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2016年09月30日

10月のタミル映画

号泣しながら髭/胸毛/脛毛を剃るシーンがあるのに100ルピー賭けてもいい。

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Remo (Tamil - 2016) Dir. Bakkiyaraj Kannan

原題:ரெமோ
タイトルの意味:主人公の仮の名前? ※タミル人にとっては、このRemoという名前は、ゴアのポップシンガーよりも、Anniyan (Tamil - 2005) でヴィクラムが演じた気障なモデルを思い起こさせるものであるようだ。

Cast:Sivakarthikeyan, Keerthi Suresh, Satish, Saranya Ponvannan, Dileep Kumar, Rajendran, Yogi Babu, Aadukalam Naren, Kalyani Natarajan, K S Ravikumar, etc.

Music:Anirudh Ravichander

公式トレーラー(英語字幕付き):https://youtu.be/GEB4qrrWIgs
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/yv0JK1bYSCw?list=PLHuHXHyLu7BE3PhKYPisCtqYJq0KcvfIS

【第一回目/海老名】
■開催日:2016年10月8日(土)
■時間:14:00開映(チケット販売・引き換えは13:30から)
■料金:大人2300円、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■会場:神奈川県海老名市、イオンシネマ海老名 http://www.aeoncinema.com/cinema/ebina/

【第二回目/川口】
■開催日:2016年10月9日(日)
■時間:14:00開映(チケット販売・引き換えは13:30から)
■料金:大人1800円、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※川口会場のみ、開映前(13:00-14:00)に食事、インターミッションにスナックの販売あり。

【第三回目/名古屋】
■開催日:2016年10月9日(日)
■時間:14:00開映(チケット販売・引き換えは13:30から)
■料金:大人2000円、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■会場:愛知県名古屋市港区、イオンシネマ名古屋茶屋 http://www.aeoncinema.com/cinema/nagoyachaya/

【共通】
■字幕: 英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば150-160分

■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/RemoTheMovie/
■主催者公式サイト:http://madrasmoviesjapan.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2016/09/remo-tamil-2016.html
※10月7日の現地封切り後に追記予定

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームはこちら。万が一の直前の急な変更などもメールで受信できるようになります。

【粗筋】 ※キャラクター名不明のため、役者名によって記述
シヴァカールティケーヤン(Sivakarthikeyan)は映画スターとしてビッグになることを夢見る若者。母(Saranya Ponvannan)はその夢を何とかして諦めさせようとしている。彼はKSラヴィクマール監督(K S Ravikumar)に会うチャンスを得るが、監督は次回作でのヒーローには、女装させて看護婦の役をやらせるつもりだと言う。何としてでも主役の座が欲しい彼は、女性に化けて実際に看護婦として病院に入り込むことに成功する。看護婦として働きながら役作りに励んでいる最中に、キールティ(Keerthi Suresh)と出会い片思いの恋心を抱くのだが、キールティは彼を女性と思い込んでいる。

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【主要キャスト】
■シヴァカールティケーヤン
Kaaki Sattai (Tamil - 2015) と Rajinimurugan (Tamil - 2016) の2本が既に自主上映されているシヴァカールティケーヤンは快進撃を続ける新進。最初の頃は「なぜこいつなのか」感が拭えず眺めていたが、持って生まれたとしか思えない屈託のなさ、高身長、そしてスタンダップ・コメディアンとして鍛えた口の達者さが強みと言えるか。ヴィジャイ・セードゥパティとは同世代の好敵手と見做されている。
■キールティ・スレーシュ
日本でのNRIによるマラヤーラム映画上映の第一弾だった Geethanjali (Malayalam - 2013) で不幸なデビューをした(実作品を観るまでは幸運なデビューだと思っていたのだが)キールティだが、今年に入って一気に上昇気流に乗ったようだ。シヴァカールティケーヤンと共演の Rajinimurugan でも、その溌溂ぶりが眩しく、トップ女優の中に食い込んでいける可能性を大いに感じさせた。さらにはダヌシュと共演の Thodari (Tamil - 2016) が現在好評上映中、ダメ押しの次回作 Bairavaa ではヴィジャイのヒロインだ。才能がある人が順調にそれを開花させていくのを見るのは楽しいものだ。

【トリヴィア】
Theri のアトリ監督の助手をしていたというバーギヤラージ・カンナンは、本作がデビューの新人監督(ここにインタビューあり)。

本作のトレイラーやポスターが発表されてから、印度人の「パクリ見逃さないぞ自警団」の方々が、これは1982年のハリウッド映画『トッツィー』の設定イタダキものではないかと賑やかだったが、まあこれで大騒ぎして何かいいことがあるとは思えない。ストーリーに共通点はあるかもしれないが、『トッツィー』にはダンスもアクションも、専任コメディアンによるコメディもなかったぜ。数分のトレーラーを見るだけで Remo の方が100倍パワーアップしてるってことは歴然。

映画の創始期に男優が女性を演じていたことに関係があるのか、あるいは現実世界の根強いマチズモの裏返しなのか、インド映画ではスター俳優が女装するのを妙に喜ぶ傾向があるように思う。本当の女性を演じるというよりは、訳あって女装している男、あるいは性転換者の役がほとんど。ソングまたはコメディ・シーンの中だけでキモい姿をさらしているのは枚挙に暇がないが(ここ参照)、全編に近い時間を女性の姿で通す作品も結構ある。ディリープの Mayamohini (Malayalam - 2012) は、女性客を中心にバカ受けしたらしい。古典的なところでは、カマル・ハーサンの Avvai Shanmughi (Tamil - 1996) が有名だけど、下膨れの無表情なお婆ちゃんはどうもいただけない。ジャヤム・ラヴィは Ameerin Aadhi Baghavan (Tamil - 2013) で服装倒錯者である悪役をやって、禍々しい感じを上手く出していた。しかしまあ、圧巻だったのは Avan - Ivan (Tamil - 2011) でのヴィシャールか。男であり異性愛者だが女形芝居が大得意というキャラクターで、それをマッチョなアクション俳優であるヴィシャールが演じるというのだから、相当なプレッシャーを感じながら観てみたのだが、舞台上でのその艶姿には目が釘付けになったものだった。そういえば、つい最近も Iru Mugan (Tamil - 2016) でヴィクラムが、極力お世話になりたくないタイプの看護婦さんを怪演してたけど、ハリウッドの特殊メイク専門家シーン・フット を呼んできた本作では、もうちょっと信頼感のある仕上がりになってそうだ。リラックスして楽しみたい。

「インドのテイ・トウワ」ことアニルドの楽曲(+ゲスト出演?)もアトラクションのひとつ。
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投稿者 Periplo : 01:55 : カテゴリー バブルねたtamil
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2016年09月25日

10月のマラヤーラム映画

どっかん、どっかん、景気のいい復讐もの。

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Oozham (Malayalam - 2016) Dir. Jeethu Josef

原題:ഊഴം(ウーラムと読む)
タイトルの意味:turn, time, shift
タイトルのゆれ:Oozham – It’s Just A Matter of Time, etc.

Cast:Prithviraj, Divya Pillai, Neeraj Madhav, Balachandra Menon, Seetha, Rasna Pavithran, Kishore Sathya, Jayaprakash, Pasupathy, Tony Luke, Anson Paul, Irshad, Dinesh Prabhakar, etc.

Music:Anil Johnson

公式トレーラー(英語字幕付き):https://youtu.be/LZYp4FSIABU

■開催日:2016年10月8日(土)
■時間:15:00開映(チケット販売・引き換えは14:00から、終映は17:45ごろ)
■料金:大人2000円、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕: 英語
■上映資材:DCP
■上映時間:約140分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※15分のインターミッションにスナックの販売あり、チケットと同時に申し込み可。

■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/OozhamOfficial/
■主催者公式サイト:http://www.celluloidjapan.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2016/09/oozham-malayalam-2016.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームの入り口はこちら。万が一の直前の急な変更などもメールで受信できるようになります。

【粗筋】
チェンナイの裏町を、武装集団に追われて逃げ回る若い男。彼の切れ切れの回想から物語が始まる。スーリヤ(Prithviraj)はアメリカで爆破解体のスペシャリストとして働いていた。あるとき、妹のアイシュワリヤ(Rasna Pavithran)の婚約式列席のために休暇をとり、家族の住む故郷コインバトールに戻って来る。そこで、父の友人のパールタサーラティ(Kishore Sathya)とその妹のガーヤトリ(Divya Pillai)に紹介される。後にそれが、さりげない形をとったスーリヤとガーヤトリの見合いであったことを知らされ、悪い気がしない。両親、妹、義理の弟のアジュ(Neeraj Madhav)との家族水入らずでの僅かな日々を満喫して、彼はアメリカに帰る。しかし程なくして、アジュを除く家族全員が何者かに惨殺されてしまう。敵が大手製薬・健康食品メーカーのトップのウィルフレッド・マルカス(Jayaprakash)とその一味であることを突き詰めた彼は、アジュ、ガーヤトリと共に、復讐を開始する。

【主要キャラクター/キャスト】
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■スーリヤ/プリトヴィラージ
インド工科大学中退者で、今はアメリカで大規模建築物の爆破解体のスペシャリストとして働く男。
■ガーヤトリ/ディヴィヤ・ピッライ
スーリヤの父の友人パールタサーラティの妹。兄を殺されて復讐のためにスーリヤと共闘する。
■ウィルフレッド・マルカス/ジャヤクリシュナン
大手製薬・健康食品メーカー・アルファ・レメディーズのCEO。後ろ暗い手法で会社を成長させてきた。アンドリュー(Tony Luke)とエドワード(Anson Paul)の二人の息子と共に悪事を重ねている。演じるジャヤクリシュナンはここのところ仕事がもりもり増えてきたタミル映画界の性格俳優。ここにインタビューあり。
■キャプテン(アーナンド・チャトゥランガ)/パスパティ
以前は警察(または軍の)爆弾処理班にいた専門家。今はカネ次第で誰の仕事でも請け負う男。2000年前後にデビューして既にベテランの域に入っている(映画デビュー前には演劇界で活躍していた)タミル映画界の悪役パスパティが演じるこのキャラクターは、実は一番おいしい役。後半に入って登場し、凶悪な目線で重々しく気障なセリフを吐くシーンは、本作の見どころの一つと言っていいと思う。パスパティは『頬にキス』で日本登場済み。

【その他のキャラクター/キャスト】
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■アイシュワリヤ/ラスナ・パヴィトラン(左から2人目)
スーリヤの妹。
■クリシュナムールティ/バーラチャンドラ・メーノーン(左から3人目)
スーリヤの父親で、保健局の査察官。仕事においては清廉潔白で、妥協を知らない性格。家庭でも、娘の婚礼のための費用をも、アメリカで稼いでいるスーリヤには頼らないという頑固さ。
■スッバラクシュミ/シーター(左から4人目)
スーリヤの母。
■アジュ(アジマル・ムハンマド)/ニーラジ・マーダヴ(右から3人目)
幼いころに孤児になったがクリシュナムールティの養子となる。腕利きのホワイト・ハッカー。マイクロソフトのオファーを蹴ってフリーランスとして暮らす。
■パールタサーラティ/キショール・サティヤ(右端)
ガーヤトリの兄、クリシュナムールティの友人。コインバトール警察のSP(Superintendent of Police)。爆弾事件で命を落とす。

【トリヴィア】
Drishyam (Malayalam - 2014) 、Life of Josutty (Malayalam - 2015) がこれまでにセルロイドによって上映され、特に前者が現地でも圧倒的なヒットを飛ばしたジートゥ・ジョーセフ監督の最新作。これも成功した過去作品 Memories (Malayalam - 2013) の主演プリトヴィラージと再び組んだということでも話題になった。

MemoriesDrishyam がスリラーとして評価の高いものだったため、本作にも膨れ上がる期待が寄せられたが、監督は一貫して「スリラーではなくリベンジもの」と言い続けてきた。今一つ分かりにくいロジックだが、要するにハラハラドキドキがクライマックスまで続く「一寸先は闇」系の犯罪ドラマではない、ということが言いたかったらしい。開始後約30分でほぼ全ての手が出そろい、敵もはっきり見えてくる仇討ちもの、日本的感覚からすればやはりスリラーだと思う。

興味深いのは、本作で話される言語と地理的セッティング。マラヤーラム語映画ではあるが、マラヤーラム語とタミル語と英語がまぜこぜになった状態でスクリーン上を行きかう(そしてタミル語も英語も、長大な台詞以外は字幕なしで理解するのがケララ民)。また舞台も、タミル・ナードゥ州の州都チェンナイと、同州第二の都市である南部のコインバトールの二か所だけ。メインである回想部にコインバトールが選ばれたのには二つほど訳があると思う。一つは、コインバトールが、TNとケララのディープサウスニ州の中で唯一、大規模な爆弾テロ事件の舞台となった街であること。この町の名前から薄っすらと爆薬の匂いを感じることもできるだろう。それから、主人公一家がタミル・バラモンであり、なおかつタミル語とマラヤーラム語のバイリンガルであるという設定が、なぜだかはわからないけれどあり、そうなると必然的に舞台はコインバトールからケララ州パーラッカードにまたがる地域にならざるを得ないというのがある。マラヤーラム語世界の中のマイノリティとしてのタミル・バラモンについては、過去にこちらでざっくりと書いた。地方語映画でありながら、こうした変則的な設定を可能にするマラヤーラム映画というのはつくづく面白いもんだと思う。

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2016年オーナム・リリース作品群の中で健闘した。

投稿者 Periplo : 15:05 : カテゴリー バブルねたkerala
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2016年09月03日

9月のJ-テルグ

テーマは環境保護&都市の緑化!?なのか(それはそうと、いつものチェックのシャツがキマってるな)

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Janatha Garage (Telugu - 2016) Dir. Koratala Siva

原題:జనతా గ్యారేజ్
タイトルの意味:主人公が勤める自動車・二輪車修理工場の名前。Janatha は公衆、大衆、人民の意。
タイトルのゆれ:Janata Garage, etc.

Cast:NTR Jr, Mohanlal, Samantha, Nithya Menon, Unni Mukundan, Saikumar, Devayani, Suresh, Rahman, Sithara, Ajay, Rajiv Kanakara, Brahmaji, Benarjee, Vidisha Srivastava, Vennela Kishore, Kajal Aggarwal, etc.

Music:Devi Sri Prasad

公式トレーラー(英語字幕付き):https://youtu.be/7O4Hm070Bc8
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/WvNntMg1ivw

■開催日:2016年9月4日(日)
■時間:13:30開映
■料金:大人2400円(予約2200円)、5-12歳の子供1200円(予約1000円)、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕: 英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約153分(163分説もあり)
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※インターミッションに別料金でスナックの販売あり。

■映画公式サイト:https://www.janathagarage.com
■主催者公式サイト:http://indoeiga.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2016/09/janatha-garage-telugu-2016.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームはこちら。万が一の直前の急な変更などもメールで受信できるようになります。

【粗筋】 
ムンバイ育ちのアーナンド(NTR Jr)は環境問題の専門家。調査の一環でハイダラーバードにやってくる。些細な諍いごとをきっかけに、「ジャナター・ガレージ」のオーナーであるサティヤム(Mohanlal)と知り合う。サティヤムは1980年代にこの地で修理工場を始めた人物で、地域の人々が窮状に陥ると惜しみなく手を差し伸べることで知られている。一介の町工場の主でありながら、人々の信望が厚く、現在は政治家や官僚からも一目置かれていている。アーナンドを見込んだサティヤムは、彼にジャナター・ガレージの一味に加わるように求める。アーナンドとサティヤムの共闘の相手は誰なのか、そして二人の関係とは?

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【主要キャラクター/キャスト】 写真は省略。公式サイトのキャスト一覧を参照
■アーナンド/NTRジュニア
ムンバイ育ちのテルグ人で、名門インド工科大出の環境問題研究科・運動家。自然を破壊する罰当たり者を目にすると、自然の猛威そのもののように荒れ狂う。メッセージを前面に押し出した本作にかけるNTRジュニアの意気込みは、こちらのインタビューなどで。
■サティヤム/モーハンラール
どんなポンコツでも直しちゃうぜ、捻じ曲がったパーツは素手で叩いて真っ直ぐにしてやるぜ、という「人民修理工場」のオーナー。抑圧された貧しい人々に救いの手を差し伸べる大親分。その人徳と信望によって州首相(テランガーナの?APの?)にすら一目置かれているという。今作ではラルさんの声はセルフダビングではなく、ムールティという人が吹き替えているそうだ。
■ダナ/サマンタ
ムンバイに住むアーナンドの恋人。ジュニアとラルさんがツインタワーとしてそそり立つ本作ではあまり長い出演ではないらしい。
■?/ニティヤ・メーノーン
こちらも極めて短い出演時間。ただし、レビューによると、本作では希少な笑いの場面をつくっているという。
■ラーガヴァ/ウンニ・ムクンダン
サティヤムの息子だが、父とは正反対に野心家で、上昇志向を満たすためには反社会的な手段をとることも厭わない。最初はファハド・ファーシルにオファーされていたという噂もある役柄。演じるウンニ・ムクンダンは、デビューから5年目の若手マラヤーラム俳優。どうもうまくニューウェーブに乗り切れていない人だが、自慢の小顔と筋肉とでテルグ映画界に売り出しがかけられるか。
■ムケーシュ/サチン・ケーデーカル
不動産業を中心としたコングロマリットのトップに立つ実業家。サティヤムとは長年の宿敵。

【トリヴィア】
ガレージという単語はインド(というか英語)の場合、単なる駐車場ではなく、自動車修理工場を指す。そこで油と汗にまみれて働くメカニックは、インド映画世界では、ある種いなせなイメージをもって描かれることが多い。無双の強さを誇る庶民のヒーローの平時の姿みたいな設定の作品も少なくない。

そんなメカニックたちを何人も擁するガレージのオーナーが、ほとんど影の政府とでもいえるほどに発言力を持っている。そして、鉱物資源マフィアともつながりを持つ悪徳実業家と対立するのだが、そこに鉄砲玉兼理論家みたいな若いのがやってきて自然保護のために共闘する。書いてて唖然とするような設定だ。

本作の一番の目玉は何といってもモーハンラールとNTRジュニアの共演。モーハンラールは20年ぶりのテルグ映画出演と騒がれたが、20年前の Gandeevam (Telugu - 1994) はソングシーンのみのカメオだった。本作と、一足早く公開された Manamantha (Telugu - 2016) とが、実質的なテルグ・デビューといっていいだろう。同時に、ラルさんがマラヤーラム以外の映画界のトップヒーロー主演作に客演したものとして、ヴィジャイと共演の Jilla (Tamil - 2014)、プニートと共演の Mythri (Kannada - 2015) と連なる、いわばシリーズの総仕上げといってもいいだろう。

テルグ映画を長らく見続けてきた者にとって、トップスターのビッグバジェット作品にエコロジーなんていうテーマが取り上げられるのは隔世の感がある。しかしここで注意しておきたいのは、日本でぼんやりと流通している「環境保護=反体制」というイメージは、必ずしもインドでの実情とは合致していないということ(ラディカルで反体制的な運動も存在はしているが)。2014年のモーディー政権の発足からほどなくして始まった「クリーン・インディア・キャンペーン(Swachh Bharat Abhiyan)」は、かなり活発な官製運動として現在も継続している(効果のほどについては、筆者はあまり楽観視していないが)。実際に、経済成長のただなかにある10億の人々の営みの環境へのインパクトは、場所によっては街の見栄えとかそういったものを越えて危機的なレベルにあるとも思われるのだ。

昨年公開作の中ではかなりのヒットとなった Srimanthudu (Telugu - 2015) で、僻村の開発にスポットライトをあてたコラターラ・シヴァ監督が、今回はどんな視点を提供するのか、そして娯楽要素をどのように織り込んでくるのか、期待して臨みたい。

環境破壊するやつは絶対許さないマン。これは私闘ではなく環境保護活動だっ!
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投稿者 Periplo : 01:15 : カテゴリー バブルねたtelugu
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