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2018年05月29日

6月のJ-テルグ

ここのところ、伝記映画というのがじわじわとトレンドになってきているようなのだ。
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Mahanati (Telugu- 2018) Dir. Nag Ashwin

原題:మహానటి
タイトルの意味:Great Actress
タイトルのゆれ:Nadigaiyar Thilagam(タミル語版)

Cast:Keerthi Suresh, Dulquer Salmaan, Samantha Akkineni, Vijay Devarakonda, Rajendra Prasad, Tanikella Bharani, Bhanupriya, Malavika Nair, Shalini Pandey, Tulasi, Divyavani, etc.
Guest appearance:Naga Chitanya, Mohan Babu, Prakash Raj, Naresh, Srinivas Avasarala, Krish, Sandeep Vanga, Tharun Bhascker Dhaassyam, Sai Madhav Burra

Music:Mickey J Meyer

公式ティーザー集:https://youtu.be/OrnYMmWBuV4
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/oeMAz3VkJG0

■開催日:2018年6月3日(日)
■時間:開映13:00(チケット引き換えは12:00ごろから。映画は16:00ごろに終了予定)
■料金:大人2400円(前日までの予約で2200円)、5-12歳の子供1400円(前日までの予約で1200円)、5歳以下の子供は無料(座席なし)
■字幕: 英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約173分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/visit/access/
※開映前のランチ及びインターヴァルのスナックの有無については確認中。後日追記予定。

■映画公式サイト:なし
■主催者公式サイト:http://indoeiga.com/
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.jp/2018/05/mahanati-telugu-2018.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームはこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。

【粗筋】
1981年、大女優サーヴィトリは45歳にして死の床にあった。なぜ彼女が昏睡状態に陥っているのかを知る者は少なかった。ライターのマドゥラヴァーニ(Samantha Akkineni)は、カメラマンのアントニー(Vijay Devarakonda)と共に、その手掛かりを求めて取材を始める。そこから彼女は「大女優」のタイトルを冠して呼ばれていたサーヴィトリの、才能あふれる幼年時代、新進女優としての苦労の時代、スターダムの栄光と愛のための苦悶、その波乱の人生の様々なステージに分け入っていくことになる。


【主要キャラクター/キャスト】 
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■サーヴィトリ/キールティ・スレーシュ
1936年にマドラス管区グントゥール郡(今日のアーンドラ・プラデーシュ州)に生まれたサーヴィトリは、大衆芸能ハリカタにゆかりのある家族の中で、クーチプーディなどの各種の芸事を学びながら育った。ヴィジャヤワーダを中心に舞台に立っていたが、14歳にして映画界入りを希望してマドラスに移り住んだ。小さな役を求めてスタジオからスタジオに走り回る不安定な時期がしばらく続いたが、1952年の Pelli Chesi Choodu の成功によって道が開け、その後1960年代末まで、テルグとタミルを中心とした南インド映画の(ジャヤラリターと並んでの)トップ・ヒロインとして活躍することになる。代表的な出演作は、Devdasu (Telugu - 1953)、Maya Bazar (Telugu - 1957)、Pasa Malar (Tamil - 1961) など。マドラスに来てすぐに知り合ったジェミニ・ガネーサンと事実婚関係になり、2人の子供をもうけた。彼は16歳年上で、妻子もいた。キャリアの後半からアルコール依存症となり、それが結果的に早すぎる死をもたらした。また、女優業と並行して監督や製作にも手を染めた彼女は、それらの失敗によって経済的破綻に追い詰められていった(これはこの時代のスター俳優の凋落の典型的なパターンであった)。彼女がアルコール依存症となった原因は明らかにはなっていないが、多くのファンはジェミニ・ガネーサンの止まらない女性遍歴がサーヴィトリを酒への耽溺に追いやったと信じている。死後30年以上たった現在も熱烈な支持者は多く、ファンサイトも。演じるキールティは、これまでに Geethanjali、『レモ』などが日本で上映済み。ケーララ生まれ&チェンナイ育ちだが、初のテルグ・オリジナル映画主演でテルグ語のセルフ・ダビングにも挑戦して、見事成功させている。
■ジェミニ・ガネーサン/ドゥルカル・サルマーン
MGラーマチャンドラン、シヴァージ・ガネーサンと並ぶ、1950-70年代のタミル映画のトップスター。特にロマンス映画でヒットを飛ばしたため、「カーダル・マンナン(ロマンスの王)」と呼ばれた。実生活でもその女性遍歴が有名で、正妻アラメール、事実婚のサーヴィトリの他にも、テルグ女優プシュパヴァッリと関係をもち、生まれた子供がボリウッドで活躍するレーカーであるというのはよく知られた話。本名はラーマサーミ・ガネーサン。マドラスのジェミニ・スタジオに、まずキャスティング部門アシスタントとして入社し(サーヴィトリに出会ったのもその頃)、後に売れっ子俳優となり芸名をジェミニ・ガネーサンとした。孫息子の一人、アビナイ・ヴェッディも俳優になっている。演じるドゥルカルは、これまでに Bangalore Days、『チャーリー』などが日本で上映済み。ケーララ生まれ&チェンナイ育ちだが、初のテルグ・オリジナル映画主演でテルグ語のセルフ・ダビングにも挑戦して、見事成功させている。
■マドゥラヴァ―ニ/サマンタ・アッキネーニ
おそらくは架空のキャラクター。吃音障害をもちながらジャーナリストとして自立しようとする女性。演じるサマンタについてはもう紹介も不要だろうが、とりあえず新たな名前を記しておく。サマンタに限らず、どんなにキャリアを積んだ女優でも、結婚したとたん律義に夫の名前をくっつけて呼ぶ(呼ばされる?)インド映画界も大概にしないか(だいたい芸名なんだし)とは思うのだが、本作のテーマであるサーヴィトリ自身が、嬉々としてサーヴィトリ・ガネーサンとサインしたことによって事実婚が世間に知られたというエピソードもあるのだ。
■ヴィジャイ・アントニー/ヴィジャイ・デーヴァラコンダ
マドゥラヴァー二と共にサーヴィトリの生涯を追うカメラマン。演じるヴィジャイは、2012年に日本で上映された Life is beautiful にも出ていたはずなのだが、全く記憶にない。ともあれ、この人が圧倒的なスターダムに上ったのは、昨年のテルグ映画界で『バーフバリ2』と双璧をなす巨大ヒットとなった Arjun Reddy によって。伸び盛りの新進に注目しておきたい。

【主要な特別出演】 
■アッキネーニ・ナーゲーシュワラ・ラーオ(ANR)/ナーガ・チャイタニヤ
NTRと共に1950-70年代のテルグ映画界のトップスターだったこの人を、孫のチャイタニヤが演じる。現実のサーヴィトリも、デビュー前にはANRの大ファンだったという。
■SVラーンガ・ラーオ(SVR)/モーハン・バーブ
やはり1950-70年代の名優の1人。カリスマ・スターというよりはその演技力によって尊敬を集めていた人。
■KVレッディ/クリシュ
カディリ・ヴェンカタ・レッディは1950-60年代にテルグ映画界で活躍した監督。特にフォークロアと神話映画を得意とした。代表作は Maya Bazar
■アールール・チャクラパーニ/プラカーシュ・ラージ
1950年当時のマドラス屈指のスタジオ(その当時のインドでは、ハリウッド流のスタジオ・システムが機能していた)であるヴィジャヤ・ヴォーヒニ・スタジオの創設者の一人。脚本家・プロデューサーとして有名だが、同時に2013年まで続いていたテルグ語の子供向け絵入り雑誌『チャンダマーマ』の編集人でもあった。この雑誌は同時代の映画作品にも強い影響を与えたという。

【トリヴィア】
シェーカル・カンムラ監督のもとで学んだ、本作が長編第二作目となる新人監督ナーグ・アシュウィンの大作。デビュー作である Yevade Subramanyam は、ニューウェーブ指向がはっきりした自分探し系ストーリーで、頭でっかちな凡作だったが、不思議なほどにテルグの若い観客には受け入れられた。映画一家のヒーローが主演するアクション映画が相変わらず主流であるテルグ映画界にあって、リードペアが他州出身俳優、主役が女性である本作は、もうそれだけでマイナー路線決定というところだが、ふたを開けてみれば予想以上の大ヒット。もちろん作品の力が期待に応えたというのもあるだろうが、いまだに色褪せない不世出の大女優サーヴィトリへのテルグの人々の思いがヒットの後押しをしたことも充分に考えられる。一方で、タミル語吹き替え版の方もまずまずの興行成績であるようだが、タミルの衆にとっては「タミル女優」サーヴィトリという側面があまり表出されていないことへの不満もあるようだ。いずれにしても本作の主要な舞台はマドラス(現チェンナイ)。スタジオ・システム全盛期の「映画の都」マドラスのゴージャスな再現、そしてそれを追う1980年代のジャーナリストの描写、二段階のレトロ・ワールドに期待が持てる。

また、音楽監督ミッキーJ.メイヤルにも注目したい。上述のような極端なヒーロー中心の映画作りが主流のテルグ映画界では、映画音楽もまたテンプレート的な展開をしていることが常々批判されているが、そのなかでちょっとだけテイストの異なる楽曲を作っているのがこの人。ビート重視の楽曲が幅を利かせている中で、女性的な優しい世界を歌い上げるものに秀作が多い。特に『ジャスミンの花咲く家』、Brahmotsavam のサントラはそうした本領が発揮されたお勧め。

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投稿者 Periplo : 15:22 : カテゴリー バブルねたtelugu

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