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2017年04月30日

5月のマラヤーラム映画

マラヤーラム映画界からの Airlift への返答なのか、どうなのか。実話からヒントを得たスリラーであるという。

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TAKE OFF (Malayalam - 2017) Dir. Mahesh Narayan

原題:ടേക്ക് ഓഫ്
タイトルの意味:離陸

Cast:Parvathy Menon, Kunchacko Boban, Fahadh Faasil, Prakash Belawadi, Asif Ali, Parvathi T, Anjali Aneesh Upasana, Prem Prakash, Prashant Nair, Rukhsar Rehman, Alencier Ley Lopez, Devi Ajith, Divyaprabha, Vishnu Prakash, Joju George, Sidhartha Siva, etc.

Music:Shaan Rahman, Gopi Sundar (BGM)

映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/TakeOff.Malayalam/
公式トレーラー(英語字幕付き):https://youtu.be/vzYSKjxtKNg
プロモソング:https://youtu.be/qcjU_henIew

■開催日:2017年5月13日(土)
■時間:15:00開映(チケット販売・引き換えは13:30ごろから、上映は17:45ごろ終了予定)
■料金:大人2200円、5-15歳の子供1000円、5歳未満の子供は無料(座席なし)
■字幕: 英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば139分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/visit/access/
※インターミッションに別料金でスナックの販売あり。浅草の南インド料理店サウスパークによるケータリング。以下の申し込みページからチケットとともに予約可。

■主催者公式サイト:http://www.celluloidjapan.com/en/home/index
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2017/04/take-off-malayalam-2017.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームの入り口はこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

【粗筋】
31歳の看護婦サミーラ(Parvathy Menon)は、経済的な理由から中東への出稼ぎを希望していた。超保守的な婚家との軋轢から離婚した彼女は、夫ファイサル(Asif Ali)のもとに8歳の息子を委ね、単身で働きながらビザがおりるのを待っていた。その後、よき理解者である同僚のシャヒード(Kunchacko Boban)と再婚し、イラクのティクリートに渡った彼女は、事前には知らされていなかった現地の惨状に驚く。そこは実質的な戦場だったのだ。ほどなくして、その地を支配していたISが撤退する際に、ケーララ出身の看護婦たちを人質として拉致してしまう。その中にはシャヒードと離れ離れになってしまったサミーラもいた。

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【主要キャラクター/キャスト】
■サミーラ/パールヴァティ・メーノーン
意志の強いタフなワーキング・ウーマンだが、繊細な感情も併せ持つ31歳。逼迫した実家の財政事情を何とかしようと、中東への出稼ぎを志す。アラブ諸国への出稼ぎ者の数ではインドでトップのケーララ州だが、同時に看護婦をインドの他地域や中東など外国に多数送り出していることでも有名。マラヤーリー・ナース・オン・ザ・ムーンというジョークがあるくらいだ。演じるパールヴァティは『チャーリー』や、Ennu Ninte MoideenUttama VillainBangalore Days で既におなじみ。
■シャヒード/クンチャーコー・ボーバン
サミーラと同じ病院に勤める看護士。進歩的な考えの持ち主で、働く彼女を支えて共にイラクに赴くが、戦乱の中で離れ離れとなってしまう。チャコーチャンことクンチャーコー・ボーバンについては5年も前になってしまったが、割と詳しく紹介した。スチル写真だけでは、この人のマラヤーラム映画界でのプレゼンスの重さは理解できないかもしれないが、スターとしてではなく演技者として見れば、モーハンラールの後継者と呼ぶにふさわしいと筆者は考えている。日本のスクリーンにチャコーチャンが初めて登場するのが、同じく芝居で定評のあるパールヴァティとファハドとの共演作であるというのは、非常に幸運なことだ。
■マノージ・アブラハム/ファハド・ファーシル
在イラク・インド大使館の外交官。大変なキレ者で、外交的な手練手管を駆使して、人質になった看護婦たちの救出に努める。Bangalore DaysMaheshinte Prathikaram が上映済みのファハドは、3年前に紹介した際には、最も出演本数の多い売れっ子若手だったが、現在は少し落ち着き、前作から1年ぶりの登場となったが、この大ヒット作によって2017年も幸先良いスタートとなった。
■ファイサル/アーシフ・アリ
サミーラの夫だが、家庭内の軋轢から離婚し、子供を引き取ることになる。特別出演に近い短い出番だが、アーシフ・アリは日本では Apothecary から3年ぶりの登場となる。
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【トリヴィア】
代表作 Traffic をはじめとした僅か5本の作品を残し、マラヤーラム・ニューウェーブの立役者の一人だったラージェーシュ・ピッライ監督は昨年2月に41歳で急逝した。ケーララの映画業界人やファンは、この知らせに深いショックを受けたが、RP組とでもいうべき技術スタッフたちは、作品を作ることで手向けにしようと考えたのだという。そのRP組で腕利き編集マンとして活躍していたマヘーシュ・ナーラーヤンが、初めて監督としてメガホンをとった本作は、RP作品を彷彿させる張り詰めたスリラーとなり、3月下旬の封切り以来、現在もヒット記録を更新中である。

冒頭に Airlift の名前を挙げたが、共通しているのは中東を舞台にした脱出劇であるというだけ、Airlift が1990年代のクウェートを舞台にしていたのに対し、こちらはまだ記憶も生々しい、2014年のイラクでのISによる人質事件だ。ケーララでは考えられない高給に惹きつけられてやってきた46人の看護婦たちだったが、ティクリートに着いてから、そこが実質的な戦闘地域であることを知る。勤務先の病院に寝起きし、市街には一切出られない軟禁生活。やがてイラク人の同僚たちが街を脱出し始める。市中での砲撃戦が激しさを増していき、6月末に病院のある地区はISの支配下となり、看護婦たちは負傷したIS戦闘員の手当てを命じられることとなった。翌月に入り、看護婦たちはまとめてバスに乗せられ、やはりIS支配地域であるモスルに向かうことを告げられる。病院での勤務の末期の頃から、彼女たちは恐怖の中で、在バグダード・インド大使館および当時のケーララ州首相ウンマン・チャーンディに宛てて、携帯電話からメッセージを送り続けていた。息詰まるバスの旅の後、モスルについた彼女たちは、そこでインド大使館員の出迎えを受け、ついに帰国の途に就くことができた。ISとインド政府との間での、水面下の何らかの交渉があったものと思われるが、その内実は今日も明らかにはされていない(参考)。

以上が、実際に起きた人質事件の概要だ。映画中では、この流れに沿いながらも、若干ドラマチックな改変がされている。なお、無事帰国した看護婦たちの受難はそれだけでは終わらなかったという。イラクに出発する際にブローカー業者に支払った、彼女たちにとっては巨額のビザ+渡航手数料を回収することができなくなってしまったからだ。

こうした「昨日の歴史」を描いた作品はマラヤーラム映画ではまだそれほど多くないし、戦争にまつわるものとなると、予算の制約からショボいものになっちまわないかと不安になるのだが、巧みな脚本と演出によってそれは回避されたようで、批評家から絶賛され、興行的にも大成功の一作となっている。以前の別作品のプレビューで、マンジュ・ワーリヤルが「女モーハンラール」と呼ばれていると書いたことがあったが、本作に主演のパールヴァティは、今や20代(←多分)でマンジュの後を追いかけるトップ女優と言っていいだろう。その彼女が、やはり芸達者のクンチャーコー&ファハドとタッグを組むというのだから、これはどうしても見逃せないものとなるだろう。

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投稿者 Periplo : 02:23 : カテゴリー バブルねたkerala
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2017年04月02日

4月のマラヤーラム映画

86人の新人が一気にデビューと言えば聞こえはいいが、要は素人俳優をかき集めたということ。しかしそれが異例のヒットとなってロングラン中というのだから、そりゃ見なきゃという気にさせられる。しかしまあ何より気になるのは豚ちゃんだ。

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Angamaly Diaries (Malayalam - 2017) Dir. Lijo Jose Pellissery

原題:അങ്കമാലി ഡയറീസ്
タイトルの意味:アンガマーリ日記(アンガマーリはコーチン近郊の実在の町

Cast:Antony Varghese, Reshma Rajan, Ullas Jose Chemban, Kichu Tellus, Vineeth Vishwam, Bitto Davis, Tito Wilson, Sarath Kumar , Sinoj Varghese, Merin Jose Pottackal, Sreekanth Dasan, Anandhu, Anson Antony, Binny Rinky Benjamin, Sruthy Jayan, Amrutha Anna Reji, Jolly Chirayath, Athira Patel, Sreeja Das, Benny Varghese, Akash Dev, Milton Raju, Sandeep C, Chemban Vinod Jose, etc.

Music:Prashant Pillai

■開催日:2017年4月8日(土)
■時間:15:00開映(チケット販売・引き換えは14:00ごろから、上映は17:45ごろ終了予定)
■料金:大人2200円、5-15歳の子供1000円、5歳未満の子供は無料(座席なし)
■字幕: 英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば132分
■会場:千葉県市川市、イオンシネマ市川妙典(こちら参照)

映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/Angamalydiaries/
公式トレーラー(英語字幕付き):https://youtu.be/4yRBJCrjabU
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/Xgpf0gixtzU

■主催者公式サイト:http://www.celluloidjapan.com/en/home/index
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2017/03/angamaly-diaries-malayalam-2017.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォーム入口は、こちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

【粗筋】
コーチン北郊のすすけた町アンガマーリ。その住人たちは独特の方言と、豚肉料理への嗜好によって知られていた。アンガマーリの慎ましい家庭に生まれたヴィンセント・ペッペ(Antony Varghese)は、勉強が苦手な平凡な子供だったが、草サッカーのエースで同時にギャングでもあるバーブジーに憧れ、自分もギャングになることを考える。学校からドロップアウトした彼は、曲折の末に、仲間たちとともに豚肉仲買のビジネスを始めることになる。物事が順調に運びかけたかに見えたその時に、予期せぬトラブルが彼らを襲う。

【主要キャラクター/キャスト】
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■ヴィンセント・ペッペ/アーントニ・ヴァルギース
アンガマーリ生まれの短気で喧嘩早い男。勉強が苦手でギャングになることに憧れる14歳から、様々な運命の変転を経験した30歳過ぎまでが描かれる。演じるアーントニ・ヴァルギースは、86人の新人の一人で、これまでは短編映画に出演していた人だという。舞台となるアンガマーリの出身。
■リッチ/レーシュマ・ラージャン
ヴィンセントの恋人。演じるレーシュマは看護婦さんをやっていた人だそうだ。
■アッパーニ・ラヴィ/サラト・クマール
ヴィンセントと対立するグループのボス。サラト・クマールはアーントニと並んで本作の新人俳優の中では最も評価された演技者であるという。
■チェンバン・ヴィノード・ジョース(自身の役で特別出演)
チャーリー』の船頭さん役でこの顔を覚えている人も多いはず。本作では一番名前の知られた演技者として特別出演をするだけではなく、脚本家として屋台骨を支えており、称賛が寄せられている。やはりアンガマーリの出身。

【トリヴィア】
マラヤーラム・ニューウェーブ映画の旗手の一人と言っていいであろうリジョー・ジョース・ペッリッシェーリ監督の日本初上映。2010年にリベンジ・スリラー Nayakan でデビュー。翌年の City of God は、いわゆるグランドホテル形式。いずれもスタイリッシュな映像への志向性が高いものの、それが上滑りした感のあるものだった。大化けしたのは三作目の Amen によって。伝統的な生活を送るクリスチャンのコミュニティを舞台に、魔術的リアリズムと形容したくなる寓話的空間を創出し、批評家から高い評価を得るとともに、興行的な成功も収めた。一作おいて第五作目となる本作では、一転してリアリズムによって田舎町の暴力的な年代記を描く、「ハードコア・ローカル(katta local)映画」だという。タミル・ニューウェーブを見ている現地の映画好きには、やっと我々の間からも SubramanyapuramSoodhu Kavvum みたいなのが出てきた~と感激してる連中もいるという。「リアリスティック」と「ロウ(raw)」というのは、今やインテリ系シネゴアーの呪縛みたいなものになってる感があるな。

このLJP監督の作風として特異なのは、スタイリッシュ映像への志向性、そしてブラック・ユーモアとともに、技術的な局面で様々な実験を試みること。今作でのチャレンジは、1000人近いエキストラを画面に収めたクライマックスシーンを11分の長きにわたってワンショットで撮ったということらしい。どれほどの技巧をもってしても、そして86人の新人という記録破りのキャスティングをもってしても、たった一人のスターが出る映画には敵わないのがインド娯楽映画の世界。100にも満たないスクリーンで3月3日に封切られた本作だったが、すぐに評判となり、現在も快進撃を続け、ブロックバスターへの道を驀進中という。

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いやともかく、どんな豚肉料理が出てくるのか、それが一番楽しみだったりする。

投稿者 Periplo : 01:56 : カテゴリー バブルねたkerala
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