/bruce-lee-fighter-telugu-2015.html
※10月16日の本国公開後に追記予定

※事前予約をお勧めします。申し込みフォーム入り口はこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

【粗筋】
今のところ不明。10月16日の本国封切り後に急いで追記するかも。

【主要キャスト】イメージは本作のスチルからではないものも混じっている
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■ラームチャラン・テージャ
ネット上の僅かな情報によれば、スタントマンの役であるらしい。チランジーヴィの息子ラームチャランの映画をJ-テルグでやるのもこれで3作目。あまりにも重たい責務がその両肩にのしかかっているため、フィルモグラフィーの伸びがひどくゆっくりであることは以前書いた。しかし、ダンスの技量が確実に向上していることは見て取れる。演技でも、昨年の田舎ファミリー映画 Govindudu Andarivadele では、ちょっとした新境地に至ったのではないかとも思え、再びバリバリのアクションに回帰した本作で、どんな成長ぶりをみせてくれるかが注目点。
■ラクル・プリート・シン
ラクル・プリート・シンはデリー出身、ミスコン荒らしをしながら映画デビュー。1本を除き出演作はすべてサウス映画。これまでのキャリアは決して派手なものではないのだが、表情豊かでピチピチとした溌溂さを見ると、2,3年先あたりにサウスの女王を狙えるのではないかという予感もする。
■クリティ・カルバンダ
主人公の妹役らしい。クリティもまたデリー出身で、女優としてはサウス一筋。Googly など、これまではカンナダ映画でヒット作に出演してきた。
■アルン・ヴィジャイ
詳細は不明ながら、メインの悪役であるらしい。これは大変に期待させるテルグ映画デビュー。アルン・ヴィジャイはタミル映画界の名優ヴィジャヤクマールの息子で、1995年に俳優としてスタートを切った(当時の芸名はアルンクマールだった)。おっとり&もっさりしたお坊ちゃんタイプのヒーローまたはセカンドヒーローをマイペースでやってきたようなのだが、2012年から3年ものブランクを経て、今年 Yennai Arindhaal... で悪役としてカムバックしたのが大受け。体からも顔からも贅肉を削ぎ落として作りあげた悪役像にはかなりのインパクトがあった。本作でもおそらくは同じ流れのキャラクターになると思われる。インタビューもあり。

【トリヴィア】
バードシャー テルグの皇帝』の監督であるシュリーヌ・ヴァイトラの最新作。約一年前の前作 Aagadu も川口で上映され、なんだかすっかりお馴染み感があるヴァイトラ監督だが、トレードマークとなっている、湯水のように使われる大型予算、長尺、マシンガントーク、アイデンティティ詐称による入り組んだコメディなどの要素の「効き目」が薄くなってきている印象がある。本作においては、長尺と潤沢な予算に変わりはないものの、ラームチャランにベラベラ長口説をさせるとも思えないし、さりげない方向転換があるのではないかと予想されるのだが、どうだろう。

題名こそブルース・リーだが、昨今の南インド映画によくあるように、ラームチャランはバンコクに飛び、高名なスタント集団のもとで各種のマーシャル・アーツの訓練を受けたという。スタントマン役をやるのに、そのまたスタントマンに任せたら役者の名がすたるってもんだろうしね。

「さりげない方向転換」と上に書いたが、そうはいってもブラフマーナンダムの脳天直撃系のコメディを欠かすことはできないようだ。本作でのブラフミーの役名は、Suzuki Subramanyam というそうだ(悪寒)。

オマケとして超重要なのが、ラームチャランの父、メガスター・チランジーヴィのカメオ出演。思えば、メガスターの最後のスクリーン登場が、ラームチャランの2009年作品 Magadheera でのチラリ顔見せだった。カムバックとしての150本目の主演作への取り組みも発表され、準備体操を始めてもいいころだ。本作でのカメオは3分とも15分とも言われ、はっきりしない。あまり期待しすぎないように気をつけて期待して臨みたい。

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お父ちゃんと一緒にオーディオ・リリース。

投稿者 Periplo : 04:02 : カテゴリー バブルねたtelugu
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2015年10月09日

10月のマラヤーラム映画上映

Janapriya Nayakan (much loved hero)、皆様のディリープの初登場でございますよ。

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Life of Josutty (Malayalam - 2015) Dir. Jeethu Joseph

原題:ലൈഫ് ഓഫ് ജോസൂട്ടി

タイトルの意味:ジョースッティは主人公の名。ケララのクリスチャン男性に多い名前「ジョース」に指小詞「クッティ」(男女どちらにも使われる。中国語の阿に近い感じか)が続き、つづまって発音されるようになったもの。マラヤーラム人名にはこういうのが結構多い。

Cast:Dileep, Rachana Narayanankutty, Jyothi Krishna, Renjini Rupesh, Aqsa Bhatt, Suraj Venjaramoodu, Sunil Sukhada, Saju Navodaya, Sasi Kalinga, Hareesh Perady, Krishna Prabha, Sudheer Karamana, P Balachandran, Nobi, Chembil Asokan, Nandu Pothuval, Vijayakumari, Santhakumari, Nayanthara (cameo appearance), etc.

Music:Anil Johnson

公式トレーラー:https://youtu.be/ukIgWoDnBtc
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/Sg2ZVYA8SBY

■日時:2015年10月18日、14:00開映(12:00ランチ開始、13:00チケット販売開始、17:00頃終了)
■料金:大人1800円、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約166分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※別料金で上映前にランチあり、インターミッションにはスナックの販売あり。下の申し込みフォームからチケットと同時に予約可。

■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/LifeOfJosutty
■主催者公式サイト:http://celluloidjapan.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/09/life-of-josutty-malayalam-2015.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームはこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

【50%ぐらいの粗筋】
ケララ中部の山岳地帯イドゥッキの農家に生まれたジョースッティ(Dileep)は、幼い時分には聖職者になりたいと望んでいたが、近所の女の子ジェシー(Rachana Narayanankutty)に恋心を抱いたので、その夢を捨てる。父ジョーセフ(Hareesh Peradi)と母ショーシャンマ、二人の姉妹からなる5人家族の中で、ジョースッティは唯一の稼ぎ手となることを期待されるが、勉強が苦手で学校をドロップアウトしてしまったため良い勤め口もない。また、姉妹の持参金の調達問題も頭をもたげる。

家族の財政問題で首が回らないジョースッティが婿になることを望まないジェシーの父は、彼女を別の男に嫁がせてしまう。その後、縁あってジョースッティはロース(Jyothi Krishna)と結婚することになる。離婚経験のある彼女は、ニュージーランドで看護婦として働いており、ジョースッティは一緒にニュージーランドに渡り、主夫としての生活を始める。

【主要キャラクター/キャスト】 イメージは本作のスチルからではないものも混じっている
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■ジョースッティ(ディリープ)
本作で繰り広げられるジョースッティの人生は、10歳から40歳までに渡るという。演じるディリープは1968年生まれの46歳。同世代に同格のスターがいない孤独なナイスミドル。先輩二大スターマンムーティ&モーハンラールがあまりにも凄すぎて、ディリープ以外は生き残れなかったということであるようだ。本名はゴーパーラクリシュナン・パドマナーバン・ピッライ。この本名と、すかしたディリープという芸名の落差がしばしば揶揄の対象となる。「ケララの吉本」の側面も持つカラーバワン芸能学校の出身で、物まね芸人としてスタートした。その後映画の裏方修行に転じ、90年代前半に俳優としてデビュー。90年代後半からはヒーローに昇格し、Meesa Madhavan (Malayalam - 2002) などのヒットでトップスターの仲間入りをした。基本的な芸風は、愛嬌とペーソスを兼ね備えた若オッちゃん。しかし芸術映画などではシリアスな演技も難なくこなす。その出演作は安心して見られるファミリー映画と受けとめられており、平均的な出来のものでも安定してヒットとなる。先鋭的な映画ファンからはそれが嫌われ、お子様映画として激しい批判を浴びることも多い。ファン対アンチの争いが熱いのだ。私生活では、共演相手だった名花マンジュ・ワーリヤル(ここで紹介)と結婚して一女をもうけ、おしどり夫婦とみなされていたが、今年になって妻から三行半を突きつけられる形で離婚した。そんなディリープには、本作のストーリーは結構グッサリ来るものがありそうなのだが、それをどう演じるかが楽しみだったりする。
■ジェシー(ラチャナ・ナーラーヤナンクッティ)
ジョースッティの初恋の相手。ラチャナについては以前上映された Punyalan Agarbattis ですでに紹介済。
■ロース(ジョーティ・クリシュナ)
ジョースッティと結婚することになる看護婦。ニュージーランドに住むバツイチ女性。これまでは古風な女性を演じることが多かったジョーティだが、本作では現代的な女性像を見せてくれそうだ。
■ジョーセフ(ハリーシュ・ペーラディ)
ジョースッティの父。Left Right Left (Malayalam - 2013) で、鋼鉄のように非情で不動のコミュニスト・リーダーを演じて鮮烈な映画デビューを飾ったハリーシュは演劇界出身。悪役から無辜の草の根まで何でもこなす。本作の演技も高い評価を得ている。

【トリヴィア】
Drishyam (Malayalam - 2013) の爆発的なヒットによって、トップ監督の仲間入りをしたジートゥ・ジョーセフの期待の新作。Drishyamテルグカンナダヒンディータミルとリメイクのグランドスラムを達成した。しかし今作は打って変わって、スリルもサスペンスもどんでん返しもない、文芸的なものであるらしい。にもかかわらず9月24日の公開以来、堅調なヒットとなっているという。

主なロケ地はケララのイドゥッキ郡カッタッパナとニュージーランドのロトルア。外国を舞台にしたインド映画というのには、ただもう外国ではしゃいでるだけでストーリーがないものも多く、どうも身構えてしまうところもあるのだが、マラヤーラム映画では English (2013) や Kadal Kadannu Oru Maathukutty (2013) など、地に足の着いたリアリティのある作品も登場しつつある。

本作はボリウッドを中心に製作・配給を行ってきたエロスによる初のマラヤーラム語作品となる。それと関係があるのかどうか、こちらのレビューによれば、本作はケララ州外で上映される全てのプリントに英語字幕がつくという。これは根付いてほしい試みだ。

作品と無関係ながら注目されているのが、アシスタント・ディレクターとしてチームに加わっているプラナヴ・モーハンラール。あのモーハンラールの息子で、子役として映画賞を獲得するほどの演技をしたことがあり、望むならすぐにでもヒーロー・デビューのお膳立てがされるところだが、余裕の裏方修行中(ADとしては本作が二本目)。3300万ケララ人の熱い期待を背負いながらも涼しい顔でカチンコを打ってる姿が、本作の宣伝にもいくばくかの援護射撃となったようだ。

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投稿者 Periplo : 00:53 : カテゴリー バブルねたkerala
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2015年10月02日

10月のタミル映画上映:その1

まあ落ち着け、主演はヴィジャイだ。新規参入団体 Space Box による上映。

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Puli (Tamil - 2015) Dir. Chimbudevan

原題:புலி
タイトルの意味:Tiger
タイトルのゆれ:Pulee, Marudheeran(製作中の仮称)

Cast:Vijay, Sridevi, Sudeep, Shruti Haasan, Hansika Motowani, Prabhu Ganesan, Nandita Swetha, Vijayakumar, Thambi Ramaiah, Aadukalam Naren, Imman Annachi, Robo Shankar, Sathyan, Vidyullekha Raman, Jasper, Gayathri Raman, Ali(テルグ語版のみ), etc.

Music:Devi Sri Prasad

公式トレーラー:https://youtu.be/U9kCY9psgOc
全曲ジュークボックス:https://www.youtube.com/playlist?list=PLHuHXHyLu7BGpQAxH2k2BjEcNdx_UcpgP

■日時:2015年10月4日、14:00開映(13:00開場)
■料金:大人2500円(予約2300円)、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約154分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※別料金で上映前にランチあり、インターミッションにはスナックの販売あり。下の申し込みフォームからチケットと同時に予約可。

■主催者公式サイト(FB):https://www.facebook.com/spaceboxjp
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/09/puli-tamil-2014.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームはこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

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【前半の粗筋】※人名・地名は各種レビューから拾ってきたので多少or全然違うかもしれませんです。
いつともしれない昔、ヴェーダーラム(=phantom)国は邪な女王ヤーヴァナー(Sridevi)と腹心の司令官ジャラダランガン(Sudeep)によって支配され、民はその暴虐に苦しんでいた。一方、のどかな村ヴァイラナルールでは、孤児でありながらヴェーンブナーダン(Prabhu Ganesan)によって慈しまれて育ったマルディーラン(Vijay)が恋人パヴァラマッリ(Shruti Haasan)と共に楽しく暮らしていた。しかし、ヴェーダーラムの兵士によって養父が殺され、パヴァラマッリが誘拐されたため、マルディーランは兵卒に身をやつしてヴェーダーラムの主邑に乗り込む。そこで彼はヤーヴァナーの娘であるマンダーキニ王女(Hansika Motowani)に出会う。

【主要キャスト/キャラクター】
■ヴィジャイ(マルディーラン)
生まれてすぐに川に流され、どんぶらこと漂っているところを村人に見つけられた孤児。こってりファンタジーな本作の主要キャスト中で、ヴィジャイだけ首から上の見た目の役作りが(カラコンを別にすれば)あまりにあっさりしているのがずっと気になっていたのだが、本編を見れば何か深い訳が分かるのかもしれない、楽しみだ。
■シュリーデーヴィー(ヤーヴァナー)
ヴェーダーラム国の女王。裏取りはされていないが、今回シュリーデーヴィーは自分の声でタミル語の台詞をしゃべっているという。『マダム・イン・ニューヨーク』(2012)のタミル語版を別にすれば、26年ぶりのタミル映画出演になるという。現地公開初日のレビューではキャストの中でもっとも高く評価されている。その「夜の女王」風の衣装はマニーシュ・マルホートラが担当。
■スディープ(ジャラダランガン)
猫背にザンバラ髪の落武者みたいだが、最凶の悪役であるという。超能力を持ち、女王ヤーヴァナーを傀儡のように扱い、欲しいままに振舞う軍司令官。『マッキー』(2012)でファンを増やしたスディープは、ヒーロー格俳優が他言語作品に出演しないのが不文律となっているカンナダ映画界で、ウペンドラと並んで例外的かつ意欲的に越境出演を行っている。
■シュルティ・ハーサン(パヴァラマッリ)
ヴァイラナルールの村娘。マルディーランの恋人。
■ハンシカー・モートワーニ(マンダーキニ)
ヤーヴァナー女王の娘。マルディーランに惚れる。

【トリヴィア】
監督のシンブデーヴァンは漫画家出身で、映像作家としてはいわゆるパスティーシュを得意とする。フォークロアや西部劇など、今日では流行らなくなったジャンルの約束事を持ち込んで、ユーモア映画を作るというのをやってきた。当網站では Imsai Arasan 23rd Pulikecei (Tamil - 2006) と Irumbu Kottai Murattu Singam (Tamil - 2009) を紹介した。これらは必ずしも低予算映画というわけではないのだが、パスティーシュにふさわしい、B級感あふれるキャスティングによる隙間映画みたいなものだったのだ。それがここにきていきなりマルチスターの大作、その手腕に大いに注目が集まっている。

また、進化したVFX技術を伴ってのフォークロア・リバイバルとしての本作の意味にも注目したい。現代的なロジックに貫かれた作品が優勢となりつつあるインド映画において、「ヒーローだから強い」「魔法だからなんでもできる」が所与のこととされている物語世界が観客を虜にできるのか、あるいは時代の変化に応じた何らかの新機軸・新解釈が加わっているのか、興味はつきない。

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投稿者 Periplo : 02:09 : カテゴリー バブルねたtamil
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