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2016年01月14日

1月のマラヤーラム映画上映

幸せを振りまきながら風のように吹き抜けていく男、追いかけるヒロイン。マラヤーラムのニューウェーブが生み出した、奇跡のような中二病映画(←もちろん褒めてる)。

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Charlie (Malayalam - 2015) Dir. Martin Prakkat

原題:ചാർലി
タイトルの意味:登場人物の名前

Cast:Dulquer Salmaan, Parvathy Menon, Aparna Gopinath, Nedumudi Venu, Chemban Vinod Jose, Soubin Shahir, Neeraj Madhav, P Balachandran, Kalpana, KPAC Lalitha, Seetha, Ramesh Pisharody, Jayaraj Warrier, Surjith, Renji Panicker, Joy Mathew, Tovino Thomas, Nasser, etc.

Music:Gopi Sundar

公式トレーラー:https://youtu.be/oYxtLNJJ54Y
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/K0eSCmqjp8M

■日時:2016年1月24日、15:00開映(当日券販売および予約チケットの引き換えは13:30頃から開始、映画は18:00前に終了)
■料金:大人1800円、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕:英語
■上映資材:DCP
■上映時間:約130分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※別料金でインターミッションにはスナックの販売あり。下の申し込みフォームからチケットと同時に予約可。

■主催者公式サイト:http://www.celluloidjapan.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2016/01/charlie-malayalam-2015.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームの入り口はこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

【粗筋】
グラフィックデザイナーのテッサ(Parvathy Menon)は、独立心に富んだ女性で、母親(Seetha)が強いる見合い婚を嫌い、バックパッカー+ヒッチハイカーとしてバンガロールからコーチンにやってくる。フォート・コーチンで見つけた奇妙な古アパートは、前の賃借人が住んでいた時のままに保たれていた。テッサは、残された数々の痕跡から、チャーリ(Dulquer Salmaan)と呼ばれるその住人に興味を惹かれ、彼を知る人々を訪ね歩き、いつしか彼を追いかけて旅に出ることになる。

【主要キャラクター/キャスト】 
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■チャーリ(ドゥルカル・サルマーン)
住所不定、携帯電話ももたず、時折マジシャンとして仕事をしながら漂うように生きている男。どうやらクンニッカ(Kunjikka)という愛称がファンの間で定着したらしいドゥルカル・サルマーンは『OK Darling』ですでに日本デビュー済み。セルロイドの上映では Bangalore Days が好評だった。甘やかされた金持ちのボンという、これまでの決まり役から離れた本作での演技が大変高く評価され、最高傑作とも言われている。
■テッサ(パールヴァティ・メーノーン)
自分の兄弟が結婚するに当たって、ちょうど良いとばかりにその花嫁の兄弟との結婚をお膳立てされたのに腹を立てて家を飛び出してしまう、自立心旺盛なヒロイン。パールヴァティも Bangalore Days でドゥルカルと共演し、ついこの間の Ennu Ninte Moideen のヒロインとしても強い印象を残した。
■カニ(アパルナ・ゴーピナート)
かつて成功した外科医だったが、今は高原の老人ホームで暮らしている。アパルナ・ゴーピナートはチェンナイ生まれ。デビューはマールティン・プラッカート監督の ABCD: American-Born Confused Desi で、やはりドゥルカルとの共演だった。演劇畑の出身ゆえなのか、フェロモン系とは違う独特な魅力を持った人だ。
■クンニャッパン(ネドゥムーディ・ヴェーヌ)
老人ホームに入居している元軍人。若いころの悲恋の経験から、哲学的なことを口走る。
■スニ(サウビン・シャーヒル)
空き巣。たまたまチャーリの住処に忍び込んだところ、彼に捕らえられ、行動を共にするようになる。

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【トリヴィア】
魔術的レアリズムという言葉を使いたい誘惑も多少はあるものの、この語が醸すねっとりとした土俗性とは無縁の、異色の若者映画。

本作で重要な舞台となる場所は三つある。フォート・コーチン、イドゥッキ郡の高地(有名なムーナールなのかもしれないが、はっきりしない)の茶畑、象のページェント・プーラム(州最大規模の見物客が集まる観光資源でありながら、古式が良く保たれている大祭だと言われる)で有名なトリシュールのヴァダックンナータン寺院だ。中でも、カーニヴァル(なぜか元旦に行われる)に沸くフォート・コーチン(と隣接するマッタンチェーリ)からこの物語が始まるのは偶然ではないように思われる。

大航海時代以来のポルトガル、オランダ、イギリス人が建てた古建築が残るこの町は、欧米人ツーリストが闊歩し、彼らを目当てに州外からも商売人が集まり、一年中浮ついた雰囲気が支配する。同時にここは若者のアートの街でもあり、気の利いた連中が開いたブティックやカフェが点在し、古色蒼然とした街路のいたるところにこんな感じのグラフィーティが描かれている。極東のすれっからしとしては、これらの「アート」に対して、ちょいとむず痒かったり、痛いような青臭さを感じて、必ずしも手放しで賞賛はできないのだが、もちろん現地の若者たちはお構いなしに「不思議大好き」なアート生活を謳歌している。

この映画に描かれる、フォート・コーチンのミステリアスな古アパートのしつらい、登場人物のファッション、壁画、漫画といった全てが、この若者文化に由来するものだ。ただそれが、仲良しグループのお遊びのレベルを超えた、高度に洗練されたものになっているのが凄い。と、なにやら斜に構えた褒め方をしているように思われるかもしれないが、ふわふわとした彷徨の末のラストシーンの身震いがするような圧倒される感じを形容する言葉は見つからない、是非とも大画面で味わってほしいとしか言いようがないのだ。

監督のマールティン・プラッカートはこれが三作目となる新進。これまでの二作、Best ActorABCD: American-Born Confused Desi とは、どちらももっさりとしたキレのない凡作だったので、ここでの突然の飛躍に吃驚だ。ゴーピ・スンダルの音楽も良い。特に、なぜか上にリンクしたジュークボックスから抜けている ♪Chundari Penne (ドゥルカルが歌っている)がカッコいい。まさかの70年代ファッションのリバイバルで若者の間に追随者を生んだというサミーラ・サニーシュによる衣装、ジャヤシュリー・ラクシュミ・ナーラーヤナンの手になるファンタスティックな美術、そして前作 Ennu Ninte Moideen とはガラリと趣を変えたジョーモーンTジョーンのカメラも特筆もの。
Charlie3.jpg投稿者 Periplo : 13:13 : カテゴリー バブルねたkerala so many cups of chai
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