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2015年11月29日

12月のマラヤーラム映画上映

どっ、どんな映画なんすか(震)というような画像を選んでみた。

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Su..Su...Sudhi Vathmeekam (Malayalam - 2015) Dir. Ranjith Shankar

原題: സു..സു...സുധി വാത്മീകം
タイトルの意味:主人公の名前
タイトルのゆれ:SU SU, Su Su Sudhi Vathmeekam, Su Su Sudhi Valmeekam, Su..Su...Sudhi Vathmikam, etc.

Cast:Jayasurya, Sshivada Nair, Mukesh, Aju Varghese, Sunil Sukhada, T G Ravi, KPAC Lalitha, Ranjith Sankar, Tara Ranjith Sankar, Advaith Jayasurya, Swathy Narayanan, Irshad, Anson Paul, Muthumani, Arjun Nandakumar, Gokulan, etc.

Music:Bijibal

公式トレーラー:https://youtu.be/TVUMGkJh_9o
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/y8K6Y_s0TQ0

■日時:2015年12月6日、15:00開映(当日券販売および予約チケットの引き換えは14:00頃から開始、映画は18:00前に終了)
■料金:大人1800円、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約134分
■会場:千葉県市川市、イオンシネマ市川妙典(こちら参照)

■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/Su.Su.SudhiValmeekam/
■主催者公式サイト:http://celluloidjapan.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/11/sususudhi-vathmeekam-malayalam-2015.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームの入り口はこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

【ネタばれ度30%程度の粗筋】
パーラッカード地方に生まれ育ったスディ(Jayasurya)は幼少時から吃音に悩み、強いコンプレックスを抱えて成長した。家族や親友は彼を温かく見守ったが、それ以外の人々は容赦なく侮蔑やからかいを浴びせた。結婚相手を探す年頃となったスディは、見合いで一番最初に対面した相手と結婚するとひとりで決めていた。その最初の見合い相手のシーラ(Swathy Narayanan)は、彼の問題を知ったうえで結婚を承諾するが、式が間近になってきてから暗雲が立ち込める。

【主要キャラクター/キャスト】 イメージは本作のスチルからではないものも混じっている

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■スディ・ヴァートミーガム(ジャヤスーリヤ)
パーラッカード郡アーラットゥールに生まれ育つ。幼少時から吃音が理由で引っ込み思案だった。私立学校の会計事務員の職を得る。歌う時だけは吃音から解放される。主人公の20代から40代までを演じるジャヤスーリヤについては、ランジット・シャンカル監督と組んだ Punyalan Agarbattis (2013)、Apothecary (2014) とで紹介済み。大衆ヒーローよりは質の高い演技者を目指すという路線は変わらず、評価も年々高まっているが、まだまだ上には上が分厚くあるというのがマラヤーラム映画界。
■シーラ(スワーティ・ナーラーヤナン)
スディのお見合い相手。スワーティはTVのリアリティ・ショー出身の新人。
■カリヤーニ(シヴァダ・ナーイル)
スディのカウンセリングをするスピーチ・セラピスト。シヴァダは、ビデオ・ジョッキーをしているところをファーシル監督(あのファハドの父だ、昔は凄い人だった)の目に留まり、同監督の Living Together (2011) でデビューしたがパッとせず、本作が3作目となる。
■グレイガン・ダース(アジュ・ヴァルギース)
スディの親友。俳優志望だったが、スディが勤める学校で体育の教師となる。アジュ・ヴァルギースは、セルロイドの上映したマラヤーラム映画にいったい何度登場したかというくらいの脇役。この5月にやった Oru Vadakkan Selfie の時と比べて急激に肥えたようで、さすがはマラヤーラム映画界だ。
■ムケーシュ(ムケーシュ)
自分自身の役で登場。バンガロールからパーラッカードに向かう自家用車での移動中に、スディを乗せてその話を聴く。ムケーシュについては Peruchazhi のところで書いた。

【その他のキャラクター/キャスト】
■クルップ(イルシャード)
スディが勤める学校の事務局長。不正に手を染めている。
■ヴィジャイ・バーブ(アンソン・ポール)
スディが勤める学校のオーナー。
■スディの父(TGラヴィ)
■スディの母(KPACラリタ)
■ドクター(スニル・スカダ)
■シュリーデーヴィ(ムットゥマニ)
障碍児を育てるシングル・マザー。

【トリヴィア】
南インドの人名というのは色々と面倒で、固有名+苗字が基本の北インドと比べて、スタイルも多岐に渡っている。ヒンドゥー教徒の場合、神話由来が基本の固有名に地名、カースト名、父称、屋号、称号などがくっついてフルネームが大変なことになることもある(このこの本とか、面白いよ)。長々しい名前はしばしば頭文字に省略される。たとえば、タミル民族主義の父といわれるイーロードゥ・ヴェーンカタ・ラーマサーミ・ナーイッカルは、通常EVRと略記される。しかもそれを「イー・ヴイ・アール」とはせず、「イー・ヴェー・ラー」と読むのだ。上にリンクしたトレイラーの末尾で、ムケーシュが主人公に向かって「イニシャルなのか?」とたずねるのは、どもって繰り返した「スー・スー」ってのが長い名前の省略形に思えたということなのだ。こういう細か~い笑いのツボがおそらくは本作の肝となるのじゃないか。

セルロイド・ジャパン上映の記念すべき1作目だった Punyalan Agarbattis (2013)、そして Varsham (2014) と、これまで2本が紹介されたランジット・シャンカル監督の最新作。今回もまた、片隅に生きる普通の人々の人生模様を、ユーモアを交えてじっくりと見せてくれそうだ。近作の主人公は監督の友人の一人がモデルになっているという。それにしても、最近のマラヤーラム映画、1983PremamLife of Josutty と、コモン・マンの半生を描く地味大河ドラマみたいなものが妙にヒットしてるのが気になる。

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主要な舞台となるケララ州中部パーラッカード地方の風景描写も見どころのひとつとなるだろう。

投稿者 Periplo : 00:40 : カテゴリー バブルねたkerala
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2015年11月28日

12月のタミル映画上映:おかわり

( ^∀^ )ニコニコ(・∀・)ニコニコ(゜∀゚)ニコニコ(゜∀。)ニコニコ
ホラー予測は見事に外れた。しかしお勧め度マックスのコテコテ・シスコン&アクション映画っすよ。

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Vedalam (Tamil - 2015) Dir. Siva (Siruthai Siva)

原題:வேதாளம்
タイトルの意味:Phantom
タイトルのゆれ:Vedhalam, Vedaalam, etc.

Cast:Ajith Kumar, Lakshmi Menon, Shruti Haasan, Ashwin Kekumanu, Soori, Thambi Ramaiah, Sudha, Kabir Duhan Singh, Rahul Dev, Aniket Chouhan, Vidyullekha Raman, Bala Saravanan, Swaminathan, Mayilswamy, Kovai Sarala, 'Naan Kadavul' Rajendran, Appu Kutty, Rajkumar, Jasper, Ramesh Tilak, Yogi Babu, Meera Krishnan, Raviraj, Sriranjini, Mansoor Ali Khan, Avinash, Nagineedu, R N R Manohar, Kalairani, Sukran, etc.

Music:Anirudh Ravichander

公式トレーラー:https://youtu.be/z0cw4CKvV9k
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/faPJa2jgBAc

■日時:2015年12月5日、15:00開映(18:00ごろに終了)
■料金:大人2200円(予約2000円)、5-12歳の子供1200円(予約1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約152分
■会場:千葉県市川市、イオンシネマ市川妙典(こちら参照)

■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/vedalamofficial/
■主催者公式サイト:http://indoeiga.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/10/vedalam-tamil-2015.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームはこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

【ネタばれ度20%の粗筋】
最初はアジットの2002年の旧作 Red に似ているとも言われたが、公開近くなって、モーハンラールの Ustaad あるいはラジニの『バーシャ』のそっくりさんだという情報が流れた。実際のところ、フォーマットとしては『バーシャ』、見かけ上の役作りとしては Red から引き継いでいるように思えるが、両作品にはない面白さが溢れている。

ガネーシュ(Ajith Kumar)と妹のタミル(Lakshmi Menon)が、二人でコルカタに到着するところから物語は始まる。ガネーシュは自分自身にはこれといった目的もなく、タミルを志望する美術学校に入れるためだけにチェンナイからやってきたのだった。彼は差しあたっての生活のためにタクシー・ドライバーになる。実直な彼は、タクシー・ドライバーに対して呼びかけられたお尋ね者通報の依頼に応じて、警察に情報を提供する。そのことによって兄妹の平穏な生活に暴力が忍び寄ることになる。そして温和な彼の驚くべき過去も明らかになってくるのだった。

【主要キャラクター/キャスト】イメージは本作のスチルからではないものも混じっている。

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■ガネーシュ(アジット・クマール)
チェンナイからコルカタへ、妹とともに移り住む男。笑顔を絶やさず、腰が低い。しかし実は想像を絶する過去を持っている。タラ(おかしら)アジットについては、2月の Yennai Arindhaal... のところで書いた。
■シュウェータ(シュルティ・ハーサン)
ガネーシュに惹かれるおっちょこちょいな弁護士。2012年に「今のところ大ヒットは飛ばしていない」などと紹介したシュルティだが、その後の活躍はご存知のとおり。サマンタ、カージャルとならび、日本での上映で最多の顔見せを誇る女優になった。今作は親父様主演の Thoongaavanam とディーパーヴァリ公開の一騎打ちとなった。
■タミル(ラクシュミ・メーノーン)
ガネーシュの妹。絵を描くことが好きで、ガネーシュの手配で、コルカタにある芸術大学に入学する。ラクシュミ・メーノーンはケララ出身でマラヤーラム映画でデビューしたが、3作目のタミル映画 Sundarapandian でのヒロイン役が評価されて、タミル映画界に拠点を移した。1996年生まれの前途有望な19歳。
■アルジュン(アシュウィン・カクマヌ)
タミルに一目惚れする中産階級の青年。これまでのキャリアは全て脇役またはセカンドヒーローのアシュウィン君については、あまりよく分かっていないのだが、2013年の Idharkuthane Aasaipattai Balakumara で、大阪を舞台にしたソングシーンに登場してた。
■アビナイ(カビール・ドゥハーン・シン)
人身売買などの悪事に身を染める三人兄弟の真ん中。なんじゃこの縦長は?と思ったのだが、カビールは、なんとムンバイでモデルをしていた人なのだそうだ。今年テルグ映画でデビューしたばかりだが、来年公開されるパワン・カリヤーンやバーラクリシュナの大作にもメインの悪役としての出演が決まっているそうで、これからもちょくちょく拝むことになるかもしれない。

【その他のキャラクター/キャスト】
■ラトナ・バーイ(ラーフル・デーヴ)
悪役三兄弟の長兄。ムンバイのモデル出身のラーフル・デーヴについては、以前にここでちょっとだけ書いた。
■アニケト(アニケト・チャウハーン)
悪役三兄弟の末弟。ロン毛とグラサンでほぼ顔が分からないアニケトもまたムンバイのモデル。FBページ見てもやっぱロン毛+グラサンばっか。
■タミルの父(タンビ・ラーマイヤー)
盲目でありながら慎ましく和やかな家庭を築いていた家長。タンビ・ラーマイヤーは Mynaa での独特なユーモアで一躍売れっ子コメディアンとなった人。
■ゴーマティ(スダー)
タミルの母でやはり盲目。スダーお母さんはテルグ映画の常連。『バードシャー テルグの皇帝』では、亭主を青ざめさせるダンスを踊ってた。
■コルカタ・カーリー(ラージェーンドラン)
Naan Kadavul で衝撃のデビューをしたため、「ナーン・カダヴル」が芸名の一部となってしまったラージェーンドラン。もともとはスタントマンだった。こちらに短いインタビューあり。
■ラトナ・バーイの手下(アヴィナーシュ)
カンナダ映画界からはアヴィナーシュ。なんでこんな台詞もほとんどないような役で出てきたのかと訝しく思うのだが、イメージを裏切らない短い見せ場が用意されている。

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【釣り書き】
タイトルのヴェーダーラムは、サンスクリットの vetala に照応する語で、このヴェーターラは古代のヴィクラマーディティヤ王を狂言回しとした幽霊譚のアンソロジーを思い起こさせるものであるという。しかし本作にホラー要素は全くない。何をもって「化け物」としたのかはお楽しみ。

監督のシヴァ(シルッタイ・シヴァ)は、正統的なマサラ映画をこってりと仕上げる実力派。デビュー作の Souryam (Telugu - 2008) では、コメディの冴えが尋常ではなかった。初のタミル作品 Siruthai (Tamil - 2011) は、ラージャマウリのヒット作 Vikramarkuduここでちょっと紹介)のリメイクで、さすがにこれはオリジナルには及ばなかったが、この題名がシヴァ監督の冠タイトルになってしまったのは皮肉。もちろん一番重要なのは、やはりアジットをフィーチャーした Veeram (Tamil - 2014) だ。どこまでもアジットの魅力を引き立てつつ、コメディ、アクション、ロマンス、ファミリーセンティメントをこれでもかと詰め込みながらも散漫にはならず、品数の多いご馳走ミールスに仕立て上げた。同作は、批評家からはやや斜に構えた評を浴びつつも、同年のトップ5入りの売り上げを達成した。

シヴァ監督とアジットの二回目のコラボとなる本作でもマサラ路線は変わらないが、よりいっそうパワーアップした感がある。予想通り批評家からは結構な辛口の論評を受けたが、結局のところそれは、インテリにありがちな浅薄な進歩史観と文芸趣味を露呈しただけだったように思える(だから筆者はインド芸能メディアの星評価を全面的には信用しない)。カリスマ力をもった俳優が、あんなことしたりこんなことしたりするのを眺めるという、根源的な映画の快楽を無視してしまったら、どんなに難しい単語を羅列しても、インド大衆映画の本質からは外れたところに行ってしまう。歌わない踊らない映画が優れていて、マサラ映画が遅れて劣っている、というような単純なものではない。優れたマサラ映画もそうでないマサラ映画もある、という単純なものなのだ。

優れたマサラ映画である本作、劇中でのアジットの「子羊から妖魔への変容」シーンや、アニルドのアゲアゲのテクノ・クットゥは、やはり大画面+爆音で体験するのが望ましいし、周り中がタミル人だったらなおさら理想的だ。再上映が企画されたのはまたとないことであると思う。

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全編の6割以上がコルカタを舞台にした本作、しかしそのコルカタの描写は、ベンガル映画はもちろん、『女神は二度微笑む』などと比べてもかなり嘘臭い。けれど、イエローキャブ(トップのポスターの背景にもある)、ハウラー橋と並ぶ、もうひとつのコルカタ名物がクライマックスで登場するところでは、やはり天を仰ぎたくなった。

投稿者 Periplo : 23:54 : カテゴリー バブルねたtamil so many cups of chai
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2015年11月09日

11月のJ-テルグ:その2

あんたの顔、面白すぎじゃ!白菜のゆるキャラかい?という突っ込みは当然あると思うが、見どころはアクションとダンスだと思う。タミル映画 Vedalam との二本立て上映。

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Akhil (Telugu - 2015) Dir. V V Vinayak

原題:అఖిల్
タイトルの意味:主人公の名
タイトルのゆれ:Akhil The Power of Jua

Cast:Akhil Akkineni, Sayesha Saigal, Mahesh Manjrekar, Rajendra Prasad, Jayaprakash Reddy, Brahmanandam, Amyra Dastur, Vennela Kishore, etc.

Music:Anup Rubens, S Thaman

公式トレーラー:https://youtu.be/jXXz-Jo9cu8
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/G8d2SZpSlFE

■日時:2015年11月15日、17:00開映(20:00ごろに終了)
■料金:大人1800円(予約1500円)、5-12歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約130分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※本上映にあたってはディナーやスナックなどのケータリングはない。

■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/AkhilTheMovie/
■主催者公式サイト:http://indoeiga.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/11/akhil-telugu-2015.html
※11月11日の現地封切り後に追記予定

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームの入り口はこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

【粗筋】
現在は断片的にしか分からないし、リークと称するその断片の信憑性もあてにならないが、ファンタジー風味の加わったアクションらしい。トレーラーを見ても分かるように、ストーリーのかなりの部分がアフリカ(大雑把だな)を舞台にしているようだが、アートディレクターのASプラカーシュの証言が本当なら、ハイダラーバードに巨大なセットを設営し、アフリカ系エキストラ300人を動員して作り上げられたものであるという。なお、副題の「The Power of Jua」のジュアとは、スワヒリ語で太陽を表すものだそうだ。太陽に擬される神秘のボールをめぐっての、インディー・ジョーンズ的なアドベンチャーものが予想される。

【主要キャスト】 イメージは本作のスチルからではないものも混じっている。役名は一切不明。

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■アキル・アッキネーニ
アメリカ(またはヨーロッパ?)在住で観光ガイドをしている青年の役。何かしらの重要な使命を帯びてアフリカに向かうことになる。アキルはナーガールジュナの次男で、1994年生まれの21歳。子役を除くと、昨年の Manam がスクリーン・デビュー、そして本作がヒーロー・デビューとなる。異母兄のナーガチャイタニヤとは7歳違い。
■サイェーシャ・サイガル
アメリカに留学中の学生。休暇で訪れた観光地でアキルに会う。サイェーシャもまた本作でデビューの新人。ボリウッド俳優スミート・サイガルと女優シャヒーン・バーヌーとの間の娘。大オジ&大オバにディリープ・クマールとサイラ・バーヌーのカップル。つまりアキル同様に名門の芸能一家の新人ということになる。
■マヘーシュ・マーンジュレーカル
メインの悪役。ヒロインを誘拐するらしい。マヘーシュ・マーンジュレーカルはマラーティー映画界の出身で、監督もこなす才人。ヒンディー映画がメインの活躍の場。日本で一番知られているのは『ダバング 大胆不敵』でのヒロインのアル中親父の役か。テルグでなら、『無間道』のリメイク Homam でのヤクザの親分役がキモくて良かった。公式サイトもあり。

【関係者】 本編には登場しない(はず)。

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■ナーガールジュナ・アッキネーニ
アキルの父で、昨年ANRが没した後は名実ともにアッキネーニ家の大将となった。
■アマラ・アッキネーニ
アキルの母、ナーガールジュナが最初の妻と離婚した後に夫人となった。ベンガル人の父とアイルランド人の母の間に生まれ、1980年代後半の南印映画界ではかなり知られたヒロインだった。何が言いたいのかというと、つまりアキルの額と長首は、このお母さんから来ているのだ。
■二ティン(ニティン・クマール・レッディ)
本作のプロデューサー。父スダーカル・レッディが製作・配給業をやっていたことから役者を志望するようになり、2002年にヒーローデビュー、以後20本超に出演し、また2013年からはプロデューサーも兼業するようになって今日に至る。特筆すべき点は、この人が現在のテルグ映画界で、唯一の「テランガーナ人ヒーロー」と見なされていること。しばらく前にここで書いた、「テランガーナ映画」の長期ヲチの対象としては重要人物なのである。

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【釣り書き】
昨年5月に上映された、アッキネーニ一族の内輪映画 Manam は、低調だった同年のテルグ映画界では、質的にも売り上げ的にもトップランクの一作となった。輪廻を取り込んだ奇想天外なロマンスだけれど、4組のカップルの恋模様がキメ細やかで(圧倒的だったのはナーガールジュナのパートだったが)、さらに名優ANRの和やかな現世への別れのメッセージとも感じられる陽だまりの温気が全編を満たし、ワールドスタンダードなテルグ映画のひとつと言っていいものに思われた。ただひとつ、どん詰まりのラストシーンに満を持して登場するこのアキルのエピソードが、ちょっと咀嚼しづらかった人も多かったのではないだろうか。そこまでのワールドスタンダードが、一気に泥臭いテルグの御曹司歌舞伎になっちまったんだな。ただし、それはワールド側の観客の価値観であって、テルグ映画としてはあれが正しい姿であったのだと思う。

テルグ映画界で番をはる5つのファミリー(ナンダムーリ、アッキネーニ、コニデラ、ガッタマネーニ、ダッグバーティ)は、外からあれこれと言われながらも今も盤石。なぜここまで極端に梨園のようなあり方になってしまったのか、理由はよく分からない。ともかくテルグ映画界は今も大スター中心主義で回り続け、他の南印でそれぞれに生じているニューウェーブ的な現象も、NRI系映像作家の散発的なヒットはあるものの、うねりとなるほどではないのが現状だ。

そういうわけなので、名門ファミリーの息子のデビューにはやはり注目せざるを得ない。ナーガールジュナの次男アキルは、ミドルティーン時代から各種の行事(たとえば芸能界クリケットマッチや、オーディオお披露目式典など)に顔を出し、そのつどカメラにおさめられてテルグ人にとっては馴染みの顔であり続けた。それはつまり、この子が将来間違いなく親父の職業《スター》を継ぐという了解のうえでのことだったはずだ。そのような形で幼時から鍛えられているスター予備軍には、たとえばバーラクリシュナの息子モークシャグナなどもいる。

たぶん本作に臨むに当たっての見どころは、制度としてのスター世襲の枠組みの中で、アキルがどれだけの調教をされて登場してくるかということなのだと思う。「ローンチ・スペシャリスト」の異名をもつVVヴィナーヤク監督(2013年には撮影のために来日もしている)のお手並み拝見だ。

投稿者 Periplo : 01:01 : カテゴリー バブルねたtelugu
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11月のタミル映画上映:その2

タラ(おかしら)の頭のゴマ塩も一段と塩気が効いて2:8ぐらいになってきて、なんかスゲーって感じだ。テルグ映画 Akhil との二本立て上映。

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Vedalam (Tamil - 2015) Dir. Siva (Siruthai Siva)

原題:வேதாளம்
タイトルの意味:Phantom
タイトルのゆれ:Vedhalam, Vedaalam, etc.

Cast:Ajith Kumar, Shruti Haasan, Lakshmi Menon, Ashwin Kekumanu, Soori, Thambi Ramaiah, Kabir Duhan Singh, Rahul Dev, Aniket Chouhan, Vidyullekha Raman, Bala Saravanan, Swaminathan, Mayilswamy, Vasu Vikram, Kovai Sarala, M S Dhoni, 'Naan Kadavul' Rajendran, Appu Kutty etc.

Music:Anirudh Ravichander

公式トレーラー:https://youtu.be/z0cw4CKvV9k
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/faPJa2jgBAc

■日時:2015年11月15日、13:00開映(11:30ごろランチ開始、16:30ごろに終了)
■料金:大人2400円(予約2200円)、5-12歳の子供1200円(予約1000円)、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約152分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※別料金で上映前にランチあり、インターミッションにはスナックの販売あり。下の申し込みフォームからチケットと同時に予約可。

■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/vedalamofficial/
■主催者公式サイト:http://indoeiga.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/10/vedalam-tamil-2015.html
※11月10日の現地封切り後に追記予定

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームの入り口はこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

【粗筋】
具体的なストーリーラインは不明。最初はアジットの2002年の旧作 Red に似ているとも言われたが、公開近くなって、モーハンラールの Ustaad あるいはラジニの『バーシャ』のそっくりさんだという情報が流れた。眉唾だが、ホラー風味の作品だというもある。一番最後の説に期待したいところだが、どうなるか。

【主要キャラクター/キャスト】イメージは本作のスチルからではないものも混じっている。あと、人名・役柄は各種レビューから拾ってきたので多少or全然違うかも。

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■ガネーシュ(アジット・クマール)
チェンナイにすむドライバー。しかし、アンダーワールドの帝王でもあるという。タラ(おかしら)アジットについては、2月のYennai Arindhaal... のところで書いた。
■?(シュルティ・ハーサン)
ガネーシュの恋人となる弁護士??? 2012年に「今のところ大ヒットは飛ばしていない」などと紹介したシュルティだが、その後の活躍はご存知のとおり。サマンタ、カージャルとならび、日本での上映で最多の顔見せを誇る女優になった。今作は親父様主演の Thoongaavanam とディーパーヴァリ公開の一騎打ちとなり、親娘対決の行方が楽しみ。その対決を、日本に居ながらにして二日間で味わえるというのも贅沢。
■タミル(ラクシュミ・メーノーン)
ガネーシュの妹。絵を描くことが好きで、ガネーシュの手配で、コルカタにある芸術大学に入学する。ラクシュミ・メーノーンはケララ出身でマラヤーラム映画でデビューしたが、3作目のタミル映画 Sundarapandian でのヒロイン役が評価されて、タミル映画界に拠点を移した。1996年生まれの前途有望な19歳。
■?(アシュウィン・カクマヌ)
これまでのキャリアは全て脇役またはセカンドヒーローのアシュウィン君については、あまりよく分かっていないのだが、2013年の Idharkuthane Aasaipattai Balakumara で、大阪を舞台にしたソングシーンに登場してた。
■メインの悪役?(カビール・ドゥハン・シン)
なんじゃこの縦長は?と思ったのだが、カビールは、なんとムンバイでモデルをしていた人なのだそうだ。今年テルグ映画でデビューしたばかりだが、来年公開されるパワン・カリヤーンやバーラクリシュナの大作にもメインの悪役としての出演が決まっているそうで、これからもちょくちょく拝むことになるかもしれない。

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【釣り書き】
タイトルのヴェーダーラムは、サンスクリットの vetala に照応する語で、このヴェーターラは古代のヴィクラマーディティヤ王を狂言回しとした幽霊譚のアンソロジーを思い起こさせるものであるという。

監督のシヴァ(シルッタイ・シヴァ)は、正統的なマサラ映画をこってりと仕上げる実力派。デビュー作の Souryam (Telugu - 2008) では、コメディの冴えが尋常ではなかった。初のタミル作品 Siruthai (Tamil - 2011) は、ラージャマウリのヒット作 Vikramarkuduここでちょっと紹介)のリメイクで、さすがにこれはオリジナルには及ばなかったが、この題名がシヴァ監督の冠タイトルになってしまったのは皮肉。もちろん一番重要なのは、やはりアジットをフィーチャーした Veeram (Tamil - 2014) だ。どこまでもアジットの魅力を引き立てつつ、コメディ、アクション、ロマンス、ファミリーセンティメントをこれでもかと詰め込みながらも散漫にはならず、品数の多いご馳走ミールスに仕立て上げた。同作は、批評家からはやや斜に構えた評を浴びつつも、同年のトップ5入りの売り上げを達成した。シヴァ監督とアジットの二回目のコラボとなる本作でもマサラ路線は変わらないだろうが、噂通りに流行のホラー風味などが入ってきたら、また堪らないものとなりそうだ。

投稿者 Periplo : 01:00 : カテゴリー バブルねたtamil
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11月のタミル映画上映:その1

カマル御大もこの11月7日に61歳。しかしまあ、相変わらず御元気なことでなにより。下はテルグ語版 Cheekati Rajyam のポスター。

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Thoongaavanam (Tamil - 2015) Dir. Rajesh M Selva

原題:தூங்காவனம்
タイトルの意味:Sleepless Forest
タイトルのゆれ:Thoongavanam, Thoongaa Vanam, Thoonga Vanam, Thungavanam, etc.

Cast:Kamal Haasan, Trisha, Prakash Raj, Kishore, Asha Sarath, Sampath Raj, Yugi Sethu, Madhu Shalini, Uma Riyaz Khan, Jagan, Santhana Bharathi, Guru Somasundaram, etc.

Music:M Ghibran

公式トレーラー(英語字幕つき):https://youtu.be/zd_eRjhXPGE

■日時:2015年11月14日、14:00開映(当日券販売および予約チケットの引き換えは13:00頃から開始、映画は17:00前に終了)
■料金:大人2500円、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)、最前の2列については割引あり、メールにて問い合わせのこと
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約127分
■会場:千葉県市川市、イオンシネマ市川妙典(こちら参照)

■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/ThoongaavanamMovie/
■主催者公式サイト:http://celluloidjapan.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2015/10/thoonga-vanam-tamil-2015.html
※11月10日の現地封切り後に追記予定

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームの入り口はこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

【粗筋】
2011年のフランス映画『スリープレス・ナイト』の翻案であるという。残念ながら筆者はこの作品を見ていないのだが、←のリンク先での口上を読めば、大体の想像がつく。

【主要キャラクター/キャスト】イメージは本作のスチルからではないものも混じっている

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■CKディワーカル(カマル・ハーサン)
マフィアの輸送車から麻薬を強奪しちゃう薬物対策室オフィサー。しかし、その過程で相手に正体を知られてしまい、息子を人質にとられたため、ただ一人でマフィアと対決することになる。5月上映の Uttama Villain で感銘を与えたカマル・ハーサンは、その後 PapanasamDrishyam のタミル・リメイク)でもヒットを飛ばし、本作が今年3本目の主演作となる。いったいどうした、と言うくらいの大車輪ぶりだが、来年に控えた大作 Vishwaroopam 2 のための資金作りなのかもしれない。有卦期の勢いに期待。
■マッリカー(トリシャー)
警察官。トリシャーについては今年はじめ時点では「結婚間近」と書いたが、その後破局したらしい。現在も元気にバリバリ出演中。本作では甘さ控えめのシャープなキャリアウーマンの姿を見せてくれそうだ。
■ヴィタル・ラーオ(プラカーシュ・ラージ)
麻薬取引で利益を上げているマフィアのボス。プラカーシュ・ラージは近年色々と芸域を広げてきているが、Pokiri でのような、本領発揮の脂ぎった悪役が久しぶりに拝めるのではないかと思うと楽しみだ。
■モーハン(キショール)
役柄は不明ながら、キーロールであるという。キショールはカンナダ映画界からやってきた性格俳優。タミル映画ではカバディ映画 Vennila Kabadi Kuzhu のコーチ役で名前が知られるようになった。カンナダ映画 Attahasa では、あのヴィーラッパンを演じたり、面白い活躍をしている。
■ペーダ・バーブ(サンパト・ラージ)
ローカルのギャング。
■?(アーシャ・シャラト)
これまでに、DrishyamVarsham の2本のマラヤーラム映画で紹介済みのアーシャは、Papanasam でタミル映画デビューし、そして本作と立て続けにカマル作品に出演することになった。

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【釣り書き】
以前にも書いたが、カマル・ハーサンは、プロデューサーや監督に全てを任せて指示に従うタイプではなく、通常主演俳優に求められる以上に深く深く製作にタッチして自らの刻印を押す傾向がある。プロデューサー・脚本家を兼任する本作は言わずもがなだ。監督のラージェーシュMセルヴァは、これまで低予算作品を一本撮っただけで、その後も第二監督だのチョイ役だのを続けている人らしい。なので、やはり本作もカマルが全部仕切ってる映画と考えたほうがよさそうだ。トレイラーを見ると、かなりスタイリッシュに仕上がったスリラーに思える。102分の原作から127分のリメイクができた訳だが、このラインタイムはタミル・メジャー映画としてはかなり切り詰めたものだろう。25分の膨らみの部分に入るのは、ソング&ダンスなのか、家族センティメントなのか、興味深い。

投稿者 Periplo : 00:54 : カテゴリー バブルねたtamil
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