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2016年09月25日

10月のマラヤーラム映画

どっかん、どっかん、景気のいい復讐もの。

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Oozham (Malayalam - 2016) Dir. Jeethu Josef

原題:ഊഴം(ウーラムと読む)
タイトルの意味:turn, time, shift
タイトルのゆれ:Oozham – It’s Just A Matter of Time, etc.

Cast:Prithviraj, Divya Pillai, Neeraj Madhav, Balachandra Menon, Seetha, Rasna Pavithran, Kishore Sathya, Jayaprakash, Pasupathy, Tony Luke, Anson Paul, Irshad, Dinesh Prabhakar, etc.

Music:Anil Johnson

公式トレーラー(英語字幕付き):https://youtu.be/LZYp4FSIABU

■開催日:2016年10月8日(土)
■時間:15:00開映(チケット販売・引き換えは14:00から、終映は17:45ごろ)
■料金:大人2000円、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕: 英語
■上映資材:DCP
■上映時間:約140分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※15分のインターミッションにスナックの販売あり、チケットと同時に申し込み可。

■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/OozhamOfficial/
■主催者公式サイト:http://www.celluloidjapan.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2016/09/oozham-malayalam-2016.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームの入り口はこちら。万が一の直前の急な変更などもメールで受信できるようになります。

【粗筋】
チェンナイの裏町を、武装集団に追われて逃げ回る若い男。彼の切れ切れの回想から物語が始まる。スーリヤ(Prithviraj)はアメリカで爆破解体のスペシャリストとして働いていた。あるとき、妹のアイシュワリヤ(Rasna Pavithran)の婚約式列席のために休暇をとり、家族の住む故郷コインバトールに戻って来る。そこで、父の友人のパールタサーラティ(Kishore Sathya)とその妹のガーヤトリ(Divya Pillai)に紹介される。後にそれが、さりげない形をとったスーリヤとガーヤトリの見合いであったことを知らされ、悪い気がしない。両親、妹、義理の弟のアジュ(Neeraj Madhav)との家族水入らずでの僅かな日々を満喫して、彼はアメリカに帰る。しかし程なくして、アジュを除く家族全員が何者かに惨殺されてしまう。敵が大手製薬・健康食品メーカーのトップのウィルフレッド・マルカス(Jayaprakash)とその一味であることを突き詰めた彼は、アジュ、ガーヤトリと共に、復讐を開始する。

【主要キャラクター/キャスト】
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■スーリヤ/プリトヴィラージ
インド工科大学中退者で、今はアメリカで大規模建築物の爆破解体のスペシャリストとして働く男。
■ガーヤトリ/ディヴィヤ・ピッライ
スーリヤの父の友人パールタサーラティの妹。兄を殺されて復讐のためにスーリヤと共闘する。
■ウィルフレッド・マルカス/ジャヤクリシュナン
大手製薬・健康食品メーカー・アルファ・レメディーズのCEO。後ろ暗い手法で会社を成長させてきた。アンドリュー(Tony Luke)とエドワード(Anson Paul)の二人の息子と共に悪事を重ねている。演じるジャヤクリシュナンはここのところ仕事がもりもり増えてきたタミル映画界の性格俳優。ここにインタビューあり。
■キャプテン(アーナンド・チャトゥランガ)/パスパティ
以前は警察(または軍の)爆弾処理班にいた専門家。今はカネ次第で誰の仕事でも請け負う男。2000年前後にデビューして既にベテランの域に入っている(映画デビュー前には演劇界で活躍していた)タミル映画界の悪役パスパティが演じるこのキャラクターは、実は一番おいしい役。後半に入って登場し、凶悪な目線で重々しく気障なセリフを吐くシーンは、本作の見どころの一つと言っていいと思う。パスパティは『頬にキス』で日本登場済み。

【その他のキャラクター/キャスト】
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■アイシュワリヤ/ラスナ・パヴィトラン(左から2人目)
スーリヤの妹。
■クリシュナムールティ/バーラチャンドラ・メーノーン(左から3人目)
スーリヤの父親で、保健局の査察官。仕事においては清廉潔白で、妥協を知らない性格。家庭でも、娘の婚礼のための費用をも、アメリカで稼いでいるスーリヤには頼らないという頑固さ。
■スッバラクシュミ/シーター(左から4人目)
スーリヤの母。
■アジュ(アジマル・ムハンマド)/ニーラジ・マーダヴ(右から3人目)
幼いころに孤児になったがクリシュナムールティの養子となる。腕利きのホワイト・ハッカー。マイクロソフトのオファーを蹴ってフリーランスとして暮らす。
■パールタサーラティ/キショール・サティヤ(右端)
ガーヤトリの兄、クリシュナムールティの友人。コインバトール警察のSP(Superintendent of Police)。爆弾事件で命を落とす。

【トリヴィア】
Drishyam (Malayalam - 2014) 、Life of Josutty (Malayalam - 2015) がこれまでにセルロイドによって上映され、特に前者が現地でも圧倒的なヒットを飛ばしたジートゥ・ジョーセフ監督の最新作。これも成功した過去作品 Memories (Malayalam - 2013) の主演プリトヴィラージと再び組んだということでも話題になった。

MemoriesDrishyam がスリラーとして評価の高いものだったため、本作にも膨れ上がる期待が寄せられたが、監督は一貫して「スリラーではなくリベンジもの」と言い続けてきた。今一つ分かりにくいロジックだが、要するにハラハラドキドキがクライマックスまで続く「一寸先は闇」系の犯罪ドラマではない、ということが言いたかったらしい。開始後約30分でほぼ全ての手が出そろい、敵もはっきり見えてくる仇討ちもの、日本的感覚からすればやはりスリラーだと思う。

興味深いのは、本作で話される言語と地理的セッティング。マラヤーラム語映画ではあるが、マラヤーラム語とタミル語と英語がまぜこぜになった状態でスクリーン上を行きかう(そしてタミル語も英語も、長大な台詞以外は字幕なしで理解するのがケララ民)。また舞台も、タミル・ナードゥ州の州都チェンナイと、同州第二の都市である南部のコインバトールの二か所だけ。メインである回想部にコインバトールが選ばれたのには二つほど訳があると思う。一つは、コインバトールが、TNとケララのディープサウスニ州の中で唯一、大規模な爆弾テロ事件の舞台となった街であること。この町の名前から薄っすらと爆薬の匂いを感じることもできるだろう。それから、主人公一家がタミル・バラモンであり、なおかつタミル語とマラヤーラム語のバイリンガルであるという設定が、なぜだかはわからないけれどあり、そうなると必然的に舞台はコインバトールからケララ州パーラッカードにまたがる地域にならざるを得ないというのがある。マラヤーラム語世界の中のマイノリティとしてのタミル・バラモンについては、過去にこちらでざっくりと書いた。地方語映画でありながら、こうした変則的な設定を可能にするマラヤーラム映画というのはつくづく面白いもんだと思う。

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2016年オーナム・リリース作品群の中で健闘した。

投稿者 Periplo : 15:05 : カテゴリー バブルねたkerala

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