« 2017年01月 | メイン | 2017年04月 »

2017年02月09日

2月のJ-テルグ

異界への扉が開いちまいそうなイメージだが、大丈夫、怖くないよ。

ONV1.jpg

Om Namo Venkatesaya (Telugu - 2017) Dir. K Raghavendra Rao

原題:ఓం నమో వేంకటేశాయ
タイトルの意味:Om, I bow to Lord Venkateswara
タイトルのゆれ:Om Namo Venkateshaya, etc.

Cast: Nagarjuna Akkineni, Anushka Shetty, Pragya Jaiswal, Jagapathi Babu, Sourabh Raj Jain, Brahmanandam, Aditya Menon, Rao Ramesh, Raghu Babu, Pruthviraj, Vimala Raman, Ashmitha, etc.

Music:M M Keeravani

■開催日:2017年2月12日(日)
■時間:13:00開映
■料金:大人2600円(前売り2400円)、5-12歳の子供1400円(前売り1200円)、5歳未満の子供は無料(座席なし)
■字幕: 英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば133分
■会場:千葉県市川市、イオンシネマ市川妙典(こちら参照)

映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/ONVMovie
公式トレーラー:https://youtu.be/rDaC7_5JtfY
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/Xi-yG8okL9c

■主催者公式サイト:http://indoeiga.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2017/02/om-namo-venkatesaya-telugu-2017.html
※2月10日の現地公開後に追記の予定

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームは、こちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

ONV2.jpg

【概略】
ティルマラ・ティルパティ寺院の縁起と、最も有名な帰依者であるハティーラーム・バーワージー(バーバーとも)の行跡を描いたバクティ映画。おそらく後者がメインになるものと思われる。

ティルパティ寺院は「東方のバチカン」と形容されることもある、世界有数の裕福な寺院。その人気は全国区で、ラーヤラシーマの僻地であるにも拘わらず、門前町に空港を擁するほど。主神はヴェーンカテーシュワラで、ヴィシュヌと同一視されるが、ここではこの名で呼ばれている。

ティルパティ寺院縁起はこれまでテルグ映画で何度か映画化されている。特にNTRシニアによるもの(Sri Venkateswara MahatyamSri Tirupati Venkateswara Kalyanam)が有名。天界での揉め事が原因で、シュリーニヴァーサという無垢な若者に変じて地上に降り立ったヴィシュヌ神が、信仰心篤い人々に助けられて生活し、やがてトンダイマンダラム国の王女パドマーヴァティと恋に落ち、財神クベーラの助けで結婚する。神性を取り戻したシュリーニヴァーサは、その地でヴェーンカテーシュワラ神として祀られることになる。ラクシュミとパドマーヴァティは二人の神妃として主神の両脇に配置されることとなる。また、イスラーム教徒の王女でありながら、ヴェーンカテーシュワラ神に一途な帰依を捧げ、ついには神妃の一人となったビーウィー・ナーンチャランマのエピソードが後日談で加わることもある。

ハティーラーム・バーワージーのエピソードは、上記の寺院縁起のエピローグとして語られることが、これまで多かった。16世紀に実在したと言われるバーワージーは、今日のウッタル・プラデーシュ州の出身。巡礼でティルパティを訪れ、篤い信仰心から神像の元を去ることができなくなり、寺院に隣接する洞窟のような庵に住み着いてしまう。彼を嘉したヴェーンカテーシュワラ神は、夜毎に至聖所から抜け出し、バーワージーを相手に双六を楽しむ。ある日、神はくつろいだ中で外した宝飾品をバーワージーの元に置き忘れる。かねてより彼を快く思っていなかった寺院付きの僧侶たちは、バーワージーを盗人としてラージャーに引き渡す。ラージャーは彼に過酷で奇妙な刑罰を科すが、ヴェーンカテーシュワラ神の助けでバーワージーの無罪は証明され、彼は聖人と敬われるようになる。上記伝説の詳細についてはこちらなど。バーワージーの創立した僧院は1933年まで存続し、その後寺院の運営はTTD (ティルマラ・ティルパティ・デーヴァスターナム)に引き継がれることになった。

ONVcast.jpg

【主要キャラクター/キャスト】
■ハティーラーム・バーワージー/ナーガールジュナ
これまでの映画作品では、バーワージーは、無力で無垢な老人として造形されてきた。エピソード自体も十数分の短い挿話でしかなかった。しかし今回、大スター・ナーガールジュナがこれを演じ、映画全体のメインテーマになるのならば、これまでとは違う、アクティブで闘争的な、カリスマ宗教者としての聖人像が描かれるのかもしれない。いわゆる「バクティ・コミュニズム」すら暗示されるかもしれない。
■クリシュナンマ/アヌシュカ・シェッティ
架空のキャラクター。バーワージーを師と仰ぐ女性信徒であるらしい。同時に、タミルのバクティ運動における12聖人のひとり、9世紀初頭の女性詩人アーンダール(ゴーダーデーヴィとも)からインスピレーションを得て造型された人物像ともいわれている。アーンダールは幼時からクリシュナ神への信仰が篤く、人間の男との結婚を拒み続け、ついにはクリシュナ神の神妃となったという伝承をもつ聖人。また、幼時の逸話として、神像に花輪を奉納する際に、常にそれを一度自分の首に掛けてから捧げていたというものがある。父は神への非礼として彼女をたしなめたが、クリシュナ神自身が彼女を擁護したという。これはその後のクリシュナ神との結婚を暗示するものと思われる。アーンダールの詩は、現在でも特に良縁を望む未婚女性たちによって儀礼の際に歌い継がれている。
ただし、現状で流通しているアヌシュカのスチル写真には、上記の女性詩人のイメージとは全くかけ離れたものもあって、恐らくソングシーン中でのバリエーションなのだろうが、様々な情感の表現が予想され、大変に楽しみである。
■ヴェーンカテーシュワラ神/サウラブ・ラージ・ジェイン
ヴィシュヌと同一視されるティルパティの主神。劇中ではゴーヴィンダー、ナーラーヤナ、バーラージなどの異名も使われると思われる。サウラブ・ラージ・ジェインはデリー出身で、主としてTVで活躍する。過去にも神話ものドラマでクリシュナ神を演じている。モデルも兼業しているこの人、長身で知られるナーガールジュナと並んでも優に頭一つ分は高い。そんなところも、神様役への抜擢の理由なのかもしれない。このニイちゃんに難癖つける気はない。しかしまあ、テルグファンとしてひとこと言わせてもらうならば、何でNTRジュニアを引っ張ってこないんじゃ~ ( ̄д ̄)
■ラージャー/ジャガパティ・バーブ
窃盗の嫌疑をかけられたバーワージーを裁く王。説話中では単に王としか言及されないことが多いが、16世紀初頭にヴィジャヤナガル王国を治め名君と謳われたクリシュナデーヴァラーヤとする説もある。〔2017.02.12追記〕これは間違い。バーワージーを裁く王はサンパトラージが演じている。
■バヴァーニ/プラギヤー・ジャイシュワール
バーワージーの従妹にあたる女性。バーワージーに想いを寄せている。
■?/ブラフマーナンダム
それでもやっぱりブラフミーは出てくるのか、やっぱりテルグ映画大作にはこの人は縁起ものとして欠かせないのか。写真は本作のスチルではない。

ONV3.jpg

【トリヴィア】
2012年の Shirdi Sai から5年ぶり、久しぶりに本格的な神話&バクティ映画がやってきた。しかも再びナーガールジュナとKラーガヴェーンドラ・ラーオのコンビだ。

主演のナーガールジュナは、ロマンチック・ヒーローを得意としているが、過去作品 Annamayya (Telugu - 1997) Dir. K Raghavendra Rao の圧倒的成功により、バクティものの第一人者とも見なされている。この二人がタッグを組んだ神話&バクティ映画としては4作目となる本作は、大いなる期待を集めて明日2月10日に公開される。日本公開が近づく『バーフバリ 伝説誕生』にも登場するアヌシュカ・シェッティにも大注目。

音楽は、『マッキー』『あなたがいてこそ』『バーフバリ 伝説誕生』を手掛けたMMキーラヴァーニ。こちらのトラックリストを見ればわかるように、133分というテルグ映画にしては比較的短いランタイム中に、12曲の楽曲を入れてきた。歌い倒し、踊り倒す、絢爛豪華な宗教ミュージカルが予想されて期待が高まる。

投稿者 Periplo : 17:54 : カテゴリー バブルねたtelugu
| コメント (0)

2017年02月05日

2月のカンナダ映画上映

タイトルは「アブねえ奴ら」か、「ウザい奴ら」か、あるいは「飛んで火にいる夏の虫」とでも?
KParty1.jpg

Kirik Party (Kannada - 2016) Dir. Rishab Shetty

原題:ಕಿರಿಕ್ ಪಾರ್ಟಿ
タイトルの意味: ‘Kirik’ means ‘someone who gets into trouble often’ という説明がここにある

Cast:Rakshit Shetty, Rashmika Mandanna, Samyuktha Hegde, Aravind Iyer, Dhananjay Ranjan, Chandan Achar, Ashwin Rao Pallaki, Pramod Shetty, Shankar Murthy, Achyuth Kumar, Raghu Pandeshwar, Arohitha Gowda, Giri Krishna, Hanumanthe Gowda, Raaghu Raamanakoppa, Ragvendra, Rajath Kumar, Salman Ahamed, Shankar Murthy, Arun Prakash Shetty, Sriharsha Koppa, Aishwarya, etc.

Music:B Ajaneesh Loknath

公式トレーラー(英語字幕つき):https://youtu.be/IfvnbER_6sQ
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/CXKeGTsF5PI

■開催日:2017年2月11日(土・祝)
■時間:13:00開映(チケット販売・引き換えは12:00から、開場は12:30ごろ、映画は16:00頃に終了予定)
■料金:大人1500円、12-16歳の子供1000円、12歳以下の子供は無料
■字幕: 英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約165分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/access/
※インターミッションに別料金でスナックの販売あり。

■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/Kirikparty
■主催者:東京カンナダ人会(Tokyo Kannada Balaga)、公式サイトなし
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2017/02/kirik-party-kannada-2016.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームはこちら。万が一の直前の急な変更などもメールで受信できるようになります。なお、この申し込みフォームはオートリプライに対応していません。申し込みから確認メール返送までしばらく時間がかかることがあります。
※フォーム中のI will collect the tickets at/fromはvenueを選択すればOK。一番下のI know and understand Tokyo Kannada Balagaはyesをチェック(TKB=Tokyo Kannada Balagaとは在京カンナダ人会のこと)。

【粗筋】
カルナータカの地方都市(どうやらハーサンであるらしい)にある工科大学に在学するカルナ(Rakshit Shetty)の入学から卒業までの日々を描く。カルナは、勉強よりは同級生たちとツルんでの悪ふざけや、他学年や他学部の生徒たちを相手にしたラギンング合戦にうつつを抜かすようなお気楽学生。3つ上の学年上のサーンヴィ(Rashmika Mandanna)に一目惚れして彼女の気を惹こうとする。そのアタックはうまく行くかのように見えたが、運命は別の答えを用意していた。

KPartyCast.jpg
【主要キャラクター/キャスト】
■カルナ/ラクシト・シェッティ
マレナード工科大学(Malnad Collage of Engineering)の機械工学部の学生。悪ふざけではリーダー格で、仲間からの信頼も厚い。今回でやっと6本目となる東京カンナダ人会の上映で、その半分の3本に出演するラクシト。茫洋とした顔立ち(婉曲表現)&ボディビルとは無縁の体躯、近隣映画界だったらスターになることは難しいと思わせるものがあるが、2014年の Ulidavaru Kandanthe での監督としての成功のインパクトが大きく、新世代の映像作家の感性を持つ演じ手として、その出演作に常に注目が集まっているようなのだ。本作でもストーリー&脚本とプロデュースを自ら手掛けている。
■サーンヴィ/ラシュミカー・マンダンナ
カルナの上級生、勉強のできる眼鏡美人。クールグ出身のラシュミカーはこれがデビューとなる20歳。現役の学生でモデルをやっていたというが、それはバイト程度のもので、モデルとして成功する前にいきなり本作でブレイク。ダルシャンの次作への出演が決まっているほか、テルグ映画からのオファーも来ているらしい。母語はコダグ語なので、本作のためにカンナダ語の特訓を受けたと語っている。
■アーリヤ/サムユクタ・ヘグデ
カルナの学生生活に登場するもう一人のヒロイン。サムユクタ・ヘグデもまた本作がデビューで、バンガロールで生まれ育った現役学生、(撮影時点で)17歳。各種のスタイルのダンスにも情熱を傾けているという。インタビューで今後の抱負を尋ねられて、女性が中心の映画に出たいと優等生回答をするところでは「あ~はいはい」だったが、「マーラシュリー姐さんみたいなアクション映画も」というのには恐れ入った。この子は見どころがある。

残りの野郎どもは面倒くさいので集合写真で。主演のラクシト(中央)とプラモード・シェッティ(左端)以外は、ほとんどが新人だという。
KPary2.jpg

【トリヴィア】
一昨年に公開されて爆発的なヒットを記録したマラヤーラム映画 Premam へのカンナダ映画からの回答なのかなんなのか、ともかく学園青春ものなのだ、それもミュージカル仕立ての。ミュージカルと言ったって、ほとんどのインド映画は外から見れば大雑把にミュージカルと言われてしまう訳だけど、インド映画一般からさらに踏み込んでナラティブ自体に音楽が組み込まれているという。これはどちらかと言えば珍しい部類に入るのではないかと思う。もう一つ重要なのがノスタルジー。本作の年代設定がいつ頃なのかは明示されず、同時代であるらしいことが各種レビューから読み取れるのだが、作中にウペンドラの A (Kannada - 1998)を見るシーンがあったり、パクリかオマージュかで大いに揉めた末に本編からカットされた劇中歌 ♪Hey Who Are You が、ラヴィチャンドラン+ジュヒー・チャーウラー主演の Prema Loka (Kannada - 1987)の ♪Madhyarathhrilli からのイタダキだったり、懐かしくも甘酸っぱくも痛痒い雰囲気がたちこめて、見るほうも覚悟が必要だ。なぜなのかははっきり分からないのだが、大卒インド人が大学時代に対して抱く思い入れというのはかなり強烈で、悪ガキ成長物語の中にも大いなる学園青春賛歌が込められていることが予想される。

公式グッズアプリもあるよ。
Kparty3.jpg

投稿者 Periplo : 18:57 : カテゴリー バブルねたkannada
| コメント (0)