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2018年09月30日

10月のカンナダ映画

カンナダ版『最後の授業』とも言えるけど、呑気成分が増し増し。
Sarkari1.jpg

Sarkari Hi. Pra. Shaale, Kasaragodu, Koduge: Ramanna Rai (Kannada - 2018) Dir. Rishab Shetty

タイトルのゆれ:SHPS Kasaragodu, Sarkari Hi. Pra. Shaale, Kasargod, Sarkari Hiriya Prathamika Shale Kasaragod (SHPSK), etc.
原題:ಸರ್ಕಾರಿ ಹಿ. ಪ್ರಾ. ಶಾಲೆ, ಕಾಸರಗೋಡು. ಕೊಡುಗೆ ರಾಮಣ್ಣ ರೈ
タイトルの意味:Government Higher Primary School Kasaragod : Donated by Ramanna Rai

Cast:Anant Nag, Ramesh Bhat, Ranjan, Sampat, Pramod Shetty, Saptha Pavoor, Mahendra Prasad, Manish Heroor, Democracy Sohan Shetty, Suraj, Prakash Thuminad, Rishab Shetty, Shanil Guru, Balakrishna Panniker, Radhakrishna, Jogesh, etc.

Music:Vasuki Vaibhav, B Ajaneesh Loknath (BGM)

公式トレイラー(英語字幕付き):https://youtu.be/oA-U1rR3pNc
全曲ジュークボックス:https://youtu.be/dvbzUAjV8Ao

■開催日:2018年10月7日(日)
■時間:開映13:00(チケット引き換えは12:00ごろから)
■料金:大人1500円、15歳以下の子供は無料
■字幕: 英語
■上映資材:DCP
■上映時間:ネット情報によれば約147分
■会場:埼玉県川口市、SKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザ http://www.skipcity.jp/visit/access/
※インターミッションに別料金でスナックの販売あり。

■映画公式サイト(FB):https://www.facebook.com/shpskasaragodu/
■主催者公式サイト:なし
■参考レビュー集成:http://periplosjottings.blogspot.com/2018/09/sarkari-hi-pra-shaale-kasaragodu-koduge.html

※事前予約をお勧めします。申し込みフォームはこちら。万が一の直前の急な変更や今後の案内などもメールで受信できるようになります。なお、この申し込みフォームはオートリプライに対応していません。申し込みから確認メール返送までしばらく時間がかかることがあります。
※フォーム中のI will collect the tickets at/fromはvenueを選択すればOK。一番下のI know and understand Tokyo Kannada Balagaはyesをチェック(TKB=Tokyo Kannada Balagaとは在京カンナダ人会のこと)。

【粗筋】
ケーララ州最北端のカーサラゴード地方の小村カランダッカード。そこにはカンナダ系住人の子弟のための公立カンナダ・ミーディアム(授業をカンナダ語で行う)初等学校があった。生徒数僅か53人のその学校は、ケーララ州教育省の支部からは常にお荷物扱いされており、生徒数減少や成績の不振、その他何かと理由をつけては揺さぶりをかけられていた。ある時赴任してきた数学の教師は、カンナダ語が一切できず、マラヤーラム語で授業を強行しようとして、生徒や父兄たちとの間で対立が深まる。そしてついに州中央から、学校閉鎖が通達される。万年7年生のプラヴィーナ(Ranjan)は、級友たちと共に、学校の再開を働きかけることができる人物を探してマイソールに赴く。彼らは、そこで出会った自称社会奉仕活動家P.アナンタ・パドマナーバ(Anant Nag)をカランダッカードに連れてくることに成功するが…。

【主要キャラクター/キャスト】 ※イメージは本作のスチル以外のものも含む
SarkariCast.jpg

■プラヴィーナ/ランジャン
落第を重ねたため同じクラスに3年もいる、7学年最年長の生徒。パッラヴィにほのかな思いを寄せている。
■パッラヴィ/サプタ・パヴール
プラヴィーナの同級生の女の子。
■マンムーティ/サンパト
プラヴィーナの同級生。カンナダ人なのにマラヤーラム映画のスターであるモーハンラールの大ファン。
■シャンタラーマ・ウパーディヤーヤ/プラモード・シェッティ
パッラヴィの父。ヤクシャガーナの劇団の座長で、カンナダ語アクティビストでもある。
■P.アナンタ・パドマナーバ/アナント・ナーグ
限りなく詐欺師に近い、怪しい小父さん。一文字違いのM.アナンタ・パドマナーバに付きまとっている。演じるアナント・ナーグについては以前に書いた
■M.アナンタ・パドマナーバ/ラメーシュ・バット
マイソール在住の社会活動家。

【トリヴィア】
カーサラゴードはケーララ最北端の都市/地方。1956年の「言語に基づく州界再編」以前は、マドラス州の南カンナダ行政区(Dakshina Kannada District)に属しており、カンナダ語地域の辺境と位置づけられていた。話されている言語は、マラヤーラム語、「トゥルヴァ・カンナダ」と称されるカンナダ語の方言、ビャーリ語(ムスリム方言)、コーンカニー語など。トゥルヴァ・カンナダ方言は、実際のところ、トゥル語という独立した言語であるという捉え方が普通だが、この作品の世界観に沿うならばカンナダ語の一方言ということになる。この地方でそれ以前から絶対数としても比率としても少数派だったカンナダ語話者は、州界再編によってケーララ州の中に取り残された格好になる。本作に出演のアナント・ナーグは、幼少期にまさにこのカーサラゴード地方の僧院(ここ)で教育を受けており、一夜にして店の看板や通り名の表記がマラヤーラム語に変わったことを回顧している(こちらの記事にあり)。言語に基づく州界再編と言っても、そうスッパリ線引きができるわけでもなく、カルナータカ州だけとってみても、北部のマラーティー語話者、南部のマラヤーラム語話者、東部のテルグ語話者など、さまざまな言語的マイノリティーを抱えている。それらが皆、社会問題化しているわけではないが、母語を使用する権利をめぐるあれこれは、いったん火がつくと激烈な闘争に転ずることがある。その最も巨大な例が、1971年のバングラデシュ(=東パキスタン)のパキスタンからの独立だろう。

自身がカルナータカ州沿海部クンダープラの出身でもある、リシャブ・シェッティ監督は、2016年の Kirik Party で大ヒットを飛ばし、本作が監督第3作目。上に述べたようなシリアスでセンシティブな問題を正面から描くことは避け、呑気な田舎の人間模様、子供たちの野放図さ、何よりも超美麗なマラバール・コーストの景観美を織り交ぜて、心地よい二時間半を作り出した。作中のソングで、カルナータカ州沿海部の芸能であるヤクシャガーナとケーララ州北部のテイヤムが共存している映像など、目の覚めるような驚きがある。そのクールさには、マラヤーラム映画 Guppy などと共通の美意識があるように感じられる。そして、そうは言ってもクライマックスには、カンナダ民族主義活動家の皆さんの拳を振り上げさせる演説もキメて、八方丸く収まる作りとした。カンナダ映画ファンだけでなく、マラヤーラム映画ファンも必見の一作。
 
こういうイメージにグッとくる。
Sarkari2.jpg

投稿者 Periplo : 04:21 : カテゴリー バブルねたkannada

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