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2016年11月13日

11月のマラヤーラム映画

このファーストルックを見た時には、「ラルさんがカムイ伝をやるのか?!」と興奮したもんだった。

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Pulimurugan (Malayalam - 2016) Dir. Vysakh

原題:പുലിമുരുകൻ
タイトルの意味:Tiger Murugan
タイトルのゆれ:Puli Murugan, Pulimurugan The Wild Hunter

Cast:Mohanlal, Kamalini Mukherjee, Lal, Jagapati Babu, Suraj Venjaramoodu, Namitha, Bala, Vinu Mohan, Kishore, Makarand Deshpande, Siddique, Noby Marcose, Sudheer Karamana, Harish Peradi, Santosh Keezhattor, Anjali Aneesh Upasana, Sasi Kallinga, Sethulakshmi, M R Gopakumar, Nandhu, Durga Premjith, Antony Perumbavoor, Newik Cullet, Master Ajas, etc.

Music:Gopi Sunder

公式トレーラー:https://youtu.be/blQUlD8g4Pk
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/V7BKfu25NwM

上映1:2016年11月20日(日)
■時間:15:00開映(チケット販売・引き換えは13:30から)、17:45ごろ終了予定(途中約15分のインターバル休憩あり)
■料金:大人2500円、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※川口会場のみ、サウスパーク・レストランによるスナックの販売あり、下記よりチケットと併せて予約も可能。

上映2:2016年11月26日(土)
■時間:15:00開映(チケット販売・引き換えは13:30から)、17:45ごろ終了予定(途中約15分のインターバル休憩あり)
■料金:大人2500円、5-15歳の子供1000円、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■会場:神奈川県海老名市、イオンシネマ海老名 http://www.aeoncinema.com/cinema/ebina/

【共通】
■字幕: 英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば161分

■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/pulimuruganmovieofficial
■主催者公式サイト:http://www.celluloidjapan.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2016/11/pulimurugan-malayalam-2016.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームの入り口は川口海老名とで別々にあり。万が一の直前の急な変更などもメールで受信できるようになります。

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【粗筋】 
西ガーツ山中の部族民の住む僻村プリユール(虎の土地という意味)。ムルガン(Mohanlal)は、プリムルガン(虎のムルガン)の異名を持つ男。普段はトラックの運転手や竹の伐採などで生計をたてているが、人々を脅かす虎が村に近づくと、単身で虎と戦い仕留め上げるスペシャリスト。妻マイナ(Kamalini Mukherjee)と幼い娘とともに慎ましく暮らしていた。ある日、弟のマニクッタン(Vinu Mohan)の友人が助けを求めてムルガンのもとにやって来る。そして彼は、虎よりも恐ろしい真の敵が村を脅かそうとするのと対峙することになる。それは、製薬会社を経営するダーディ・ギリジャ(Jagapati Babu)という実業家で、蔭で薬物マフィアとも手を結んでいる男だった。

【主要キャラクター/キャスト】
■ムルガン/モーハンラール
トラックドライバーなどで生計を立てながらも、虎退治のスペシャリストとして村人から尊敬されている。幼時に父を殺した虎に復讐を挑み、見事成し遂げた。主な武器はムルガン神にちなむ槍。各種レビューではあまり明確に言及されていないが、このムルガンのキャラクターは山岳部族民、または部族民の流れをくむ人物であるらしい。これはマラヤーラム映画としては相当に画期的なものである。
■マイナ/カマーリニ・ムカルジー
ムルガンの妻。野性的な女性で、嫉妬から癇癪を爆発させることも度々ある。ベンガル出身のカマーリニは、主にテルグ映画に出演してスターになったが、マラヤーラム映画でも少数ながら佳作に名前を連ねている。
■ダーディ・ギリジャ/ジャガパティ・バーブ
製薬会社社長という表の顔の裏で、大麻栽培、白檀盗伐、密猟などの違法行為を行っている。おそらくは本作がマラヤーラム・デビューとなるジャガパティ・バーブは、テルグ映画界の中堅スター。日本では2014年の Lingaa で登場済み。
■バララーマ/ラール
ムルガンのオジ。父を殺した人食い虎への復讐を誓った少年ムルガンを助ける。
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【その他のキャラクター/キャスト】
■マニクッタン/ヴィヌ・モーハン
ムルガンの弟。マニクッタンを出産した際に母は産褥で死亡した。僻村の出身でありながらMBAを取得している。両親を失ったムルガンにとってマニクッタンは掌中の珠であり、それがダーディ・ギリジャにとって付け入る隙となってしまう。
■RK/キショール
森林保護官。ムルガンを敵視している。
■プーンガーイ・シャシ/スラージ・ヴェニャーラムード
ムルガンの友人。覗き見趣味がある。
■ジューリ/ナミター
ムルガンを誘惑しようとする女性。グジャラート出身の「インドのアニタ・エクバーグ」、タミル映画を中心に2000年代の南インド映画界を爆裂ボディーで蹂躙したナミターだったが、激太りで爆裂しすぎて最近はお目にかかる機会が減っていた。当人もさすがにヤバいと思ったのかダイエットをしたらしく、この仕上がり

【トリヴィア】
主として予算不足から、そして部分的には気取った文芸趣味から、アクションというジャンルは、マラヤーラム映画の中では周辺的なものだった。スレーシュ・ゴーピ、故カラーバワン・マニといった、アクションを得意とする俳優もいるのだが、予算の制約とリアリズムを好む性向から、アクション作でありながらもタミル映画やテルグ映画のようなポトラッチ的展開をすることがなかった。驚くべきなのは、20~30代の若手俳優たちに、このジャンルへの挑戦があまり多くないこと。2010年ごろからのニューウェーブお洒落映画の隆盛で、世代交代も完了したかに見えながら、片隅に追いやられたジャンルで歴史的なヒットを飛ばしたのが56歳のスーパースター、モーハンラールであることには度肝を抜かれる。結局のところ、アクション映画に求められるのは、見かけだけの筋肉や、若さからの運動量ではないということなのか。重々しいキメ台詞に込められる迫真性と説得力、戦いに臨む際の殺気、力を具現化したかのような神彩、巌のような巨体から繰り出される敏捷な攻撃、こうしたものは今のケララの若手俳優には望みえないものなのかもしれない。

実は、モーハンラールがアクション路線に手を染めたのは初めてのことではない、2000年代の前半に、こうした出演作が続いたことがある。2000年公開の Narasimham のメガヒットが端緒となり、その後同傾向の作品が量産され、数年後に飽きられた。この一群のアクションものの中では、2005年の Naran での身体能力の極限を見せた演技が最高峰だった。

しかし、この2000年代前半の作品群と本作の間には、いくつか異なっている点もある。まず、本作で主人公のキャラが部族民(または部族民の流れをくむ人物)とされていること。かつての作品群では、ハイカーストの荒ぶる御館様という役どころが定番だったのだ。これは何を意味するのか。そして何よりもスタント・マスターにピーター・ヘインを引っ張ってきたこと。『ロボット』、『ボス その男シヴァージ』、『バーフバリ』など大作のアクションを振り付けたことで知られる売れっ子を、マラヤーラム映画として初めて迎え入れたことが、疑いなく本作をネクスト・レベルに押し上げた。

2010年に Pokkiri Raja で監督デビューしたヴァイシャークは本作が7本目となる中堅。デビュー以降、スターを使ったおふざけユーモア映画を送り出してヒットに結び付けてきたが、2013年のクンチャーコ・ボーバンを主役に据えた Vishudhan は、暗い情念が渦巻く流血ドラマで、あまりヒットはしなかったものの、新境地に目を惹かれた。その後、間に一作を挟み、再び手掛けたシリアストーンの本作が歴史を塗り替える大ヒット、マラヤーラム映画初の売り上げ100カロール・ルピー超えを達成した。

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主人公の名前は、タミル人の民族神/民俗神、そして山岳神であるムルガンから来ている。タミル地方へのヒンドゥー教の流入以前からの古い神格で、タミル・ナードゥ州中部のパラニを本拠地としている。一説には、もともと狩猟を生業とする山岳部族民の神だったとも言われる。ヒンドゥー教化されてからはシヴァ神の息子という位置づけになった。この神様を信仰しているのはインドでもタミル人と一部のケララ人のみ。槍を持ち、孔雀に乗る姿が特徴的。本作中で主人公が転がすデカトラに Mayilvaahanam(孔雀号)などという名前がついているのもそこから。

投稿者 Periplo : 00:25 : カテゴリー バブルねたkerala
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